慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(けいおうぎじゅくワグネル・ソサィエティーだんせいがっしょうだん)は、慶應義塾大学の学生により構成される男声合唱団。1901年に創立された音楽団体「ワグネル・ソサィエティー」の男声合唱部門である。桂冠指揮者は畑中良輔、正指揮者は佐藤正浩、ヴォイストレーナーは小貫岩夫。

概要[編集]

ソサィエティーは、男声合唱団のほかに、オーケストラと、1950年に発祥した女声合唱団から成り、1950年代まではそれぞれが協力して演奏会を開くことが多かった。1960年から三者が独立して、定期演奏会を開催するようになった。年3回の演奏会(東京六大学合唱連盟定期演奏会、東西四大学合唱演奏会、定期演奏会)が団の活動の中心であり、定期演奏会は2016年1月までに140回実施している。それ以外にも、国内演奏旅行や依頼演奏などを実施している。

ワグネルの名は、作曲家のリヒャルト・ワーグナーから取られている。団員はワグネリアン[1]と呼ばれ、そのハーモニーにはワグネルトーンという名がついている。実際には、ワーグナーの楽曲を演奏することは少なかったものの[2]1991年には、管弦楽つきの合唱曲「使徒の愛餐」を東京都交響楽団の定期演奏会にて日本初演している[3]

指導に長年たずさわってきた畑中良輔北村協一の意向で、歌曲やオペラ、ミュージカル、混声合唱曲などの他ジャンルから、男声合唱曲に編曲したものを演奏する傾向が強い。これについて畑中は、第102回定期演奏会(1977年)において、「男声合唱曲は、オリジナルなものだけでは、真にすぐれた音楽性を持つ曲は限られて来る」と語っている[2]。作曲家への新作の委嘱に対しては、早稲田大学グリークラブ関西学院グリークラブほど積極的ではないものの、多田武彦の「草野心平の詩から」や、間宮芳生の「合唱のためのコンポジションIII」などを生み出した。

出身者[編集]

ヴォーカルグループのダークダックスや、バリトンソリストの堀内康雄、大久保光哉、杉田あきひろ谷口伸、演出家の鵜山仁、音楽評論家の渡辺學而などを輩出。

またトヨタ自動車渡辺捷昭(2005年~2009年社長、2009年~副会長)を始め、経済界にも多くの人材を輩出している。

主なディスコグラフィー[編集]

「合唱名曲コレクション」シリーズの発売元は東芝EMI、「日本合唱曲全集」の発売元はビクターエンタテインメント(のち、日本伝統文化振興財団)。この他、慶應義塾関連の歌を演奏したCD、レコードが数多く存在する。

  • 合唱名曲コレクション26 柳河風俗詩 - 多田武彦
    「柳河風俗詩」「草野心平の詩から」「中勘助の詩から」を担当。
  • 合唱名曲コレクション30 最上川舟唄 - 清水脩編曲
    「八木節」「最上川舟唄」「黒田節」「そうらん節」「牛追い唄」「五つ木の子守唄」、および磯部俶作曲「遥かな友に」を担当。
  • 合唱名曲コレクション32, 33, 36, 37 グリークラブアルバム第1集~第4集
    24曲(うち3曲は早稲田大学グリークラブとの合同)を担当。
  • 合唱名曲コレクション41 雪国にて - 多田武彦
    「草野心平の詩から」を担当。
  • 合唱名曲コレクション46 吹雪の街を - 多田武彦
    「東京景物詩」を担当。
  • 日本合唱曲全集 雨/多田武彦作品集
    組曲「雪明りの路」「草野心平の詩から」を担当。
  • 日本合唱曲全集 幼年連祷新実徳英作品集1
    男声合唱とピアノのための「祈りの虹」を担当。

脚注[編集]

  1. ^ 「ワグネリアン」の普通の用法は「ワーグナー愛好者」である。
  2. ^ ワーグナーの男声合唱曲は数少ない。一時期、ドイツの男声合唱運動に関わっていたことがあり、楽曲のほとんどはその間に生まれた。
  3. ^ 指揮は若杉弘。第116回定期演奏会のパンフレットにも「初演」とあるが、実際にはそれよりも前に「日本初演」が行われている。1980年1月10日、桜井吉明指揮、大阪大学男声合唱団、ワグネル・フィルハーモニー管弦楽団による[1]

関連項目[編集]