安全地帯VII〜夢の都

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安全地帯VII〜夢の都
安全地帯スタジオ・アルバム
リリース
録音 1990年3月 - 6月
キーストーン・スタジオ
ジャンル ロック
ポップス
AOR
時間
レーベル Kitty Records
プロデュース 安全地帯
星勝
金子章平
チャート最高順位
安全地帯 アルバム 年表
安全地帯VI〜月に濡れたふたり
1988年
安全地帯VII〜夢の都
(1990年)
安全地帯VIII〜太陽
1991年
EANコード
『安全地帯VII〜夢の都』収録のシングル
  1. 情熱
    リリース: 1990年11月7日
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安全地帯VII〜夢の都』(あんぜんちたいセブン〜ゆめのみやこ)は、日本のロックバンドである安全地帯の7枚目のオリジナル・アルバム

1990年7月25日にキティレコードからリリースされた。前作『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』(1988年)よりおよそ2年3ヶ月ぶりにリリースされた作品であり、1988年の活動休止宣言以来となる、活動再開後初のアルバムである。全曲共に作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二、プロデューサーは安全地帯および星勝、金子章平が担当している。

レコーディングは同年に日本国内で行われ、前作までのようなゲストミュージシャンは参加しておらず、安全地帯の5人によって演奏された曲が収録されている。前作までのラブソングを中心とした構成ではなく、世界情勢などに影響を受けた歌詞などによりロックバンドらしさを追求した他、原点回帰を目指した内容となっている。

活動休止前にリリースされた19thシングル「微笑みに乾杯」は未収録のため先行シングルは存在せず、テレビ朝日系テレビドラマ『火曜ミステリー劇場』のエンディングテーマとして使用された「情熱」がリカットシングルとしてリリースされた。

オリコンチャートでは最高位2位となった。

背景[編集]

前作『安全地帯VI〜月に濡れたふたり』リリース後、安全地帯は同年4月より7月23日香港コロシアムまで「MIASS CONCERT 安全地帯VI」と題したコンサートツアーを17都市全24公演にて敢行した[2]。その後8月24日フジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』(1985年 - 1989年)に出演した際、「より良い音楽をやりたいので、少しの間だけ時間を下さい」と安全地帯の活動休止を発表した[3]。翌8月25日のシングル「微笑みに乾杯」リリースを最後に安全地帯は活動休止となった[2]。この活動休止に対し、矢萩渉は「それでもなにかやり残しているという閉塞感を残した」とコメントしている[2]

同年11月18日には玉置の初主演となるフジテレビ系テレビドラマ『並木通りの男~アイラブユーからはじめよう』が放映され、挿入歌として「I Love Youからはじめよう」が使用された[4]。また、同ドラマでは玉置が音楽監督を担当し、六土開正も音楽制作に携わった。六土は他にも11月18日に発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『貝獣物語』の音楽を担当しており、12月には武沢豊や矢萩が参加したフジテレビ系テレビアニメ『F』のサウンドトラックがリリースされた[2]12月10日には安全地帯として初となるベストアルバム『I Love Youからはじめよう -安全地帯BEST-』がリリースされた。

1989年に入り、玉置は小林薫とのダブル主演となるTBS系テレビドラマ『キツイ奴ら』に出演し[5]1月25日に同ドラマの主題歌として使用された「キ・ツ・イ」をシングルにてリリース[2]3月25日には「氷点」をシングルにてリリースし、同曲はテレビ朝日開局30周年記念ドラマ『氷点』の主題歌として使用された[6]7月25日にはシングル「I'm Dandy」をリリースし、同曲は玉置の主演映画第二弾となる、同名漫画の映画化作品『右曲がりのダンディー』の主題歌として使用された[7]11月20日にはシングル「行かないで」をリリースし、同曲はフジテレビ開局30周年記念ドラマ『さよなら李香蘭』の主題歌として使用された[8]

録音[編集]

本作のレコーディングは1990年3月から6月にかけて、日本国内のキーストーン・スタジオにて行われた。

3月にスタジオにて会合した安全地帯の5人は、その時は1991年冬季ユニバーシアードのテーマ曲を1曲レコーディングするために集まった予定であったが、そのままアルバムのレコーディングに突入し6月までレコーディングが行われる事となった[2]

本作では前作までのようなサポートミュージシャンを起用せず、5人だけでの演奏に拘り、さらにキーボードのプログラミング作業などもメンバー自らが行った[2]。玉置は本作に関し「原点に戻ろう」というスローガンを掲げ、常に5人がスタジオにいる状態を心がけていた[2]。それ以外にもサウンド面や歌詞、作品の隅々に至るまで玉置自身の意向が反映されるようになり、「初心を取り戻そう」との思いからプロデュースのクレジットは安全地帯と大きく表記されており、また外部のミュージシャンが一切参加していない作品となった[2]

田中裕二はこのアルバムに特別な愛着を持っており、「1回休んでまた始まったって時だから、勢いがあったし、バンドっぽくやろうっていうのもあったしね」と述べている[2]

音楽性[編集]

玉置浩二の自伝本『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』では、「多くのサポートを迎えて大編成プロジェクトになっていった80年代の安全地帯とはうって変わって、5人のメンバーによるシンプルで力強いバンド・サウンドを打ち出した痛快な作品」と表記しており、また1曲目「きみは眠る」には同時期に発生したベルリンの壁崩壊六四天安門事件などの世界的な転換点の空気感が反映された点などに関して、「ロマンチックなラヴ・ソングというパターンを捨て、ロック・バンドにふさわしい緊張感のある言葉を盛り込んでいた」と指摘している[2]

また、本作と次作『安全地帯VIII〜太陽』(1991年)に関して同書では「それまでの作品のようにセールス面でのプレッシャーに苦しめられることなく、自分たちが本来作りたかったものを作っているというリアリティが強く感じられる」と表記している[2]

リリース[編集]

1990年7月25日CDCTの2形態でリリースされた。

その後1992年11月21日2007年3月7日にはCDのみ再リリースされ、2010年3月3日には完全復活を記念してSHM-CDにて[9]2017年11月22日にはデビュー35周年を記念してLP盤を再現した紙ジャケット、SHM-CDにて再リリースされた[10][11][12]

それ以外にも1996年10月2日にはCD-BOX安全地帯 メモリアル・コレクション』に収録され、2010年6月23日にはCD-BOX『安全地帯BOX 1982-1993』に収録されて再リリースされた[13]

プロモーション[編集]

メディアでの使用

ツアー[編集]

ツアー最終日の会場となった大阪城ホール

本作を受けてのコンサートツアーは「安全地帯VII-夢の都-TOUR」と題して、同年8月15日グリーンホール相模大野から翌1991年1月31日の大阪城ホールまで約半年におよび敢行された[2]

本作は元々1曲のみレコーディングする予定がアルバムとして完成に至った経緯があるため、同年夏より予定されていた玉置のソロツアーを急遽変更し、安全地帯としてのコンサートツアーに差し替えられる形となった[2]

批評[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[14]
TOWER RECORDS ONLINE肯定的[15]
  • 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、玉置のボーカルに関して「耳へ息を吹きかけるような、せつなさをにじませた」と表現した上で、玉置のボーカルがバンド全体のスタイルを成立させている事を指摘、さらに詞が大仰であればあるほど玉置のボーカルに色気が増すと指摘した上で「一段と洗練の度を増した」と称賛した[14]
  • 音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、本作が2年間の活動休止期間後にリリースされた作品である事に触れた上で、「力強い楽曲を揃える」と肯定的に評価した[15]

チャート成績[編集]

オリコンチャートでは最高位2位、登場回数は11回となり、売り上げ枚数は26.0万枚となった。

収録曲[編集]

全作詞: 松井五郎、全作曲: 玉置浩二、全編曲: 安全地帯

SIDE 1
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.きみは眠る  
2.情熱  
3.Lonely Far  
4.Seaside Go Go  
5.ともだち(ストリングス・アレンジ:星勝)  
6.あの夏を追いかけて  
SIDE 2
#タイトル作詞作曲・編曲時間
7.…もしも  
8.Big Starの悲劇  
9.プラトニック>DANCE  
10.この道は何処へ  
11.夢の都  

スタッフ・クレジット[編集]

安全地帯[編集]

スタッフ[編集]

  • 安全地帯 - プロデューサー
  • 諸鍜治辰也 (MIG) - レコーディング・エンジニア、リミックス・エンジニア
  • 小林紀子 - ディレクター
  • 酒井祐司 - アーティスト・マネージメント
  • 安全地帯 - キーボード・プログラム
  • 松藤暢彦 (MIX) - レコーディング・エンジニア
  • 井川彰夫 - レコーディング・エンジニア
  • 荒井優 (MIX) - 追加エンジニア
  • 冨田慎一 (MIX) - 追加エンジニア
  • 最上"Mickey"三樹生 - MIDIシステム・オペレーター
  • 黒沢昇 - ドラムス・コーディネーター
  • 松山晋 - テクニカル・クルー
  • 廣瀬修 - マスタリング・エンジニア
  • 金子飛鳥グループ - スペシャル・サンクス
  • 平原まこと - スペシャル・サンクス
  • 八木ちゃん - スペシャル・サンクス
  • 健ちゃん - スペシャル・サンクス
  • 星勝 - コ・プロデューサー
  • 金子章平 - コ・プロデューサー
  • 多賀英典 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 柳沢光二 - アート・ディレクター
  • 吉田剛 - デザイン
  • 杉山守 - 写真撮影
  • 酒井マサヒロ - ヘアー&メイク・アップ
  • 堀越まゆみ - スタイリスト

リリース履歴[編集]

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1990年7月25日 Kitty Records CD
カセットテープ
KTCR-1010
KTTR-1010
2位
2 1992年11月21日 Kitty Records CD KTCR-1214 -
4 1996年10月2日 Kitty Records CD KTCR-1609 - CD-BOX『安全地帯 メモリアル・コレクション』に収録
5 2007年3月7日 ユニバーサル CD UPCY-6335 -
6 2010年3月3日 ユニバーサル SHM-CD UPCY-6577 -
7 2010年6月23日 ユニバーサル SHM-CD UPCY-9197 - CD-BOX『安全地帯BOX 1982-1993』に収録
8 2017年11月22日 ユニバーサル SHM-CD UPCY-9713 - 紙ジャケット仕様

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 志田歩「第5章 初心にかえろう」『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、86 - 106頁。ISBN 9784876722006。
  3. ^ 安全地帯 ALL TIME BEST 楽曲解説
  4. ^ 並木通りの男 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年9月9日閲覧。
  5. ^ キツイ奴ら - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年9月14日閲覧。
  6. ^ 氷点 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年9月14日閲覧。
  7. ^ 右曲がりのダンディー”. Movie Walker. ムービーウォーカー. 2019年9月14日閲覧。
  8. ^ さよなら李香蘭 - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2019年9月14日閲覧。
  9. ^ 安全地帯 / 安全地帯7~夢の都 [SHM-CD] [廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ 安全地帯、これまでの全オリジナルアルバムを紙ジャケット仕様にして再販決定!”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  11. ^ 安全地帯デビュー35周年、オリジナルアルバム14タイトルを紙ジャケで一挙再発”. Musicman-net. エフ・ビー・コミュニケーションズ (2017年9月15日). 2019年8月12日閲覧。
  12. ^ 安全地帯、1983~2013年発表の14タイトルが紙ジャケで一挙再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年9月19日). 2019年8月12日閲覧。
  13. ^ 安全地帯 / 安全地帯BOX 1982-1993 [12CD+DVD] [SHM-CD]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年3月30日閲覧。
  14. ^ a b 安全地帯 / 7~夢の都 [再発]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年9月14日閲覧。
  15. ^ a b JMD (2017年9月16日). “安全地帯/安全地帯 VII ~夢の都<生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年2月19日閲覧。