型式証明

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型式証明(かたしきしょうめい、英語: Type certificate)とは、ある航空機の型式の設計が安全性及び環境適合性の基準を満たしていることを証明するものである。

日本では国土交通省が定める基準に基づき国土交通大臣が発行する。国際的にはアメリカ連邦航空局(FAA)、欧州航空安全機関(EASA)の発行するものが広く通用している。日本では日米間の協定により、日本・米国の型式証明について相互承認が認められている[1]

以下、主に日本における型式証明について解説する。

概要[編集]

ある航空機の型式の設計が、安全性及び環境適合性の基準に適合すると認めた場合には型式証明書が交付される。耐空証明は、登録を受けた1機ごとの航空機の安全性及び環境適合性の基準に適合する証明であるのに対して、型式証明は、ある航空機の型式の設計においてそれを証明する。

型式証明検査[編集]

ある航空機の型式の設計での検査、その設計に係る航空機の1機の製造過程での検査、完成後に1機または数機を用いて実用機としてのあらゆる審査と試験を行い[2]、航空法第10条第4項の安全性基準騒音基準発動機の排出物基準に適合していることを確認する。なお、これらの検査・審査・試験は本省航空局が行う。それにより同じ型式の航空機を生産する場合、同じ検査を行う必要が無くなる。耐空証明と異なる点は、有効期限が無く、ある航空機の型式の1機が取得すれば良いという点である。新たに航空機を設計して製造する場合において取得することが多く、必ずしも取得する必要はないのだが、国産航空機の場合は、原則して取得しなければならない。型式証明を取得した航空機が、航空の用で使用される場合には、耐空証明を受けなければならないが、それを受ける際には、設計・製造過程の検査において一部が省略される。また、耐空証明検査における、航空会社などの航空機使用者の負担軽減を図るため、輸入航空機に対しても型式証明の取得を行っている。

国内で型式証明を取得した国産航空機で、国土交通大臣の認定を受けた認定事業場(航空機製造検査認定事業場)の事業者において、製造および完成後の検査を行なった場合と、国内で型式証明を受けた輸入航空機において、国際民間航空条約の締結国が、耐空性と環境適合性をわが国の同等以上の基準及び手続きにより証明したと国土交通省大臣が認めた場合、設計・製造過程・完成後の現状において、一部の検査を省略できる。

型式証明を取得した航空機が、その設計について変更をしようとする場合は、国土交通省大臣の承認を受けなければならない。これは、型式設計変更と呼ばれており、この際に適用される基準は、型式証明の際に適用される基準となる。また、型式証明を受けた航空機が、安全性及び環境適合性の基準に適合しなくなったと国土交通省大臣が認めた場合には、それに対して設計の変更の命令をすることができる。

追加型式設計の承認[編集]

追加型式設計の承認(STC)とは、ある事業者において設計された後に製造され、型式証明を取得した航空機が、その事業者以外の者(航空会社や航空機整備会社)での設計の一部変更による改造を国が承認する制度である。設計の一部変更による改造を国により承認された航空機においては、型式証明を取得した航空機の設計と同様の効果となり、型式証明と同じく耐空証明を受ける際には、一部の検査が省略される。これは、日本の型式証明を取得した航空機でなければ受けることができないが、日本の型式証明を取得していない航空機で、日本の耐空証明を取得した航空機においては、同等追加型式設計の承認(同等STC)となり、追加型式設計の承認と同様の効果となる。

型式証明の取り消し[編集]

型式証明を取得した型式の航空機が安全性及び環境適合性の基準に適合しなくなったと国土交通省大臣が認めた時に出す設計の変更の命令に違反した場合には、その航空機の型式証明を取り消すことができる。

参考文献[編集]

  • 『航空法』 鳳文書林出版販売 1990年 ISBN 4892790036
  • 『航空機の基本技術』 日本航空技術協会 第6版第1刷 2010年 ISBN 978-4-902151-34-3

脚注[編集]

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  1. ^ 航空の安全の増進に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
  2. ^ 完成機とは別の同形の機体を製造して、機体の各部分のさまざま強度・疲労試験なども行う。

関連項目[編集]