大阪教育大学
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大阪教育大学 | |
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![]() 大阪教育大学N棟 | |
大学設置 | 1949年 |
創立 | 1874年 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人大阪教育大学 |
本部所在地 |
大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1 北緯34度33分6秒 東経135度39分0秒 / 北緯34.55167度 東経135.65000度座標: 北緯34度33分6秒 東経135度39分0秒 / 北緯34.55167度 東経135.65000度 |
キャンパス |
柏原(昼間部) 天王寺(夜間部) |
学部 | 教育学部 |
研究科 | 教育学研究科 |
ウェブサイト | https://osaka-kyoiku.ac.jp/ |
大阪教育大学(おおさかきょういくだいがく、英語: Osaka Kyoiku University)は、大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1に本部を置く日本の国立大学である。1949年に設置された。大学の略称は大教(だいきょう)、大教大(だいきょうだい)、大阪教育大(おおさかきょういくだい)、OKU。
概観[編集]
1949年に大阪第一師範学校、大阪第二師範学校を包括して大阪学芸大学として設置された。現在は、大阪府の柏原市および大阪市天王寺区のキャンパスに、教育学部(教員養成課程[1]、教育協働学科[2])、大学院(教育学研究科、連合教職実践研究科(連合教職大学院))、特別支援教育特別専攻科があり、約4,500人の学生が在籍している。
沿革[編集]
- 前史
- 大阪第一師範学校#沿革、大阪第二師範学校#沿革を参照。
- 新制大学
- 1949年(昭和24年)5月31日 - 大阪第一師範学校と大阪第二師範学校を母体に新制「大阪学芸大学」が発足。
- 学芸学部(小学校教員養成課程・中学校教員養成課程)を設置。
- 師範学校を包括し、「大阪学芸大学 大阪第一師範学校」・「大阪学芸大学 第二師範学校」とする。
- 師範学校の募集は停止し、師範学校時代からの在校生が卒業するまで師範学校は存続されることになる。
- 大阪第一師範学校男子部に「天王寺分校」、大阪第一師範学校女子部に「平野分校」、大阪第二師範学校男子部に「池田分校」を設置し、分散授業を実施。
- 大阪第一師範学校長の北川久五郎が初代学長に就任。
- 1950年(昭和25年)4月 - 平野分校に聾学校教員養成二年課程を設置。
- 1951年(昭和26年)3月31日 - 最後の卒業生を送り出し、大阪第一師範学校と大阪第二師範学校が廃止される。附属校の名称から「-師範学校」が除かれる。
- 1954年(昭和29年)4月 - 天王寺分校に第二部(夜間課程)小学校教員養成5年課程を設置。
- 1955年(昭和30年)1月 - 教育研究所を設置。
- 1956年(昭和31年)4月1日 - 天王寺分校と池田分校に附属高等学校を設置(附属高等学校天王寺校舎・附属高等学校池田校舎)。中学校教員養成2年課程を廃止。
- 1959年(昭和34年)- 小学校教員養成2年課程を廃止。
- 1963年(昭和38年)4月 - 養護学校教員養成課程を設置。
- 1966年(昭和41年)4月1日 - 附属平野小学校と中学校から特殊学級を分離し、附属養護学校を新設。養護教諭養成所を付置。
- 1967年(昭和42年)
- 4月 - 幼稚園教員養成課程を設置。
- 6月 - 大学名を「大阪教育大学」に、学芸学部を「教育学部」に改称。
- 1968年(昭和43年)4月 - 大学院教育学研究科(修士課程)を設置。
- 1969年(昭和44年)4月 - 肢体不自由児教育教員養成課程を設置。
- 1970年(昭和45年)4月 - 言語障害児教育教員養成課程を設置。
- 1972年(昭和47年)4月 - 附属高等学校平野校舎を設置。
- 1973年(昭和48年)4月 - 病虚弱児教育教員養成課程を設置。
- 1974年(昭和49年)4月 - 特殊教育特別専攻科、保健管理センター、同和教育センター設置。
- 1976年(昭和51年)4月 - 養護教諭養成課程を設置。
- 1988年(昭和63年)4月 - 教養学科を設置。障害児教育5課程を改組し障害児教育教員養成課程を新設。同和教育センターを教育実践研究指導センターに改組。
- 1989年(平成元年)9月 - 留学生指導センターを設置。
- 1991年(平成3年)
- 1992年(平成4年)5月 - 柏原キャンパス(現在本部所在地)が完成。平野分校・池田分校が廃止される。
- 1994年(平成6年)8月 - 柏原キャンパスへの統合移転完了。(一部施設は、天王寺キャンパスに残る。)
- 1999年(平成11年)4月 - 天王寺キャンパスに生涯学習教育研究センター設置。
- 2000年(平成12年)
- 4月 - 教育実践研究指導センターを教育実践総合センターに改組。小学校教員養成課程及び中学校教員養成課程を改組。
- 12月 - 天王寺キャンパスの新校舎完成(放送大学大阪学習センターと合築)。
- 2001年(平成13年)6月 - 附属池田小学校に男が乱入し、20人あまりの児童を殺傷する事件が発生(附属池田小事件)。
- 2003年(平成15年)4月 - 全国共同利用施設・学校危機メンタルサポートセンター設置。
- 2004年(平成16年)4月 - 「国立大学法人大阪教育大学」に改組。
- 2006年(平成18年)4月 - 教育実践総合センター及び生涯学習教育研究センターを統合し教職教育研究開発センター設置。
- 2007年(平成19年)
- 4月 - 障害児教育を特別支援教育に改称。附属養護学校を「附属特別支援学校」に改称。
- 4月 - 科学機器共同利用センターを科学教育センターに改組。
- 7月 - 留学生センターを国際センターに改組。
- 2010年(平成22年)4月 - キャリア支援センターを設置。小学校教員養成課程と中学校教員養成課程を学校教員養成課程に改組。
- 2013年(平成25年)3月 - 近畿大学との間で、連合教職大学院を2015年4月に開設する予定と発表。その後、同年8月6日には関西大学も合流と発表。
- 2015年(平成27年)4月 - 本学を基幹大学、連合参加大学を関西大学、近畿大学とし、大学院連合教職実践研究科高度教職開発専攻(教職大学院・専門職学位課程)を設置。
- 2017年(平成29年)4月 - 学部改組。
基礎データ[編集]
所在地[編集]
- 柏原キャンパス - 大阪府柏原市旭ヶ丘にある。
- 天王寺キャンパス - 大阪市天王寺区にある。
象徴[編集]
公式キャラクター[編集]
以下が設けられている[3]。
- やまお - 柏原キャンパスが「山」に位置していることなどによる。
- たまごどり - 大学のロゴマークにある「たまご」をイメージしている。
教育および研究[編集]
学部[編集]
教育学部の単科大学であるが、2017年度以前には、教員養成課程の他に教員免許取得を目的としない、いわゆるゼロ免課程である教養学科が設置されていた。2014年に北海道教育大学で大幅な改組が行われるまでは、ゼロ免課程が学科の形で存在するのは大阪教育大学が唯一であった(大阪教育大学以外では、課程の形でなら存在していた)。
- 2017年度入学生以降
- 初等教育教員養成課程
- 学校教育教員養成課程
- 養護教諭養成課程
- 教育協働学科
- 教育心理科学専攻
- 健康安全科学専攻
- 理数情報専攻
- 数理情報コース
- 自然科学コース
- グローバル教育専攻
- 英語コミュニケーションコース
- 多文化リテラシーコース
- 芸術表現専攻
- 音楽表現コース
- 美術表現コース
- スポーツ科学専攻
- 2016年度入学生以前
- 幼稚園教員養成課程
- 教養学科
- 教員免許の取得を卒業要件としていない。下記で斜体表記の専攻・コース以外は、卒業要件外の所定の単位をそろえることで所定の教員免許を取得できる[6]。
- 社会文化コース
- 数理科学専攻
- 自然研究専攻
- 情報科学専攻
- 健康生活科学専攻
- スポーツ専攻
- 芸術専攻
- 芸術学コース
- 音楽コース
- 美術・書道コース
- 小学校教員養成課程
- 修業年限は5年。夜間部。
研究科[編集]
- 連合教職実践研究科(教職大学院・専門職学位課程)
- 高度教職開発専攻
- 学校マネジメントコース(現職教員等対象)
- 教育実践コーディネートコース(現職教員等対象)
- 教育実践力開発コース(学部卒学生等一種免許状取得者対象)
- 高度教職開発専攻
専攻科[編集]
- 特別支援教育特別専攻科
- 専修免コース
- 一種免コース
教員組織[編集]
「大阪教育大学講座に関する規程」によると、以下の講座が設置されている[9]。
- 教育学部初等教育課程に、初等教育講座がある。
- 教育学部教員養成課程に、学校教育講座、特別支援教育講座、国語教育講座、英語教育講座、社会科教育講座、数学教育講座、理科教育講座、技術教育講座、保健体育講座、養護教育講座、家政教育講座、音楽教育講座、美術教育講座がある。
- 教育学部教育協働学科に、教育心理科学講座、健康安全科学講座、理数情報講座、グローバル教育講座、芸術表現講座、スポーツ科学講座がある。
- 大学院連合教職実践研究科に高度教職開発講座がある。
付属機関[編集]
- 附属図書館
- 教育研究施設等
- 学校危機メンタルサポートセンター(全国共同利用施設)
- 教職教育研究センター
- 保健センター
- 国際センター
- 情報処理センター
- 科学教育センター
- キャリア支援センター
- グローバル教育センター
- 附属学校園
学生生活[編集]
講義内容と教員免許[編集]
単科の大学ではあるものの、幼児教育、数学、国語、理科、社会、英語、道徳、音楽、美術、体育など専門分野別に課程が分かれている。
そのため、小学校教員志望であっても、中学校一種、高等学校一種の免許状の取得が可能となっている。大学院への進学も視野に入れた場合、専修免許も取得できる。
学生の努力次第では、幼児教育の免許、保育士の資格、図書館司書の免許も取得ができる。
反面、多くの教員資格を取得しようと考える場合、三回生から四回生にかけて教育実習を多く受ける必要が出てくるため、就職活動が出来なくなるデメリットが存在する。
教育実習中に関しては、講義への出席は免除される場合もあるが、二回生までに取っておくべき卒業要件に関わる単位は免除されないことも多く計画的に単位をとらなければならない。
三回生までの講義において、教員採用試験に必要な知識についてはある程度網羅されるが、教育法規、中教審の答申などについては最新のものを自ら情報収集する必要がある。
教育実習[編集]
原則的に、大阪教育大学の附属校を実習校とする。母校実習や異なる自治体での実習を希望する場合は早期段階での手続きが必要となる。
附属校での実習は、教員採用試験に直結する実践的な内容になっており、実習生としてあるべき服装、言動、指導案を求められるなど、母校実習に比べてやや厳しいものとなっている。
「子どもと触れ合いたい」という甘い考えだけでは実習を乗り切ることは難しく、一定期間を学校で過ごせば単位がもらえるというものではない。
附属校は教育実験校としての気風があり、そこに通う子ども達は、ベーシックな授業スタイルから革新的なものまで柔軟に対応し得ると考えられる子ども達が集められている。
年に複数回の実習生を迎えているため、教員だけでなく子ども達も授業に対して目が肥えており、生半可な授業では通用しない。実習生は入念な準備をした上で授業をすることが求められる。
卒業後の進路[編集]
多くの学生が教員になるが、民間企業への就職を考えるものも少なくはない。その際は、教育実習とのバランスを考えて就職活動を行う必要があるため、二回生の段階から進路を考えていないと、道が狭まってしまう。 学生課や所属しているゼミの教授は相談に乗ってくれるが、手続き等は自ら行わない限り、卒業後の進路は何も決まらない。
教員採用試験に合格することで各自治体で新規採用教員として働くことになるが、教員採用試験に合格しなくとも、自治体に登録しておくことで講師として勤務することができる場合が多い。
私立学校を希望するものは採用数、選考時期が学校ごとに変わってくるため、注意が必要である。
新歓コンパ[編集]
新入生歓迎イベントはあるが、教員養成系の大学ということもあり、無難な内容となっている。
入学手続きの際には、サークルストリートと銘打って多くのサークルが集まり、勧誘活動が行われる。
サークルストリートは、大学祭実行委員会、体育会音楽サークル連合との共同開催によって2000年から始まった。
現在に至るまで続いている恒例行事であるが、参加するサークルは減少傾向にある。
表立って活動していないようなサークルへの入部を考えている際は、サークル棟へと行ってみることが良いとされている。
学園祭[編集]
5月に「五月祭」が行われ,新入生の交流の場となる。
11月に「神霜祭」が行われる。
神霜祭の名前は、大学祭が神無月(10月)から霜月(11月)にかけて行われていたことに由来し、その頭文字を取ったものである。
かつては、三者協によって、祭りの意義と構想が毎年見直され、開催が宣言されていた。
三者協とは、大学祭実行委員会委員長、音楽サークル連合委員長、体育会会長の3人からなる組織である。
大学関係者と組織[編集]
大学関係者組織[編集]
全学の同窓組織として「天遊会」が存在する。
大学関係者一覧[編集]
施設[編集]
柏原キャンパス[編集]
長年に渡り、半野生化した猫が多数住み着いている。その多くの尻尾が「かぎしっぽ」型をしており、国内では大変に珍しいものとなっている。
2000年代前半にかけて、サークル棟付近にタケルと呼ばれるボス猫が住み着いていた。
そのタケルの特徴がかぎしっぽであり、かぎしっぽの特徴を持つ猫たちはタケルの子孫である可能性が示唆される。
アクセス[編集]
- 近畿日本鉄道大阪線大阪教育大前駅とキャンパスとは、坂道および380段の階段(比高約60m)で結ばれている。並行して3基接続のエスカレーターもあるが、上りのみの運行で、運行時間は原則として7時から19時である。運休することもある[11]。
天王寺キャンパス[編集]
- 大阪市天王寺区に所在。
- 教育学部第二部(夜間学部)、夜間大学院などがある。
附属学校・園[編集]
池田市、大阪市天王寺区、大阪市平野区に幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を持つ。池田市には全国共同利用施設・学校危機メンタルサポートセンターが設置され、学校安全、学校での災害被害児童・保護者の心理的ケアの実践・研究を実施している[12]。
対外関係[編集]
国内協定締結校[編集]
国際協定締結校[編集]
台湾
中華人民共和国
タイ王国
- タイ王国40地域総合大学
アメリカ合衆国
- イースト・カロライナ大学
- ノースカロライナ大学ウィルミントン
- ウェスタンカロライナ大学
オーストラリア
大韓民国
ドイツ
スウェーデン
- リンネ大学
フランス
イギリス
- チェスター大学
アフガニスタン
- 教育省教育養成局
- カブール教育大学
脚注[編集]
- ^ 教員養成の夜間コース(5年制)も持つ
- ^ 従来の教養学科を2017年に改組。この教養学科は、いわゆるゼロ免課程であり、ゼロ免課程の学科という形態は教育大学として日本唯一のものであったが、2014年4月に北海道教育大学が学部改組により函館校に国際地域学科を、岩見沢校に芸術・スポーツ文化学科をゼロ免課程として設置したことで唯一の形態ではなくなった。
- ^ 大阪教育大学公式キャラクター「やまお」と「たまごどり」|国立大学法人 大阪教育大学
- ^ 2016年度入学生用の学生募集要項[1]によると、教育科学専攻と技術教育専攻以外は、コースごとに入学定員を定め、学生を募集している。
- ^ 特別支援教育教員養成課程のホームページ[2]によると、コースに分かれるのは2年次から。
- ^ 取得可能な免許・資格|国立大学法人 大阪教育大学
- ^ 生涯教育計画論、人間行動学、発達人間福祉学という3つの専門分野があったが、2015年度に生涯教育学分野と心理学分野に再編[3]。
- ^ コースは、2016年入学生用の大学院案内[4]による。
- ^ 規程集|国立大学法人 大阪教育大学 大阪教育大学講座に関する規程
- ^ イノシシに注意!!|国立大学法人 大阪教育大学
- ^ キャンパスルール|国立大学法人 大阪教育大学
- ^ 附属学校園|国立大学法人 大阪教育大学
- ^ 放送大学 2019年度 単位互換案内 (PDF)
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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