日勝線

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:停留所停車中や走行中など車両を入れた沿線風景の画像提供をお願いします。2011年12月

日勝線(にっしょうせん)は、国鉄バスジェイ・アール北海道バスJRバス)が運行する自動車路線である。

本項では、自動車駅であるえりも駅および、派生する高速バス路線である高速えりも号高速えりも・ひろお号高速ひろおサンタ号についても記述する。

概要[編集]

様似営業所(2013年9月)

本路線は、1943年8月に本様似と庶野・歌別と襟裳を結ぶ路線として開設[1]されたのが始まりである[2]日本国有鉄道(国鉄)の建設予定路線として、改正鉄道敷設法133には「苫小牧鵡川浦河広尾帯広」間の路線があり、本路線は鉄道線の先行という使命を有していた。路線開設に当たって、既に日高地区で乗合自動車を運行していた日高自動車を買収するという方策を採っている[3]。路線名は国名であるを結ぶことからの命名である。

第二次世界大戦が終わった1949年までに、様似と荻伏築港を結ぶ路線も延伸開業している[4]。また、当路線を担当する様似自動車営業所は、1952年より北海道の国鉄バスでは初の貸切バス事業を開始している[5]。1965年には、帯広とえりも岬を発着する路線も運行された[6]。その一方、路線開設当初から行なわれていた貨物輸送については、1966年に日本通運へ移管されたことにより廃止となった[7]が、これは北海道の国鉄バスでは最後の貨物営業路線であった[7]

モータリゼーションの進展に伴い、路線バスの経営が圧迫されたため、合理化が行なわれることになった[7]。国鉄バスも例外ではなかったが、日勝線では道路環境が悪いところが多く、完全ワンマン化は1983年にずれ込んだ[7]

本路線は鉄道会社直営のバス事業者という特徴を生かし、国鉄時代から全国版の時刻表の日高本線のページにも並行するバス便の時刻を併載したほか、分割民営化後に日高本線の運行組織として日高線運輸営業所が開設されると、様似自動車営業所を日高線運輸営業所の直轄組織とする[8]ことで、鉄道とバスの一貫輸送をより強化する方策を採っていた。その後、バス部門分社化により直轄ではなくなっている。分社化後は、札幌へ直通する高速バスの運行も開始された。

1999年以降は省営バス時代から営業が続けられている北海道内のJRバス路線は、札幌地区と鉄道代替路線を除けば本路線のみとなっている。

年表[編集]

  • 1943年8月 - 日高自動車を買収し、日勝線としての運行を開始。
  • 1949年頃 - 荻伏築港へ路線を延長。
  • 1952年 - 北海道の国鉄バスでは初となる貸切バス事業を開始。
  • 1965年 - 帯広駅とえりも岬を結ぶ路線の運行を開始。
  • 1966年 - 貨物輸送を廃止。これにより北海道内における国鉄貨物自動車の営業は全廃。
  • 1983年 - 全路線のワンマン化が完了。
  • 1990年7月1日 - 日高線運輸営業所の直轄組織となる。
  • 2000年4月1日 - ジェイ・アール北海道バスへの分社化により、日高線運輸営業所の直轄組織から外れる。
  • 2004年4月29日 - 高速ひろおサンタ号運行開始。同年9月30日までの期間限定で運行。当初は向別 - 中川記念館前間でアエル入口にも停車していた。
  • 2004年10月1日 - 高速ひろおサンタ号、2005年3月31日まで運行期間延長。アエル入口を廃止。現行の停車停留所となる。
  • 2005年4月1日 - 高速ひろおサンタ号、2005年9月30日まで運行期間延長。
  • 2005年10月1日 - 高速ひろおサンタ号、定期運行開始。

一般路線バス[編集]

様似営業所にて(2002年5月)
様似駅前にて(2002年5月)

運行区間[編集]

一般路線は、日勝本線、野深線、杵臼線、およびえりも線の4路線で、2009年1月現在は3路線が運行されている。

  • 日勝本線(静内駅 - 浜荻伏公住前の一般路線は廃止)
    • 静内駅 - 浜荻伏公住前 - 荻伏市街 - 浦河駅 - 日高幌別 - 鵜苫 - 様似駅 - えりも駅 - 庶野 - 広尾駅
  • 野深線
    • 荻伏市街 - 荻伏 - 上野深
  • 杵臼線(廃止)
  • えりも線
    • 歌別 - 岬市街 - えりも岬 - 庶野学校前

運行系統[編集]

2010年7月1日現在

浦河 - 様似方面
  • 上野深 - 荻伏 - (浜荻伏公住前) - (向別) - 浦河東町 - 様似駅 - 様似営業所前
    • 浜荻伏公住前は、様似行き最終便は乗り入れない。
    • 向別は平日の一部便のみ乗り入れ。
  • 上野深 - 荻伏 - 浦河東町 - 日赤前 - 浦河老人ホーム(平日のみ運行)
  • 向別 - 浦河東町 - (日赤前 - 浦河老人ホーム - 日赤前 - 浦河東町) - 様似駅 - 様似営業所前
    • 浦河老人ホームは一部便のみ乗り入れ。
  • 向別 - 浦河東町 - 日赤前 - 浦河老人ホーム
様似 - えりも・広尾方面
  • 様似営業所前 - 様似駅 - えりも駅 - しゃくなげ公園 - えりも岬 - 岬小学校前 - 庶野 - 広尾駅
  • 様似営業所前→様似駅→えりも駅→しゃくなげ公園→(上歌別・国道336号経由)→庶野→広尾駅(平日朝に1本のみ運行)
  • 様似営業所前 - (中略) - 庶野
  • 様似営業所前 - (中略) - 岬小学校前
    • 学校登校日の朝の1本は様似小学校経由。
  • 様似営業所前 - (中略) - しゃくなげ公園(学校登校日のみ運行)

以上各系統、一部便はアポイ山荘経由。

特記事項[編集]

  • 様似営業所前 - 様似駅間は、現金に限り100円で乗車できる。
  • ジェイ・アールバスカードが使用できるが、とくとくバスカードは使用できない。また、2013年6月22日にジェイ・アール北海道バスの札幌圏各線に導入されたICカードSAPICA(およびKitacaSuicaなど相互利用対象ICカード10種)については、日勝線では導入されない。
  • 様似 - えりも岬間の往復割引乗車券(1,800円)を様似駅で発売している。
  • 2003年以降、荻伏市街 - 上野深間は浦河町から、庶野 - 広尾間はえりも町および広尾町からの運行委託を受けて運行している。
  • 2006年3月末までの土・日・祝日、および2005年12月29日から2006年1月3日までに限り、日勝線全線に有効な「とんがりホリデーきっぷ」(1,000円、小児500円)を発売していた。当初は2005年8月 - 10月までの発売であったが、好評により期間を延長した。
  • 2014年3月31日まで鉄道との連絡運輸が行われており、日高本線様似駅接続で、えりも岬または広尾駅の2停留所間に設定されていた。鉄道の発着駅と発券は北海道旅客鉄道(JR北海道)内に限られていた。
  • JR特別企画乗車券北海道フリーパスが利用できる。廃止された周遊きっぷ(北海道ゾーン、札幌・道央ゾーン)でも利用できた。
  • 一般路線においても、車両運用の都合上、一部で高速路線車による運用が見られる。

高速バス[編集]

高速えりも号(2013年4月)
高速ひろおサンタ号(2007年10月)

4列シートのハイデッカー車が使用される。いずれの路線も予約定員制。

JRみどりの窓口、JR高速バス予約サイト「高速バスネット」での予約・発券はできない。また、ジェイ・アールバスカード、SAPICAおよびKitaca・Suicaなど相互利用対象ICカード10種、JR特別企画乗車券の利用はできない。

学生割引やえりも岬への一般路線バスとの乗り継ぎ割引が設定されている。

高速えりも号[編集]

札幌駅 - 時計台前 - サッポロファクトリー(えりも発のみ停車) - 白石本通2丁目 - 白石神社前 - 大谷地ターミナル - (道央自動車道 札幌南IC - 苫小牧東IC) - (日高自動車道 苫小牧東IC - 日高門別IC) - 静内末広町 - 堺町西1丁目 - 役場前(浦河)- 日高幌別駅 - 鵜苫築港前 - 西町 - 本町 - 栄町 - 様似駅 - 平宇 - 冬島 - 幌満 - 留崎 - 上近浦 - 笛舞 - 日勝大和 - えりも駅

  • 1日1往復の運行で、所要時間は約3時間55分。
  • JR札幌駅(札幌駅前ターミナル)- 堺町西1丁目間は道南バス「高速ペガサス号」と競合する。乗車券は共通では使用できない。
  • 以下の場合を除き、高速道路を経由しない区間での利用はできない。
    • えりも行きは、様似駅からの乗車は可能である(札幌行きの様似駅での降車はできない)。
    • 2018年8月1日より、役場前(浦河)を双方向で利用可能な停留所として新設する[9]。同日のダイヤ改正で新設される道南バス「特急ひだか優駿号」(浦河 - 新千歳空港)との接続も考慮され、乗り継ぐことで特急ひだか優駿号の停車各停留所とえりも方面との移動が可能になる[10]

高速ひろおサンタ号[編集]

サッポロファクトリー(広尾発のみ停車) - 時計台前(広尾発のみ停車) - 札幌駅 - (札樽自動車道 札幌北IC - 札幌JCT) - (道央自動車道 札幌JCT - 苫小牧東IC) - (日高自動車道 苫小牧東IC - 日高門別IC) - 向別 - 向栄橋 - 西舎 - 杵臼 - 上杵臼 - 酪農研修センター前 - 中川記念館前 - 野塚 - 開発前 - 広尾駅 - 広尾6丁目

  • 1日1往復の運行で、所要時間は約4時間25分。
  • 札幌行は向別にて様似発の日勝線と接続しており、高速えりも号と同額の直通運賃が適用される。
  • 高速道路を経由しない区間での利用はできない。

高速えりも・ひろお号(運休中)[編集]

札幌駅 - 時計台前 - サッポロファクトリー(広尾発のみ停車) - 大谷地ターミナル - (道央自動車道 札幌南IC - 苫小牧東IC) - (日高自動車道 苫小牧東IC - 日高門別IC) - 日高幌別駅 - 鵜苫築港前 - 西町 - 本町 - 栄町 - 様似駅 - 平宇 - 冬島 - 幌満 - 留崎 - 上近浦 - 笛舞 - 日勝大和 - えりも駅 - 新栄 - 庶野 - 日勝目黒 - 音調津 - 広尾6丁目 - 広尾駅

  • 繁忙期のみ1往復運行。所要時間は約4時間45分。
  • 2005年(平成17年)運行開始。利用者減少などの理由により2017年(平成29年)度より運休中。国道336号黄金道路の整備や帯広広尾自動車道の延伸が順調に進み、帯広(道東自動車道)経由による自家用車利用に転移したものと分析されている[11][12]
  • 高速道路を経由しない区間での利用はできない。

主要停留所[編集]

えりも駅(2016年7月) えりも駅 旧駅舎(2007年5月)
えりも駅(2016年7月)
えりも駅 旧駅舎(2007年5月)
えりも町の中心部にある自動車駅。1998年10月限りで窓口業務は終了し、その後駅舎も建て替えられて待合室のみの簡素なものになったが、現在も札幌方面の高速バスが発着する町の中心的なバス停留所である。えりも町本町650付近に所在。
旧駅舎がバス待合所として利用されている。発券窓口は十勝バスのみ設置しており、ジェイ・アール北海道バスの乗車券は取り扱われない。

参考文献[編集]

書籍[編集]

  • バスジャパン・ハンドブックシリーズ8 北海道旅客鉄道』BJエディターズ、1995年。ISBN 4795277877。

雑誌記事[編集]

  • 「NEWS FILE」『鉄道ジャーナル』第287号、鉄道ジャーナル社、1990年9月、 99-103頁。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

  • 桃太郎電鉄シリーズ - コンピュータボードゲームのシリーズ。鉄道地図をモチーフにした盤面の地図には「襟裳駅」という物件駅が存在する。
  • 日交ハイヤー - 日勝線としては廃止された支線系統の一部を引き継いで運行している。