国鉄タキ3800形貨車

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国鉄タキ3800形貨車
タキ3800形側面
タキ3800形側面
基本情報
車種 タンク車
運用者 日本国有鉄道
所有者 宇部興産
製造所 日本車輌製造富士車輌
製造年 1964年(昭和39年) - 1969年(昭和44年)
製造数 15両
消滅 1983年(昭和58年)
常備駅 博多港駅北埠頭駅
主要諸元
車体色
専用種別 セメント
化成品分類番号 なし
軌間 1,067 mm
全長 11,500 mm
全幅 2,700 mm
全高 3,880 mm
タンク材質 普通鋼一般構造用圧延鋼材
荷重 35 t
実容積 31.8 m3
自重 18.3 t
換算両数 積車 5.5
換算両数 空車 1.8
台車 TR41C
車輪径 860 mm
軸距 1,650 mm
台車中心間距離 7,400 mm
最高速度 75 km/h
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国鉄タキ3800形貨車(こくてつタキ3800がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した私有貨車タンク車)である。

概要[編集]

本形式は、1964年(昭和39年)2月26日から1969年(昭和44年)1月23日にかけて製造された、35 t 積みセメント専用の貨車タンク車)である。日本車輌製造で8両(タキ3800 - タキ3802、タキ3810 - タキ3814)、富士車輌で7両(タキ3803 - タキ3809)の合計15両が製造された。

記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「タキ」と標記する。

全車が宇部興産所有の私有貨車で、芝浦駅博多港駅苫小牧駅小名浜駅などに常備されていた。回転吐出装置つきのものは、北埠頭駅から帯広駅広尾駅、苫小牧駅から比布駅足寄駅、帯広駅、様似駅博多駅から長崎駅昭和町駅から鯖江駅の間で運用されていた。

セメント貯蔵設備などの地上設備のない駅で、直接セメントバラ積み用のトラックに荷役するための各種装備を有する。

タンク体は台枠中央に向かって緩やかに傾斜し、半円筒状の上半部と平面の下半部で構成される「カマボコ形」のタンク断面を有する。積み込み口はタンク体上部に2箇所、タンク体上部中央の両側に取り卸し口を装備する。

荷役は、エアスライド式とスクリューコンベアを併用して行われる。エアスライド式とは、セメントを取り出す際に、タンク下部から空気を噴き出し、タンクとセメントの間に薄い空気の層を作って、セメントを取り降ろし口に向けて移動させるものである。エアスライド式によりタンク底部の中央下部に集められる。そこから縦型のスクリューコンベア2本によりタンク体上部に集められ、左右の取り卸し口から排出される。エアスライドに要する空気源確保とスクリューコンベア駆動のため、車体下部にガソリンエンジン水冷式4サイクル2気筒、総排気量 618 cc 、10 PS)を搭載している。これにより、外部の動力源によらずとも荷役作業が可能となった。

タキ3804からタキ3814までの11両には、トラックへの積み込みを更に簡単にするため、取り卸し用回転吐出装置が設置されている。これにより、貨車の横にトラックを横付けしての荷役が可能となった。この装置が設置された車両は、専用貨車に準じた扱いとなり、運用区間を車体に表記し、運転時の回転吐出装置の扱いなどが徹底された。

車体色は黒色、寸法関係は、全長は11,500mm、全幅は2,700mm、全高は3,880mm、台車中心間距離は7,400mm、実容積は31.8m3、自重は18.3t、換算両数は積車5.5、空車1.8であり、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。

1983年(昭和58年)10月25日に最後まで在籍した8両(タキ3804 - タキ3809、タキ3813 - タキ3814)が廃車になり同時に形式消滅となった。

年度別製造数[編集]

各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。

  • 昭和38年度 - 1両
    • 日本車輌製造 1両 宇部興産(タキ3800)
  • 昭和39年度 - 2両
    • 日本車輌製造 2両 宇部興産(タキ3801 - タキ3802)
  • 昭和41年度 - 1両
    • 富士車輌 1両 宇部興産(タキ3803)
  • 昭和43年度 - 11両
    • 富士車輌 6両 宇部興産(タキ3804 - タキ3809)
    • 日本車輌製造 5両 宇部興産(タキ3810 - タキ3814)

同系列形式[編集]

日本車輌製造では本形式のほかにも、小規模輸送に最適化したセメント専用車を製作している。本節では主な形式を記述する。

タキ9600形[編集]

カマボコ断面のタンク体を装備する 30 t 積セメント専用タンク車で、1963年(昭和38年)5月10日に10両(タキ9600 - タキ9609)、1966年(昭和41年)12月19日に10両(タキ9610 - タキ9619)が製作された。

タキ9050形[編集]

タキ9600形のうち、1966年(昭和41年)製の10両(タキ9610 - タキ9619) を1967年(昭和42年)頃に改番(タキ9050 - タキ9059)した形式で、一部の車輌にはスクリューコンベアが設置された。

ホキ7500形[編集]

日本車輌製造が開発し、セメント専用ホッパ車の事実上の標準形式となったホキ5700形の設計を基に、直接荷役用のスクリューコンベアを追設した形式である。 1967年(昭和42年)に8両(ホキ7500 - ホキ7507)、1968年(昭和43年)に14両(ホキ7508 - ホキ7521)が製作された。

参考文献[編集]

  • 鉄道公報
  • ネコ・パブリッシング 『Rail Magazine』
    • 吉岡 心平 「プロフェッサー吉岡の私有貨車セミナー - 番外編(第31回)」 1996年2月号 No.149 pp.92 - 96
    • 吉岡 心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』 1997年6月号増刊
  • 電気車研究会 『鉄道ピクトリアル』
    • 守屋 八郎 「貨物輸送の近代化について」 1965年12月号 No.178 pp.34 - 37
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]