日産・VQ37VHR

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Z34型フェアレディZ
日産・VQ37VHR
VQ37VHR.jpg
CV36型スカイラインクーペ
生産拠点 日産自動車いわき工場
製造期間 2007年-
タイプ V型6気筒 DOHC 24バルブ VVEL
排気量 3,696cc
内径x行程 95.5x86.0mm
圧縮比 10.6
最高出力 245kW (333PS) /7,000rpm[※ 1]
243kW (330PS) /7,000rpm[※ 2]
247kW (336PS) /7,000rpm[※ 3]
261kW (355PS) /7,400rpm[※ 4]
246kW (335PS) /7,000rpm[※ 5]
239kW (324PS) /7,000rpm[※ 6]
最大トルク 363N·m (37.0kgf·m) /5,200rpm[※ 7]
361N·m (36.8kgf·m) /5,200rpm[※ 8]
365N·m (37.2kgf·m) /5,200rpm[※ 9]
374N·m (38.1kgf·m) /5,200rpm[※ 4]
366N·m (37.3kgf·m) /5,200rpm[※ 5]
362N·m (36.9kgf·m) /5,200rpm[※ 10]
360N·m (36.7kgf·m) /5,200rpm[※ 6]
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VQ37VHR型エンジンは、日産自動車により製造されている高回転型のV型6気筒エンジンである。搭載車種によって全く異なるメーカーチューニングがされており、市販車に搭載されている自然吸気エンジンのV型6気筒としては、フェアレディZ34型に搭載されているモデルが2020年現在で世界最高の出力を誇る。[1]

概要[編集]

現在の日産で製造されている自然吸気モデルのフラッグシップエンジンであり、2007年8月に発売された北米仕様インフィニティ・G37クーペに初めて採用された[2]。日本国内では、同車の日本仕様であるCV36型スカイラインクーペに初めて搭載された。スカイラインクーペに搭載するにあたり、そのライバルとなるBMW・3シリーズクーペに走行性能で劣らないために、従来の3.5Lから排気量を200cc増加させ、3.7Lとなった[3]

200ccの排気量増によって出力・トルクともにVQ35HR型あるいはVQ35DE型エンジン比で向上したにもかかわらず、一方で可変バルブ機構の新技術VVEL(Variable Valve Event & Lift: バルブ作動角・リフト量連続可変システム)の採用により燃費性能も向上されている。そして、それまで旧世代のVQ35HR型エンジンを搭載していた各モデルはフルモデルチェンジ、あるいはマイナーチェンジにより順次VQ37VHR型に搭載エンジンを変更している。VQ35HRをベースとはしているものの、35%以上が新設計となっており事実上の新型エンジンである。

ハイブリッド対応エンジン電気自動車などを始めとした次世代型自動車黎明期に発表された、100%ハイオクガソリン仕様のハイパワーエンジンであり、国産自然吸気エンジンの傑作機との声も多い。

レッドゾーンが7500rpmからの高回転型エンジンであり、吸排気系統が左右対称独立型となっているため、高回転域では独特の甲高い排気音を奏でる。

可変バルブ機構であるVVELの自由度が高く、日産によるエンジン本体や各部の調整によりエンジンの特性が車種により大きく異なっている。馬力に関しては、自然吸気エンジンらしく回転数に応じてストレートに上昇していき、トルク特性は約1500rpmより急激に上昇して約3000rpmよりレッドゾーンまでほぼフラットになる。セダンタイプについてはより滑らかに、スカイラインタイプはよりスポーツ寄りに、フェアレディZ34型に対してはエンジン本来の性能を出している[4]。実際に加速力や操作性が全く別のエンジンと言っていいほどに異なり、評論家の五味康隆フェアレディZ34に搭載されているVQ37VHRを「NAエンジンの最高傑作」と評している。

エンジン自体は吸排気システムとECUのセッティグ次第により、メカチューンを全くしていない完全ストック状態のままで400ps以上の高出力を出すことが可能である。そのため燃費やエンジンの耐久面などを鑑みて、純正状態の搭載車種は出力を考慮したコンピュータセッティング及び排気システムの口径を絞り、出力を大幅に抑えている。雑誌の企画にて、パワーハウスアミューズが制作したECU再セッティング及び吸排気系のみを交換したフェアレディZ34が、純正実測値と比べて100ps以上の出力アップとなる390psを発揮した。

使用燃料は無鉛プレミアムガソリン専用であり、やむを得ない場合を除いてのレギュラーガソリン使用は非推奨となっている[5]

使用エンジンオイルは純正のエステル配合済100%化学合成油もしくは、API規格の中でもさらに高性能オイルを対象としたスターバーストマーク[6]の付いたオイルが推奨される[7]。車種によっては、正規ディーラーでモービル1R35搭載のVR38DETT指定オイル)を勧められることもある。

先代のVQ35HR型と同じく、「高回転(ハイ・レボリューション: High Revolution)」および「ハイ・レスポンス(High Response)」の頭文字である「HR」を冠している。


搭載車[編集]

受賞[編集]

日産のVQエンジンは1995年から14年連続でアメリカのテン・ベスト・エンジンに選出されていたが、2009年には選出から漏れたため、このVQ37VHR型エンジンが連続選出の最後エンジンとなった。

2008年

脚注[編集]

  1. ^ CV36型スカイラインクーペ、インフィニティ・G37セダン(北米仕様)、Y51型フーガの値
  2. ^ V36型スカイラインセダン、スカイラインクロスオーバー、インフィニティ・G37コンバーチブルの値
  3. ^ Z34型フェアレディZ(Version NISMO以外)およびインフィニティ・G37セダン(北米仕様)の値
  4. ^ a b Z34型フェアレディZ Version NISMOの値
  5. ^ a b インフィニティ・M37およびインフィニティ・G37クーペ(北米仕様)の値
  6. ^ a b インフィニティ・EX37、インフィニティ・FX37、インフィニティ・G37セダン(欧州仕様)、インフィニティ・G37クーペ(欧州仕様)、インフィニティ・G37カブリオの値
  7. ^ CV36型スカイラインクーペおよびY51型フーガの値
  8. ^ V36型スカイラインセダンおよびスカイラインクロスオーバーの値
  9. ^ Z34型フェアレディZ(Version NISMO以外)の値
  10. ^ インフィニティ・G37コンバーチブルの値

出典[編集]

  1. ^ 最高出力が大きい V型6気筒の自然吸気車 ランキング [V6-NA | greeco ranking]”. rank.greeco-channel.com. 2020年4月10日閲覧。
  2. ^ 日産、次期スカイラインクーペ用「VQ37VHR」新型エンジンに、環境と動力性能に優れたVVEL(バルブ作動角・リフト量連続可変システム)搭載! CORISM
  3. ^ 新型スカイラインクーペのすべて ISBN 978-4-7796-0309-9 開発ストーリー
  4. ^ 日産:フェアレディZ [ Z スポーツ&スペシャリティ/SUV | 走行性能]” (日本語). Nissan. 2020年6月18日閲覧。
  5. ^ 日産:フェアレディZ [ Z スペシャル 取扱説明書]” (日本語). 日産自動車ホームページ. 2020年6月21日閲覧。
  6. ^ “[http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/800-321.htm �h�k�r�`�b�K�i�ɂ‚���]”. www.jalos.jp. 2020年6月26日閲覧。
  7. ^ 日産:フェアレディZ [ Z スペシャル 取扱説明書]” (日本語). 日産自動車ホームページ. 2020年6月26日閲覧。

関連項目[編集]