土御門元春

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土御門 元春つちみかど もとはる
とある魔術の禁書目録』のキャラクター
初登場 第4巻
作者 鎌池和馬
勝杏里
詳細情報
性別
職業 多重スパイ、魔術師、高校生
家族 土御門舞夏(義妹)
所属サイド 魔術サイド・科学サイド
レベル 無能力者(レベル0)
能力 「肉体再生(オートリバース)」
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土御門 元春(つちみかど もとはる)は、鎌池和馬作のライトノベルとある魔術の禁書目録』に登場する架空の人物。

担当する声優勝杏里(アニメ版、ドラマCD版、ゲーム版共通)。

人物[編集]

学園都市の高校に通う高校1年生の少年。上条のクラスメイトであり、親友。イギリス清教「必要悪の教会(ネセサリウス)」所属の魔術師。都市の暗部組織「グループ」のリーダー的存在。使用魔術は陰陽道。魔法名は「Fallere825(背中刺す刃)」。

裏の顔はイギリス清教や学園都市から依頼を受け持つだけでなく、他の様々な敵対及び同盟組織とも個々に繋がりがあると嘯く多重スパイ。その立場上、上条の知人では魔術サイドと科学サイドの両面に関わる数少ない人物であり、科学・魔術の狭間で飛び回り、なんとか戦争を回避させ続けている功労者でもある。後述の能力の影響で魔術は頻繁に使えないが、上条を軽く圧倒する体術を有する。第7学区の男子学生寮の、上条の隣部屋に住む。

容姿[編集]

逆立たせた金髪、サングラスに金色のネックレスといった派手な風貌が特徴。サングラスを外すとかなりの美男子[1]。学生なので普段は学生服。夏の普段着はアロハシャツ1枚に短パン姿、秋以降はアロハシャツの上に詰襟をボタンを閉めないで着用している。普段から体を鍛えているらしく、かなり筋肉質な体格をしている。

性格[編集]

語尾に「だぜい」や「にゃー」などを付ける不思議な訛り口調で軽めの言動を取り、ローラに古語まじりな珍妙な日本語を教えたりと普段はお調子者な一面がある。ただし、真面目な場面では普通の口調になる。目的を達成するためならば味方も欺き、自分の身を犠牲にすることも厭わないという信念を持っている。さらに、自称「ウソツキ」と称するように相手を惑わす巧みな話術にも長けている。

生活[編集]

学園都市には中学になってからやって来たらしく、それ以前はロンドンに住んでいた模様。現在は、通っている高校の学生寮に住んでいる。部屋にはジムにあるようなトレーニング機材が大量にある。上条と違い、料理が全くできないので、食事は外食か義妹の舞夏に作ってもらっている。

メイドマニア[編集]

部屋の本棚の半分はメイド関係の書物で埋め尽くされているメイドマニア。ただし、彼が好むメイドはサブカルとしてのメイドであり、職業としてのメイドにはあまり興味はない。このため、メイドを家政婦侍女といった職業として捉えている舞夏にコスプレ服「堕天使メイド」を着用させようとしたが、拳骨一発で拒否された。また、上条への恩返しに悩む神裂に「堕天使メイド」セットを無理矢理送り付け、アックアの件でバージョンアップ版の「堕天使エロメイド」を着用させることに成功するが、これを見たほとんどの者に大きなトラウマを植え付けることとなった。

知能[編集]

外見や普段の言動とは裏腹にかなりの頭脳派で、上条や「グループ」と行動する際は作戦立案を担当することが多い。魔術師であるため、魔術関連の知識も豊富で自身が専門とする東洋魔術だけでなく、十字教関連にも精通している。さらに多重スパイという立場上、科学サイドの知識も非常に豊富である。言語面では英語やイタリア語をそつなく扱っている。戦闘面でも大覇星祭でオリアナに追い詰められた際は、「付文玉章(つけぶみたまずさ)」という嘘の通信魔術でハッタリをかましその場をやり過ごすなど機転にも優れ、 左方のテッラの魔術「光の処刑」の弱点をいち早く見抜くなど洞察力にも長けている。一方で、学校では上条同様よく補習を受けているが、これは青髪ピアス同様、補習担当である小萌が目当てだと本人が語っているため、実際の成績がどの程度かは不明。

人間関係[編集]

義妹の舞夏とはメイドに関する考え方では何かと反発されるが、頻繁に食事を作ってもらい、3日に1度は肩を揉んでもらうなど兄妹仲は良好のようで、自分の知らないところで舞夏とコンタクトをとったことがある上条や青髪ピアスに激怒したり、手を出しているのかという質問に声を詰まらせるなどかなり危険な関係である可能性があるほど溺愛している。その溺愛ぶりから、上条には「シスコン軍曹」と呼ばれている。ただし、多重スパイとしての活動も魔術のことを知らずに学園都市で普通に生活している舞夏を守るためであると述べ、他の全てを裏切っても彼女だけは絶対に裏切らないと決意している。この思考は自身らに対しての事柄に限らず、海原(エツァリ)を「お兄ちゃん」と呼び慕っていたショチトルを放ったらかして別の女性(御坂美琴)に入れ込んでいたと彼に本気で怒り、非難の言葉を浴びせると同時に自身の趣向を堂々と主張している。またアレイスターとの契約条件も「義妹を守ること」であり、彼がその約束を破ったときには容赦なく銃口を向けている。

クラスメイトの上条とは同じ学生寮で部屋が隣同士の友人であり、学校では上条たちとオタク談義などに花を咲かせており、級友からは上条や青髪ピアスと共に「クラスの三バカ(デルタフォース)」の一角として認知されている。また、イギリス清教から上条への繋ぎ役も担当しており、魔術関連の事件で上条と行動する際は、魔術の解説役を務めたり、やや甘い部分がある上条に諭すこともある。

同僚の神裂とは、神裂が「必要悪の教会」に加入してからの付き合いで、加入当初神裂がほとんど英語が話せなかったため、通訳として面倒を見てやったらしい。神裂本人はそのことに大きな借りを感じており、そんな神裂の義理堅い性格に付け込んで、上条に恩義を感じている神裂に積極的にご奉仕するよう無理難題を押しつけている。ステイルとは共闘した間柄だが、ローラが日本語を覚える際、土御門に監修してもらったことについて「あんなやつを日本人の基準にするべきではない」と散々な評価を受けている。いつ頃から「必要悪の教会」に在籍しているかは不明だが、少なくとも神裂よりは古株。指令には基本的に忠実だが信仰心はあまりなく、イギリス清教からもらった聖書は埃まみれとのこと。

「グループ」の面々とは、利害の一致で行動を共にしていたので仲間意識は薄い。ただし、全員がそれぞれの守るべき者のために戦っていることから、守る対象が危険に晒された時は協力していた。

作中初期の頃からアレイスターの正体を知っている人物の1人でもあり、アレイスターが「虚数学区・五行機関」を完全に制御することで、全世界で魔術の発動を封じる狙いがあるのではないかという推論を立てている。

作中の行動[編集]

初登場は4巻[注 1]。アニメでは第1話から登場。

8月末、ロンドンのウィンザー城の結界の中にいたことで「御使落し」の影響から辛うじて逃れ、神裂と共に大魔術「御使落し」を解決するために神奈川県へ派遣され、上条に自身がイギリス清教のスパイであることを明かす。その後、上条の実家を訪れた際、部屋中に配置されていたおみやげの配列から上条宅が「御使落し」の儀式場となっていることに気付き、式神で儀式場を家ごと破壊することで魔術発動を食い止める。

大覇星祭では、イギリス清教からの指示を受け、上条・ステイルと共に学園都市へのローマ正教の進行を阻止するため、ローマ正教に雇われた運び屋の魔術師オリアナ=トムソンを追跡する。追撃戦の際には、体に負荷がかかるリスクがありながら逆探知魔術を使い、オリアナの位置を突き止めようとするも逆にオリアナに追い詰められてしまう。それでも、機転を利かせ「付文玉章(つけぶみたまぶさ)」という通信魔術で神裂を呼び寄せたというハッタリを使うことで、難を逃れる。その後は、ローマ正教が発動しようとした「使徒十字」の発動条件を分析し、霊装発動を阻止すべく上条らと奮戦した。9月30日の前方のヴェント襲来時には学園都市外周部に現れたローマ正教の魔術師たちと交戦する。事件後、暗部組織「グループ」のメンバーとなり、一方通行・海原・結標らと学園都市上層部へ反抗するため共闘体制をとるようになる。

10月の初め、科学サイドへの抗議デモが各地で起こる中、統括理事の親船からの依頼を受け「C文書」を妨害する目的で、上条と共にアビニョンへ向かう。アビニョン到着後、上条と五和に教皇庁宮殿に乗り込み「C文書」を破壊する作戦を遂行させるためデモの鎮圧に現れた学園都市の部隊を食い止める。帰国後、「グループ」の一員として10月9日の暗部組織抗争で「スクール」「ブロック」と交戦。さらに、一方通行と垣根が交戦する最中に、垣根が所持していた「滞空回線」の解析に必要なピンセットを奪取する。10月17日には、上条に「禁書目録召集令状」のことを告げ、彼とインデックスを催眠ガスで眠らせて半ば強引な形でイギリスへと送り出す。抗争が終わってからは、上層部からの指令で学園都市に反旗を翻した暗部組織「迎電部隊」を「グループ」のメンバーと共に殲滅させる。さらに、最重要機密である「ドラゴン」について調査する為、親船の助力を得て潮岸のアジトに乗り込み敵の足止めを行うが、エイワスによって昏倒させられる。

第3次世界大戦後、一方通行によって学園都市暗部が解体されたことで科学サイドの闇からは解放される。その後、「人的資源」プロジェクトを調査する過程で自らの手で舞夏の死を偽装することとなり、行動を妨げる可能性のある上条を騙して「学舎の園」に送り込み、妹を暗部に巻き込む元凶となった計画の黒幕を追うが、真の黒幕である薬味久子に騙され貝積を襲撃する。ブレインの芹亜を魔術で倒し貝積本人にも迫るが、彼に真の黒幕の存在を告げられ、自暴自棄になり、駆けつけた上条に半ば無気力な死突殺断を仕掛けて敗北。この敗北はこれまで土御門の戦いを見てきた上条も涙ながらにショックを受けるもので、土御門にとっても苦い敗北となった。「人的資源」プロジェクトが潰えた後、それまでの行動のケジメをつけるため芹亜に「処刑」として銃撃され川に転落したが、生還し安全な学校生活と引き換えに芹亜の手駒として働くこととなる。

上里が学生寮にある自身の部屋を襲撃して以降消息を絶っていたが、エレメントの時も大熱波でも契約を破り義妹を一切守ろうとしなかったアレイスターを見限り、彼に身を脅かされていた府蘭を救出して共に上条の元へと向かい、12月11日の早朝に合流。舞夏を連れ学園都市外に脱出しイギリス清教と合流しようとするも、義妹がアレイスターの呪詛を受けてしまい、事態を解決するため「窓のないビル」に突入、オティヌスらの補助で解呪を行う。コロンゾン襲撃で学園都市からの疎開が始まると、最後の借りを返すため、キャンピングカーでアレイスターたちをエジプトのオアシスにある「隠れ家」まで送り届けてから姿を消す。以降は科学サイドから逃れてタヒチで潜伏していたが、統括理事長を辞したアレイスターからネットニュースのコメント欄を介し、学園都市外部にいれば彼女と接触する可能性があり、さらにUngroundを越えた者が現れたという忠告を受けとる。

魔術・能力・戦闘スキル[編集]

魔術[編集]

最高峰の力を持つ陰陽術師で、陰陽博士としては最高位である。主に風水を用いた術式を扱い、魔術を行使する際には折り紙を使って陣を組み立てることが多い。「式神」を「バカども」や「クソッタレども」と呼称するなど独特の詠唱が特徴である。結界破壊、逆探知、防御、炎属性の攻撃などの術式を持ち、特に水属性の攻撃術式を得意としている。しかし、学園都市へ潜入する目的で能力者になっており、魔術を使用すると血管が破裂しダメージを負うため滅多に使えない。

能力[編集]

有する能力はレベル0の「肉体再生(オートリバース)」。レベル0だけあって「破れた血管に薄い膜を張る」「長時間かけて瀕死の重傷から復帰する」といった、応急処置程度の割に合わない微弱な能力だが、それによって何回かは魔術を使用できる。ただし、魔術を使うたび身体に過負荷がかかり、即死する危険があることには変わらない。そのために戦闘では体術や銃器を主に使うが、必要とあれば自身の負傷も恐れずに魔術も使う。以上から「魔術を使えないわけではない」という実に中途半端な状態に置かれている。このため、魔術師の土御門にとっては役に立つようで役に立たない能力となってしまっている。

戦闘スキル[編集]

前述のとおり魔術には使用制限があり能力も戦闘向きではないため、格闘能力によってそれを補っている。ありとあらゆる格闘技から反則技をかき集めて作り上げた体技「死突殺断」を得意とし、その行使に一切の躊躇をしないため近接戦闘においては無類の実力を誇り、魔術や超能力と言った異能の力を使わない者はもちろん、喧嘩慣れしていて相当な打たれ強さを持つ上条を僅かな時間で一方的に無力化できるほど。加えて科学サイドの暗部に長く身を置いているためか、魔術サイド出身者としては珍しく最先端の科学技術にも習熟しており、銃火器を駆使した戦闘も得意で狙撃手としても高い能力を持つ。また、魔術サイドと科学サイドの両方に身を置く多重スパイであることから、アレイスターの「原形制御」が通用しない希少な存在である。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 文章だけなら1巻にも登場している。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』ISBN 978-4-8402-4042-0
  • 『アニメ『とある魔術の禁書目録』ノ全テ featuring アニメ『とある科学の超電磁砲』』ISBN 978-4-04-870118-1