最果てのパラディン

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最果てのパラディン
ジャンル ファンタジー
小説
著者 柳野かなた
イラスト 輪くすさが
出版社 オーバーラップ
レーベル オーバーラップ文庫
巻数 既刊4巻(5冊)
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル

プロジェクト ライトノベルPJ ライトノベル
ポータル 文学

最果てのパラディン』(さいはてのパラディン)は、柳野かなたによる日本ライトノベルイラスト輪くすさがが担当している。オーバーラップ文庫より、2016年3月25日から既刊4巻(5冊)が刊行されている。2017年9月25日、4巻の発売と同時にWebコミック誌『コミックガルド』で奥橋睦によるコミカライズ版が月刊連載開始[1]

概要[編集]

小説投稿サイト『小説家になろう』で2015年5月1日に連載開始[2]。書籍化の打診を受け、2016年3月25日からオーバーラップ文庫で刊行が始まった。書籍化後も『小説家になろう』での連載は継続している。以後、特に断りがない場合は書籍版について記載し、『小説家になろう』版はWeb版と記載する。

Web小説のいわゆる「転生もの」から発想を得た作品であり[3]、前世の記憶がある少年を主人公にした異世界ファンタジーである。

あらすじ[編集]

引きこもりとして無為な人生を過ごし、後悔して亡くなった主人公は記憶を保持したまま異世界に転生する。ウィリアム(通称:ウィル)と名付けられた赤ん坊は、数百年前に人の絶えた廃墟の街で、生前は英雄として知られた3人の不死者ブラッド、マリー、ガスに育てられる。今度こそ悔いのない人生を送ることを決意したウィルは、スケルトンの剣士ブラッドからは武術を、ミイラの神官マリーからは一般常識と信仰を、ゴーストの魔法使いガスからは学問と魔法を学び成長していく。

Ⅰ 死者の街の少年[編集]

この世界の成人の日にあたる数え15歳になる冬至の日の前日、ウィルは自身と育ての親の来歴を教えられる。約200年前に《上王(ハイ・キング)》と呼ばれる悪魔の王が世界に大乱を引き起こし、世界の南半分にあたる《南辺境大陸(サウスマーク)》は壊滅した。育ての親3人は多数の仲間と共に《上王》を討伐しようとしたが、仲間たちは死に、《上王》は殺しきれずにガスとマリーの2人で地下深くへと封印した。もし3人が寿命を迎えれば配下の悪魔たちによって封印が解かれる不安が残る中、不死神スタグネイトの分体たる《木霊(エコー)》が降臨し、いずれ自らの下僕にすることと引き換えに、彼らを不死者とする契約を行う。ウィルが育った街は《上王》が封印された場所であり、ウィルは悪魔が封印を解くためにどこからか連れてきた赤子だった。

3人の語りが終わると、不死神スタグネイトの《木霊》が再度降臨し、ウィルの養育を通して《上王》への執着が薄れたマリーとブラッドを契約に従い自らの下僕にしようとする。3人は抵抗し、不死神に挑むも、分体とはいえ強力な神の力によって重傷を負う。不死神の計らいで見逃されるウィルであったが、かつてブラッドが《上王》から奪った魔剣《喰らい尽くすもの(オーバーイーター)》を手にして対峙し、神に挑む。そして死闘の果てに生々流転を司る灯火の神グレイスフィールに誓いを立てて加護を得たウィルは、不死神の分体を討伐する。

ブラッドとマリーは輪廻へと還り、ガスは《上王》の封印守護を守るべく灯火の神と交渉し、約10年現世に残れることとなった。ウィルは、親たちの意志を継ぎ、残された10年の間に《上王》の問題を解決するべく、生まれ育った街を後にする。

Ⅱ 獣の森の射手[編集]

約200年前の世界状況の知識しかないウィルは人間の生活圏を探して北を目指す。灯火の神の啓示を受けながらも到達した人類社会の南端の森林地帯《獣の森(ビーストウッズ)》は、魔獣や悪魔が跋扈し、困窮する村々が点在する無法の土地だった。長年の訓練と前世の知識によって実は人並み以上の類稀な能力が備わっていたウィルは、その力を使って村々の問題を解決していく。

ウィルは更なる辺境地域の問題解決のため、魔獣退治のため友人となったハーフエルフのメネルドールや、道中で出会った行商人のトニオや楽師ビィと共に南辺境大陸の最北端で、同大陸唯一の都市《白帆の都(ホワイトセイルズ)》へ向かう。そして街へやってきたウィルは、期せずして狂ったワイバーンを倒し、人々に知られた存在となる。有力者である領主サウスマーク公やバグリー神殿長に認められたウィルは、聖騎士(パラディン)に叙勲され、《最果ての聖騎士(最果てのパラディン)》として活躍をし始める。

Ⅲ 鉄錆の山の王[編集]

ウィルが街を出て2年。数え年で17歳となったウィルは、《獣の森》の中央にある河岸の廃墟の街を再興させた《灯火の河港(トーチ・ポート)》を拠点に、森林地帯の事実上の領主となっていた。最終的に人類圏が生まれ故郷の廃墟の街に到達すべく、ウィルは日夜地域一帯の発展に邁進し、時に政治や経済状況に腐心する生活を送っていた。

そんな折、かつて《上王》に与し、鉄錆山脈にあったドワーフの街を滅ぼした邪悪な竜ヴァラキアカが再び活動を開始するとの予言を受けたウィルは、新たに加わった仲間たちと共に対策を迫られる。

IV 灯火の港の群像[編集]

数え歳で18歳となった春。ウィルは地域の未来を考えて新たな産業を起こす計画を立てていた。ウィルはメネルと会話しながら、ヴァラキアカ討伐後の秋冬に起こった仲間の求婚話や無敵の巨人との戦いなど様々な出来事を思い起こす。

登場人物[編集]

主人公[編集]

ウィリアム・G・マリーブラッド。
愛称はウィル。「ウィリアム」は「意志の兜」の意[4]。《最果ての聖騎士(パラディン)》。《灯火の河港(トーチ・ポート)》の領主。

廃墟の街[編集]

ブラッド
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。《戦鬼(ウォーオウガ)》の二つ名を持つ戦士であり、不死神との契約でスケルトンになった。
マリー
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。《地母神(マーテル)の愛娘》の二つ名を持つ神官であり、不死神との契約でミイラになった。
ガス
廃墟の街でウィリアムを育てた三人のアンデッドの一人。《彷徨賢者(ワンダリングセイジ)》の二つ名を持つ魔法使いの老人であり、不死神との契約でゴーストになった。本名はオーガスタス。

灯火の河港[編集]

メネルドール
ハーフエルフの狩人で妖精使い。《はやき翼(スウィフトウィングス》のメネルドール。エリンの大森林の出身。
レイストフ
ベテラン冒険者。《つらぬき》のレイストフ。
トニオ
行商人。本名はアントニオ。《灯火の河港》で林業などを始める。
ビィ
小人族(ハーフリング)の吟遊詩人。本名はロビィナ・グッドフェロー。
ルゥ
ドワーフの王族。本名はヴィンダールヴ。200年前に滅びたドワーフの王国《くろがねの国》の最後の王アウルヴァングルの孫。ウィルの従士。
ゲルレイズ
向こう傷のあるドワーフ。200年前はまだ年少だったために《くろがねの国》での決戦に参加せず、民を守って山から退去した。
アンナ
生真面目な女性神官。バグリーの養女。ウィルの要請でバグリーから南方開拓地に派遣された行政官兼務の神官たちのまとめ役で、自身も優秀な能吏。

白帆の都[編集]

サウスマーク公エセルバルド
《白帆の都(ホワイトセイルズ)》の領主エセルバルド・レックス・サウスマーク公。《ファータイル王国》の王弟であり、《南辺境大陸(サウスマーク)》の開拓責任者。
バグリー神殿長
バート・バグリー。《白帆の都》の神殿長。太った中年男性であり俗物だなどと評判は悪い。実際は有能な人物であり、人前では故意に祝祷など信心深いところを見せないようにしている。

[編集]

灯火の神グレイスフィール
魂と輪廻を司る生々流転の神。彫刻ではカンテラを持つ性別不明の神として描かれるが、実際はフードを被った黒髪の少女の姿をしている。《遣い(ヘラルド)》は灯火であり、《遣い火》とも記載される。
不死神スタグネイト
善なる神々の陣営から悪なる陣営へと鞍替えした神。1巻でウィルが倒した《木霊》は男性の姿、3巻で初登場した《遣い》は烏だったが、女神でありグレイスフィールの姉にあたる。

既刊一覧[編集]

  1. 『最果てのパラディンⅠ 死者の街の少年』、2016年3月25日発行[5]、ISBN 978-4-86554-104-5
  2. 『最果てのパラディンⅡ 獣の森の射手』、2016年7月25日発行[6]、ISBN 978-4-86554-137-3
  3. 『最果てのパラディンⅢ 鉄錆の山の王』(上下巻)、2016年12月25日発行
    1. 上巻[7]、ISBN 978-4-86554-176-2
    2. 下巻[8]、ISBN 978-4-86554-177-9
  4. 『最果てのパラディンIV 灯火の港の群像』、2017年9月22日発行、ISBN 978-4865542561

脚注[編集]

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  1. ^ オーバーラップ広報室『最果てのパラディンⅣ』カバーイラスト公開&コミカライズ決定!, オーバーラップ広報室, (2017-08-25) 
  2. ^ 柳野かなた, 最果てのパラディン, 小説家になろう, https://ncode.syosetu.com/n5115cq/ 2017年10月7日閲覧。 
  3. ^ 柳野かなた (2016-03-25). 最果てのパラディンI 死者の街の少年. p. 340. 
  4. ^ 柳野かなた (2016-03-25). 最果てのパラディンI 死者の街の少年. p. 335. 
  5. ^ 最果てのパラディンⅠ 死者の街の少年”. オーバーラップ文庫. 2017年6月17日閲覧。
  6. ^ 最果てのパラディンⅡ 獣の森の射手”. オーバーラップ文庫. 2017年6月17日閲覧。
  7. ^ 最果てのパラディンⅢ〈上〉 鉄錆の山の王”. オーバーラップ文庫. 2017年6月17日閲覧。
  8. ^ 最果てのパラディンⅢ〈下〉 鉄錆の山の王”. オーバーラップ文庫. 2017年6月17日閲覧。