定年退食

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定年退食』(ていねんたいしょく)は、藤子・F・不二雄読切漫画作品。1973年(昭和48年)「ビッグコミックオリジナル」9月5日号に掲載された[1]高齢化社会を取り扱った作品。

米沢嘉博SF映画ソイレント・グリーン』との共通性を指摘している[2]

ストーリー[編集]

高齢者の人口比が増大した近未来の社会。国家は広がり続ける汚染地域(要因は不明)による食料不足、医療供給、年金給付の問題にあえいでいた。政府は配給制度下でも不足する食料などの問題に、ついに一定年齢以上の高齢者の生活は、国家の保障の一切を打ち切るという定員法を制定した。主人公は74歳であり、まもなく2次定年を迎える年齢であった。

登場人物[編集]

主人公
74歳の老人[3]。毎日老化防止のために塩コーヒー(恐らく効果はない)を飲んでいる[4]。非常に健康に気を遣っている。まもなく2次定年となる。
吹山
主人公の友人。主人公にあてにならないをたびたび持ちかけてくる。彼もまもなく2次定年を迎えるため、2次定年の延長を求めている[5]
疑り深い一面もあり、2次定年特別延長抽選の不正を糾弾しようと役所の職員に詰め寄るシーンもある[6]
吹山の孫
流行の丸刈りを行っている。この時代ではを伸ばすことが普通であり、頭を刈った者は「無髪族」と呼ばれており、それは体制への反抗の意志でもあるらしい。
奈良山首相
急速に悪化する食糧事情により、テレビにて定員法の更なる縮小を宣告する事となる。

脚注[編集]

  1. ^ 文庫版「藤子・F・不二雄異色短編集2」収録。
  2. ^ 米沢嘉博 「第11章 F、SFプロパーへの道」『藤子不二雄論』 河出書房新社河出文庫〉、2014年。ISBN 978-4309412825。
  3. ^ 2次定年が近いという事は描かれているが、明確な年齢描写は無い。
  4. ^ 3頁目で「塩を入れると塩基カフェロイドが出来て、老化防止に役立つ」のセリフ有り。ただし下記の吹山から聞いた話と言うことで、同頁では家族に「あの人の言うことじゃね」と一笑に付されている。
  5. ^ 7頁目で「毎月申し込んでこれが12回め、最後のチャンス」と言っており、誕生日が近いことを示唆しているが主人公同様明確な年齢描写は無い。
  6. ^ 15頁目。

参考[編集]

  • 小学舘文庫『藤子・F・不二雄異色短編集2 気楽に殺ろうよ』 発行:1995年8月10日 ISBN 4-09-192062-4