崔善姫

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チェ・ソンヒ
崔 善姫
Choe Son-hui.jpg
生誕 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
職業 外交官
肩書き 外務副相
任期 2018年 -
崔永林
崔善姫
各種表記
ハングル 최선희
漢字 崔善姫
発音: チェ・ソンヒ
チェ・ソニ
日本語読み: さい・ぜんひ
英語表記: Choe Son-Hui
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崔 善姫(チェ・ソンヒ、朝鮮語: 최선희[1]、Choe Son Hui、1964年 - )は、朝鮮民主主義人民共和国官僚政治家北朝鮮外務省副相(次官)。

略歴[編集]

崔永林元首相の長女(養女という説あり。)。オーストリアマルタ中華人民共和国などに留学した後、1980年代半ばに北朝鮮外務省入り。2009年8月、アメリカ合衆国ビル・クリントン元大統領が平壌を訪問した際に通訳を担当して表舞台に立った。2010年10月に外務省米州局副局長に就任。

2016年には、6カ国協議に関連して北朝鮮次席代表として中国を訪問した[2]。同年、北朝鮮外務省の北米局長に昇格した[3][4]

2017年1月、ドナルド・トランプが大統領に就任したことを受け、元アメリカ政府の当局者らなどと意見交換するためにニューヨークを訪れるべく調整が進められていたが、2月13日に金正男マレーシアで殺害される事件が発生。最終的にアメリカがビザの発給を却下し、初訪米はならなかった[5]。しかし同年5月8日-9日、ノルウェーオスロを訪問、現地でアメリカ元政府高官らと非公式の接触を行っている[6]

2017年9月、北朝鮮核問題に関し国連総会の演説を通じてアメリカと北朝鮮が批難合戦を行っている中[7]ロシアからの招請を受けてモスクワを訪問した[8]。同年10月にもモスクワを訪れ、ウェンディ・ルース・シャーマンアメリカ合衆国国務次官(政治担当)金杉憲治外務省アジア大洋州局長らとともに核不拡散に関する国際会議に出席[9]。日朝局長協議はなされないとされたものの、金杉局長と複数回接触し、メッセージを伝えられたとする[10][11]。2017年11月のトランプ大統領訪中からは中国の仲介でトランプ政権と米朝協議を行ったとされる[12][13]

2018年3月、降格されたアメリカ担当の韓成烈次官の後任ないし対米交渉に詳しい金桂官第1次官の体調不良に対応するための人事として、外務次官に昇格したことが正式に発表された[14]

2018年5月、中国の大連習近平総書記と会談した金正恩朝鮮労働党委員長の訪中に同行した。同年3月の北京への金正恩委員長の初訪中の際は同行してなかったため、2018年米朝首脳会談前の準備調整ともされる[15]。また同月24日、アメリカのペンス副大統領が、北朝鮮の行方について「リビアの二の舞」と発言したことに対し「許容できない」として反論したが[16]、タイミング的に翌25日にアメリカ側から発表された米朝会談中止の判断材料の一つとなった[17]

金正恩委員長に近い存在とされ、米朝交渉のキーマンとして報道されることがある[18]

脚注[編集]

  1. ^ 北최선희 "트럼프 정권과 여건되면 대화할 것" - 연합뉴스 (朝鮮語)
  2. ^ “北朝鮮の6カ国協議次席代表 中国を電撃訪問”. 聯合ニュース. (2016年9月7日). http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2016/09/07/0300000000AJP20160907003900882.HTML 2018年3月9日閲覧。 
  3. ^ 「崔善姫氏が外務次官昇格か 北朝鮮、米国や核問題担当」日本経済新聞2018/2/28 18:23
  4. ^ 北朝鮮の6カ国協議次席代表 中国を電撃訪問 聯合ニュース(2016年9月7日)2017年6月21日閲覧
  5. ^ 米、北朝鮮外務省高官のビザ発給認めず 正男氏殺害で 朝日新聞デジタル(2017年3月2日)2017年6月21日閲覧
  6. ^ 米朝、非公式接触を終了 オスロで2日間 日本経済新聞(2017年5月11日)2017年6月21日閲覧
  7. ^ 「奴らは遠からず姿消す」 トランプ氏、北朝鮮の李容浩外相の演説非難 産経新聞社(2017年9月24日)2017年9月27日閲覧
  8. ^ 北朝鮮の北米局長が訪ロ 時事通信社(2017年9月25日)2017年9月27日
  9. ^ 「北朝鮮局長、モスクワ入り=日米も参加の国際会議出席へ」時事通信2017年10月18日23時21分
  10. ^ 核の標的は「米国のみ」 訪露の北高官が対米牽制産経ニュース2017.10.20 23:43
  11. ^ 「外務省アジア大洋州局長、北朝鮮北米局長と複数回接触」日本経済新聞2017/10/21 20:08
  12. ^ “米朝、昨年秋から水面下で接触重ねる:独自”. 日本テレビ. (2018年3月9日). http://www.news24.jp/articles/2018/03/09/10387648.html 2018年3月10日閲覧。 
  13. ^ “米朝が極秘協議、12月に北京で 米の対北融和派巻き返しか? 1・16バンクーバー閣僚級会合は紛糾の恐れ”. 産経ニュース. (2018年1月4日). http://www.sankei.com/politics/news/180104/plt1801040007-n1.html 2018年3月10日閲覧。 
  14. ^ “北朝鮮・崔善姫氏が外務次官に”. 日本経済新聞. (2018年3月9日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2786798008032018FF1000/ 2018年3月9日閲覧。 
  15. ^ “3月の訪中に含まれなかった金与正氏が同行…北の対米ラインが総出動”. 中央日報. (2018年5月9日). http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=241220 2018年5月9日閲覧。 
  16. ^ 米朝会談中止「リビア方式」で解釈の違い”. 毎日新聞 (2018年5月25日). 2018年5月25日閲覧。
  17. ^ キム第1外務次官談話全文 機会逃すまいとする意向が”. NHK (2018年5月25日). 2018年5月26日閲覧。
  18. ^ 正恩氏、命乞いか 米朝が非公式協議、鍵握る対米交渉キーマン「直結の女」 ZAKZAK(2017年5月10日)2017年6月21日閲覧