天王洲アイル

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港南から望む天王洲アイル
品川埠頭から望む天王洲アイル
天王洲ふれあい橋

天王洲アイル(てんのうずアイル)は、東京都品川区の臨海部、東品川二丁目にある再開発街区の通称。郵便番号は140-0002。

概要[編集]

東京都品川区北東部の京浜運河、天王洲運河に面した沿岸に位置する。総面積は約22ヘクタールであり全域が埋立地である。天王洲運河、京浜運河を挟んで、北側は港区港南4丁目、南側は東品川三丁目、西側は東品川一丁目、東側は東品川五丁目の品川埠頭と隣接する。複数のオフィス商業複合ビル、商業店舗、飲食店、アートギャラリー、イベントスペースなどからなる再開発街区である。2010年代以降は芸術文化の発信地をコンセプトとして、地域内に音楽・絵画・フォトグラフ、現代建築など芸術に関連したコンテンツを集積している。

交通[編集]

東品川二丁目に東京モノレール羽田空港線東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅がある。東京モノレール羽田空港浜松町に、りんかい線は埼京線との相互直通運転を行っており、渋谷新宿池袋方面に直結する[1]。また、東海道新幹線など主要路線が乗り入れる品川駅までは徒歩15~20分ほどで、都営バスも運行している[2]

鉄道[編集]

路線バス[編集]

  • 品川駅との間に都営バス「品96乙」が運行
  • 大井町駅東口との間に都営バス「井96」が運行

道路[編集]

歴史[編集]

天王洲アイルボードウォーク

江戸時代末期に江戸防衛のため築造された第四台場をベースとして埋め立てが進んだことにより造成された。1980年代以前は企業各社が倉庫物流センターを保有する地域であったが、1985年に天王洲の再開発を推進する地権者22社による「天王洲総合開発協議会」が発足した。協議会による「東品川2丁目(天王洲アイル)マスタープラン」策定、浜松町と羽田を結ぶ東京モノレールとの新駅設置覚書の締結を経て、1988年から段階を追ってオフィス商業複合ビル7棟の建設が進められ、1996年に現在の姿となった。[3]

2015年現在の就業人口は約12,000人であり、2000年代以降は本地域内や周辺地域にもオフィスビルや高層マンションなどが建設され、昼間人口夜間人口ともに急増した。また、本地域の水辺にはボードウォークが整備されており、水辺に沿って商業店舗や飲食店も増加、地域フェスティバルである年4回の天王洲キャナルフェスや地域マルシェの定期開催、1992年にオープンした天王洲銀河劇場で行なわれるさまざまな公演などもあり、地域内のオフィスビルに勤務するビジネスマンの他に東京都内や地方からの訪問客も増えて賑わいを見せている。[4] また、景観に優れているため1990年初頭の完成当時より現在まで、テレビドラマ映画、TVコマーシャルの撮影に頻繁に使われるロケーション撮影の名所になっている。[5]

地名の由来[編集]

天王洲は海中の土砂が堆積してできた州である[6]1751年宝暦元年)江戸前の海であった頃に、船人が牛頭天王の面をこの海域から引き上げたという[7]。この面は南品川の天王祭において神輿の屋根につける「神面」となっているが、この謂れが「天王洲」の地名の由来となっている[6]。また、アイル(isle)とは英語で「」を意味する言葉で、この地が東京湾のウォーターフロントの良き景観に恵まれたロケーションであるため、この名前がつけられた。

なお、天王洲総合開発協議会における公式の英語名は「Tennoz Isle」であるが、天王洲アイル駅の英語表記はモノレール・りんかい線ともに「Tennōzu Isle」となっている。

年表[編集]

  • 1751年(宝暦元年)海中から牛頭天王の面が引き上げられる。これを由来に「天王洲」と呼ばれるようになる。
  • 1853年(嘉永6年)黒船来航に脅威を感じた江戸幕府が急遽品川沖に台場の築造を決定する。天王洲は第四台場を築造する予定地であったが、資金不足のため未完成に終わる[8][9]。この未完成の第四台場を「崩れ台場」とも呼ぶ。シーフォートスクエア周辺の護岸に当時の第四台場の石垣が残っている[10]
  • 1873年(大正元年)第四台場は緒明(おあき)菊次郎に払い下げられ[11]造船所となる[12]。この頃の台場を「緒明台場」とも呼ぶ[10]
  • 1925年(大正14年)から埋立が始まり[12]、1939年(昭和14年)に完成[11]。第四台場は埋もれ品川と陸続きとなり[12]、埋立地は工場や倉庫の用地として利用が始まる[13]
  • 1985年7月地域地権者22社の合意によって天王洲総合開発協議会が発足
  • 1986年10月:東品川二丁目(天王洲アイル)の開発マスタープランを策定。
  • 1991年7月天王洲ファーストタワー竣工、天王洲エリアサービスの地域冷暖房プラント竣工、供給開始
  • 1992年6月:三菱商事、第一ホテル(現・阪急阪神ホテルズ)、宇部興産による再開発事業、“シーフォート・スクウェア”のオープン。東京モノレール天王洲アイル駅が竣工、営業開始。
  • 1993年3月スフィアタワー天王洲竣工
  • 1993年12月天王洲セントラルタワー竣工
  • 1994年11月天王洲オーシャンスクエア竣工
  • 1995年1月天王洲パークサイド竣工
  • 1996年7月野村不動産天王洲ビル竣工
  • 1996年10月ふれあい橋竣工
  • 2001年3月:東京臨海高速鉄道りんかい線天王洲アイル駅が営業開始。2002年12月より、りんかい線は埼京線との直通運転を開始し、渋谷・新宿・池袋に直通し、交通利便性・知名度が一段と高まった。
  • 2006年2月:東京都の「運河ルネサンス構想」第1号店として寺田倉庫が水上ラウンジwaterline(ウォーターライン)をオープン。
  • 2012年3月:東横INN品川駅港南口天王洲(現:東横INN品川港南口天王洲アイル)オープン[14][15]
  • 2018年2月:天王洲アイルの情報を発信するWEBマガジン、天王洲アイル新聞が開局。

周辺の施設[編集]

天王洲銀河劇場
T.Y.HARBOR BREWERY & T.Y.HARBOR River Lounge
第一ホテル東京シーフォートとレストラン船「レディクリスタル」号

■劇場

■アートスポット

■レストラン・カフェ

  • T.Y.HARBOR(ビアレストラン)
  • T.Y.HARBOR River Lounge(バーラウンジ)
  • breadworks(ベーカリー)
  • Lily cakes(スイーツ)
  • Le Calin(カジュアルフレンチ)
  • SOHOLM(ジビエ料理)
  • クルーズクラブ東京「レディクリスタル

■ショップ

  • SLOW HOUSE(家具、生活雑貨)

■ショールーム

■宿泊施設

  • 第一ホテル東京シーフォート
  • 東横イン品川港南口天王洲アイル

公園[編集]

東品川海上公園

天王洲公園[編集]

A、B、Cの3面からなる面積29,483㎡の品川区立の運動公園。人工芝による対面式野球場2面の外野部を共有する形で、サッカー場としても利用できる。独立したC面はミニサッカー場およびフットサルコートが2面あり、野球及びサッカー、フットサルに利用されている。

東品川海上公園[編集]

2007年にオープンした面積約26,000㎡の品川区立公園。目黒川が天王洲南運河に注ぎ込む河口部に位置する親水公園で桜が多く植樹されており、品川区の桜の名所にもなっている。護岸には、品川浦・天王洲地区の運河ルネッサンスの指定に伴って、NPO法人が運営する浮き桟橋があり手漕ぎボートの発着ができる。

イベント[編集]

天王洲キャナルフェスとWaterLine2で行なわれるライブイベント 天王洲キャナルフェスとWaterLine2で行なわれるライブイベント
天王洲キャナルフェスとWaterLine2で行なわれるライブイベント

天王洲キャナルフェス

  • 一般社団法人「天王洲・キャナルサイド活性化協会」によって、2016年夏に開始されて以来、毎年4回開催される地域フェスティバル。野外映画上映「水辺の映画祭」、運河クルーズ体験会、フードマーケット、マルシェ、Water Line2の上での屋外ライブなど多彩な催しが行なわれる。[16]期間中、高浜運河上には台船を係船した即席の水上ビアガーデンがオープンして多くの人で賑わう。

天王洲アイル内にある高層ビル[編集]

本社・本部を置く主な企業[編集]

日本企業の本社(五十音順)[編集]

外資系企業の日本本部[編集]

脚注[編集]

  1. ^ お台場と渋谷、新宿、池袋を直通!」東京臨海高速鉄道株式会社、2013年2月2日閲覧
  2. ^ 品96乙 Archived 2016年3月5日, at the Wayback Machine.」東京都交通局、2013年2月2日閲覧
  3. ^ 東建月報8月号”. 2019年4月7日閲覧。
  4. ^ 港南緑酒公園”. 天王洲・キャナルサイド活性化協会. 2019年4月11日閲覧。
  5. ^ TENNOZU LOCATION TOUR”. 2019年4月7日閲覧。
  6. ^ a b 品川区 2005, p. 7.
  7. ^ 三大祭り荏原神社、2013年2月2日閲覧
  8. ^ 大野 2011, pp. 37–38.
  9. ^ 品川区 & 2012-08-07.
  10. ^ a b 第四台場石垣跡(通称:崩れ台場)[リンク切れ] - しながわ観光百科」しながわ観光協会、2013年2月2日閲覧
  11. ^ a b 大野 2011, p. 38.
  12. ^ a b c 品川区 & 2012-08-02.
  13. ^ 品川区 2005, p. 17.
  14. ^ 天王洲の歴史 Archived 2013年8月2日, at the Wayback Machine.」@TENNOZ、2013年2月2日閲覧
  15. ^ 東横INNメールマガジン 【31号】」、2013年2月2日閲覧
  16. ^ 天王洲・キャナルサイド活性化協会”. 天王洲・キャナルサイド活性化協会. 2019年4月11日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]