台湾総督府殖産局

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台湾総督府殖産局(たいわんそうとくふしょくさんきょく)は、台湾総督府に置かれた内部部局。農業、工業、商業、水産業、林業、鉱業などを担当する部門である。

概要[編集]

1895年(明治28年)5月、台湾総督府が設置され、その民政局殖産部が設置された。これが殖産局の嚆矢である。1897年(明治30年)11月、殖産部が廃止された。

1901年(明治34年)11月、民政部に殖産局が設置された。1939年(昭和14年)7月 、米穀事務所を所掌する米穀局(後に食糧局と改称)を分離設置。1943年(昭和18年)12月、殖産局などを改編し、農商局鉱工局を設置し、食糧局を食糧部に改編し農商局の所掌とした。

沿革[編集]

  • 1895年(明治28年)
    • 5月 - 台湾総督府民政局に殖産部を設置。農務課、商工課を置く[1]
  • 1896年(明治29年) - 部内に農商課、拓殖課、林務課、鉱務課を置く。
  • 1897年(明治30年)11月 - 殖産部が廃止され[2]、民政局に殖産課を置く。
  • 1898年(明治31年)6月 - 民政局が民政部となる。
  • 1901年(明治34年)11月 - 民政部に殖産局を設置[3]。農商課、拓殖課、権度課を置く。
  • 1902年(明治35年)6月 - 台湾総督府に臨時台湾糖務局を設置[4]
  • 1905年(明治38年) - 農商課、林務課、鉱務課、権度課の四課となる。
  • 1909年(明治42年) - 農務課、商工課、林務課、鉱務課、権度課の五課となる。
  • 1911年(明治44年)
    • 5月 - 庶務課、農務課、商工課、林務課、鉱務課、権度課、林野調査課、移民課の八課となる。
    • 10月 - 臨時台湾糖務局を廃止し[5]、殖産局に糖務課を置き九課となる。
  • 1915年(大正4年) - 林野調査課を林野整理課に名称変更。
  • 1919年(大正8年) - 庶務課、農務課、糖務課、林務課、鉱務課、商工課、水産課、林野整理課の八課となる。
    • 8月 - 民政部が廃止され、台湾総督府殖産局となる[6]。庶務課、農務課、糖務課、鉱務課、商工課、水産課の六課となる。
  • 1920年(大正9年)9月 - 庶務課、農務課、糖務課、林務課、鉱務課、商工課、水産課の七課となり、新に営林所を所掌する。
  • 1921年(大正10年)8月 - 度量衡所を所掌。
  • 1924年(大正13年)12月 - 農務課、特産課、山林課、商工課の四課となる。
  • 1926年(大正15年)10月 - 特産課、農務課、商工課、山林課、鉱務課、水産課の六課となる。
  • 1939年(昭和14年)7月 - 米穀事務所を所掌する米穀局を分離設置。
  • 1941年(昭和16年) - この年の設置課は、特産課、農務課、商工課、鉱務課、山林課、水産課、物価調整課の七課。
  • 1942年(昭和17年)11月 - 総務課、商政課、鉱務課、農務課、山林課、水産課の六課となり、営林所を山林事務所と改称。
  • 1943年(昭和18年)12月 - 殖産局などを改編し、農商局(農務課、水産課、山林課、商政課)、鉱工局(総務課、工業課、労政課、鉱務課、電力課、土木課)を設置。食糧局を食糧部(経理課、米穀課、食品課、食糧部事務所)に改編し農商局の所掌とした。
  • 1944年(昭和19年)5月 - 鉱工局に地質調査所を設置。

機構[編集]

1945年現在[7]

  • 鉱工局
    • 国民動員課、工業課、鉱務課、電力課、土木課
  • 農商局
    • 農務課、耕地課、山林課、水産課、商政課
    • 食糧部 - 庶務課、米穀課、食品課

歴代局長[編集]

殖産局長・農商局長[編集]

氏名 在任期間 備考
台湾総督府民政局殖産部長
橋口文蔵 1895年5月21日 - 心得
不明 1895年8月6日 -
押川則吉 1896年4月23日 -
(1897.11.1殖産部廃止)
台湾総督府民政部殖産局長
新渡戸稲造 1901年11月11日 - 1904年6月14日 心得
祝辰巳 1904年6月15日 - 1904年7月9日 心得
祝辰巳 1904年7月9日 - 1906年4月14日 兼務
祝辰巳 1906年4月14日 - 1906年11月13日
竹島慶四郎 1906年11月13日 - 1907年4月1日 心得
宮尾舜治 1907年4月1日 - 1910年9月15日
高田元治郎 1910年9月15日 - 1919年8月20日
台湾総督府殖産局長
高田元治郎 1919年8月20日 - 1921年9月17日
川崎卓吉 1921年9月17日 - 1922年4月1日
喜多孝治 1922年4月1日 - 1924年12月23日
片山三郎 1924年12月23日 - 1927年7月27日
高橋親吉 1927年7月27日 - 1928年7月21日
内田隆 1928年7月21日 - 1929年8月10日
百済文輔 1929年8月10日 - 1931年5月8日
殖田俊吉 1931年5月8日 - 1933年8月4日
中瀬拙夫 1933年8月4日 - 1936年10月16日
田端幸三郎 1936年10月16日 - 1939年12月27日
松岡一衛 1939年12月27日 - 1941年5月14日
石井龍猪 1941年5月14日 - 1942年10月14日
須田一二三 1942年10月14日 - 1943年12月1日
台湾総督府農商局長
須田一二三 1943年12月1日 -

鉱工局長[編集]

氏名 在任期間 備考
森部隆 1943年12月1日 - 1945年1月12日
森田俊介 1945年2月28日 -

脚注[編集]

  1. ^ 台湾総督府仮条例(明治28年5月21日)
  2. ^ 台湾総督府官制(明治30年10月21日勅令第362号)
  3. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(明治34年11月11日勅令第201号)
  4. ^ 臨時台湾糖務局官制(明治35年6月18日勅令第163号)
  5. ^ 台湾総督府官制中改正臨時台湾糖務局官制廃止ノ件(明治44年10月16日勅令第260号)
  6. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(大正8年8月20日勅令第393号)
  7. ^ 参考文献『台湾統治概要』「台湾総督府行政機構一覧表」。

参考文献[編集]

  • 台湾総督府編『台湾統治概要』明治百年史叢書、原書房、1973年(昭和20年刊の複製)。
  • 伊藤博文編『秘書類纂』台湾資料、明治百年史叢書、原書房、1970年(秘書類纂刊行会昭和11年刊の複製)。
  • 岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年。
  • 秦郁彦編『日本官僚制総合事典:1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

関連項目[編集]