国鉄タキ29100形貨車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国鉄タキ29100形貨車
タキ29100形、コタキ29117 2007年11月、半田埠頭駅
タキ29100形、タキ29117
2007年11月、半田埠頭駅
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
日本貨物鉄道(JR貨物)
所有者 宇部興産
三菱化成工業→三菱化成→三菱化学
旭化成工業日本陸運産業
日産化学工業
製造所 川崎重工業三菱重工業富士重工業
製造年 1976年(昭和51年) - 1995年(平成7年)
製造数 27両
消滅 2009年(平成21年)
常備駅 宇部港駅黒崎駅
主要諸元
車体色
専用種別 濃硝酸
化成品分類番号 侵(禁水)84
軌間 1,067 mm
全長 12,000 mm
全幅 2,634 mm
全高 3,660 mm
タンク材質 アルミクラッド
荷重 35 t
実容積 23.3 m3
自重 17.2 t
換算両数 積車 5.0
換算両数 空車 1.6
台車 TR225、TR213C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,500 mm
最高速度 75 km/h
テンプレートを表示

国鉄タキ29100形貨車(こくてつタキ29100がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要[編集]

登場の背景[編集]

1974年(昭和49年)、全自動化された貨車操車場である武蔵野操車場が開業し、強度に難のある純アルミニウム製タンク車は武蔵野操車場を通過禁止する措置が取られた。純アルミ製タンク車はステンレス等に移行したが、濃硝酸専用車については代替可能な材質がなかったため、1975年(昭和50年)に製作したタキ29000形は純アルミで製作せざるを得なかった。

構造[編集]

本形式は、濃硝酸専用の35t 積タンク車として1976年(昭和51年)4月26日から1995年(平成7年)2月にかけて7ロット27両(タキ29100 - タキ29126)が川崎重工業三菱重工業富士重工業の3社にて製作された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

本形式を開発に当たっては、純アルミ製タンク車における武蔵野操車場通過禁止の解消と強度を確保するために外面はアルミニウム合金、内面が純アルミからなるアルミクラッドという構造を採用した。この構造は世界初でもある。これにより、従来の濃硝酸専用タンク車で見られた「純アルミ」「連結注意」の表記がなくなり、タンク体には小さく「アルミクラッド」と標記された。

1976年(昭和51年) - 1979年(昭和54年)製のタキ29100 - タキ29120と1993年(平成5年) - 1995年(平成7年)製のタキ29121 - タキ29126とではタンク体の構造が異なっている。外周には保冷のためにステンレス鋼製の遮熱用の外板(キセ)を取り付けている。

落成時の所有者宇部興産、三菱化成工業(その後社名は三菱化学へ変更)、旭化成工業日産化学工業の4社である。その後旭化成工業所有車5両(タキ29116 - タキ29120)が日本陸運産業へ名義変更された。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。

車体色は銀色(ステンレス鋼地色)、寸法関係は全長は12,000mm、全幅は2,634mm、全高は3,660mm、台車中心間距離は7,500mm、実容積は23.3m3、自重は17.2t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車ベッテンドルフ式タキ29100 - タキ29117はコロ軸受のTR225、タキ29118 - タキ29126は改良型のTR213Cである。

輸送体系の変化(濃硝酸輸送のコンテナ化)により、2003年(平成15年)から廃車が始まり、2009年(平成21年)度に最後まで在籍した15両が廃車となり同時に形式消滅となった。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。(所有者は落成時の社名)

  • 昭和51年度 - 12両
    • 川崎重工業 7両 宇部興産(タキ29100 - タキ29102、タキ29108 - タキ29111)
    • 三菱重工業 5両 三菱化成工業(タキ29103 - タキ29107)
  • 昭和53年度 - 4両
    • 三菱重工業 4両 三菱化成工業(タキ29112 - タキ29115)
  • 昭和54年度 - 2両
    • 川崎重工業 2両 旭化成工業(タキ29116 - タキ29117)
  • 昭和55年度 - 3両
    • 川崎重工業 3両 旭化成工業(タキ29118 - タキ29120)
  • 平成5年度 - 2両
    • 富士重工業 2両 日産化学工業(タキ29121 - タキ29122)
  • 平成6年度 - 4両
    • 富士重工業 4両 日産化学工業(タキ29123 - タキ29126)

参考文献[編集]

  • 鉄道公報
  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』 ネコ・パブリッシング刊 Rail Magazine 1997年6月号増刊
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]