文教堂

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株式会社文教堂グループホールディングス
Bunkyodo Group Holdings Co., Ltd.
Mizonokuchi Bunkyodo 2007.jpg
本社が入居する文教堂書店溝ノ口本店(2007年6月2日撮影)
種類 株式会社
市場情報
東証JQ 9978
1994年7月12日上場
本社所在地 日本の旗 日本
213-0011
神奈川県川崎市高津区久本3丁目1番28号
文教堂書店溝ノ口本店5階
設立 1949年昭和24年)12月1日
(株式会社島崎文教堂)
業種 小売業
法人番号 8020001066972
事業内容 純粋持株会社
代表者 佐藤協治(代表取締役社長
資本金 1億円
発行済株式総数 1,601万6,715株
売上高 連結:243億8874万1000円
(2019年8月期)
営業利益 連結:△4億9704万7000円
(2019年8月期)
純利益 連結:△39億7780万5000円
(2019年8月期)
純資産 連結:△42億1265万7000円
(2019年8月31日現在)
総資産 連結:119億6074万8000円
(2019年8月31日現在)
従業員数 連結:265人
(2018年8月31日現在)
決算期 8月31日
主要株主 日本出版販売(株) 28.06%
大日本印刷(株) 23.68%
(株)文芸社 1.50%
(株)講談社 1.19%
(株)横浜銀行 1.04%
フジディア(有) 0.85%
(株)学研ホールディングス 0.82%
(2019年8月31日現在)[1]
主要子会社 (株)文教堂 100%
ジェイブック(株)100%
外部リンク www.bunkyodo.co.jp
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株式会社文教堂
Bunkyodo Co., Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 213-0011
神奈川県川崎市高津区久本3丁目1番28号
文教堂書店溝ノ口本店5階
設立 2008年平成20年)3月3日
業種 小売業
法人番号 5020001080547
事業内容 書籍・雑誌等の販売業
資本金 1億円
売上高 242億3,779万0千円(2018年8月期)
純利益 △6億2,138万8千円(2018年8月期)
純資産 △40億686万8千円
(2018年8月31日現在)
総資産 186億1,095万0千円
(2018年8月31日現在)
決算期 8月31日
主要株主 (株)文教堂グループホールディングス 100%
外部リンク www.bunkyodo.co.jp
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株式会社文教堂グループホールディングス(ぶんきょうどうグループホールディングス、Bunkyodo Group Holdings Co., Ltd.)は、書店等を経営する日本小売業である文教堂グループの持株会社。旧・株式会社文教堂が、2008年平成20年)に持株会社となった際に商号変更したもの。

新設された(新)株式会社文教堂が経営する文教堂書店(ぶんきょうどうしょてん)は、日本最大の直営書店チェーンである。

概要[編集]

1949年昭和24年)12月に、神奈川県川崎市にて、株式会社島崎文教堂として設立。1978年(昭和53年)4月から、「文教堂書店」のチェーン展開を始め、東急田園都市線沿線や神奈川県内を中心に店舗を増やした。1993年平成5年)11月に、株式会社文教堂商号を変更。翌1994年(平成6年)の7月には、日本証券業協会に株式を店頭登録した(現・ジャスダック上場)。

2008年(平成20年)3月1日に、会社分割を実施し、書店事業を新設の株式会社文教堂に承継させて、持株会社化。3月3日に、商号を株式会社文教堂グループホールディングスに変更している。2期連続の赤字という業績低迷から脱却するため、2008年(平成20年)12月1日に、トーハンを引受先とする第三者割当増資(議決権・転換権なき優先株式)を実施する[2]2009年(平成21年)9月には筆頭株主だった前会長がジュンク堂書店に株を売却し、同社が筆頭株主となり[3]2010年(平成22年)5月15日にはジュンク堂の親会社でもある大日本印刷に対して総額12億円の第三者割当増資(議決権35.77%)を31日付で実施すると発表、ジュンク堂と合わせて51.85%となることから大日本印刷の連結子会社となった[4]。なお2016年(平成28年)10月31日に、丸善ジュンク堂書店は保有全株式を、大日本印刷は保有株式の一部を、それぞれ日本出版販売に譲渡したため、大日本印刷は親会社でなくなっている。

事業再生ADRを申請[編集]

2018年(平成30年)8月期決算において、約2億3000万円の債務超過に転落したと同時に、有利子負債も約140億円にまで拡大[5]。これを受けて、2018年11月27日に創業家出身の嶋崎富士雄社長が退任し、株式会社本の店岩本出身の佐藤協治常務が新社長に就任した他[6]東京証券取引所は2018年11月30日に、債務超過が確認されたとして、文教堂グループホールディングス株式を「上場廃止に係る猶予期間入り」に指定した[7]

その後も不採算店舗の閉鎖や関連会社の合併などを進めていたが、2019年(令和元年)8月期においても債務超過解消の見込みがないことから、文教堂グループホールディングスと文教堂は、2019年(令和元年)6月28日に事業再生実務家協会に事業再生ADRを申請し、即日受理された[8][9]。同年7月10日に、第1回債権者会議が行われ、全ての取引金融機関が借入金(金融債務)元本返済の一時停止などに同意した。2019年8月には本社ビルと世田谷区にある社宅を約7億2500万円で売却されたと同時に、本社所在地を溝ノ口本店へ移転した[10]。同時に、登記上の本店所在地も溝ノ口本店へ移転したほか、資本金を1億円に減資した。[5][11]

2019年(令和元年)9月27日に開催された第3回債権者会議において、事業再生ADRが成立。再生計画では、金融機関6行や日本出版販売から金融支援を受けるともに、第三者割当増資を行った上で金融機関6行や日本出版販売に対してK種類株式を発行する、トーハンが保有するA種類株式〜J種類株式の株式併合を行う[12][1]、更なる不採算店舗の閉鎖、2018年8月期で赤字となったアニメショップのアニメガを同年10月31日付でソフマップへ譲渡し、アニメガは翌11月1日付でソフマップが運営する事などが盛り込まれた[13][14][15]。2019年12月2日に第三者割当増資が実行される予定で、種類株式保有株主が普通株式取得請求権を行使した場合は、みずほ銀行が日本出版販売に代わって筆頭株主となる他、三井住友銀行横浜銀行三井住友信託銀行商工組合中央金庫静岡銀行が大株主に名を連ねる[1][16]。これにより、文教堂グループホールディングスと文教堂は、取引金融機関と日本出版販売主導で再建が図られることになる。

事業再生ADRが成立したことにより、文教堂グループホールディングスは東京証券取引所に「事業再生計画」を提出。上場廃止の猶予期間が2020年(令和2年)8月31日までに延長されることになった[17]。2019年8月期において約42億円の債務超過になったが、「事業再生計画」により上場廃止とはならない。但し、2020年8月期において債務超過になった場合は上場廃止となる。

沿革[編集]

  • 1898年明治31年) - 創業。
  • 1949年昭和24年) - 株式会社島崎文教堂として設立。
  • 1993年平成5年) - 株式会社文教堂に商号変更。
  • 1994年(平成6年) - 店頭市場(現・ジャスダック)に株式公開。
  • 2000年(平成12年)8月 - 北海道で多店舗展開していた「株式会社本の店岩本」の販売部門の大半の営業の譲渡を受ける[18]
  • 2008年(平成20年) - 持株会社化し、株式会社文教堂グループホールディングスに社名変更。あわせて、書店を運営する株式会社文教堂を設立。
  • 2019年(令和元年)
    • 5月1日 - 文教堂が株式会社ブックストア談と有限会社シマザキを吸収合併[19][20]
    • 6月28日 - 文教堂グループホールディングスと文教堂が事業再生ADRを申請し、即日受理された[8]
    • 8月13日 - 本社ビル売却に伴い、文教堂グループホールディングスと文教堂の本社を文教堂書店溝ノ口本店へ移転。
    • 8月30日 - 資本金を1億円に減資すると同時に、登記上の本店を文教堂書店溝ノ口本店へ移転。
    • 9月27日 - 事業再生ADRが成立。
    • 10月31日 - アニメガ事業をソフマップへ譲渡予定。

店舗[編集]

2019年10月現在、北海道青森県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県長野県静岡県奈良県大阪府兵庫県香川県福岡県の14都道府県にて店舗を展開している。かつては宮城県秋田県山形県福島県栃木県群馬県茨城県山梨県愛知県京都府にも出店していたが、10府県からは撤退している。前述のアニメガ事業譲渡に伴い、2019年10月をもって香川県から撤退する予定。2018年時点における売上高は業界全体で12位[15]

なお、札幌市白石区には文教堂書店という同名 (COOPルーシー店とは別) の書店があるが、文教堂とは一切無関係。

店頭で雑誌を購入すると電子版を利用できる『空飛ぶ本棚』を実施している[21]

通販専門の「ジェイブック」 (JBOOK)を運営していたが、2014年7月にjbookは終了しhontoに統合された[22]

グループ展開店舗[編集]

実店舗のほか 1999年(平成11年)2月には大手出版社取次会社などとともにジェイブック株式会社(当初本社を KSP 内に置くが、後に文教堂本社ビルに近い久本3-3-18 に移転)を設立、その 2年ほど後からインターネット通信販売事業を展開している。

店舗の大部分は直営だが、近年はコンビニエンスストアスリーエフとの共同店舗出店を開始し、2004年(平成16年)からは大手レンタルビデオチェーン・ゲオと包括的な業務提携を行い共同店舗を展開する、新橋店など都市型店舗では大手喫茶店チェーンを誘致するといった、他業種との複合出店にも行っている。

また近年になると書籍雑誌のほか、CDDVD文具ホビー商品などのいわゆるコンテンツ関連を中心とした商品の拡販も志向しているが、その際に当初は通販で取り扱いはじめ、一部の既存実店舗へと徐々に拡げるといった協業も行っている。

主要店舗は、溝ノ口本店、渋谷店、赤坂店、霞ヶ関店などである。

文教堂書店[編集]

カレッタ汐留本店

溝口大山街道沿い商店街に店舗を構える書店に端を発し、後に直営で多店舗展開。関東地方を中心に、北海道から大阪府までに 220店あまりを展開し、店舗数・売場面積ともに全国の約3%を占める日本最大の書店チェーンに成長した。

駅前商店街などに中小規模店舗を展開する業態が中心で、一般書や雑誌などの売上に強みを持つが、近頃は溝ノ口本店、渋谷店など都市部の主要商業地や駅ビルなどに売場面積の大きい店舗を出店しており、それらの大型店では専門書の取り扱いもしている。また港北ニュータウン北海道などで郊外型店舗の展開も行う。

2003年(平成15年)2月より「ベストセラー創造プロジェクト」を展開する。文庫本などで発行から数年経過したもののうち、有望な作品について全店一斉に店頭 POP などを活用した販促展開をする手法により、過去の作品の計画的な仕入れと効果的な販売が可能な体制を整備するものである。また全店に在庫管理対応 POS 端末を導入して各店々頭で全店の在庫を即時確認できるようにしたり、店舗と通販部門の在庫を相互融通することより商品調達力を上げている。「BIGNET2」(雑誌売上公開)や「JAPAN BOOK CHART」(当日その時点での全店売上ランキングウェブサイト上で即時公開する)など、顧客との接点である店舗数や取扱部数の多さを活かした販促および版元との関係強化にも努める事業展開を行っている。

アニメガ[編集]

アニメショップとしてアニメガを展開。一号店として武蔵境駅前店を独立店舗として開店、以降の展開は文教堂内への併設をメインに行っている。アニメガ関連の通販業務も手掛けていたが、アニメガ関連の通販業務は2019年8月にソフマップへ譲渡された。文教堂ホビー&アニメガ情報サイトに登録されている登録情報をソフマップ ドットコムへ移行することは不可となっており、文教堂ホビー&アニメガ情報サイトで注文した商品の発売日によっては、文教堂から送られてくる電子メールの確認が必要となる[23]。事業再生ADR成立に伴い、2019年10月31日付でソフマップへ店舗が譲渡され、翌11月1日からソフマップが運営する予定で、同年10月からソフマップへの運営移管が順次行われている。なお、ソフマップへの譲渡対象とならず、閉鎖される店舗もある[24]

文教堂JOY[編集]

マンガ・アニメ専門店の「アニメガ」と、プラモデル・模型専門店「B’s Hobby」を統合した店舗形態。「アニメガ」のソフマップへの譲渡後は、「B’s Hobby」のみの運営となる[24]

かつての展開店舗[編集]

ブックストア談[編集]

かつてポーラ化粧品本舗(現・ポーラ)の鈴木常司会長が、読書好きが高じて興した事業で、実質持株会社・有限会社忍総業の完全子会社エイシンが事業展開していた。都心部に大型店を展開する業態で、8店舗で年商75億8千万円を上げた。

鈴木会長没後の2002年(平成14年)、親会社の経営方針変更にあたり本業と関係の薄い当事業が手放されることとなったが、その際にブックストア談の事業を評価していた文教堂が、忍総業よりエイシンの全株式を取得して完全子会社化、社名は「株式会社ブックストア談」に改めた。子会社化後も店舗・屋号・従業員はそのまま引き継がれたが、浜松町店は2010年8月に、錦糸町店は2011年4月14日に文教堂に改称された。プレナ幕張内にあった幕張店はくまざわ書店に譲渡された。 メディオ新大阪にあった新大阪店は閉店となり、その後2014年7月26日にリブロに譲渡された。

株式会社ブックストア談は、2019年(令和元年)5月1日付で文教堂へ吸収合併された。

子会社[編集]

  • 株式会社文教堂 - 2008年3月1日新設の「文教堂書店」を運営する会社。(100%)
  • ジェイブック株式会社 - 1999年に新設、インターネット通販。(100%)
  • 株式会社文教堂ホビー (22.5%)
  • 有限会社文教堂サービス (100%)

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c 第三者割当による種類株式の発行、種類株式の株式併合及び内容変更、定款の一部変更、資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ文教堂グループホールディングス 2019年9月27日
  2. ^ 文教堂、トーハンに7億円の第三者割当増資 NIKKEI NET・2008年11月10日
  3. ^ ジュンク堂が文教堂の筆頭株主に,フジサンケイビジネスアイ,2009年9月14日
  4. ^ DNP、文教堂を子会社化、ITmedia、2010年5月14日
  5. ^ a b 【文教堂HD】再生計画案成立の行方は?上場猶予期間の8月末が迫るM&A online 2019年8月14日
  6. ^ 代表取締役の異動及び第68回定時株主総会付議議案の一部取り下げに関するお知らせ 文教堂グループホールディングス 2018年11月27日
  7. ^ 東証一斉連絡 上場廃止に係る猶予期間入りについて東京証券取引所 2018年11月30日
  8. ^ a b データを読む 文教堂グループ2社が事業再生ADRを申請、対象となる金融機関は8行東京商工リサーチ 2019年7月1日
  9. ^ 書店ビジネスが苦しい 債務超過の文教堂HD、私的整理を申請 上場廃止回避へ「事業再生ADR」ねとらぼ 2019年7月1日
  10. ^ 本社移転のお知らせ文教堂グループホールディングス・文教堂 2019年8月1日
  11. ^ データを読む 事業再生ADR申請の文教堂、金融機関が返済の一時停止に同意東京商工リサーチ 2019年7月12日
  12. ^ 事業再生ADR手続の成立及び債務の株式化等の金融支援に関するお知らせ文教堂グループホールディングス 2019年9月27日
  13. ^ 連結子会社における事業譲渡に関するお知らせ 文教堂グループホールディングス 2019年9月27日
  14. ^ 「アニメガ」事業譲受に関するお知らせソフマップ 2019年9月27日
  15. ^ a b 書店の淘汰一段と 文教堂、不採算店閉鎖の再生計画日本経済新聞 2019年9月27日
  16. ^ 書店大手の文教堂、上場廃止の危機を免れるも「再建」はイバラの道M&A online 2019年9月28日
  17. ^ 上場廃止に係る猶予期間の延長について:(株)文教堂グループホールディングス東京証券取引所 2019年9月27日
  18. ^ “「本の岩本」営業譲渡 積極投資が経営圧迫 取次店も体力消耗 シェア争い曲がり角”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2000年8月18日)
  19. ^ 株式会社ブックストア談国税庁法人番号公表サイト
  20. ^ 有限会社シマザキ国税庁法人番号公表サイト
  21. ^ 文教堂、紙雑誌購入で電子版を無料提供「空飛ぶ本棚 sky storage service」eBook USER 2013年11月27日
  22. ^ jbookとのサービス統合のお知らせ honto
  23. ^ 【重要なお知らせ】[文教堂ホビー&アニメガ情報サイトでの通販サービス終了のお知らせ]文教堂
  24. ^ a b 「アニメガ」事業に関するご案内文教堂グループホールディングス・文教堂 2019年9月27日