宮崎裕子 (法曹)

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宮崎 裕子(みやざき ゆうこ、1951年7月9日 - )は、弁護士出身の最高裁判所判事2018年1月9日 - )。

経歴[編集]

東京大学法学部卒業、1977年司法修習生第一東京弁護士会所属。1984年ハーバード・ロースクール修了。裁判官だった父親の「法廷の中には男女差はない」という言葉で法曹を志した[1]1979年に弁護士登録[2]。日本IBMグループの代理人として約1200億円の課税処分を取り消す判決を勝ち取った[2]

2018年1月9日に最高裁判所裁判官に就任。宮崎は最高裁判事として旧姓の宮崎姓を使うが、最高裁判事が旧姓を名乗るのは初めて(昨2017年9月から判決や令状など裁判関係の文書で裁判官や職員の旧姓使用を認める運用を始めた)[1]

発言[編集]

  • 旧姓使用が可能になった制度変更について、「遅きに失した。もっと早くてもよかった」と指摘し、選択的夫婦別姓についても、「選択的夫婦別姓なら全く問題ない。価値観が多様化する中、可能な限り選択肢を用意することが非常に重要」としている[3]

弁護士として関わった訴訟[編集]

  • 2012年2月18日、東京国税局から申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が、国から受けた約1200億円の課税処分取り消しを求めた訴訟に勝つなど、30年以上にわたり企業法務の実務経験があり、多くの税務訴訟で国税当局に勝利した[4][5]

最高裁判事として関わった訴訟[編集]

  • 2019年7月16日、2009年10月4日に頭痛を訴えて長野県波田町(現松本市)の町立病院に救急搬送された中学1年の男子生徒が帰宅直後に死亡したのは、担当医が必要な検査を怠ったためだとして、横浜市の母親が病院側に損害賠償を求めた訴訟で、病院側の上告を退ける決定をした[6]。松本市と担当医に計約3260万円の支払いを命じた二審判決が確定した。
  • 2020年6月30日、ふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市(千代松大耕市長)を除外した総務省の決定は違法だとして、市が取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷裁判長として、これを違法と認め除外決定を取り消し、これにより泉佐野市の逆転勝訴が確定した。
  • 2020年10月13日、「非正規労働者に対してボーナスを支給しないのは不当である」として大阪医科大学に損害賠償を求めていた訴訟の上告審判決において、最高裁第三小法廷裁判長として、「不合理な格差とはいえない」と判断し、2審の大阪高裁による「不合理な差別であり、違法」とした判決を変更。原告側の訴えのうち、有給休暇についての訴え以外を退けた[7][8]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 最高裁判事就任の宮崎裕子氏「旧姓を最高裁でも使う」 産経新聞 2018年1月9日
  2. ^ a b ひと 宮崎裕子さん=旧姓使用する初の最高裁判事 毎日新聞 2018年1月26日
  3. ^ 最高裁判事で初の旧姓使用 宮崎氏、選択的別姓を支持、共同通信、2018年1月9日。
  4. ^ 「税制、経済国際化に後れ」 国税負かす女神はこう考える 宮崎裕子弁護士 税金考”. 日本経済新聞 (2015年6月5日). 2020年1月7日閲覧。(Paid subscription required要購読契約)
  5. ^ 1200億円課税取り消し、IBM側の勝訴確定 最高裁”. 朝日新聞 (2016年2月19日). 2020年1月7日閲覧。
  6. ^ “中1男子死亡訴訟松本市と担当医、賠償命令が確定 /長野”. 毎日新聞. (2019年7月20日). https://mainichi.jp/articles/20190720/ddl/k20/040/086000c 2020年1月7日閲覧。 (Paid subscription required要購読契約)
  7. ^ NHK(2020年10月13日)「アルバイトにボーナスなし 「不合理な格差と言えず」最高裁
  8. ^ 令和元年(受)第1055号,第1056号地位確認等請求事件令和2年10月13日第三小法廷判決

関連項目[編集]