時代おくれ
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『時代おくれ』 | |
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河島英五 の シングル | |
リリース | |
ジャンル | 歌謡曲 |
時間 | |
レーベル | CBS・ソニー |
チャート最高順位 | |
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ゴールドディスク | |
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「時代おくれ」(じだいおくれ)は、河島英五のシングルレコードである。1986年8月27日発売。発売元はCBS・ソニー。レコード品番は07SH-1804。
解説[編集]
河島英五のCBS・ソニー移籍第1弾として発表されたシングル盤である。オリコン誌でのチャート・アクションは目立った記録を残してはいないが、同年の『日本有線大賞』では「特別賞」を受賞した。
その表題曲「時代おくれ」は白鶴酒造のコマーシャルソングに起用された楽曲で、酒場を舞台に、自身の生き様を静かに見つめ考える男性の心情を描いている。発売年である1986年は、のちにバブル景気などと呼ばれる空前の好景気の入口にあたり[1]、流行を追った「トレンド」なる言葉がはやりつつあった時代のさなか[2]、「時代おくれの男になりたい」とあえて綴られた歌詞が特徴のひとつとして挙げられる。作詞は阿久悠、作曲は森田公一によるもので、1972年に発表された和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」を手がけたコンビでもある。後年、森田公一が音楽ユニット「森田公一とトップギャランII」名義でセルフカバーをした(1991年11月21日発売:VIDL-10178)。
1986年の発売当時は4万枚程度の売上にとどまったが[3]、1991年6月15日、NHK総合で放送された特別番組『阿久悠 歌は時代を語り続けた[4]』では、河島英五によって「時代おくれ」が披露された。その後、レコード会社への問い合わせの電話が1日に何本もかかるようになり[3]、反響の多さから同年9月21日にシングルが再発売され(カップリング曲は「自分のことをどのくらい知ってますか」に変更)、『第42回NHK紅白歌合戦』の出場歌手として選出されるに至った。当日は第1部の白組トリで、ピアノを弾きながら歌われている。尚、その紅白が放送された1991年はバブル景気の終焉と定義される年である。
「酒と泪と男と女」と並び、河島英五の代表曲のひとつになっている。河島の急逝後に行われたイベントでは、山崎まさよしがカバーした(未CD化)。
2017年8月27日に放送された24時間テレビ40「愛は地球を救う」ドラマスペシャル『時代をつくった男 阿久悠物語』では、物語終盤、ヒット曲に恵まれなくなったうえに盟友の上村一夫(1986年1月11日死去、演:田中圭)にも先立たれた阿久(演:亀梨和也)による「時代おくれ」の制作過程が描かれた。
収録曲[編集]
- 1986年盤
- 1991年盤
- 時代おくれ
- 自分のことをどのくらい知ってますか
カバーした主な歌手[編集]
- 岩崎宏美 - 『Dear Friends VII 阿久悠トリビュート』に収録。
- 平みち - 『麗人REIJIN -Season 2』(2016年1月6日発売)に収録[5]。
- 玉置浩二
- 氷川きよし[6]
- 堀内孝雄
- 萩原健一
- 松野こうき
- 森田公一とトップギャランII
- 山崎まさよし
- 吉幾三
- 吉田類
「時代おくれ」は、現在も多くのおやじ世代にカラオケで歌われており、志村けんも生前愛唱していたほか、松本人志、朝青龍や山本浩二、久保竜彦らも愛唱歌としている。
関連項目[編集]
- GOLDEN☆BEST 河島英五 SINGLES - 「時代おくれ」「人生」「時代おくれ」「自分のことをどのくらい知ってますか」収録
- GOLDEN☆BEST 森田公一 ヒット&シングルコレクション - 「時代おくれ」収録
- 1986年の音楽
- 母さん、家においでよ(愛の劇場) - TBS系テレビドラマ、「自分のことをどのくらい知ってますか」が主題歌
- 時代をつくった男 阿久悠物語 - 日本テレビ系「24時間テレビ40「愛は地球を救う」ドラマスペシャル」、「時代おくれ」がエンディングテーマ
脚注[編集]
- ^ 1986年は、東証出来高23億株の史上最高記録(8月12日)や、東京地価上昇率53.9%と、当時の最高記録を次々更新した。
- ^ 1987年に、『日経トレンディ』(日本経済新聞社刊)なる月刊誌も創刊された。
- ^ a b 「時代おくれがなぜかはやり」『日経流通新聞』1991年9月12日付、27頁。
- ^ NHKアーカイブス『阿久悠 歌は時代を語り続けた』 - 2010年7月2日閲覧
- ^ “涼風真世、壮一帆ら総勢12人の元宝塚トップスターが「男唄」をカバー!レコーディング風景をダイジェスト公開!”. シアタークリップ (2015年12月23日). 2015年12月25日閲覧。
- ^ 2020年8月8日、NHK『ライブ・エール~今こそ音楽でエールを~』第2部にて歌唱。