日立グローバルストレージテクノロジーズ

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HGST
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州
事業内容 ハードディスクドライブ製造
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HGSTは、ウェスタン・デジタル(Western Digital Corporation、略称WDWDC)傘下のハードディスクドライブ(HDD)メーカーである。2012年5月7日に社名を、「日立グローバルストレージテクノロジーズ」(Hitachi Global Storage Technologies, Inc.)、から「HGST」に変更した。略称も、日立GSTHGSTから「HGST」になった。

目次

概要

IBMのHDD事業を日立が買収、自身のHDD事業と統合の上、2002年12月に発足した会社である[1]。発足時の商号はストレージテクノロジー株式会社で、2003年1月1日に商号変更を行い現在の名称となった。発足当初の出資比率は日立から70%、IBMから30%であったが2005年末にIBMの資本が抜け日立の完全子会社となった(厳密には日立製作所が出資していたのは直下に置かれた日立GSTの持株会社(非上場)であったため、日立製作所からみて孫会社にあたる)。そして会社発足から9年余り経った2012年3月8日、米ウェスタン・デジタルへ売却され、その完全子会社となった(後述)。なおウェスタン・デジタル自身も、旧来のWestern Digital並びにWDのブランドを冠した製品を扱う同社100%出資のWD Technologiesを新たに設立し、HGSTとの2ブランド体制で引き続き製品供給を行っている。

アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社機能を担う本部を構える。日本法人は株式会社HGSTジャパンHGST Japan, Ltd.)で、神奈川県小田原市(本社)、藤沢市川崎市および大阪府大阪市に拠点を置く。 会社発足後、数年間にわたり巨額の赤字を計上。2007年度に黒字転換しない限り売却されるとの憶測が流れたが、2008年に営業黒字を達成した。2011年現在も2期連続で黒字を維持しており、会社発足当時に比べ財務状況(特にグロスマージン)は顕著に改善している。2012年5月に商号を株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズHitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd.)から株式会社HGSTジャパンに変更している。

2007年9月27日、日立製作所がHDD事業を売却するとロイターが報道し[2]、日立製作所の株価が高騰する。しかし日立製作所はそのような事実はないと発表した。12月には株式の半分弱を米国投資会社に売却すると日本経済新聞が報道し[3]、再び決定した事実はないと発表した。

同年12月30日、小型HDDの製造から撤退すると報道された[4]

2008年3月27日、日立製作所の古川社長(当時)は産経新聞のインタビューで、HDD事業の黒字化の目処が立ったとし、事業売却や出資受け入れの必要はなく、単体での存続が可能となったとの見通しを示している[5]

2008年4月17日、再建中のHDD事業に関する説明会を開催、再建の現状と今後の見通しを明らかにした。中西宏明 取締役兼CEO(当時。現・日立製作所代表執行役 執行役社長)は冒頭、「昨年夏ころから事業売却の噂があった。しかし日立製作所と話し合った結果、我々は自力で経営を立て直すことを決定した」と宣言[6]。自力での再建を継続する意向を示した。

2009年10月14日マレーシアサラワク州のHDD用円板基材(サブストレート)製造拠点を米ウェスタン・デジタルから取得。近隣の製造拠点との連携により事業効率を高めコスト削減に繋げる。 [7]

2010年11月2日、日立製作所は日立GSTのNASDAQ上場準備を行っていることを発表した[8]。記者会見の席上で、三好副社長は「日立GSTの業績が改善したことや、大規模な投資が必要なことが上場の背景にある。経営スピード向上のためにも株式公開が必要と判断した」と説明した[9]

しかし、一転して2011年3月7日、日立製作所は、同社100%出資のViviti Technologies Ltd.[10]の全株式を、ウェスタン・デジタル(Western Digital Ireland,Ltd.)へ現金35億ドルおよびウェスタン・デジタル株2,500万株(7億5,000万ドル相当)で売却し、ウェスタン・デジタルの完全子会社とすることで合意、正式契約を締結したと発表した[11]。ウェスタン・デジタルが日立GSTを統合した後は日立製作所からウェスタン・デジタルへ2名が取締役として就任し、また日立GSTの現社長最高経営責任者(President & CEO)のスティーブ・ミリガンは社長(President)としてウェスタン・デジタルの経営陣に加わり(ウェスタン・デジタルの現社長兼最高経営責任者のジョン・F・コインは引き続き最高経営責任者として就任し続ける[12])、さらに発行済株式総数の10%ほどを保有することにより日立製作所がウェスタン・デジタルの筆頭株主となる予定[13]。なお、この買収行為によって日立GSTがウェスタン・デジタルより取得したHDD用円板基材製造拠点は、再びウェスタン・デジタルに帰属することとなった。また、ウェスタン・デジタルはかつてIBMに援助を求めGMRヘッドなどIBMの技術を使用する権利を得て、IBMの生産設備にもアクセスしていたことがあり、奇しくもかつて援助を求めたIBMの事業を手に入れることとなった。

2011年5月30日欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が、ウェスタン・デジタルへの売却について徹底的な調査を開始すると発表した。調査は2件の売却案件について行なわれる。一つは本案件、もう一つはサムスン電子が所有するHDD事業をシーゲイト・テクノロジーに売却する案件について調査が行なわれる。この一連の調査により、ウェスタン・デジタルへの売却時期は、当初予定されていた2011年9月から10月〜12月にずれ込むとされていたが[14][15]、さらに2012年3月までに完了する見込みとさらにずれ込む見通し[16]。また、各国の独禁当局によるウェスタン・デジタルによる3.5インチハードディスクの寡占化の懸念からウェスタン・デジタルに設備の一部売却が求められていたが、本案件の完了を前提にウェスタン・デジタルが東芝より東芝ストレージデバイス・タイ社(2011年のタイにおける洪水で被災し休止している生産子会社)を取得し、東芝にウェスタン・デジタルのコンシューマ向け製品の一部の製造設備及び知的財産とニアライン向け製品の一部の製造設備を譲渡し、それまでハードディスクにおいては2.5インチ以下製品専業であった東芝は新たに3.5インチ製品のサプライヤーとなり、ハードディスク市場の全てに進出する[17][18]。最終的に日立GSTの売却は同年3月8日に完了した[19][20]

ウェスタン・デジタルは、日立GSTの買収に伴って取得した1TBプラッタの3.5インチドライブの製造設備及びウェスタン・デジタルの試験設備の一部を東芝に譲渡するとしている。日立GSTは、設備譲渡まではそれを用いて製品を生産し、譲渡後も引き続き残存設備(例として3.5インチ製品は500GBプラッタ及び667GBプラッタの3.5インチドライブの製造設備)で生産するとしている。なお、ウェスタン・デジタルが東芝から取得する東芝ストレージデバイス・タイ社の処遇は未定だが、人員はウェスタン・デジタルのタイにおける生産拠点に統合する予定[12]

なお、サムスン電子のHDD事業のシーゲイト・テクノロジーへの売却は2011年12月19日に完了している[21]2012年3月8日まで株式会社日立製作所傘下であった。

製品

IBM時代の商標を引き続き使用している。経営主体は日立製作所であったが、事業主体(ハードディスクの開発・製造・販売等)はIBMのものを受け継いでいた。日系メーカーであったにもかかわらず、公式ウェブサイトで発信される内容は日本語版に比べ英語版のほうがずっと充実していた。なおウェスタン・デジタルによる完全子会社化に伴い、すでに一部業務がウェスタン・デジタルに統合されている[12]

IBMのマーケットを引き継いだ為、海外での販売シェアが大きいが、日本においては特にOEM顧客向けの製品で高いシェアを獲得している。サーバ・PC、PC周辺機器(外付HDD等)、PVR(Personal Video Recorder)・STB(セットトップボックス)、録画機能付ハイビジョンテレビ及びそれに付随するリムーバブルメディア(例:iVDRカートリッジ)、HDD内蔵ゲームマシン、通信カラオケ機器等の各業種製品に組み込まれ、消費者/ユーザの手に渡っている。 個人顧客向けの販売形式には2パターンあり、RMA(製造会社による交換保障)が無いバルクパッケージ版製品と、HITACHIロゴ入りの化粧箱に梱包されRMA(3年間保証)が付加されたリテールパッケージ版製品とがある。

かつて、リテールパッケージ版の販売は海外市場だけで日本市場ではバルクパッケージ版しか手に入らなかったが、2010年7月に日本市場においてもリテールパッケージ版が発売された[22]。バルクパッケージ版とリテールパッケージ版では型番の名称ルールが異なる。

なお、一部の自作ユーザーから侮蔑的な意味合いを込め「ハイタッチ」との呼称で呼ばれる場合がある[23]

2009年、Googleが使用しているサーバの内部写真が公開され、日立GSTのHDDを使用していることが分かった[24]

2011年12月、業界で初めて4テラバイト(テラは1兆。以下、TB)の記憶容量を持つ3.5インチ内蔵ドライブ「Deskstar 5K4000」、及び同製品を採用した外付ドライブ「Touro Desk/Touro Desk Pro」を発表[25]

  • 内蔵ドライブ(Internal Drives)
    • Ultrastar - SCSI/FC/SAS/SATA。ハイスペックワークステーション、各種サーバ、ディスクアレイシステム、ストレージシステム向け。
    • Deskstar - 3.5インチSATA。PATAモデルは流通在庫限りで終了。
    • Travelstar - 2.5インチSATA。PATAモデルは流通在庫限りで終了。Z-height 7mmの製品にはTravelstar Zのサブネームが付されている。
    • Endurastar - 2.5インチSATA/PATA、車載向け。厳しい温度・高度の変化に対応。
    • Microdrive - 1インチ(コンパクトフラッシュサイズ)。生産は終了している。
    • CinemaStar - HDDレコーダや録画機能内蔵テレビ等のCE(コンシューマ・エレクトロニクス)向け製品。徹底した省電力設計により、組込み先製品の消費電力削減に貢献する。省電力性とリードライト性能、静音性を高次元でバランスさせるべくディスク回転数を緻密に制御するCoolSpinテクノロジ、データストリーミング速度を最適化しつつ同一システム内でのストリーミングアプリケーションとベストエフォートタスクを処理するSmoothStreamテクノロジなどの独自特長技術を搭載。超低騒音・低発熱・広範な動作温度範囲を誇る。
  • 外付ドライブ(External Drives) - Hitachi X-Mobile Drive、LifeStudioシリーズ、Touroシリーズ、Hitachi XL Desk 以外は日本市場には未導入。
    • Hitachi X-Mobile Drive
    • SimpleTough
    • SimpleDrive
    • SimpleDRIVE MINI
    • Signature Mini
    • LifeStudioシリーズ
      • LifeStudio Mobile/Mobile Plus(Graphite色のみ。Platinum色は日本市場未導入)
      • LifeStudio Desk/Desk Plus(同上)
    • [re] Drive - 本体エンクロージャーに竹素材が使われているのが特徴。
    • Hitachi XL Desk
    • ProDriveシリーズ
      • Duo ProDrive Quad
      • Duo ProDrive
      • ProDrive
    • SimpleDrive Rev3
    • Touroシリーズ
      • Touro Desk Pro
      • Touro Desk
      • Touro Mobile Pro
      • Touro Mobile
    • G-Technologyシリーズ(2009年の米Fabrik社買収後より展開)
      • G DRIVE - FireWire800/400、USB、eSATAによる多彩な接続方法と最大4TBの大容量
      • G DRIVE slim - 同社製7mmハイトHDD「Travelstar Z」シリーズを採用したスーパースリム・モデル
      • G DRIVE mini - 2.5インチ/7200rpm HDD採用によるコンパクト筐体と最大1TBの大容量を両立
      • G DRIVE mobile - Macintoshユーザーを意識したデザイン、HFS+フォーマット済み

競合企業

関連項目

脚注

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  1. ^ 日立がIBMのHDD事業部門を買収し、「Hitachi Global Storage Technologies」を設立 - 日立製作所 2003年1月6日
  2. ^ 日立がHDD事業売却へ、候補に複数ファンド=関係筋 ロイター(2007年9月27日)
  3. ^ http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20071221AT2D2000K20122007.html リンク切れ
  4. ^ 日立、小型HDD撤退・富士通は参入断念 IT+PLUS(2007年12月30日)
  5. ^ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/28/news020.html リンク切れ
  6. ^ 「今度こそ黒字化。結果で示す」、日立GSTが自力での再建継続を宣言 IT Pro (2008年4月17日)
  7. ^ 2009年10月14日 マレーシアのHDD用円板基材(サブストレート)製造拠点開所式を挙行 日立グローバルストレージテクノロジーズ(2009年10月14日)
  8. ^ 日立グローバルストレージテクノロジーズの新規株式公開に向けての準備開始について (PDF)
  9. ^ 日立の第2四半期は増収増益、日立GSTの米国上場準備を発表IT Pro (2010年11月2日)
  10. ^ 旧商号:Hitachi Global Storage Technologies Holdings Ltd.であり、Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V.の移転と同時に商号変更したもの。
  11. ^ 日立、HDD事業をWestern Digitalに譲渡PC Watch(2011年3月8日)
  12. ^ a b c Supplemental Information about WD's Acquisition of HGST (PDF)
  13. ^ 日立からウエスタンデジタルへのハードディスクドライブ事業の譲渡について (PDF)
  14. ^ 欧州委が2件のHDD事業買収を徹底調査へ、Seagate/SamsungとWD/日立IT Pro (2011年5月31日)
  15. ^ 日立からウエスタンデジタルへのハードディスクドライブ事業の譲渡時期について (PDF)
  16. ^ 日立からウエスタンデジタルへのハードディスクドライブ事業の譲渡時期について(第2報) (PDF)
  17. ^ ウェスタンデジタル社のHDD製造設備等の取得と当社タイ製造拠点の売却東芝 (2012年2月29日)
  18. ^ 東芝、HDD設備を米社から取得と発表 タイ製造拠点は売却日経ニュース (2012年2月29日)
  19. ^ 日立からウエスタンデジタルへのハードディスクドライブ事業の譲渡を3月8日に完了予定 (PDF) - 日立製作所 2012年3月7日
  20. ^ 2012年3月8日発表
    WD Acquires Hitachi GST Western Digital
    WD® Completes Acquisition of Hitachi Global Storage Technologies Western Digital
    ウエスタンデジタルへのハードディスクドライブ事業の譲渡を完了 (PDF, 日立製作所)
  21. ^ シーゲイト、サムスンのハードディスク事業の買収を完了
  22. ^ HGST製の3.5インチHDDにリテールパッケージ版が登場 ASCII.jp
  23. ^ ハイタッチ【はいたっち】 古田雄介&ITmedia アキバ取材班
  24. ^ グーグル、自社設計のサーバを初公開--データセンターに見る効率化へのこだわり CNET Japan(2009年4月6日)
  25. ^ 3.5インチ/4TBのHDD自体は米シーゲイト・テクノロジー社が業界で初めて製品化したが、内蔵ドライブではなく外付ドライブとしての販売にとどまった。また同製品は日本の電気用品安全法(いわゆる電安法)に基づくPSEマークを取得しておらず日本国内での販売が認められていない

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