在日ベトナム人
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総人口 | ||||
441,968人 (2019年12月末現在、法務省調べ)[1] | ||||
居住地域 | ||||
関東地方、愛知県、大阪府、兵庫県他全国各地 | ||||
言語 | ||||
ベトナム語、日本語 | ||||
宗教 | ||||
主に仏教、キリスト教(カトリック教会)[2] |
在日ベトナム人(ざいにちベトナムじん、ベトナム語: Người Việt tại Nhật Bản/𠊛越在日本)は、日本に一定期間在住するベトナム国籍の人々である。
日本に帰化や亡命した人およびその子孫で日本国籍を取得した者のことを、ベトナム系日本人(ベトナムけいにほんじん)と言う。
概要[編集]
日本国法務省によれば、2019年の時点で411,968人のベトナム人が日本に合法滞在している。同年における日本の外国人では、在日中国人813,675人、在日韓国・朝鮮人446,364人に次いで、3番目に多い。
毎年増加しており、特に近年では在日外国人の中でも最も多い増加数を示している。また、ベトナム戦争でのインドシナ難民の子の2世や日本国籍の取得者を含めると、さらに多い人数となる。
歴史的には19世紀末から20世紀初頭の東遊運動によりベトナム人留学生が日本に在住していた。そして、1970年代のベトナム難民の受け入れから始まり、その多くが難民収容施設のあった神奈川県や兵庫県に定住し1万人規模での受け入れとなった。定住促進センターは兵庫県姫路市と神奈川県大和市に設置された。その中では現在でも永住者や定住者として居住している他、日本国籍を取得したものも少なくない。その後1990年代の外国人労働者の増加の波に合わせてベトナム人も増加したが、それでも2000年にその数はわずか16,908人に過ぎなかった。その後、技能実習生の導入によりベトナム人が急増しはじめ、その数は2010年の41,781人からわずか8年間で約30万人の増加となる330,835人にまで激増した。
在留資格別でみると在日ベトナム人には「技能実習生」が半数を占めており、国籍別では最多となっている。次いで「留学生」が多く[3]、高等教育機関への留学生数は、2019年時点で中国(14万4264人)に次いで多い7万9292人である。
居住地域[編集]
2018年末時点の統計によると、都道府県別では東京都が36,914人と最も多く、次いで愛知県の31,614人、大阪府の25,641人、埼玉県の22,912人、神奈川県の20,225人の順となっている。留学性は首都圏や中京・関西圏や福岡県等の大都市圏に集中しているが、技能実習生は愛知県に最も多いものの、比較的全国各地に散らばっている。また、永住者、定住者はインドシナ難民の定住先となった神奈川県と兵庫県に多い。
全国の自治体で見ると最も多いのは大阪市(大阪府)の5264人、次いで名古屋市(愛知県)の3958人、以下横浜市(神奈川県)3838人、神戸市(兵庫県)3736人、東京都港区3216人、福岡市(福岡県)2756人、東京都豊島区2606人、姫路市(兵庫県)2254人となっており、西日本の自治体に比較的多く在住している。
外国人実習生[編集]
外国人実習生として日本に滞在するベトナム人は多く、在日ベトナム人の半数を占めている。
悪質ブローカーを仲介させた強引なベトナム農村部での労働者集め、日本での実習先での劣悪な就労環境から来る失踪等、様々な問題が生じている[4]。この実習制度は人権侵害や現代の奴隷制度であると世界的に批判を浴びているが、この制度を利用した外国人はベトナム人が中国人を大きく引き離して最多を占めている。
統計[編集]
- 在留資格別(10位まで)
順位 | 在留資格 | 人数 |
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1 | 技能実習2号ロ | 85,050 |
2 | 留学 | 81,009 |
3 | 技能実習1号ロ | 73,010 |
4 | 技術・人文知識・国際業務 | 34,752 |
5 | 永住者 | 16,043 |
6 | 家族滞在 | 15,301 |
7 | 定住者 | 5,509 |
8 | 特定活動 | 4,897 |
9 | 技能実習3号ロ | 4,156 |
10 | 日本人の配偶者等 | 3,837 |
- 都道府県別(10位まで)
順位 | 都道府県 | 人数 |
---|---|---|
1 | ![]() |
36,914 |
2 | ![]() |
31,614 |
3 | ![]() |
25,641 |
4 | ![]() |
22,912 |
5 | ![]() |
20,225 |
6 | ![]() |
18,314 |
7 | ![]() |
18,267 |
8 | ![]() |
14,712 |
9 | ![]() |
11,127 |
10 | ![]() |
9,305 |
著名な人物[編集]
- クォン・デ - 日本に亡命した独立運動家
- トラン・ヴァン・トゥ - 経済学者
- グエン・トラン・フォク・アン - 野球選手
- フォンチー - アイドル
脚註[編集]
- ^ 令和元年末現在における在留外国人数について - 法務省
- ^ Shingaki, Masami; Asano, Shinichi (2003), “The lifestyles and ethnic identity of Vietnamese youth residing in Japan”, in Goodman, Roger, Global Japan: The Experience of Japan's New Immigrant and Overseas Communities, ラウトレッジ, pp. 165–176, ISBN 0-415-29741-9
- ^ “【最新海外事情レポート】一層の拡大を見せる日越間の人的交流(ベトナム)”. 日本商工会議所 (2015年8月21日). 2015年8月22日閲覧。
- ^ “低賃金に逃げ出す技能実習生、「強制労働」と米報告書-爆買い無縁”. ブルームバーグ (2016年2月23日). 2016年4月20日閲覧。
関連項目[編集]
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