東海道貨物線

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東海道本線 > 東海道貨物線
JR logo (east).svg 東海道貨物線
基本情報
日本の旗 日本
所在地 東京都神奈川県
種類 普通鉄道在来線貨物線
所有者 東日本旅客鉄道
運営者 東日本旅客鉄道
日本貨物鉄道
路線諸元
軌間 1,067 mm
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
路線図
TokaidoLineBranches Tokyo.png
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東海道貨物線(とうかいどうかもつせん)は、東京都港区浜松町駅神奈川県小田原市小田原駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線の通称である。東海道本線の貨物支線および複々線区間、南武線の貨物支線からなる。

概要[編集]

東海道本線の浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅 - 浜川崎駅間の貨物支線、南武線の浜川崎駅 - 八丁畷駅間の支線(浜川崎支線)、東海道本線の八丁畷駅 - 鶴見駅間、鶴見駅 - 横浜羽沢駅 - 東戸塚駅間の各貨物支線、および東海道本線の東戸塚駅 - 小田原駅間の本線で旅客線と並走する複線から成る貨物線の通称である。同じく東海道本線の貨物支線である品鶴線高島線も含めることもある。このうち浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅間には「大汐線」(おおしおせん、東京貨物ターミナル駅がある井埠頭とかつての貨物駅である留駅の頭文字をとった)の通称もある。また、現在ではあまり使用されない通称だが、以前は旧塩浜操 - 鶴見駅間を「鶴塩線」と呼んだ。

浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅間は、都営地下鉄大江戸線の工事に伴い休止されている。既に大江戸線の工事は完了しており、東京貨物ターミナル駅から田町駅付近までは東海道新幹線回送線に併設された複線や橋梁などが維持されているものの、田町駅 - 浜松町駅では単線が新幹線の脇で放置されている。浜松町付近では東京モノレール羽田空港線駅舎移転の関連で線路が撤去され(後に計画変更され駅舎移転は無くなった)、浜松町ビルディングの敷地と合わせてJR東日本・野村不動産NREG東芝不動産が共同で再開発する計画が発表されており、再開発地区と浜松町駅とを結ぶ歩行者専用道路として整備される予定である[1]

路線データ[編集]

品鶴線高島線はそれぞれの記事を参照。

浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅間は東日本旅客鉄道東京支社、川崎貨物駅以西の各区間は同横浜支社の管轄である。

歴史[編集]

(本節全体の出典…[2][3][4]。)

1966年4月に東海道本線東京駅 - 小田原駅間線路増設工事を国鉄理事会で決定、同年5月に工事実施計画の認可が下りた。東戸塚 - 大船間は旅客線に沿って新たに貨物用の複線を敷設し、東海道線列車用・横須賀線電車用と併せて三複線とした[5]。東戸塚以東は市街化が進み線増が困難なため、北方に迂回する貨物新線が建設された[6]。この新線は長大トンネルで保土ケ谷の丘陵地帯を抜け、相鉄本線上星川駅付近を経て貨物専用の横浜羽沢駅、その先は横浜線大口駅付近・京急本線生麦駅付近を経て、鶴見駅で根岸線方面からの貨物線(高島線)と合流する。鶴見駅からは、新鶴見・武蔵野貨物線方面、または川崎貨物駅経由東京貨物ターミナル駅方面に向かう[7]。これら貨物新線の建設は、汐留駅 - 塩浜操車場(現・川崎貨物駅) - 鶴見駅 - 小田原駅間の新たな貨物ルートを構成するものであり、東海道本線と横須賀線を分離して、輸送力の大幅な増強を図るものであった。

しかし、この貨物新線建設の計画が発表されると、恩恵を直接受けない横浜市神奈川区保土ケ谷区などの住民によって貨物線建設反対運動が起こり、住民側は、同年9月11日に「篠原菊名地区貨物線反対期成同盟」が、1967年5月23日に保土ケ谷区上星川地区でも反対同盟が結成され反対運動が各地に波及、同年6月10日「横浜新貨物線反対同盟連合協議会」を結成して、各地の反対運動の連携を図ることになった。反対運動の影響で、用地買収に着手できず、住民説明会や測量も行うことができなかった[注 1]

だが、住民側が国鉄との交渉を続けていくうちに、絶対反対から条件闘争へと転換する地区も現れて、1969年6月に上星川地区が反対同盟連合から脱退した。横浜市は貨物線建設は通勤輸送緩和のためやむを得ないとして、国鉄に十分な騒音・振動対策を求めた。その後、1970年3月6日に横浜市議会が反対請願を不採用とする決議を採択、これにより住民側の反対運動の体勢は条件闘争へと向かうが、それでも納得のいかない鶴見区や神奈川区の一部住民が測量が始まっても工事関係者との衝突、測量を中止に追い込むと、数年間にわたり双方のにらみ合いが続いた。国鉄は、依然として強硬に反対する一部住民と条件闘争派と分けて強く対応することにし、1975年2月17日に土地収用法による事業認定を申請、それに対し反対同盟連合は事業認定の前提となる縦覧の阻止闘争などを続けた。しかし、1972年3月になると建設反対強硬派が集まる鶴見区や神奈川区の一部住民が反対同盟連合から脱退、条件派の貨物線公害対策協議会を結成、事実上反対同盟連合は分裂した。これにより、同年には国鉄と条件派などが建設に合意し、ほぼ全線で着工された。1976年3月には一部を除き建設工事は終了していたが、横浜線との交差付近の500mの区間の住民は最後まで強硬に反対していた。これに対し、1974年7月17日に建設大臣(当時)による土地収用法に基づく事業認定を公示、その地区に対し土地収用法を適用、1978年6月3日には神奈川県収用委員会は収用の裁決を下し、その地区は強制収用されたのち、この区間を突貫工事で完成させ、1979年10月1日のダイヤ改正から新貨物線の使用を開始した。このような反対運動により新貨物線の開通が遅れたため、1973年6月に完成していた東京駅 - 品川駅間の地下トンネル区間については、東京駅の地下中央通路の混雑が問題となりその緊急緩和措置として、1976年10月1日に総武快速線延長という形で開業させるという影響が出たが、1980年10月1日の東海道本線と横須賀線の路線分離が完成し、両線の直通運転が開始された。

年表[編集]

  • 1914年大正3年)12月20日 東京駅開業に伴い、品川 - 汐留(新橋駅から改称)間(3.1M≒4.99km)が東海道本線の貨物支線(単線)となる。
  • 1918年(大正7年)5月1日 貨物支線 川崎 - 浜川崎間(2.7M≒4.35km)が開業。浜川崎駅開業。
  • 1927年昭和2年) - 1929年(昭和4年) 鶴見 - 横浜間6線化、横浜 - 平塚間複々線化により貨客分離。
  • 1930年(昭和5年)
    • 3月25日 南武鉄道支線(現在の南武線浜川崎支線)開業。八丁畷駅南方 - 浜川崎駅で単線並列となる。
    • 4月1日 マイル表示からメートル表示に変更(品川 - 汐留間 3.1M→4.9km、川崎 - 浜川崎間 2.7M→4.1km)
    • 8月1日 汐留 - 芝浦間開業
  • 1935年(昭和10年)2月11日 汐留 - 東京市場間開業
  • 1943年(昭和18年)9月14日 川崎 - 浜川崎間に小田操車場を開設
  • 1964年(昭和39年)
    • 3月25日 川崎 - 浜川崎間の貨物支線を延伸する形で、浜川崎 - 塩浜操間 (4.9km) が開業。塩浜操駅開業
    • 6月21日 浜川崎 - 塩浜操間が電化。以降の開業区間は電化開業
  • 1966年(昭和41年) 国鉄が横浜駅を迂回する鶴見 - 戸塚間の貨物専用線建設を発表。以後、生活環境の悪化を危惧した沿線住民が強硬な反対運動を展開
  • 1973年(昭和48年)10月1日 汐留 - 東京貨物ターミナル - 塩浜操間 (16.5km) が開業。東京貨物ターミナル駅が開業。塩浜操 - 浜川崎間改キロ (-0.1km)。川崎 - 浜川崎間 (4.1km) が廃止され、貨物列車は南武線の浜川崎 - 尻手 - 新鶴見操車場を経由するようになる(尻手 - 新鶴見操車場はこの時新設)。
  • 1976年(昭和51年)3月1日 浜川崎 - 鶴見間 (5.3km) が開業(途中駅なし。物理的には当時から浜川崎 - 川崎新町間で南武支線と線路を共用していた)。塩浜操 - 浜川崎間改キロ (+0.5km)
  • 1979年(昭和54年)10月1日 鶴見 - 横浜羽沢 - 戸塚間 (20.2km) が開業。鶴見 - 横浜 - 戸塚間の貨物線は使用停止(翌年横須賀線に転用)。平塚 - 小田原間複々線化により貨客分離。汐留 - 浜川崎間および浜川崎 - 鶴見間を区間統合し表示を汐留 - 鶴見間に変更
  • 1984年(昭和59年)2月1日 汐留 - 東京市場間廃止。ただし、設備は汐留駅構内扱いとして存続し、貨物輸送は1987年1月31日まで継続。
  • 1985年(昭和60年)
    • 3月1日 汐留 - 芝浦間廃止。
    • 3月14日 品川 - 汐留間および汐留 - 鶴見間を区間統合し表示を品川 - 鶴見間に変更
    • 7月27日 汐留駅を発着するカートレインの運行を開始。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 汐留駅廃止。区間表示を品川 - 浜川崎 - 鶴見間 (25.2km) に変更(-6.8km)。カートレインは恵比寿駅発着に変更される。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道が承継(品川 - 浜川崎、鶴見 - 八丁畷、鶴見 - 横浜羽沢 - 東戸塚間の旅客営業開始)。日本貨物鉄道が第2種鉄道事業者となる(品川 - 東京貨物ターミナル間の貨物営業廃止)
    • 東海道本線貨物支線の区間表示を、品川 - 浜松町 - 浜川崎間 (24.3km)、鶴見 - 八丁畷間 (2.3km)、鶴見 - 横浜羽沢 - 東戸塚間 (16.0km) に変更。実態は変わらないが、品川 - 浜松町が旅客線との重複区間となる一方で、浜川崎 - 川崎新町は南武線の複線扱い、川崎新町 - 八丁畷は南武線が3線扱い、東戸塚 - 戸塚は東海道本線(本線)が6線扱いとなる。
  • 1990年(平成2年)
    • 3月10日 塩浜操駅を川崎貨物駅に改称
    • 日付不明 カートレインが浜松町発着(浜川崎経由)に変更される。
  • 1993年(平成5年)12月4日 藤沢駅に貨物線ホーム開設。ダイヤ改正により貨物線経由の湘南ライナー、湘南新宿ライナー(現おはようライナー新宿、ホームライナー小田原が停車するようになる(ただし改正日は土曜日のため、実際の停車は12月6日月曜日から)
  • 1994年(平成6年)12月3日 茅ケ崎駅に貨物線ホーム開設。ダイヤ改正により貨物線経由の湘南ライナー、湘南新宿ライナー(現おはようライナー新宿、ホームライナー小田原)が停車するようになる(ただし改正日は土曜日のため、実際の停車は12月5日月曜日から)
  • 1996年(平成8年)10月1日 品川 - 浜松町間 (3.7km) 廃止
  • 1998年(平成10年)1月30日 都営地下鉄大江戸線の工事のため浜松町 - 東京貨物ターミナル間休止。カートレイン廃止。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日 浜川崎 - 川崎新町間に小田栄駅開業。
    • 9月30日 浜松町 - 東京貨物ターミナル間改キロ (-0.6km)。
  • 2019年(令和元年)11月30日 鶴見 - 横浜羽沢間から分岐する形で羽沢横浜国大駅開業。

沿線概況[編集]

浜松町駅 - 小田原駅間の線路および沿線の概況について記す[8]

浜松町駅 - 鶴見駅間[編集]

東海道貨物線の書類上の起点は浜松町駅であるが、同駅から東京貨物ターミナル駅までは休止中である。浜松町駅から港区道196号までの区間は野村不動産NREG東芝不動産とJR東日本が共同で推進する「(仮称)芝浦一丁目計画」に取り込まれており、現在旧芝離宮恩賜庭園の上空を通過している自由通路が貨物線跡地に降りてくるため、鉄道用地としては消滅する見込みである[9]。港区道196号以南の貨物線用地は山手線京浜東北線東海道線東海道新幹線の東側(海側)に沿う形で残っている。休止区間の架線はほとんどが撤去され、架線柱のみが残っている。

貨物線は東京モノレール羽田空港線の直下をしばらく進み、田町駅 - 高輪ゲートウェイ駅間で東海道線などの線路と分かれて高架となり、東海道新幹線回送線に沿って南東へ進む。首都高速1号羽田線と東京モノレールを跨いで品川火力発電所大井火力発電所に沿い、さらに首都高速湾岸線大井出入口付近を跨ぐと東京貨物ターミナル駅に至る。同駅は東海旅客鉄道(JR東海)の新幹線大井車両基地東京臨海高速鉄道東臨運輸区に隣接している。

東京貨物ターミナル駅を出ると、中央卸売市場大田市場の手前でトンネルに入り、ここから川崎貨物駅までは地下区間となる。昭和島からは地上の東京モノレールと並行して東京国際空港(羽田空港)の脇を通り、天空橋駅付近でモノレールと別れて京急空港線(地下)と直角に交差する。多摩川の下をくぐると東京都から神奈川県川崎市へと移り、首都高速神奈川6号川崎線との交差地点付近で地上に出て川崎貨物駅に至る。同駅構内からは神奈川臨海鉄道各線が分岐し、周辺には京急大師線小島新田駅がある。川崎貨物駅を出るとS字カーブで首都高速神奈川1号横羽線に近づきしばらく並行、西方向へ進みやがて浜川崎駅に至る。同駅からは貨物駅構内を介して鶴見線とつながっている。

浜川崎駅から八丁畷駅までは南武線浜川崎支線(南武支線)の区間となり、川崎新町駅までは旅客電車と線路を共用する。共用区間上の小田栄駅を経て、住宅地の中を北西へ進み、川崎新町駅構内で東海道貨物線の線路から南武線の線路が分岐する。このさき国道15号(第一京浜)を跨ぎ、京急本線と交差する八丁畷駅までは複線の東海道貨物線と単線の南武線との3線で進む。八丁畷駅から南武線と分かれ、自動車教習所の上を跨ぎながら左にカーブし、旅客線(東海道線・京浜東北線)の左側に並行する。ここから横浜市に入り、右側から武蔵野南線品鶴貨物線新鶴見信号場 - 鶴見駅間は重複)が各線を跨ぎ、鶴見川を渡った先で東海道貨物線と合流。やがて鶴見駅に至る。同駅は京浜東北線と鶴見線のみに旅客ホームがあるが、東海道貨物線と品鶴貨物線・高島線が分岐するジャンクションとなっている。

鶴見駅 - 東戸塚駅間[編集]

鶴見駅を出ると東海道線などの旅客各線と京急本線に挟まれる形で鶴見線をくぐり、桜木町駅への高島線が分岐すると京急生麦駅付近で地下トンネルに入り、旅客各線と分かれて住宅地の地下を西方向へ進む。シェルターに覆われた高架で横浜線大口駅付近を跨いで再びトンネルに入り、東急東横線(地上)の妙蓮寺駅付近、横浜市営地下鉄ブルーライン(地下)の岸根公園駅と交差する。進行方向を西南西に変えるとトンネル区間が終わり東海道新幹線の南側に出て、第三京浜道路をくぐり、貨物専用の横浜羽沢駅構内で相模鉄道(相鉄)の西谷駅へ向かう相鉄新横浜線と接続する線路が分岐する[10]。分岐した線路は地下に潜り、横浜羽沢駅付近の地下には相鉄とJR東日本の共同使用駅である羽沢横浜国大駅が設けられており、2019年11月30日より運行されている「相鉄・JR直通線」系統[11]がこのルートを経由する。

横浜羽沢駅を出ると再びトンネルに入り、南南西方向へ進む。途中、国道16号と相鉄本線をシェルター付き高架で跨ぐ。保土ヶ谷バイパス横浜新道新保土ヶ谷インターチェンジ直下を通り、やがて東戸塚駅手前でトンネルを出て横須賀線・東海道線に並行する。なお東戸塚駅の貨物線上には分岐点や貨物設備が存在せず、列車が通過するのみとなっている。

東戸塚駅 - 小田原駅間[編集]

東戸塚駅からは小田原駅まで東海道旅客線と並行する。大船駅手前で根岸線からの連絡線が合流。同駅で横須賀線と分かれて旅客線との複々線となり、しばらく西に進むと湘南貨物駅跡地を過ぎる。その先の藤沢駅茅ケ崎駅には貨物線上にライナー専用旅客ホームが設けられている。茅ケ崎駅構内の辻堂駅寄りには旅客線横浜駅方面と貨物線相模貨物駅方面の渡り線がある。相模川を渡り、旅客駅の平塚駅構内を過ぎると相模貨物駅に至る。平塚駅からは1979年(昭和54年)に複々線化された区間となる。旅客線の大磯駅二宮駅を通過し、JR東海御殿場線が分岐する国府津駅へ。同駅には貨物線上にホームは無いが、御殿場線やJR東日本国府津車両センターへ直通可能な構造となっている。国府津駅を過ぎると西湘貨物駅がある。同駅を過ぎ旅客線の鴨宮駅付近から東海道新幹線が右側に近づき、酒匂川を渡ると貨物下り線が旅客線を乗り越えて方向別複々線となり、やがて小田原駅に至る。同駅構内で貨物線と旅客線が合流し、貨客分離区間が終わる。

旅客列車の運転[編集]

現在は貨物列車、鶴見駅以西で旅客列車として相鉄・JR直通線の列車及び「湘南ライナー」・「おはようライナー新宿」・「ホームライナー小田原」が東海道貨物線・品鶴線経由で運行される。また、寝台特急「サンライズ瀬戸出雲」上りが大幅遅延した場合も東海道貨物線・品鶴線経由で運行され、品川止まりに変更される[12]。この場合、横浜駅の代わりに小田原駅に臨時停車する。かつては寝台特急「あさかぜ」、「富士」、「はやぶさ」、「さくら」、寝台急行「銀河」の上り列車が大幅遅延した際にも、当路線経由に変更して品川止まりで運行したこともあった。並行する旅客線との渡り線が所々にあるため、旅客線で工事や事故があったとき、度々、迂回ルートとして使用されている。なお、「サンライズ瀬戸・出雲」の上りは、通常でも小田原駅 - 茅ケ崎駅間は東海道貨物線を走行している。これは朝ラッシュ時に突入する東海道線の普通列車の待避を少なくするための措置であり、同区間は旅客線を走行する普通列車に対する急行線的な役割を果たす。一方、下りの「湘南ライナー」・「ホームライナー小田原」は藤沢からライナー券不要の快速として運転されるため、藤沢駅 - 小田原駅間の下り線は旅客線を走行する普通列車に対する急行線的な役割を果たす。

東京貨物ターミナル駅 - 鶴見駅間では定期旅客列車は運行されていないが、臨時旅客列車が時折運転されており、2009年5月から9月にかけて、立川駅から伊豆急下田駅までの臨時特急「リゾート踊り子」が、浜川崎駅から鶴見駅まで当路線を運転したことがある。また、2010年9月18日から20日にかけて運転された臨時快速「はまみらい」も同区間を走行した。国鉄時代には汐留駅が廃止されて以降、浜松町駅から東京貨物ターミナル駅経由でカートレインが運行されていた時期もあった。

東海道貨物線を行くEF58 61牽引「海底トンネル号」(1984年8月22日 京浜急行電鉄花月園前駅から撮影)

旅客化構想・計画[編集]

東海道貨物支線貨客併用化[編集]

品川駅・東京テレポート駅 - 浜川崎駅 - 桜木町駅と、浜川崎駅 - 川崎新町駅 - 川崎駅が答申区間
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品川駅・東京テレポート駅 - 浜川崎駅 - 桜木町駅と、浜川崎駅 - 川崎新町駅 - 川崎駅が答申区間

2000年1月、運輸省(現国土交通省運輸政策審議会答申第18号において、「東海道貨物支線の旅客線化等及び川崎アプローチ線(仮称)の新設」として、品川駅およびりんかい線東京テレポート駅から浜川崎駅を経て桜木町駅、浜川崎駅と川崎駅を結ぶ路線がB路線(今後整備について検討すべき路線)として取り上げられた[13]

これを受けて、同年6月に沿線の自治体などによる「東海道貨物支線貨客併用化整備検討協議会」が設置された[14]。協議会では、2012年に具体的なルートを公表[15]。品川駅・東京テレポート駅 - 浜川崎駅 - 桜木町駅間総延長33kmのうち18kmが既存線の活用、15kmは新線を建設するとしている[16]。この計画が実現した場合、品川 - 浜川崎間の所要時間は24分から16分に、桜木町 - 浜川崎間は29分から12分に、桜木町 - 東京テレポート間は43分から29分に短縮される見込みである[17]

2016年4月に示された交通政策審議会答申第198号においては、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」と位置付けられた[18]

羽田空港アクセス線構想[編集]

東京国際空港(羽田空港)内にある東京モノレール羽田空港線京急空港線天空橋駅の西側に東海道貨物線のトンネルが通っており、前述の運輸政策審議会答申第18号における東海道貨物線の旅客化において、品川駅および東京テレポート駅から浜川崎駅に向かう途中に羽田空港口駅を設け、羽田空港への連絡を図ることも盛り込まれていたが、2002年にJR東日本が東京モノレールを傘下に入れたこともあり、目立った進捗はなかった。

2013年(平成25年)11月になって、休止中となっている大汐線(田町駅付近 - 東京貨物ターミナル駅付近)を活用し、東京貨物ターミナル駅付近 - 羽田空港間は新たにトンネルを建設する案が検討されるようになった[19][20][21]。JR東日本は既に東京モノレールを傘下に収めているが、羽田空港発着枠の緩和や2020年東京オリンピックの開催等により、羽田空港の利用客増加が見込まれ東京モノレールだけでは輸送力に限界があることを理由としている。

2014年8月、JR東日本は国土交通省交通政策審議会の東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会で、田町駅付近から大汐線を活用する「東山手ルート」、りんかい線大井町駅からの「西山手ルート」、同東京テレポート駅からの「臨海部ルート」の3ルートを建設する計画を明らかにした[22]

駅一覧[編集]

品鶴線および高島線を除く。東戸塚駅 - 小田原駅間(旅客線併走区間)は、貨物線上に貨物駅または旅客ホームのある駅、および貨物線の分岐のある駅のみ記載

  • (貨):貨物専用駅
  • 貨物取扱 … ◆・◇:取扱あり(◇は定期貨物列車の発着なし)、空白:取扱なし
  • 旅客ホーム … ●:貨物線上に旅客ホームが存在、△:貨物線上には無いが旅客線上にホームが存在、空白:旅客ホームなし
    (浜川崎駅 - 川崎新町駅間では南武支線の電車、鶴見駅 - 小田原駅間では湘南ライナーの一部が貨物線上を走行する)
  • 接続路線 … JR在来線(正式路線名または支線名)と貨物関連路線のみ記載
正式路線名   駅名 駅間
営業キロ
累計
営業キロ
貨物取扱 旅客ホーム 接続路線・備考 所在地
東海道本線 支線 浜松町駅 - 浜松町から
0.0
  東日本旅客鉄道東海道本線(本線)
※休止中
東京都 港区
(貨)東京貨物ターミナル駅[* 1] 7.1 7.1     品川区
(貨)川崎貨物駅 7.6 14.7   神奈川臨海鉄道浮島線千鳥線 神奈川県 川崎市
川崎区
浜川崎駅 5.3 20.0 東日本旅客鉄道:鶴見線
南武線 支線 尻手から
4.1
小田栄駅 1.4 2.7    
川崎新町駅 0.7 2.0    
八丁畷駅[* 2] 0.9 1.1   東日本旅客鉄道:南武線支線
東海道本線 支線 鶴見から
2.3
鶴見駅 2.3 0.0   東日本旅客鉄道:東海道本線(本線・品鶴線・高島線)・武蔵野線・南武線貨物支線(尻手駅方面) 横浜市 鶴見区
(貨)横浜羽沢駅[* 1] 8.8[23] 8.8     神奈川区
羽沢横浜国大駅   相模鉄道相鉄新横浜線
駅は貨物線上ではなく分岐した線路上に設置[24]
東戸塚駅[* 2] 横浜羽沢から
7.2[23]
16.0   東日本旅客鉄道:東海道本線(本線) 戸塚区
旅客線並行区間 東京から
36.7
大船駅 9.8 46.5   東日本旅客鉄道:根岸線横須賀線 栄区
鎌倉市
藤沢駅 4.6 51.1     藤沢市
茅ケ崎駅 7.5 58.6   東日本旅客鉄道:東海道本線(本線)・相模線 茅ヶ崎市
(貨)相模貨物駅 7.1 65.7   平塚駅 - 大磯駅間に存在 中郡大磯町
国府津駅 12.0 77.7   東海旅客鉄道御殿場線 小田原市
(貨)西湘貨物駅 1.9 79.6   国府津駅 - 鴨宮駅間に存在
小田原駅 4.3 83.9 東日本旅客鉄道:東海道本線(熱海方面)
  1. ^ a b 書類上は旅客扱いあり。
  2. ^ a b 八丁畷駅・東戸塚駅に貨物線の列車は停車しないが、書類上での路線の分岐点となっている。

国鉄時代、浜川崎 - 鶴見間には東海道本線(支線)の営業キロが南武線とは別に設定されており、川崎新町駅と八丁畷駅は南武線のみ営業キロが設定されていた。

廃止区間[編集]

カッコ内は起点からの営業キロ。

1996年廃止
品川駅 (0.0) - 浜松町駅 (3.7)
1985年廃止
汐留駅(0.0) - 芝浦駅(2.8)
1984年廃止
汐留駅(0.0) - 東京市場駅(1.1)
1973年廃止
川崎駅 (0.0) - 小田操車場 (2.3) - 浜川崎駅 (4.1)

廃駅[編集]

#廃止区間にある駅を除く。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ この反対運動は、沿線の丘陵地帯を長大トンネルで通したとしても、住宅も多く、騒音や振動の影響への警戒と、国鉄側が地元の意見も聞かずに、一方的にルートを決めたことへの反発から来るものだった。また、東急東横線妙蓮寺駅付近では、「新貨物線絶対反対、通勤緩和は新幹線を複々線に」の大きな看板があった。

出典[編集]

  1. ^ “芝浦一丁目計画の概要 高層ツインタワーや親水空間 JR東日本など、段階的に整備”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2017年8月17日) 
  2. ^ 山田亮「横須賀線と総武快速線-通勤5方面作戦がもたらした異なる沿線文化同士の直通運転- 難航する東海道線複線化」『鉄道ピクトリアル 【特集】 横須賀・総武快速線』2018年3月号 、電気車研究会、2018年3月、 18 - 19頁。
  3. ^ 佐藤信之編「Ⅱ 各論 昭和40年代以降の東京圏鉄道プロジェクト 第1章 国鉄時代の大規模投資 1.東京5方面作戦」『鉄道ピクトリアル 東京圏都市鉄道プロジェクト』2013年7月号別冊、電気車研究会、2013年7月、 43 - 44頁。
  4. ^ 宮崎省吾私の(住民運動)思想史における一橋大学時代(1957-1961) (PDF) 」 - 一橋大学。宮崎は貨物線反対同盟連合協議会の事務局長を務めた人物である。
  5. ^ 祖田圭介「特集:短絡線ミステリー4 複々線を探る 複雑な多線区間 東海道本線東京-小田原間」『鉄道ファン』2001年2月号、交友社、2001年2月、 12頁。
  6. ^ 山田亮「横須賀線と総武快速線-通勤5方面作戦がもたらした異なる沿線文化同士の直通運転-」『鉄道ピクトリアル 【特集】 横須賀・総武快速線』2018年3月号 、電気車研究会、2018年3月、 18頁。
  7. ^ 祖田圭介「特集:短絡線ミステリー4 複々線を探る 複雑な多線区間 東海道本線東京-小田原間」『鉄道ファン』2001年2月号、交友社、2001年2月、 10頁。
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参考文献[編集]

関連項目[編集]