恩賜の軍刀

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刀袋に入れた恩賜の軍刀を持つ1930年代前半頃の陸軍大学校卒業者(最左の「首席」1名と「優等」5名)。左腰に佩用している刀は当人が元より所有しているもの

恩賜の軍刀(おんしのぐんとう)とは、日本軍軍学校陸軍大学校海軍大学校等)において、成績優秀な卒業生に授与される軍刀剣類のこと。恩賜刀(おんしとう)とも。また、刀剣類以外の品ないし刀剣類を含めた総称として恩賜品とも。ほかに上官が部下などに贈る頒恩賜(わかつおんし)の品もある。

概要[編集]

刀の(ハバキ)の部分に「御賜」(「恩賜」ではない)の刻印があることが名称の謂れであり、1878年(明治11年)、明治天皇陸軍士官学校卒業式で2名の優等生に対してこの「御賜」の洋式軍刀を下賜したことが嚆矢である。首席者に限らず次席以下、卒業席次上位数名の優等者も対象になる。

「御賜」の刻印をもつ恩賜品は必ずしも軍刀ではなく時代や学校別に諸々であり、補充学校のほか一部の実施学校でも授与された。陸軍士官学校・陸軍航空士官学校では銀時計(「恩賜の銀時計」)、軍刀であった陸大は初期においては望遠鏡(双眼鏡)、陸軍砲工学校陸軍騎兵学校では指揮刀海軍兵学校海軍機関学校海軍経理学校では短剣、海軍大学校では長剣ないし軍刀であった。このほか、陸軍幼年学校陸軍飛行学校でも銀時計が授与されている。

陸士・航士・陸大・海大では大元帥たる天皇行幸し、自らが侍従武官・校長経由で恩賜品を授与したが、遠隔地にある海兵、および他の学校では皇族侍従武官が代理を務めた。

恩賜品を授与されることはある程度の将来的栄達を保証されることと見なされ、そのことから「恩賜組」や「軍刀組」という言葉ができた。

関連項目[編集]