松田美智子 (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
松田 美智子
ペンネーム 松田 麻妙
雨宮 早希
誕生 (1949-08-07) 1949年8月7日(70歳)
日本の旗 日本山口県岩国市
職業 ノンフィクション作家、推理小説家
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 学習院女子短期大学英文科
活動期間 1991年 -
代表作 ドキュメント「事件」シリーズ 『女子高校生誘拐飼育事件』『完全なる飼育
デビュー作 『永遠の挑発』
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

松田 美智子(まつだ みちこ、1949年8月7日 - )は、日本の作家。本名は同じで、旧姓は熊本。松田 麻妙(まつだ まみ)、雨宮 早希(あめみや さき)のペンネームでも執筆している。

来歴・人物[編集]

山口県岩国市出身。父は自民党員で、地元出身の元総理大臣の地区後援会長であった。学習院女子短期大学英文科在学中、ミスコンテストで1位入賞したことがある。短大卒業後、金子信雄主宰の劇団「新演劇人クラブ・マールイ」に参加した。

1971年5月、この劇団で同郷の松田優作と知り合い、同年6月から東京都世田谷区で同棲を始める。堀真弓(ほり まゆみ)の芸名で女優として活動し、TBSテレビポーラテレビ小説』第7作『ひまわりの道』(1971年)などに出演していたが、優作との結婚(1975年9月21日)により女優活動を停止した。芸名の真弓を縮めて、家庭ではマミと呼ばれていた。

1976年12月25日に長女が生まれるも、優作と女優の熊谷美由紀(現松田美由紀)との不倫が原因で1981年12月24日に離婚した。ただし娘の苗字を変えないようにとの優作の要求により、離婚後も戸籍名として松田を名乗り続けている。松田姓を名乗ることについて松田優作神話の利用ではないかとの批判も受けているが、美智子自身は「これは本名ですから。離婚する際に本人と話し合って決めたことです。べつに松田優作の妻でしたと言って、本が書けるわけでもないし。メディアが書くのは、説明しやすいとか、付加価値がつくということなのかと受け止めています」と発言している[1]

離婚後はシナリオライターを経て、ノンフィクション作家として活動。シナリオライター時代は、高名な作家のゴーストライターとして映画のシナリオを執筆したこともある[1]。作家になったきっかけは、大下英治が『蘇る松田優作』を執筆する際、取材した美智子に原稿を見せたところ、美智子の加筆や削除に作家としての才能を認め、優作との生活を書くよう勧めたことだった[2]。このとき書いたのが、処女作『永遠の挑発』(松田麻妙名義)だった。

1994年の『大学助教授の不完全犯罪』以降、犯罪ノンフィクションの分野に進出。以来、実際に起きた異常な犯罪の裏側を描くことを得意としている。代表作の『女子高校生誘拐飼育事件』は『完全なる飼育』と改題され映画化された。1997年には「雨宮早希」名義で小説『EM (エンバーミング)』を発表した。『EM (エンバーミング)』はその後シリーズ化された。

著書では、優作が遊郭の一角で生まれ育ったことや韓国籍であることで悩んでいた姿を書いている。優作が『太陽にほえろ!』レギュラー出演を機に韓国籍を捨てた際(1973年12月)には、父親のコネを使って元総理大臣に働きかけ、優作の日本国籍獲得に協力したこともある。また、「ファンが語る優作はどこか、漫画的です。血が通っていないというんでしょうか」と語っている。2008年に『越境者松田優作』発表の際に受けた、インタビューでは「今後、優作について書くことはないと思います。私の読者には、私が松田優作の妻だったことを知らない人も多いようです。このまま、またそういう状態に戻って小説やノンフィクションを書き続けたいです」と語った[3]

著書[編集]

  • 『永遠の挑発 - 松田優作との21年』(松田麻妙 リム出版 1991年10月)ISBN 978-4871202596
    • リム出版新社 改装版 (1999年2月) ISBN 978-4898001219
  • 『愛の暗闇の中へ』(松田麻妙 リム出版 1992年5月)ISBN 978-4871202800
  • 『嵐の果てに』(松田麻妙 リム出版新社 1993年9月)ISBN 978-4898000885
  • 『大学助教授の不完全犯罪』女子大生殺害・一家心中事件(恒友出版“ドキュメント「事件」”シリーズ 1994年9月)ISBN 978-4765240833
  • 『少女はなぜ逃げなかったのか 女子高校生誘拐飼育事件』(恒友出版“ドキュメント「事件」”シリーズ 1994年10月)ISBN 978-4765240857
    • 『女子高校生誘拐飼育事件』(幻冬舎アウトロー文庫 1997年10月)ISBN 978-4877285135
  • 『愛の奇蹟 阪神大震災―語り継ぐ感動実話集』(早稲田出版 (1995年4月)ISBN 978-4898271605
  • 『やがて哀しき「ラブ・ノート」幼女殺害・死体遺棄事件』(恒友出版“ドキュメント「事件」”シリーズ 1995年4月)ISBN 978-4765250894
    • 『情事の果て』(幻冬舎アウトロー文庫 1998年4月)ISBN 978-4877285968
  • 『オウムの女』(早稲田出版 1995年12月)ISBN 978-4898271674
  • 『真夜中の侵入者 若手市会議員・連続わいせつ事件』(恒友出版“ドキュメント「事件」”シリーズ 1996年1月)ISBN 978-4765251037
  • 『なにが彼女を狂わせたか 美人銀行員のオンライン横領事件』(恒友出版“ドキュメント「事件」”シリーズ 1996年3月)ISBN 978-4765261050
    • 『美人銀行員のオンライン横領事件』(幻冬舎アウトロー文庫 1997年12月)ISBN 978-4877285531
  • 『ガンは切ると早死にする 「告知」と「手術」ひとつの結論』(早稲田出版 1997年3月)ISBN 978-4898271797
  • 『顔のない女』(雨宮早希 幻冬舎 1997年11月)ISBN 978-4877289164
  • 『EM(エンバーミング)』(雨宮早希 幻冬舎文庫 1998年10月)ISBN 978-4877286422
  • 『ボーダーライン』(雨宮早希 幻冬舎 1998年6月)ISBN 978-4877289348
  • 福田和子はなぜ男を魅了するのか 〈松山ホステス殺人事件全軌跡〉』(幻冬舎 1999年1月)ISBN 978-4877282820
    • 『整形逃亡 松山ホステス殺人事件』(幻冬舎アウトロー文庫 2000年2月)ISBN 978-4877288532
  • 『スクープ』(幻冬舎 2000年3月)ISBN 978-4877289522
  • 『迷宮の女』(光文社文庫 2000年10月)ISBN 978-4334730697
  • 『土を噛む女』(光文社文庫 2001年5月)ISBN 978-4334731533
  • 『絶体絶命〈1〉署長の首』(幻冬舎文庫 2001年8月)ISBN 978-4344401556
  • 『柩の中の殺意』(光文社文庫 2001年10月)ISBN 978-4334732165
  • 『華やかな喪装 駒沢署別働班』(祥伝社文庫 2002年1月)ISBN 978-4396330170
  • 『カプセル 新潟少女監禁事件密室の3364日』(主婦と生活社 2002年3月)ISBN 978-4391126211
    • 『新潟少女監禁事件』(朝日文庫 2009年2月)ISBN 978-4022616081
  • 『秘密の地下室 完全なる飼育』(光文社文庫 2002年8月)ISBN 978-4334733674
  • 『完全なる飼育 香港情夜』(ノベライズ 竹書房文庫 2003年3月)ISBN 978-4812411568
  • 『忘却の村 完全なる飼育』(光文社文庫 2003年10月)ISBN 978-4334735746
  • 『結婚と純愛のあいだ』(光文社文庫 2004年11月)ISBN 978-4334737917
  • 天国のスープ』(文藝春秋 2007年2月)ISBN 978-4334737917
  • 『越境者松田優作』(新潮社 2008年1月 のち文庫)ISBN 978-4103064510
    • 『越境者松田優作』(新潮文庫 2010年6月)ISBN 978-4101330419
  • ゴンゾウ 伝説の刑事』(古沢良太脚本・ノベライズ 朝日文庫 2008年9月)ISBN 978-4022644497
  • 『彼の秘密』(角川グループパブリッシング 2008年11月)ISBN 978-4048739146
  • 『虫の知らせ 鳥兜のお咲』(朝日文庫 2009年8月)ISBN 978-4022645074
  • 『完全なる飼育 メイド、for you』(幻冬舎アウトロー文庫 2009年12月)ISBN 978-4344414167
  • 『サムライ 評伝三船敏郎』(文藝春秋 2014年1月)ISBN 978-4163900056
  • 『禁じられた戯』(廣済堂出版、2014年3月)ISBN 978-4331059630

脚注・出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 永江朗『メディア異人列伝』p.223(晶文社、2005年)
  2. ^ 松田美智子『真夜中の侵入者』における大下英治の解説より。
  3. ^ 「日経エンタテインメント!」2008年4月号インタビュー