天井

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天井(てんじょう)とは、部屋など構造物内部の上側の面である。天井仕上材及び天井下地構成材の総称である[1][2]

概説[編集]

天井には室内の温度調整あるいは明るさの確保、収納、屋根裏からの塵埃の落下防止といった機能がある[1][2]

広い部屋なのに天井が低かったり、天井を暗い色彩の色にしてしまったりすると圧迫感を受ける。また、住宅でむやみに天井が高いと暖房の面で不利である。

日本では、居室の場合、建築基準法施行令(第21条)により、平均の高さは2.1m以上と定められている。なお、学校建築(床面積50平方m)の場合、3m以上という特例があったが、2005年(平成17年)11月の政令にて削除された(教室#天井高規制を参照)。

天井の形状による分類としては、平天井、勾配天井、船底天井、下がり天井などがある[1][2]

鉄骨造の建造物では、吊木によって上階スラブから天井面を吊るして支持する構造とした吊天井(二重天井)が一般的である[2]。日本では2011年(平成23年)3月の東日本大震災で、大規模空間を有する建築物での天井の脱落事故が多数生じたことから、天井の脱落防止措置等について政令の改正が行われ、2014年(平成26年)4月1日から施行されることとなった[3]。この建築基準法施行令改正では、天井材の安全基準も設けられた(従前は内装材として扱われていた)。これを受けて、不織布のように軽量な天井材も開発されている[4]

和風建築の天井[編集]

折上小組格天井
仁和寺宸殿上段の間)

構造[編集]

近世農家では天井を張らず、小屋組を露出させていることが多かった(養蚕などで2階や屋根裏を造る場合は別)。農家でも床の間のある座敷を設けるようになると天井を造るように変化してゆくが、土間部分では火を使うこともあって小屋組を見せるのが一般的であった。

寺院建築のうち、現存最古の法隆寺金堂を見ると、の間に木材を格子状に組んだ天井を造っている(組入天井)。平安時代以降の和様の仏堂では梁・桁の下に格子を組んだ天井(格天井)を造るようになった。格天井(ごうてんじょう)は格縁(ごうぶち)天井ともいう[1]。組入天井では構造材(梁・桁)を見せるが、格天井では構造材を隠してしまう。和様特有の天井の低い穏やかな空間が生まれるようになった。これらに対して、禅宗様など構造材をそのまま見せる(天井を張らない)形式の仏堂も多い。

書院建築では、天井の造りによって格式が決まってくる。格天井の中で周囲の部分を一段持ち上げるようにしたものが折上格天井である(二重に持ち上げたものは二重折上格天井)。二条城書院を見ると、将軍の座る位置が二重折上格天井で、その下手に折上格天井、格天井と格式によって天井の造りも変化させている。数寄屋造りの場合、こうした序列は用いず、竿縁天井とする。竿縁天井は小屋組等から吊木で野縁を吊って竿縁を渡し、天井板をその上に乗せたものである[1]茶室の場合は狭い空間の中に網代天井掛け込み天井など変化を持たせる。

吊り天井[編集]

吊り天井

吊り天井(Dropped ceiling)は、吊り木や吊り金具で天井板を吊っている天井である[5][6]。日本家屋の他、体育館やホール、トンネルなどでも採用されているが、施工は簡素に留めている・引っ掛けているだけなど揺れに対して強度がある状態ではなかったため、地震[7]、特に東日本大震災で天井が崩落し、被害が多かった。この事から学校などで対策が講じられている[8][9][10]。また笹子トンネル天井板落下事故以降、トンネルの天井施工についても問題が指摘されている[11]

あらかじめ天井を吊り上げておき、標的が部屋内にいる時に天井を落とし、標的を押し潰して殺害する装置()も吊り天井と呼ばれる[12]江戸時代幕府の重臣・本多正純が吊り天井を仕掛け将軍徳川秀忠の謀殺を企てたとされる宇都宮城釣天井事件がある。

  • 竿縁(さおぶち)天井 - 近世以降、日本建築の和室で多く用いられている天井。

中国語の天井[編集]

中国の住宅建築では、小さな中庭を中心に四方部屋を配し(四合院など)、あるいは一方がとなった中庭の三方に部屋を配して、周囲につながった屋根を作る場合がよくあり、その時に庭の上にできる屋根のない四角い空間を「天井」と呼ぶ。建築様式によっては居住空間の上にこの「天井」を配して、天窓とする例もある。なお、日本語でいう天井のことを、中国語では「天花板」という。

天井の装飾[編集]

天井画[編集]

システィーナ礼拝堂天井画
二条城二の丸御殿の天井画

天井の装飾に天井画がある。移動が容易でないため戦災などで建物とともに失われてしまったものも多いが、「名古屋城旧本丸御殿天井板絵」のように戦災を避けるために取り外され後に国宝に指定されたものもある。

天井画の有名な建築物[編集]

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海外[編集]
日本国内[編集]

鳴き龍[編集]

天井下の特定の位置で手を打つと反響を生じるもの。

鳴き龍の有名な建築物[編集]

天井の照明設備・空調設備[編集]

天井の照明設備[編集]

天井に設置される照明には、天井面に埋め込むダウンライト、天井面に直接取り付けるシーリングライト、引掛シーリングという器具によって天井面からぶら下げるペンダントライトなどがある。

天井の空調設備[編集]

天井に設置される空調設備としてはエア・コンディショナーがあるほか、天井扇(シーリングファン)と呼ばれるファンも用いられる(詳細は「扇風機」の項目参照)。

天井の剥落・崩落事故[編集]

老朽化地震によって天井の剥落や崩落が発生する事故を生じることがある。

比喩として[編集]

天井[編集]

比喩的に、物価相場などの一番高い所のことを天井という。

パチスロの場合は、吸い込み方式ストック機において、ボーナスフラグが成立する回転数やコイン投入枚数のことをいう。

ガラスの天井[編集]

女性が昇進などで到達できる役職・地位に、男性に比べて実質的な制限があることを、透明なガラスにたとえた表現。

青天井[編集]

物価や相場などが高騰し、最高値をどこまでも更新していくことを、遮るの無い青空に例えて青天井という。他に、天井知らずという表現もある。

麻雀得点計算で、点数の上限を設けないローカルルールを青天井ルールという。

シーリング[編集]

英語で天井をシーリング(ceiling)という。この語は金額の上限や概算要求基準の意味で用いられる。

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c d e 天井(在来軸組工法) (PDF)”. 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター. 2013年8月19日閲覧。
  2. ^ a b c d 天井(鉄骨造) (PDF)”. 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター. 2013年8月19日閲覧。
  3. ^ 建築基準法施行令の一部を改正する政令について 国土交通省
  4. ^ 【ザ・チーム】帝人フロンティア/頭上の安全 不織布が守る/軽い天井材 震災後開発/未知の分野、改良重ね挑む『日経産業新聞』2018年11月6日(働き方面)。
  5. ^ 天井吊り造作:ST 焼付塗装仕上げ
  6. ^ 天井の作り方
  7. ^ 長野県北部地震・津南町上郷小学校体育館の被害
  8. ^ 学校つり天井、原則撤去へ、文科省、震災での落下事故受け、全国8700棟が対象。
  9. ^ 東日本大震災における天井被害の状況と天井脱落対策の解説
  10. ^ 耐震天井とは
  11. ^ 吊り方式の天井板があるトンネル一覧 (PDF) - 国土交通省
  12. ^ 釣(り)天井/吊り天井 - コトバンク
  13. ^ 首都圏 恐怖覆う 九段会館天井崩落29人死傷 Archived 2017年1月9日, at the Wayback Machine. 『東京新聞
  14. ^ 東日本大震災で天井が崩落した「ハマボール」が閉店-40年の歴史に幕 ヨコハマ経済新聞
  15. ^ 甲府駅ホーム天井板落下 設置30年、接着剤劣化か JR東お盆控え、緊急点検へ山梨日日新聞
  16. ^ 老朽化、外壁や天井落下の北海道議会庁舎 議員「改築急げ」要望強まる 財政難の道と綱引き北海道新聞

関連項目[編集]