川南町

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かわみなみちょう
川南町
Sourinbarukuyoutou.jpg
川南町旗 川南町章
川南町旗 川南町章
1953年2月11日制定
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 宮崎県
児湯郡
市町村コード 45405-2
法人番号 8000020454052 ウィキデータを編集
面積 90.12km2
総人口 15,244[編集]
推計人口、2020年6月1日)
人口密度 169人/km2
隣接自治体 児湯郡高鍋町都農町木城町
町の木 サザンカ
川南町役場
町長
[編集]
日高昭彦
所在地 889-1301
宮崎県児湯郡川南町大字川南13680-1
北緯32度11分31.3秒 東経131度31分33.1秒 / 北緯32.192028度 東経131.525861度 / 32.192028; 131.525861座標: 北緯32度11分31.3秒 東経131度31分33.1秒 / 北緯32.192028度 東経131.525861度 / 32.192028; 131.525861
川南町役場
町庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

川南町位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

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川南町(かわみなみちょう)は、宮崎県中部にあるである。日本三大開拓地[1][2]の1つである。

地理[編集]

宮崎県中東部、宮崎市から北東約35kmの宮崎平野北部に位置している。西側の一部は尾鈴山地で、それ以外は河成段丘が広がり、これが海岸付近まで迫っている。東側は日向灘に面している。

町の中心部を平田川が流れ、町の北端部を名貫川が流れている。 町名の川南はこの名貫川の南に因む。[3]

年間降水量は2,400mmほど、年間日照時間も2,100時間と、年間の数字をみれば申し分はなくむしろ恵まれているが、降水量のほとんどが梅雨と台風の時期に集中するため、春や夏はほぼ雨に恵まれない[4]。町内の多くを占める丘陵地は乾燥した原野であり、第二次世界大戦後に開拓が本格化するまでは長年未開発の状態であった[4]

中心地域は通称「トロントロン」と呼ばれている。この名の由来として次の2つの説が唱えられている。

  1. 西南戦争の際に敗走する西郷隆盛の一行が、ぬかるんだ地面を「トロントロンとしている」と言ったとする説
  2. 湧き水があり、水の音が「タランタラン(トロントロン)」と聞こえたとする説

隣接している自治体[編集]

地名[編集]

  • 川南
  • 平田

歴史[編集]

平坦で乾燥した丘陵地が広がる川南原は、水がなく耕作に適しない地域であったが、江戸時代より讃岐国や周辺地域の住民を受け入れての小規模な新田開発が行われていた[4]。明治時代には高鍋藩の士族による用水路を築いての新田開発や、県内外から農民を集めての大規模農場開発が行われたが、丘陵のほとんどは未開発のままであり、川の水をめぐっての争いが絶えなかった[4]

1911年に第13代宮崎県知事有吉忠一により川南原の開発事業が計画され、1925年には宮崎県より国に対し、国営大規模開墾事業を求める申請が出された[4]1927年には政府が大規模開墾計画を策定し、全国の500ヘクタール以上の開墾可能地を国営で設計・開拓することとなったが、全国からの希望が殺到し候補選定は難航した。1938年12月、1939年からの5か年事業として「川南原国営開墾事業」の実施が閣議決定されたが、1944年太平洋戦争激化のため中止となった[4]

一方、鹿児島県内に作られていた軍馬育成所が宮崎県内に移され、1908年高鍋町軍馬補充部高鍋支部(現在の宮崎県農業大学校)が開設された。軍馬の飼料耕地や放牧地は川南の丘陵地の多くを買収して設けられた。4000ヘクタール以上の広大な軍用地が川南原に設けられたことは、開拓や灌漑事業の遅れをもたらした[4]1941年秋には満州の白城子陸軍飛行学校から宮崎の新田原基地挺進連隊(空挺落下傘部隊)の練習場が移転され、川南の広大な軍用地が降下練習の用地となったが、多くの開拓者の移転をもたらした[4]

太平洋戦争が終わると、戦後開拓がはじまり、ようやく川南の軍用地や丘陵地の開拓が本格化した。逼迫する食糧増産と復員軍人・海外引揚者・戦災被害者の働き口を作るために緊急開拓事業実施要領が決まり、全国各地で国営や県営の開拓地が開発されたが、川南原は国営開拓事業地区となり、全国の農民や満州開拓団の引揚者や、ここで訓練していた落下傘部隊の兵隊が集まり、兵舎などに暮らしながら厳しい開拓に従事した[4]。人口はほぼ倍増し、開拓者の出身県が全都道府県におよんだため、「川南合衆国」と呼ばれるようになったが、当初は水不足・火山灰性の土壌・過剰入植等の問題を抱え、離農者も多かった[4]。青森県の三本木原、福島県の白河矢吹、宮崎県の川南原が日本三大開拓地と言われるのは、規模の大きさと難度の高さからであった[4]。現在では宮崎の畜産業の中心地となっている。2010年口蹄疫2010年日本における口蹄疫の流行)では畜産業が大きな打撃を受け、その復興が進められる一方、茶や野菜などの畑作を振興して畜産とのバランスをとることも模索されている[4]

近現代[編集]

町政[編集]

国政・県政[編集]

国政[編集]

衆議院小選挙区選挙では宮崎2区(延岡・日向・西都・児湯郡・西臼杵郡・東臼杵郡)に属する。近年選出の議員は以下のとおり。

宮崎県議会[編集]

本町と都農町木城町新富町高鍋町で選挙区(西米良村を除く児湯郡)をなす。定数は3人。近年選出の議員は以下のとおり。

  • 2007年4月
    • 坂口博美(自民)
    • 図師博規(無所属)
    • 松村悟郎(自民)

公共機関[編集]

経済[編集]

産業[編集]

広大な台地を利用して畜産を中心に大規模な農業が行われている。2006年の農業粗生産額は207億円、県内トップクラス(第5位)で一大農業地帯である。また、これを利用した食品工業も盛んである。通浜地区では漁業が行われている。

開拓者の出身地が全都道府県に及ぶことから「川南合衆国」とも呼ばれる。

畜産[編集]

畜産の生産額は149.6億円(2006年)と農業粗生産額の約7割を占める。特に豚は73.3億円(2006年)と全国第6位に位置している。2006年の豚の飼養戸数は95戸、飼養頭数は14万1,600頭である。

2010年4月下旬以降、口蹄疫が町役場以北の地域を中心に流行し[5]、町内の肉用牛・豚の8割[6]が殺処分の対象となる事態となった(2010年日本における口蹄疫の流行を参照)。政府は同年5月19日に「感染地域から半径10キロ圏内の牛・豚全頭にワクチン接種後、殺処分」する方針を発表し[7]、同月21日に川南町側がワクチン接種を受け入れた[8]

主な企業[編集]

  • 宮崎県農協果汁
  • 児湯食鳥
  • 中川機器製作所宮崎工場

姉妹都市・提携都市[編集]

国内

地域[編集]

地元学と称した地域研究により、地域興しが盛んである。[9]

健康[編集]

  • 平均年齢(2000年国勢調査) - 43.0歳

人口[編集]

Demography45405.svg
川南町と全国の年齢別人口分布(2005年) 川南町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 川南町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

川南町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

教育[編集]

中学校

小学校

  • 川南町立川南小学校
  • 川南町立東小学校
  • 川南町立通山小学校
  • 川南町立多賀小学校
  • 川南町立山本小学校

交通[編集]

川南駅
川南パーキングエリア
川南PA内にある防災用コンテナハウス(直売所・MONマルシェ)

鉄道路線[編集]

  • 中心となる駅:川南駅
  • 隣接市町村への連絡:日豊本線
  • 都道府県庁への連絡:川南駅から列車で40分
  • 広範囲な連絡:日豊本線

路線バス[編集]

  • 宮崎交通 - 国道10号および中心市街地の旧道を経由し、隣接2町との間を結ぶ路線。
  • トロントロンバス - 登録制・予約制の乗合タクシーであるが、日祝日を除く朝に1往復運行される尾鈴 - トロントロン - 川南駅 - 通浜間の便のみ登録なしで乗車可能。
  • シャトルバス - 日豊本線の普通列車に接続して川南駅と町中心部のトロントロンドームを結ぶシャトルバス。登録なしで乗車可能。日祝日運休。

なお、2008年10月1日より町内コミュニティバス「フロンティアバス」を運行していたが、2014年4月1日に上記のトロントロンバスに置き換えられている。

道路[編集]

高速道路
  • 町内に東九州自動車道川南パーキングエリアがある。ICは無し。
  • 最寄りインターチェンジ
    • E10 東九州自動車道 : 高鍋インターチェンジ都農インターチェンジ
一般国道
都道府県道

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]

名所・旧跡・観光スポット

  • 青鹿キャンプ場
  • 伊倉浜自然公園
  • 川南湿原
  • 宗麟原供養塔
  • 川南古墳群

祭事・催事

その他

  • 川南町総合運動公園

川南町出身の有名人[編集]

  • 永友一美(元宮崎県議会議員)
  • 宮沢厚(アニマルトレーナー)
  • 永田大士(プロボクサー)
  • 河野雄一(フジテレビ人事局長)
  • 小山泰文(柔道家)
  • 千代の花秀貴(弓取り力士、2010年5月場所より)
  • 前田陽介(プロバスケットボール選手)

川南町にゆかりのある人物[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 日本三大開拓地とは、青森県十和田市の三本木原開拓地、宮崎県川南町を中心とする川南原開拓地、福島県矢吹町の矢吹ヶ原開拓地の3つ。
  2. ^ a b 日本三大開拓地に関する十和田市のHP
  3. ^ 宮崎市神話・観光ガイドボランティア協議会編著『ひむか神話伝説』 鉱脈社、2012年、77頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m 川南原開拓のあゆみ  ~「川南合衆国」と呼ばれ、日本三大開拓地のひとつに~ 鈴農業水利事業 ―宮崎県 国営尾鈴農業水利事業 ―水土の礎
  5. ^ 「激震口蹄疫 川南町の叫び 1」(『宮崎日日新聞』 2010年5月13日1面)に掲載された感染・感染疑い地点の地図による。5月11日時点の内容であり、同月17日時点では感染地域は南隣の高鍋町に拡大している。
  6. ^ 収入絶え廃業ちらつく 川南、子どもの将来不安」『宮崎日日新聞』 2010年5月21日1面。
  7. ^ ワクチン後殺処分へ 半径10キロ20万頭超」『宮崎日日新聞』 2010年5月20日1面。
  8. ^ ワクチン接種を地元が受け入れ」『宮崎日日新聞』 2010年5月21日配信。
  9. ^ 吉本哲郎『地元学をはじめよう』岩波書店<岩波ジュニア新書>、2008年、ISBN 9784005006090
  10. ^ “「軽トラ市」街を笑顔に”. 日本経済新聞. (2017年8月20日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20294090T20C17A8TBU000/ 2020年6月28日閲覧。