天北線 (宗谷バス)

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国道238号線を走行する天北線のバス

天北線(てんぽくせん)は、宗谷バスが運行する長距離路線バス2011年(平成23年)10月1日より運行経路が変更となり天北宗谷岬線(てんぽく そうやみさきせん)に変更された。

本項では、鬼志別 - 音威子府間で並行し旭川市まで運行される都市間バス特急天北号」、天北宗谷岬線への変更により設定された路線などの関連路線についても記述する。

概要[編集]

1989年(平成元年)5月1日に廃止されたJR北海道天北線代替として開設された。稚内市宗谷郡猿払村枝幸郡浜頓別町、枝幸郡中頓別町中川郡音威子府村の沿線自治体やバス事業者などが参加する協議会があり、路線の維持へ向けた方策などが話し合われている[1]

沿線人口の減少等で利用客が減少し収益改善が見込めないことから、2011年(平成23年)10月1日より稚内 - 鬼志別間で観光客が見込め沿線人口が廃線沿線に沿った内陸部より多いオホーツク海沿い(国道238号、宗谷岬経由)への変更や[2][3][4]、乗客減少に対する打開策の一環で2014年(平成26年)8月1日から9月30日まで、天北宗谷岬線1往復を名寄駅前まで延長する実証運行を実施した[5][6]

支庁境となる中頓別町と音威子府村の間は特に利用が少なく、中頓別町以北からの利用者は目的地が名寄市などJR乗り継ぎを目的としていることが多い。こうした実態から中頓別 - 音威子府間のバス運行を廃止し、猿払村・浜頓別町・中頓別町 - 音威子府駅にJR特急列車と接続する乗合タクシーを運行することが決定した。なお、音威子府村より村民の利用が皆無であることから天北線代替輸送連絡調整協議会から脱会の申し出があり承認された[7]2016年(平成28年)10月からの変更を予定していたが、その後の調査で10人乗り程度のジャンボタクシーでは乗り切れない便を小型バスにするなど現状に沿った対応を行うと、沿線自治体の負担額が現行のバス路線維持より増えることが判明した。これを受けた協議の結果、中頓別 - 音威子府のバス路線廃止と猿払村 - 音威子府間のJR接続乗合タクシー運行の計画は見送り、当面は現行のバス路線を維持することが報じられた[8]

2019年(令和元年)10月1日より、国庫補助金対象路線から外れ、大幅な減便を行うこととなった。唯一、浜頓別--中頓別間のみ学生の利用があることから0.5往復増便された。

年表[編集]

  • 1989年(平成元年)5月1日 バス12両で開業[9]。当初は快速便2往復を含む、稚内 - 音威子府:直通下り5本上り6本。
  • 1990年(平成2年)
  • 1991年(平成3年)
    • 浜頓別駅跡地に浜頓別ターミナル落成。
    • 4月23日 天北峠が土砂崩壊により通行止めとなり、5月15日まで22日間咲来経由で迂回運行[9]
  • 1994年(平成6年)5月1日 地方路線バス(第2種、第3種)に移行、国の補助制度として市町村補助適用路線となる。
  • 1995年(平成7年)
  • 1996年(平成8年)4月1日 時刻改正、快速便を取りやめ全便普通便となる。
  • 1997年(平成9年)3月29日 バス3両更改[9]
  • 1998年(平成10年)6月29日 バス1両更改、パトロール車1台を更新[9]
  • 2001年(平成13年)10月1日 時刻改正、稚内 - 音威子府:直通3往復となる。
  • 2010年(平成22年)
    • 4月 - バス4両更改、2ドア郊外型路線車(うち3台中型車)導入。
    • 10月1日 - 時刻改正。全区間直通便を鬼志別で系統分割、増幌経由を運休、運行本数を削減。
    • 12月 - バス4両更改、名寄以北初となるAT車導入。
  • 2011年(平成23年)10月1日 時刻改正、宗谷岬経由に変更。経路から外れる稚内 - 曲渕は稚内市(宗谷バス運行)が、小石 - 鬼志別は猿払村が代替交通機関を設定。
  • 2018年(平成30年)10月1日 時刻改正、音威子府 - 浜頓別間 4往復→3往復へ減便、鬼志別→浜頓別 8便→7便へ減便(休日は7便→6便)となる。これにより、音威子府駅にてJR北海道の特急サロベツ3号から浜頓別方面への接続及び、浜頓別方面から音威子府駅にて旭川方面へ接続するJR北海道の特急サロベツ2号への接続を廃止。
  • 2019年(令和元年)10月1日(予定) 計21便中5便を廃止・7便を区間短縮。稚内⇔鬼志別間が7往復→4往復へ減便される予定。[10]

運行経路[編集]

稚内駅前ターミナル - (国道40号) - 南駅前 - 潮見5丁目 - (国道238号) - 声問 - 増幌入口 - 宗谷 - 宗谷岬 - 大岬小学校 - 東浦 - 浜鬼志別局前 - (北海道道138号豊富猿払線) - 鬼志別ターミナル - 浜鬼志別 - (国道238号)- 浜頓別ターミナル - 浜頓別高校 -(国道275号)- 中頓別ターミナル - 小頓別 - 音威子府ターミナル

運行本数[編集]

鬼志別接続便は音威子府の時点で稚内行を表示(2011年8月)

※2019年9月30日まで

  • 稚内駅前ターミナル - 鬼志別ターミナル:7往復14便(浜頓別・音威子府直通便を含む)
  • 鬼志別ターミナル - 浜頓別高校:6.5往復13便(直通便を含む・休日は0.5往復減)
  • 浜頓別高校 - 音威子府ターミナル:3往復6便
  • 鬼志別ターミナル → 浜頓別高校:平日のみ1便

※2019年10月1日から

  • 稚内駅前ターミナル - 鬼志別ターミナル:4往復8便(浜頓別・音威子府直通便を含む)
  • 鬼志別ターミナル - 中頓別ターミナル:3.5往復7便(直通便を含む)
  • 中頓別ターミナル - 音威子府ターミナル:2往復4便
  • 浜頓別高校 → 鬼志別ターミナル:1便

※鬼志別から稚内方面の最終は14:10であり、夕方以降は稚内方面へ行くことはできない。

※稚内から宗谷岬の往復は午前と午後の1便ずつに限られ、夕方の便に乗車すると稚内市街地へは帰れない。

※音威子府では昼の特急列車の接続に限られ、朝・夜の特急列車及び普通列車の接続は一切ない。


・稚内駅前ターミナル、潮見5丁目(潮見待合所)、鬼志別ターミナル、浜頓別ターミナル、中頓別ターミナル、音威子府ターミナルで、乗車券を発売する。

所要時間[編集]

  • 稚内駅前ターミナル - 宗谷岬 : 約55分
  • 稚内駅前ターミナル - 鬼志別ターミナル : 約1時間35分
  • 稚内駅前ターミナル - 浜頓別ターミナル : 約2時間40分
  • 稚内駅前ターミナル - 音威子府ターミナル : 鬼志別接続便で約4時間00分
  • 鬼志別ターミナル - 音威子府ターミナル : 約2時間25分
  • 浜頓別ターミナル - 音威子府ターミナル : 約1時間25分

並行・接続する都市間バス[編集]

特急天北号[編集]

予約制。旭川と名寄での予約・発券は道北バスで受け付ける。1991年(平成3年)4月1日の運行開始当初は特急えさし号の別系統として運行されていた。鬼志別 - 音威子府間は天北宗谷岬線と同経路だが停車停留所は限られる。

2018年10月1日より、天北宗谷岬線減便により、音威子府駅にて旭川方面に接続するJR北海道の特急サロベツ2号への接続を特急天北号が担うことになった。

特急えさし号との乗り換え[編集]

天北宗谷岬線と特急天北号の一部便は、音威子府にて特急えさし号と接続し乗り換えが可能[11][12]。鬼志別・浜頓別・中頓別 - 札幌間に直通便は無いが、往復割引など各種運賃が設定される[13]

関連路線[編集]

天北宗谷岬線への変更により系統の統廃合や新設が行われている。変更前まで走行していた曲渕 - (北海道道138号豊富猿払線) - 小石間に代替交通機関は設定されていない。

17 曲渕線[編集]

稚内市域の代替路線。声問までは天北宗谷岬線と同経路で、声問から旧・天北線と同じく空港入口、恵北樺岡沼川を経由し曲渕まで運行。3往復設定される[14]

猿払村[編集]

鬼志別ターミナルと猿払村営バス(2011年8月)

宗谷バスは1953年(昭和28年)より稚内 - 鬼志別、鬼志別 - 知来別など猿払村内に路線を開設したが、過疎化などの影響により赤字が顕著となり、1970年(昭和45年)に浜鬼志別 - 猿払間の運行を停止。さらに1974年(昭和49年)3月31日をもって鬼志別 - 知来別 - 苗太路間の運行も停止した。村では代替路線として同年4月1日より鬼志別 - 知来別間に宗谷管内初の廃止代替バスの運行を開始。26人乗りのマイクロバスで3往復が設定された[15]

一部の便は稚内市東浦地区まで運行されていたが、天北宗谷岬線と完全に重複することから同日付で廃止となった[16][3]。特急天北号接続として運行されていた予約便は[17]、福祉ハイヤーが代替となっている[18]

天北宗谷岬線への変更によりバス路線が無くなった小石 - 鬼志別間はデマンドバスを運行する[19]。小石 - 曲淵・沼川間は小石地区住民の墓参利用に限り福祉タクシーを運行する[18]

10 大岬線[編集]

稚内駅前ターミナルから大岬小学校までの系統。天北宗谷岬線に統合されている[4]

(旧)17 曲渕線[編集]

声問 - 沼川間で北海道道1119号稚内豊富線へ入り増幌・上声問地区を経由。2010年(平成22年)10月1日より稚内市による恵北・増幌地区乗合タクシーが運行される[20][4]。休止時点で稚内 - 曲渕1往復、鬼志別始発稚内行1本が設定されていた。

脚注[編集]

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  1. ^ 天北線地域公共交通会議”. 浜頓別町. 2016年5月22日閲覧。
  2. ^ 稚内市地域公共交通総合連携計画 (PDF)”. 稚内市. 2011年10月1日閲覧。
  3. ^ a b 平成23年度村政執行方針”. 猿払村. 2011年10月1日閲覧。
  4. ^ a b c 「天北線バス」、「大岬線バス」10月からバス路線・時刻が変更されます (PDF)”. 広報わっかない2011年9月号. 2019年3月17日閲覧。
  5. ^ “天北線代替バス 来月から実験 名寄まで乗り換えなし”. 北海道新聞朝刊道北版 (2014年7月12日). p. 27そうや・るもい面。
  6. ^ お知らせ - 天北宗谷岬線の実証調査バスが運行します”. 宗谷バス (2014年7月26日). 2014年8月8日閲覧。
  7. ^ “天北線代替バス 路線維持へ再編計画決定”. 北海道新聞朝刊道北版 (2015年3月18日). そうや・るもい面。
  8. ^ “旧天北線代替バス 負担増で再編白紙に 乗り合いタクシー見送り”. 北海道新聞朝刊道北版 (2016年3月9日). そうや・るもい面。
  9. ^ a b c d e f g h 天北線バス運行の経緯”. 猿払村. 2011年10月1日閲覧。
  10. ^ 旧天北線代替バス5便減、7便区間短縮 10月から国の補助打ち切りで”. どうしん電子版. 北海道新聞社 (2019年5月31日). 2019年7月25日閲覧。
  11. ^ 天北宗谷岬線バス時刻表 (PDF)”. 宗谷バス. 2011年10月1日閲覧。
  12. ^ 12月1日から都市間バス「えさし号」の時刻改正が行われます。 (PDF)”. 枝幸町. 2014年1月24日閲覧。
  13. ^ 特急天北号”. 宗谷バス. 2014年2月2日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年10月1日閲覧。
  14. ^ 曲渕線バス時刻表 (PDF)”. 宗谷バス. 2011年10月1日閲覧。
  15. ^ 猿払村史編纂発行委員会『猿払村史』(1976年) p. 503
  16. ^ むらに一言 (PDF)”. 広報さるふつ2010年11月号. 2011年10月1日閲覧。
  17. ^ 村営バス時刻表 (PDF)”. 猿払村. 2011年12月5日閲覧。
  18. ^ a b 福祉タクシーが8月1日からさらに便利になります (PDF)”. 猿払村. 2014年8月8日閲覧。
  19. ^ 小石線デマンドバス時刻表”. 猿払村. 2011年12月5日閲覧。
  20. ^ 稚内市における地域公共交通活性化・再生総合事業(計画事業2年目) (PDF)”. 北海道運輸局. 2011年10月1日閲覧。

参考資料[編集]

  • 宗谷バス時刻表
  • 沿線市町村サイト