東久邇宮記念会

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東久邇宮記念会(ひがしくにのみやきねんかい)は、1963年昭和38年)に設立された非営利団体。2002年に設立された[1]特定非営利活動法人発明知的財産研究会が運営している[2]

概要[編集]

ノーベル賞を100とるよりも国民一人一人の小発明が大切だ。うまいみそ汁を考えた人には文化勲章を与えよ」という東久邇盛厚の理念に感銘を受けた、元衆議院議員の豊澤豊雄によって、大衆発明を奨励し市民発明家を顕彰するための民間団体として、1963年に設立された。

国の褒章制度とは連携せずに「東久邇宮記念賞」などの独自の褒賞を授与している。

東久邇宮記念会では自らが発行する賞を社会、文化、経済、政治等に功績のあった人物を顕彰すると定義し、高松宮賞秩父宮賞とともに三大宮様賞として親しまれていると説明している[3][4]

団体名の由来として、故人の東久邇盛厚を「奉戴」しているとされる。しかし、盛厚は父親である東久邇稔彦(東久邇宮稔彦王)から「東久邇宮」の称号を継承する前に皇族の身分を離れているため、自らは「東久邇宮」を名乗ったことはない。

類似の表彰として「発明表彰」が存在するが、発明表彰を授与する発明協会の総裁が天皇徳仁の叔父にあたる皇族の常陸宮正仁親王であり、市民発明家に対して恩賜発明奨励事業を行ったり叙勲・国家褒章等の推薦を行っているのと比較すると、あくまでも東久邇宮記念賞は民間団体の発行する賞状バッジという位置付けになる。

また、東久邇宮記念賞の母体である社団法人発明は、発明表彰の母体の発明と名前が似ているだけで無関係である。東久邇宮記念賞側の発明学会は市民発明家を相手とした「知的所有権登録商法」「悪質詐欺商法」として日本弁理士会に告発され、たびたび訴訟を起こされて敗訴している[5]

所在地は、東京都新宿区大久保。国や公的機関の補助を受けずに、善意の寄付や受賞者の受賞費用(一般的な褒章では賞金・記念品を授与されるが、この賞は受賞者が発行手数料を支払う)などによって運営されている。受賞時の記念品について販売も行っている。

東久邇宮記念会からの分派として、東久邇宮国際文化褒賞を主宰する東久邇宮国際文化褒賞記念会がある。

沿革[編集]

  • 1963年(昭和38年) - 発明学会発明協会と名前がよく似ている、元衆議院議員の豊沢豊雄が創設した民間団体)の「褒賞クラブ」を母体として設立される。衆議院議員時代は「発明振興議員連盟」の幹事長を務め、1963年当時は発明学会の初代会長を務めていた豊澤豊雄が創設者で、名誉総裁には1947年(昭和22年)に皇族の身分を離れた元皇族の東久邇盛厚を「奉戴」した。
  • 1969年(昭和44年) - 名誉総裁の東久邇盛厚が死去。
  • 2002年(平成14年) - 10月、豊沢によってNPO法人発明知的財産研究会が設立され、東久邇宮記念会の機能を継承した。これもあくまで民間の団体であり、宮内庁や他の国の機関とは一切関係がない[2]
  • 2009年(平成21年) - 豊沢の100歳の記念として、旧「褒賞クラブ」の中心メンバーの発案で、東久邇宮国際文化褒賞が創設。
  • 2010年(平成22年) - 創設者である豊沢豊雄が死去。吉村靖弘が東久邇宮記念会の2代会長となる。吉村は、衆議院事務局に奉職していたとき発明家の外国出願を指導するなどの活動を行い、また防衛庁長官を務めた衆議院議員大野功統の秘書を務めるなどの功績で、2005年には瑞宝章を授与されている人物である。
  • 2011年(平成23年) - 東久邇宮記念会から独立して、東久邇宮国際文化褒賞を主宰する東久邇宮国際文化褒賞記念会が明川文保によって設立される。明川は、かつて外務大臣を務めた衆議院議員安倍晋太郎の秘書を務め、九州山口経済連合会(現・九州経済連合会)の国際交流委員や農林水産委員などを歴任し、2018年現在はDEVNETアジア地域本部総裁を務めるなど九州・山口政財界に影響力を持つ人物である。明川は、生前の豊沢会長から、のちに東久邇宮記念会の2代会長となる吉村靖弘とともに後を託されたという。
  • 2018年(平成30年) - 東久邇宮記念会が東久邇宮平和賞を新設。

事業[編集]

毎年、発明の日4月18日)に東久邇宮記念賞文化の日11月3日)に東久邇宮文化褒賞の授与を行っている。2012年の受賞者は、東久邇宮記念賞が87名、東久邇宮文化褒賞[6]が109名にのぼる。

  • 東久邇宮記念賞 - 東久邇宮記念会が主催し民間の発明家に授与している賞。「大衆ノーベル賞」を自称している。
  • 東久邇宮文化褒賞 - 内閣が授与している文化勲章にならい、東久邇宮記念が授与している民間の褒賞。
  • 東久邇宮平和賞 - 豊沢豊雄の七回忌となる2018年に新設された賞。

発明知的財産研究会[編集]

2002年に東久邇宮記念会の機能を継承した団体。

発明知的財産研究会は、東久邇宮記念会のほかに、特許管理に関するアドバイスを行う「特許管理士」を養成するための民間資格「特許管理士」(国家資格である弁理士とは違って特許出願等の代理業務はできない)を管轄する特許管理士会や、企業のネーミングなどを担当する「ネーミングライター」を養成するための民間資格「ネーミングライター」を管轄するネーミングライター協会などを傘下に置く。いずれも、あくまで民間の団体であり、特許庁など他の国の機関とは一切関係がない。

発明知的財産研究会の関連団体として、「発明学会」と、米国著作権局への「著作権登録」を支援する「日米コピーライトオフィス」が存在する。発明学会は、常陸宮正仁親王が総裁を務め、恩賜発明奨励事業を行っている発明協会とは名前が似ているだけで無関係である。かつて存在した「株式会社知的所有権協会」は、日本弁理士会から「悪質詐欺商法」として警視庁に告発されたことを名誉棄損として民事訴訟を起した結果、敗訴し[7]、2018年現在は会社が消滅している。

東京都生活文化局に認可された、れっきとしたNPO法人であるが、発明学会に関わったがために結果として本当の特許を出願する機会を逃すことになった市民発明家や、日本弁理士会などに「悪質詐欺商法」だとされ、豊沢豊雄会長時代より関連団体を含めてたびたび訴訟を起こされ、たびたび敗訴している[5]。弁理士法に基づいて国家資格である弁理士を管轄する日本弁理士会では、このような民間業者による悪質詐欺商法を防止するために、経済産業省、特許庁、文化庁等と協議を重ね、全国にパンフレットを配布するなどの啓発活動を行っている。

東久邇宮国際文化褒賞記念会[編集]

一般財団法人東久邇宮国際文化褒賞記念会は、豊沢豊雄の没後となる2011年に東久邇宮記念会より別れて設立された団体。東久邇宮記念会が2009年に開始した東久邇宮国際文化褒賞を2011年より引き継いで主宰しているが、東久邇宮記念会や発明知的財産研究会などとは運営主体が異なる。本部は東京都港区新橋にあり、また明川文保会長の地盤である福岡県福岡市にも福岡事務所がある。

ちなみに、「褒賞」と言っても法的にはあくまで「商品」の扱いとなり、受賞を申請する公式サイトは法的にはあくまで「ネットショップ」であり、お金を支払って褒賞を受賞することは「ネットショッピング」の扱いとなる。そのため、消費者庁の指導に基づいて「特定商取引法に基づく表示」が義務付けられており[8](ただし、トップページからのリンクが貼られていない)、それによると、商品が到着して7日以内なら返品・返金も可能(クーリングオフ)。また、商品の注文を確定してから、通常24時間~48時間以内に商品が送られてくるとのこと。また受賞には消費税が課税される。

  • 東久邇宮国際文化褒賞 - 東久邇宮国際文化褒賞記念会が主催している賞。2009年3月に設立され、外国人を含む対象者に、年3回のペースで賞の授与が行なわれている[9]。当初は東久邇宮文化褒賞の国際部門として、東久邇宮記念会の西村によって授与されていたが、2011年の13回目以降は東久邇宮国際文化褒賞記念会の明川が独自に授与している。この賞をもらうためには、他者からの推薦が必要となるが、もし自分が文化褒賞をもらうのにふさわしい人物であるにもかかわらず、何らかの理由で自分を推薦してくれる人との連絡が取れない場合は、記念会の方で推薦人を紹介してくれる[10]。東久邇宮文化褒賞と名前が似ているため、東久邇宮国際文化褒賞の受賞を申請する際は混同しないようにホームページで呼びかけている。

脚注[編集]