宇宙皇子 天上編

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宇宙皇子 天上編』(うつのみこ てんじょうへん)は、藤川桂介の歴史伝奇ファンタジー『宇宙皇子』シリーズの第2部。1986年6月初版発行。挿絵はいのまたむつみ。『宇宙皇子 地上編』から大きく舞台を移し、役小角の霊力によって宇宙皇子・苦須里・釣・田加良・各務・キジムナーらは修行の一環として、小角が作り上げた「天翔船」に乗り、天界を旅する事になる。

ストーリー[編集]

天上から咎人として地上界へ流された魂の許婚、なよ竹のかぐや姫との邂逅も束の間、その事が原因で宇宙皇子は朝廷から流罪の刑を受けてしまう。しかし小角は宇宙皇子を朝廷に渡す事を善しとせず、建前上は金剛山からの「追放」と言う形で、宇宙皇子を天界へと送り出す。それは決して物見遊山な旅ではなく、修験者として成長せよという小角の試練であった。

旅の中でかつて心を通わせた大津皇子や川島皇子、佐保媛、なよ竹や小角らと再会し、新たな出会いを得て皇子はさらに大きく飛翔する。

登場人物[編集]

宇宙皇子
小角より遊鬼道士として遊鬼士を指導する任を預けられ、遊鬼士達・キジムナーと共に天翔船で天界へと飛び立つ。
「一介の修験者」であった遊鬼の頃から、遊鬼士を達を指導する道士という立場になった事で、様々な苦悩や葛藤を抱える事になる。それは小角による試練であり、皇子を一人の指導者として育てようと言う思いからの物であった。
役小角
金剛山で修行を続ける修験者。彼を慕って集まった修験者や、流民となった農民らを束ねる指導者でもある。福寿から引き受けた宇宙皇子を更に大きな指導者へと育てるため、また朝廷からの問責を逃れるため、宇宙皇子を天界へと送り出す。天界を旅する皇子と出会う事になる。
苦須里(くすり)
小角の弟子の一人。遊鬼士。尾張の出身。小角より遊鬼士としての任を預けられ、皇子と共に天界へ赴く。宇宙皇子が不在の折には、彼の代わりに遊鬼士を纏める事を自分の役割とするが、その事に対して小角から試練を投げかけられる。
各務(かがみ)
小角の弟子の一人。小角より遊鬼士としての任を預けられ、皇子と共に天界へ赴く。皇子への想いとなよ竹との関係から、修験者としての心と女性としての心の間で揺れ動く。
田加良(たから)
小角の弟子の一人。難波の出身。小角より遊鬼士としての任を預けられ、皇子と共に天界へ赴く。宇宙皇子に対しての対抗心からの修行に囚われ、克己心からの修行を怠り、自身を高められない事に対して小角から試練を投げかけられる。
釣(つり)
小角の弟子の一人。美濃の出身。小角より遊鬼士としての任を預けられ、皇子と共に天界へ赴く。宇宙皇子の従者たろうとするが、それが自らを高める事にあらず、また皇子のためにもならない事を小角から試練として投げかけられる。
なよ竹
宇宙皇子の魂の許婚。地上編で地上界より天上界へ転生し、その際地上界での記憶全てを失う。そのため、生身のまま天界を旅する宇宙皇子とは互いに想いがすれ違い、苦悩する事になる。
キジムナー
宇宙皇子が琉球へ旅した際に出会った妖魔。元は神籍にあったが落ちこぼれて妖魔にまで身を落としていた。天上界へ旅に出る事が決まった際に宇宙皇子に「神籍に戻る努力をしてみろ」と諭され、恐る恐るながら天上界への旅へ加わる。
遊鬼士の面々の中では、かつての旅で出会った各務に心を許している。多加良とは良きケンカ相手とも言える。
羅睺羅阿修羅王
天上界へ入った宇宙皇子一行が初めて出会った神籍にある者。天上界の底とも言うべき下天の海に住まう。かつては忉利天に住んでいたが、娘・舎脂を帝釈天に犯されたため、帝釈天へ挑んで破れ、下天へ落とされた。
帝釈天
忉利天を治める三十三天王の長。直情径行な性格であり、婚姻を結ぶ予定であった舎脂を激情のままに犯したことから羅睺羅阿修羅王と争う事になる。
四天王
天上界への入り口を守護する増長天広目天多聞天持国天


サブタイトル[編集]

  1. 第一巻 天界の異邦人
  2. 第二巻 戯女市の女
  3. 第三巻 天の補陀落恋渡海
  4. 第四巻 荒魂怨歌抄
  5. 第五巻 天界千年戦 陰之巻
  6. 第六巻 天界千年戦 陽之巻
  7. 第七巻 めぐり逢い、輪舞
  8. 第八巻 落葉帰根の詩
  9. 第九巻 さらば、いとしの客人
  10. 第十巻 珍御子よ