宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜

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桑田佳祐 > 宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜
宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜
桑田佳祐ライブ・ビデオ
リリース
録音 2011年9月11日
セキスイハイムスーパーアリーナ
ジャンル ロック
時間
レーベル タイシタレーベル
ビクターエンタテインメント
SPEEDSTAR RECORDS
プロデュース 桑田佳祐
チャート最高順位
  • 週間3位(DVD総合・オリコン[1]
  • 週間1位(DVD音楽・オリコン)[2]
  • 週間20位(Blu-ray総合・オリコン)[3]
桑田佳祐 年表
昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦
2008年
宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜
(2011年)
桑田佳祐 LIVE TOUR & DOCUMENT FILM 「I LOVE YOU -now & forever-」完全盤
2012年
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宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜』(みやぎライブ あすへのマーチ)は、桑田佳祐ライブ・ビデオ。2011年11月16日DVDで、2011年11月23日Blu-ray Discで発売。発売元はタイシタレーベル / ビクターエンタテインメント / SPEEDSTAR RECORDS

背景[編集]

2011年9月10日から9月11日にかけてセキスイハイムスーパーアリーナにて、敢行されたライブ「桑田佳祐 宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜」を映像化した作品。

当ライブの本公演及びDVDと同年に発売されたシングル「明日へのマーチ/Let's try again 〜kuwata keisuke ver.〜/ハダカ DE 音頭 〜祭りだ!! Naked〜」の収益の一部が東日本大震災における被災地復興支援活動への義捐金として日本赤十字社及び地方公共団体に対して寄付される[4]

批評[編集]

サンドウィッチマン伊達みきお[5]声優山寺宏一[6][7]などの東北出身の著名人がこのライブのDVDを購入・観賞した事を公言している。

ライブ[編集]

スケジュール[編集]

エピソード[編集]

会場のセキスイハイムスーパーアリーナ
(宮城県総合運動公園総合体育館)

「チーム・アミューズ!!」の名義で東日本大震災の復興支援チャリティーソング『Let's try again』が発売された後、桑田佳祐・原由子は2011年5月28日に宮城県を訪れ、地元民の案内により、仙台空港名取市閖上地区を視察し、前者の活気を取り戻している様子[注 1]と、後者の悲惨な状況を目の当たりにし、復旧に尽力した人々に対しての感動を覚え、犠牲者の冥福を祈った[9]。そして、同日放送のTOKYO FMの番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」をエフエム仙台から生放送した。その際桑田が「仙台でライブをやりたい」と発言し、その言葉がこのライブへとつながった[10]。また、同日には地元のイベンターとも接触し、後述したお祭りを模した演出やコンセプトなどをやりたいと語っていたことがのちに原によって明かされている[9]

桑田によると、当時は震災の余波から自粛ムードなどが続いていたり、会場であるセキスイハイムスーパーアリーナが一時的に遺体安置所として使用され、メインアリーナのコンサート会場としての利用を再開して最初のコンサートだったこともあって、ビッグバンド形式でスタンダードナンバーを歌うなどの普段とは違うスタイルで行うことも検討されたが、結論としてこのライブで大切にすべきことは、ライブをやっている時間帯だけでも辛いことを忘れて観客が大いに「浮かれて」くれる事と思うようになったといい、そこから「お祭り」といったコンセプトに決まり[10]、スタッフから「不謹慎(エロティックなパフォーマンスの事)もちょっとぐらいはいいんじゃないの、普段通りの桑田でいいんじゃないの」という説得もあった事を述べ、通常通りのエロティックな楽曲を含めたパフォーマンスを行い、観客もそれらを受け入れ歓声が上がった[10]。ただし、亡くなった方々に対する弔いの気持ちを表現することは当然必要な事とし、本番前日には地元の宮司を招いて安全祈願が行われ、すべての出演者やスタッフが参加し、犠牲者への慰霊と被災地の復興やライブの成功の祈願がされ[11]、仙台のイベンターと相談した結果、会場周辺に『虹の広場』という縁日を模した広場が設置されたり、ライブ冒頭で犠牲者に黙祷を捧げる、随所で東北・宮城に関連する楽曲を歌唱するなどという一幕もあった[10][12]。また、「東北の方々に少しでも多く参加していただければ」「多くの東北の方にご覧いただく方法がないものか」といった意向で東北エリアを対象としたチケットの先行販売や宮城県・福島県・岩手県の映画館でパブリックビューイングが行われ、後者に関しては抽選での無料招待という形をとった[10][13]

DVDに収録されているインタビューでは、被災者の苦しみなどの現実と前向きな表現とのギャップや、「自分の故郷がなくなったらどうなっちゃうんだろう」といった葛藤を述べつつ、桑田にとってのこのライブの大きなキーワードが「故郷」であったことを明かしている[14]

本公演はスペシャルサイトなどでは「チャリティーライブ」「復興支援ライブ」と位置付けられたが、桑田本人は「おこがましい」という理由からあえてこうした表現をせず、代わりに「みんなで元気になろうぜ!!の会」と位置付けていた[15]。またこの言葉は同年の年越しライブのタイトルにもなった[16]

会場周辺に設置された『虹の広場』は、一面が桑田を普段から支えている全国の関係者からチャリティとして寄贈された提灯で飾られ、出店は宮城・福島・岩手から集まり、津波で甚大な被害を受けた店も参加し、全国からの支援に対する感謝の気持ちを込め、この日のために腕を振るった[17]。また、サポートミュージシャンとして東北各地から集まった演奏家と“宮城スペシャルフィルハーモニー交響楽団”が結成されるなど、本編にも東北各地からの協力が得られた[18]。『虹の広場』は翌年の全国ツアー「I LOVE YOU -now & forever-」宮城公演や[19]、2013年のサザンオールスターズのスタジオアムツアー「灼熱のマンピー!! G★スポット解禁!!」の宮城公演[20]でも設置された。

桑田が食道がんを克服してから最初のライブであったため、詫びの言葉を述べて観客に土下座をしたり、当時の病状などを「キャンサー・オブ・ダイニングキッチン」といった駄洒落を交えて述べたりする一幕もあった[18]

エロティックな楽曲の一つである「ハダカ DE 音頭 〜祭りだ!! Naked〜」については桑田が「『虹の広場』で雰囲気を作ってくれたので自然に演奏できた」と述べている[21]

公演終了後には「虹の広場」周辺で本公演のスタッフが用意した花火が打ち上げられた。当初桑田はこの演出に関しては迷っていたが、スタッフの説得で行うこととなった[21]

桑田は後に上記の一連の出来事について「99%はスタッフや地元(東北)の人がやってくれたこと」として、感謝の言葉を述べていた[21]

宮城ライブ以後も宮城県を中心に被災地を訪れ、前述した会場に復興への願いを込め、記念樹としてソメイヨシノを三本植樹[22][23]したり、ライブ活動を積極的に行っている[24][25][26]

チャート成績[編集]

2011年11月28日付のオリコン週間DVDランキングで初週3.8万枚を売り上げて、ミュージック部門1位(総合3位)を獲得した[2]

収録曲[編集]

DVD Disc.1[編集]

  1. OPENING
  2. 青葉城恋唄さとう宗幸
  3. <MC>
    東日本大震災の被災者に向けて、黙祷が捧げられた。
  4. 現代人諸君(イマジン オール ザ ピープル)!!
  5. いいひと 〜Do you wanna be loved ?〜
  6. SO WHAT?
  7. 古の風吹く杜
  8. MIYAGI LADY BLUES 〜宮城レディ・ブルース〜
    OSAKA LADY BLUES 〜大阪レディ・ブルース〜」の替え歌であり、歌詞も東北・宮城に関連するフレーズに変更されている。
  9. <MC>
  10. 大漁唄い込み宮城県民謡)MERRY X'MAS IN SUMMERKUWATA BAND
    宮城県民謡「大漁唄い込み」は「我々のような若手[注 2]はレパートリーがなかなか少ないのでね[注 3]、それをごまかすために宮城の民謡を歌ってみようかと」と前フリとしてあからさまなジョークを述べたうえで歌唱。「つなぎですから」と話した通りに「MERRY X'MAS IN SUMMER」とつなげている。また、「大漁唄い込み」の「エンヤートット」というフレーズは2016年のシングル「君への手紙」でも使われている。
  11. スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)KUWATA BAND
  12. BAN BAN BANKUWATA BAND
  13. <MC>
  14. 風の詩を聴かせて
  15. 明日晴れるかな
  16. <MC>
    アントニオ猪木プロレスラーを引退する際の語り「道」をパロディにし、入場曲「炎のファイター」に乗せサブステージへ移動。原由子が登場。
  17. 栞のテーマサザンオールスターズ
  18. My Foreplay Musicサザンオールスターズ
  19. LOVE AFFAIR 〜秘密のデートサザンオールスターズ
    ここまで原由子との弾き語りセッション。桑田は18曲目の演奏を始める前に「我慢して聴いて、ちょっとサザンやりましょう[注 4]」と述べている。
  20. メインステージへ移動 〜 NUMBER WONDA GIRL 〜恋するワンダ〜
  21. EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~
  22. <MC>
  23. 明日へのマーチ
    1番サビの一節「遠くで」の歌詞テロップが「東北で」と表記されている。
  24. ハダカ DE 音頭 〜祭りだ!! Naked〜
  25. 銀河の星屑
  26. 悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
  27. 本当は怖い愛とロマンス
  28. Let's try again 〜kuwata keisuke ver.〜

DVD Disc.2[編集]

  1. ENCORE 〜 <MC>
  2. それ行けベイビー!!
  3. 故郷(桑田によるハーモニカ伴奏)[注 5]月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)
    終盤に日章旗がバックモニターに投影された。翌年の全国ツアー「I LOVE YOU -now & forever-」でもこの演出が行われている。
  4. 祭りのあと
    冒頭には「またこの場所で逢う約束をしよう」といった趣旨のオリジナル曲が歌われた。
    最後のサビの歌詞が一部変更されている。
  5. <MC>
  6. 希望の轍サザンオールスターズ
  7. <MC> 〜 ENDROLL
    皆の幸せや東北の復興、原発の収束及び子供たちの明るい未来を祈願するという趣旨のもと「一本締め[注 6]」が行われた。退場曲は「明日へのマーチ」。
  8. Documentary of “宮城ライブ ~明日へのマーチ!!~”

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 仙台空港は、現地住民や自衛隊米空軍の尽力により同年4月13日に運用が再開されている。また、桑田は仙台空港を拠点として行われた米軍による「トモダチ作戦」に感動した事を自身のラジオで述べている[8]
  2. ^ 桑田は2011年6月25日にサザンオールスターズとしてデビューして33周年に突入しており、このライブの翌月(10月6日)にはソロデビューから24周年を迎えている。
  3. ^ 当時の時点で桑田のソロの持ち曲数は合計で203曲存在していた(「DEAR MY FRIEND」・一部カバー楽曲・KUWATA BANDSUPER CHIMPANZEE桑田佳祐&Mr.Childrenなどの楽曲を含む。一部ライブ音源・当時音源化されていなかった「Kissin' Christmas (クリスマスだからじゃない)」は除く)。
  4. ^ 当時サザンオールスターズは無期限活動休止中であった。
  5. ^ 桑田はかねてからこの曲を気に入っている事を述べており、「BRUTUS」2011年3月1日号の企画「桑田がコタエル」で、高須光聖に「今後、歌を歌ってはならない!という「歌禁止令」が世界で決まりました。最後に1曲だけ歌ってもいいと言われたら、どんな曲をどんなシチュエーションで歌いますか?」と質問された際に、この曲に代表される小学唱歌を挙げ「できたら、母校である茅ヶ崎小学校の、昔の音楽教室で、私の同級生たちと歌いたいなあ」(「BRUTUS」2011年3月1日号 p.41)と述べるほどだった。
  6. ^ ただし、桑田を始めとした演者及び観客は一回だけ手を打っており、厳密には一本締めの変形である一丁締めであった。

出典[編集]

  1. ^ 宮城ライブ~明日へのマーチ!!~(完全生産限定盤) オリコン 2017年2月1日閲覧
  2. ^ a b 【オリコン】桑田佳祐、復活ライブDVDが3年8ヶ月ぶり首位 オリコンスタイル 2015年10月22日閲覧
  3. ^ 宮城ライブ~明日へのマーチ!!~ オリコン 2017年2月1日閲覧
  4. ^ 桑田佳祐 宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜 スペシャルサイト
  5. ^ お知らせ とか。|サンドウィッチマン 伊達みきおオフィシャルブログ「もういいぜ!」
  6. ^ 山寺宏一 @yamachanoha 2011年11月23日20:26のツイート
  7. ^ 山寺宏一 @yamachanoha 2011年11月23日20:28のツイート
  8. ^ TOKYO FM桑田佳祐のやさしい夜遊び」2012年7月7日放送分より
  9. ^ a b 原由子『あじわい夕日新聞~夢をアリガトウ~』P110 - 111、p126 - 127、P130、朝日新聞出版、2013年
  10. ^ a b c d e 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P326 - 328 新潮社、2012年
  11. ^ 桑田佳祐『宮城ライブ~明日へのマーチ!!~』をDVD&BD化 タワーレコードオンライン
  12. ^ 桑田佳祐の宮城ライブ、「普段通り」に歓声 日本経済新聞
  13. ^ 桑田佳祐 宮城ライブ 〜明日へのマーチ!!〜 スペシャルサイト
  14. ^ 「Documentary of “宮城ライブ ~明日へのマーチ!!~”」より。
  15. ^ 桑田佳祐、宮城ライブで復興支援&完全復活27曲 音楽ナタリー
  16. ^ 「みんなで元気に忘年会!」桑田佳祐 4年ぶりの年越しライブ決定 バークス
  17. ^ 桑田佳祐「宮城ライブ〜明日へのマーチ!!〜」が開催された! mFound
  18. ^ a b 震災から半年 桑田佳祐が被災地で復興ライブ 原由子も出演 オリコンスタイル
  19. ^ 桑田佳祐、5年ぶり全国ツアー“約束の地”仙台からスタート 音楽ナタリー
  20. ^ サザンオールスターズ、約束の地・日産スタジアムから野外スタジアムツアーがスタート バークス
  21. ^ a b c 【エンタがビタミン♪】「涙とともに選んだ」。桑田佳祐が『宮城ライブ』オープニング曲「青葉城恋唄」の秘密語る。 Techinsight
  22. ^ 復興への願い込め…桑田佳祐、宮城に桜を植樹 オリコンスタイル
  23. ^ サザンオールスターズ official @sasfannet 2016年3月10日 7:06のツイート
  24. ^ サザンオールスターズ、宮城公演で野外スタジアムツアーファイナル BARKS
  25. ^ サザン桑田佳祐が被災地女川でサプライズFM生放送 日刊スポーツ
  26. ^ 東日本大震災から5年 サザン桑田佳祐が宮城県の女川町からレギュラーラジオ番組を公開生放送! WWSチャンネル
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関連項目[編集]