栗駒山

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栗駒山
名残ヶ原からの須川岳(栗駒山) Peak Sukawa(Mt. Kurikoma) from Nagoriga-hara marsh - panoramio.jpg
北北西からの須川岳。栗駒山の主峰である。名残ヶ原から撮影。
標高 1,626[1][2] m
所在地 日本の旗 日本
岩手県一関市
宮城県栗原市
秋田県湯沢市雄勝郡東成瀬村
位置 北緯38度57分39秒
東経140度47分18秒
座標: 北緯38度57分39秒 東経140度47分18秒
山系 奥羽山脈
種類 成層火山 (活火山ランクB)
最新噴火 1944年11月20日(昭和湖)
栗駒山の位置(日本内)
栗駒山
栗駒山 (日本)
栗駒山の位置(岩手県内)
栗駒山
栗駒山 (岩手県)
栗駒山の位置(宮城県内)
栗駒山
栗駒山 (宮城県)
栗駒山の位置(秋田県内)
栗駒山
栗駒山 (秋田県)
Project.svg プロジェクト 山
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栗駒山(くりこまやま)は、山体が宮城県秋田県岩手県の三県にまたがるである。標高は1,626m[1]。山頂部は宮城県岩手県の境界になっている。奥羽山脈に属し、焼石岳神室山とともに栗駒国定公園や栗駒山・栃ヶ森周辺森林生態系保護地域として指定されている。二百名山の一つ。

概要[編集]

山名の由来は、初夏の山頂西側に馬の雪形が現れることから。別名を須川岳(すかわだけ)・酢川岳(すがわだけ)・大日岳(だいにちだけ)・駒ヶ岳(こまがたけ)などとも呼ばれる。

栗駒火山の火山体地形図

栗駒山は、安山岩デイサイトを主な岩質とする成層火山であり、活火山に指定されている。約80万年前以降に活動を開始し、最新噴火は1944年11月20日で、小規模な水蒸気噴火を起こし昭和湖を形成した[3]。それ以前の有史の記録では江戸時代の1744年2月3日の噴火がある。山頂の北側にある約11万年前に形成された平坦な溶岩ドームの剣岳では、噴気活動が盛んで東斜面で樹木の枯死が生じている。

山頂の北側には北西方向に開口する、直径およそ2.2kmの馬蹄形のカルデラがあり[4]、その延長上に延びる岩屑なだれによる斜面がみられる[4]。岩屑なだれは東西2.5km、南北4kmの範囲に分布している[5]

山頂への登山コースが9本ある[6]。最短は南東斜面の「いわかがみ平」から登る中央コースで[6]。距離にして約3km、所要時間は約2時間[6]。山頂部は高木がなく眺めが良い。日本百名山を著した深田久弥は、その後書きの中で、「東北では秋田駒ヶ岳と栗駒山を百名山にいれるべきであったかもしれない」と述懐している[6]

2008年の岩手・宮城内陸地震により、山体南東麓で大規模な地すべり(荒砥沢地すべり)が発生した。宮城県側の周辺には須川、駒ノ湯、温湯、湯ノ倉、湯浜等の温泉が点在するが、地震による影響で休業や廃業に追い込まれる被害を受けた。また、登山道も地震の影響を受けており、裏掛(新湯)コースなど崩落のため通行禁止となっている箇所もある。

火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山に選定されている[7]

画像解説[編集]

栗駒山から北を望む。おおよそ馬蹄型カルデラ地形に相当する部分。中央に剣岳。中央左に須川湖。左下に竜泉ヶ原。右端下に昭和湖。岩頭から撮影。

昭和湖[編集]

昭和湖(2018年10月)
昭和湖
所在地 岩手県一関市
位置 北緯38度58分01.5秒東経140度46分45.5秒
水面の標高 1,280 m
成因 火口湖
Project.svg プロジェクト 地形
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昭和湖(しょうわこ)は、岩手県一関市にあり、栗駒山の山頂から北西方向の山腹、八合目付近に位置する火口湖である。1944年(昭和19年)に起きた水蒸気爆発でできた。ただしここは元から火口があった場所である[8]。エメラルドグリーンの強酸性の水をたたえている。周辺は7月上旬から高山植物が咲き乱れる。須川高原温泉からの登山道の中間点にあり、登山者の休憩地として親しまれている。

須川湖[編集]

須川湖[9]
須川湖
所在地 秋田県東成瀬村
位置 北緯38度58分42秒東経140度45分11秒
面積 0.08 km2
周囲長 2.1 km
平均水深 16 m
水面の標高 1,030 m
成因 火山湖
淡水・汽水 淡水
湖沼型 酸栄養湖
透明度 4.0 m
Project.svg プロジェクト 地形
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須川湖(すかわこ)は、秋田県東成瀬村にある、南北に長い周囲2km余りの湖。栗駒山の山頂から北西の中腹にある。水は澄んでいるが、酸性が強いため魚はいない。貸しボート、キャンプ場・周囲を巡る遊歩道が整備されている。新緑・紅葉の季節には美しい光景が広がる。須川高原温泉から秋田県側へ国道342号秋田県道282号仁郷大湯線(栗駒道路)経由、車で5分(約1 km)。

アクセス[編集]

いずれも、冬季閉鎖区間あり

秋田県側
岩手県側
宮城県側

脚注[編集]

  1. ^ a b “標高値を改定する山岳一覧 資料2”. 国土地理院. http://www.gsi.go.jp/common/000091073.pdf 2014年3月26日閲覧。 
  2. ^ GNSS測量等の点検・補正調査による2014年4月1日の国土地理院『日本の山岳標高一覧-1003山-』における改定値。なお、旧版での標高は1,627m。
  3. ^ 昭和湖は以前から火口であった場所での噴火で形成されたもの
  4. ^ a b 1:25,000火山土地条件図解説書 国土地理院、2018年12月閲覧
  5. ^ 藤縄明彦, 藤田浩司, 高橋美保子 ほか、「栗駒火山の形成史」 火山 2001年 46巻 5号 p.269-284, doi:10.18940/kazan.46.5_269
  6. ^ a b c d 栗駒山 - 栗原市観光物産協会、2018年11月閲覧
  7. ^ 火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山”. 気象庁. 2016年2月25日閲覧。
  8. ^ 日本の火山 栗駒山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2018年11月閲覧
  9. ^ 国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成(1976年度撮影)

関連項目[編集]