岩石

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岩石(がんせき、英語: rock[1])は、鉱物が集合している物体のことである[2]。日常語では石ころや岩盤のことをさす[3]一般的には、その大きさに範囲はないと思われがちだが[要出典]学術的にはあまりにも小さいものを、大きいものを剛盤やプレートと言い、区別することが普通である[要検証 ]。岩石は大きく火成岩堆積岩変成岩に分けることができる[4]。その成因は、岩石が溶けた液体であるマグマ(岩漿)が冷えたり、砂や泥が続成作用と呼ばれ、地下で固結作用をうけて岩石に戻ったり、あるいは誕生した岩石が変成作用とよばれる圧力溶液気体との化学反応物理現象を受け溶けてマグマにならないまでも、性質が変化し、二次的に岩石が誕生することもある。多くの地球型惑星は岩石でできている。どこからどこまでを「岩石」と呼び、「金属」と呼ぶのかは難しい問題である。ガラス、金属等と漸移的ともいえる。[要出典]

岩石と鉱物の関係[編集]

一般的には、岩石と鉱物は共に「」と呼ばれ、混同されている[要出典]が、学術的には区別されるべきものであり、化学的には、鉱物は純物質であり、岩石はその混合物である。岩石、鉱物共に地球固体部分を構成する要素であるが、鉱物がその最小単位として知られている。一般に、鉱物は結晶構造を持ち、化学式で表すことができる。これに対して岩石は、鉱物や岩石の破片、天然ガラス、有機物などの集合体である。

学術的には、岩石は「○○岩」と命名され、鉱物は「○○石」や「○○鉱」という名称を付けられるのが一般的であるが、黒曜石大理石御影石など、「○○石」が岩石の通称となっている例も少なくない[5]

岩石の種類[編集]

岩石は、その成因により以下の3種類に大別されることが多い[6]。これは、1862年Bernhard von Cotta英語版火成岩水成岩変成岩に大別した類型[7]が元となっている[8]。また、T. Crook は、火成岩および変成岩を一括して内成岩とよび、堆積岩を外成岩とした[9]

火成岩
マグマが冷え固まったり[10]火山活動で他の岩石などと混ざって固まったもの[要出典]。でき方により、地表や水中に噴出した溶岩からできたものを火山岩[10]、地底の奥深くなどでマグマがゆっくり冷やされできたものを深成岩と呼ぶ。火山岩は急速に冷やされるため結晶が十分に発達せず、石基と呼ばれる微細な結晶の集合部分と、斑晶と呼ばれるやや大きな結晶からなる。一方、深成岩は長い時間をかけて冷やされるため、結晶が充分に成長し、似通った大きさの結晶が集まってできている。
堆積岩
火成岩[要検証 ]風化して水底や陸上に堆積したものが続成作用によって固結したもの[11]砕屑物の堆積により形成された砕屑性堆積岩(砕屑岩)、生物遺体の堆積により形成された生物的堆積岩、水中に溶解していた化学物質の沈殿や析出により形成された化学的堆積岩の3種がある[12]。砕屑岩は固結したものの種類によって、が固結した礫岩が固結した砂岩の固結した泥岩などに分けられる[13]火山砕屑物火山灰など)が固結したものは凝灰岩と呼ぶ[14][疑問点 ]石灰岩は、サンゴフズリナなどの生物の死骸から形成された生物岩的なものと、水中に溶解していた炭酸カルシウムが沈殿した化学岩的なものの両方の生成方法がある[要出典]
変成岩
いったんできた岩石が熱や圧力といった変成作用をうけて構成鉱物や内部構造(組織)が変化したもの[15]。火山の火道などで直接[要検証 ]マグマに接触し変化した接触変成岩、マグマからやや離れたところで変化したり、プレートテクトニクスによってプレートが潜り込む地点付近で圧力によって変化した広域変成岩断層など地表近くの急激・大規模な地殻変動によって熱なしの圧力のみで[要出典]変化した動力変成岩などが存在する。

この他に、岩石が熱水などにより変質作用を受けて出来た変質岩や、圧力の影響で変形作用を被った変形岩がある。[要検証 ]

以上の岩石はさらに詳しい成因、あるいは化学組成や構造などにより、より詳細に分類される。しかし、生物や鉱物と違って、岩石の特徴は連続的に変化しているため、分類の境界は人為的なものである[16]しかも、分類の定義はいくつもあり、どの定義を採用するかによって、同じ岩石に別の名前がつけられることは珍しいことではない。国際地質科学連合(IUGS)による命名案がまとめられているが、完全には定着していない。[要検証 ]

岩石の組成[編集]

岩石の組成は次の表し方がある。成分と粒径によって分けられる。成分によると、珪酸塩岩(SiO32−を含む)と炭酸塩岩(CO32−を含む)に大別できる。一般に堆積岩と変成岩は火成岩よりも組成の範囲が広い。

岩石の循環と相関[編集]

1 = マグマ; 2 = 結晶化; 3 = 火成岩; 4 = 侵食; 5 = 堆積; 6 = 堆積物堆積岩; 7 = 造構造埋没変成作用; 8 = 変成岩; 9 = 溶融

岩石は基本的にはまず、マグマが冷え固まって結晶化することで生まれる。急速に冷え固まったものが火山岩、ゆっくりと冷え固まったものが深成岩であるが、いずれにせよ岩石の起源の大本は火成岩である。こうしてできた既存の岩石はやがて地表で浸食、風化して水や風の影響によって堆積し、堆積物となる。こうした堆積物が圧力を受けたり炭酸カルシウムなどの物質の影響によって化学的に変化し、再び固まったものが堆積岩である。こうしてできた火成岩や堆積岩が、熱や圧力などといった変成作用を受けて変質したものが変成岩である。なお、より強い高熱にさらされ、完全に溶融した場合、冷えれば火成岩となる。このように、長い時間の間に岩石やそれを構成する物質は互いに移り変わると考えられる。

岩石の存在場所[編集]

岩石は地球を構成する主要な物質のうちのひとつである。地球上に存在する岩石は、鉄やニッケルなどに比べ比重が小さいため、上部マントル地殻などに偏在し、この二層の主要構成物となっている。岩石の中でもより密度の高い橄欖岩や輝石岩は他の岩石より深くへと沈み込むことが多く、上部マントルはこうした岩石が主となって構成されている。これに対し、地殻はより比重の小さい岩石が主となっている。なかでも海洋底は玄武岩斑糲岩の比率が高く、大陸は岩石でも最も比重の軽い花崗岩などの比率が高い。また、マグマが形成されるのは主に上部マントルであり、地表へと上昇する過程で上部マントルにある橄欖岩などを取り込んで昇ってくることがある。こうして取り込まれ地上へと噴出した岩石は捕獲岩(ゼノリス)と呼ばれ、地底深くの状況を知る貴重な資料となっている。地殻の岩石の大部分は火成岩と変成岩からなっているが、地表部分においては8割から9割を堆積岩が占めている[17]。これは堆積作用が地表近くで起きているため、堆積岩が地表付近に浅く広く分布しているためである。

岩石を主要構成物とする惑星は地球だけではなく、水星金星火星といった太陽系内側の諸惑星はすべて岩石を主体とする惑星である。このため、膨大なガスを特徴とする木星型惑星と対比し、岩石主体の惑星は地球型惑星と総称される。なお岩石は地球型惑星付近のみならず、太陽系全体にあまねく分布する。木星型惑星も中心核には多量の岩石が含まれている。小惑星は主に岩石からなっており、太陽系外縁天体などもと岩石からできていると考えられる。

最古の岩石[編集]

地球最古の岩石は、カナダ北西部で発見された40億3,000万年前のものとみられてきた[要出典]が、カナダの東部で42億8,000万年前のものが発見された。地球が誕生したのは約46億年前とされるが、発見された岩石は冷えて形成されたばかりの地殻の可能性があり、地殻が形成された時期に関する学説にも影響する発見とされる[18][19][20][21]

日本列島最古の岩石は岐阜県飛騨山脈にあるオルドビス紀(4.9億 - 4.4億年前)の地層のものとされてきたが、カンブリア紀(5.4億 - 4.9億年前)に属する約5億610万年前に形成された火成岩「日立変成岩」が茨城県日立市北部の山地で発見された[22][23][24][25]

岩石の利用[編集]

鉱石だけでなく、岩石そのものも資源としてよく利用される有用なものである。

建材
最も岩石の資源利用として多いものは建材、いわゆる石材としての利用であり、御影石などに代表される花崗岩、大谷石に代表される凝灰岩、大理石に代表される石灰岩や結晶質石灰岩など多くの種類が使用される。岩石は木材と並び建築材料としては最も古いものの一つであり、さらに木材に比べ圧倒的に耐久性に優れるため、巨大建造物の建造が可能であり、またそれを建造した文明が滅亡したのちも岩石で作られた建造物の多くは残存した。エジプトピラミッドイングランドストーンヘンジアテネパルテノン神殿イースター島モアイマヤアステカ遺跡群、インカ帝国マチュピチュなど、石材のみで建設された巨大遺跡は枚挙にいとまがない。こうした石材に石を加工する石工は非常に古い職業であり、世界中に存在した。日本においても穴太衆をはじめ、各地に高い技能を持った石工の集団が存在していた。粘板岩(スレート)は屋根を葺く材料として広く使用されていた。建物本体だけでなく、巨岩などを庭に置く庭石日本庭園においてはなくてはならないものであり、また建物の基礎となる石垣も石材利用としては一般的なものである。このほか、墓石などなど多くの美術・工芸品の原料ともなっている。そのまま使用するだけでなく、石を砕いた砕石も重要な建築材料である。
道具
人類の最初期の道具も石から作られたものであり、青銅器が発明されるまでの間は石器こそが人類の使用できるもっとも堅い道具だった。石は世界中にあまねく分布しているうえ加工にも手間がかからないため、世界中のすべての文明は石器時代には到達していた。新大陸のアステカ・マヤ・インカといった諸文明は青銅器を発明していないか工芸品としての利用にとどまっていたため、16世紀にスペインと接触するまで石器が文明の中心となっていた。ちなみに、人間以外の動物が使う道具としても石は広く使われる。エジプトハゲワシは石を銜えてそれを叩き付けて卵を割る。また、ラッコが個体ごとに石を所持し、主食であるを石に叩きつけて貝殻を割り、中の肉を食べることも広く知られている。
武器
武器としては単なる石はきわめて広範に利用される。石器には矢尻石斧石槍などの例がある。現在でも特別な武器を持たぬものにとって投石はきわめてよく利用される攻撃方法である。単に手で投げるだけでなく、より効果的に投げるための装置が投石機である。
調理用具
調理のために岩石が使われる例もある。加熱した岩石を熱源にする調理法は石焼きと呼ばれ、石焼き芋のように小石を熱するもの、石板を利用するもの、石製の容器を使用するものなどがあり、広く利用される調理法のひとつである。

文化[編集]

磐座(奈良県桜井市・與喜天満神社)

巨大な岩石をそのままあがめる巨石信仰は、自然崇拝としてはありふれたものの一つであり、世界各地にその信仰またはその痕跡が残っている。日本においては巨石信仰は磐座としてそのまま古神道にとりこまれ、現代でも巨石を神体とする神社は日本各地に存在し、神道の一部となっている。

注と出典[編集]

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  1. ^ 文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会1984年、24頁。ISBN 4-8181-8401-2。
  2. ^ 榎並 2013, p. 1.
  3. ^ 鈴木 2005, p. 48.
  4. ^ 西村ほか 2010, p. 53.
  5. ^ 杵島ほか 2006, pp. 50-51.
  6. ^ 周藤・小山内 2002, p. 2.
  7. ^ Bernhard von Cotta英語版 (1862) [1855] (German). Die Gesteinslehre (第二版 ed.). Freiberg: J.G. Engelhardt. pp. [要ページ番号]. OCLC 4656265. 
  8. ^ 岩石学 2』 5頁。
  9. ^ T. Crook (1914). Miner. Mag. 17. 
  10. ^ a b 榎並 2013, p. 55.
  11. ^ 西村ほか 2010, p. 67.
  12. ^ 西村ほか 2010, pp. 67-69.
  13. ^ 西村ほか 2010, p. 68.
  14. ^ 鈴木 2005, p. 425.
  15. ^ 榎並 2013, p. 117.
  16. ^ 西村 2010, pp. 53-54.
  17. ^ 『徹底図解鉱物・宝石のしくみ : カラー版』 宮脇律郎監修、新星出版社2008年、28頁。ISBN 978-4-405-10666-6。
  18. ^ Jonathan O'Neil; et al. (2008). “Neodymium-142 Evidence for Hadean Mafic Crust”. Science 321 (5897): 1828-1831. doi:10.1126/science.1161925. ISSN 1095-9203. 
  19. ^ ナショナルジオグラフィック日本語『地球最古の地殻を発見か Archived 2012年2月12日, at the Wayback Machine.』2008年9月25日
  20. ^ 共同通信『世界最古、42億年前の岩石発見 カナダ東部 Archived 2011年9月24日, at the Wayback Machine.』2008年9月25日
  21. ^ 毎日新聞『岩石:43億年前の岩石、カナダで発見 地球初期の地殻か--世界最古 [リンク切れ]』2008年9月25日
  22. ^ 田切美智雄ほか「カンブリア紀を源岩とする日立変成岩の地史-SHRIMP年代測定による結果」 、『日本地質学会学術大会講演要旨』第115年学術大会(2008秋田)、日本地質学会2008年、 77頁、 doi:10.14863/geosocabst.2008.0.149.0ISSN 1348-3935NAID 110007060284
  23. ^ 田切美智雄「日立カンブリア紀層の地史の再考 (PDF) 」 、『日本地球惑星科学連合大会予稿集』、日本地球惑星科学連合2009年、 G209-021。
  24. ^ 田切美智雄ほか「日立変成岩類 : カンブリア紀のSHRIMPジルコン年代をもつ変成花崗岩質岩類の産状とその地質について」 、『地学雑誌』第119巻第2号、東京地学協会2010年、 245-256頁、 doi:10.5026/jgeography.119.245ISSN 0022-135XNAID 10030368584
  25. ^ 毎日新聞『日立変成岩:日本最古…カンブリア紀の地層 茨城・日立 Archived 2008年9月21日, at the Wayback Machine.』2008年9月17日

参考文献[編集]

  • 坪井誠太郎 『岩石学 第1』 岩波書店岩波全書〉、1950年、7版。全国書誌番号:51008264OCLC 672588956
  • 都城秋穂久城育夫 『岩石学 2 岩石の性質と分類』 共立出版〈共立全書〉、1975年。ISBN 4-320-00205-9。
  • 都城秋穂、久城育夫 『岩石学 3 岩石の成因』 共立出版〈共立全書〉、1977年。ISBN 4-320-00214-8。
  • 黒田吉益諏訪兼位 『偏光顕微鏡と岩石鉱物』 共立出版、1983年、第2版。ISBN 4-320-04578-5。
  • 周藤賢治; 小山内康人 『記載岩石学 : 岩石学のための情報収集マニュアル』 共立出版〈岩石学概論〉、2002年ISBN 4-320-04639-0。 
  • 周藤賢治、小山内康人 『岩石学概論 下 解析岩石学 : 成因的岩石学へのガイド』 共立出版、2002年。ISBN 4-320-04640-4。
  • 鈴木淑夫 『岩石学辞典』 朝倉書店、2005年 
  • 杵島正洋ほか 『新しい高校地学の教科書』 講談社〈ブルーバックス〉、2006年 
  • 西村祐二郎ほか 『基礎地球科学 第2版』 朝倉書店、2010年 
  • 榎並正樹 『岩石学』 共立出版〈現代地球科学入門シリーズ〉、2013年 

関連項目[編集]