横溝正史

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横溝 正史
(よこみぞ せいし)
Masashi Yokomizo.jpg
世界社『富士』第5号 (1952) より
誕生 横溝 正史 (よこみぞ まさし)
1902年5月24日
日本の旗 日本 兵庫県神戸市東川崎
死没 (1981-12-28) 1981年12月28日(79歳没)
日本の旗 日本 東京都新宿区戸山
墓地 春秋苑墓地(神奈川県川崎市)
職業 作家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 旧制専門学校[注 1]
最終学歴 大阪薬学専門学校
活動期間 1921年 - 1981年
ジャンル 推理小説
代表作本陣殺人事件』(1946年)
獄門島』(1947年)
八つ墓村』(1949年)
犬神家の一族』(1950年)
悪魔の手毬唄』(1957年)
主な受賞歴 探偵作家クラブ賞長編賞受賞(1948年
勲三等瑞宝章受章(1976年
デビュー作恐ろしき四月馬鹿』(1921年)
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生誕碑

横溝 正史(よこみぞ せいし、1902年明治35年〉5月24日 - 1981年昭和56年〉12月28日)は、日本小説家推理作家。本名は同字で「よこみぞ まさし」である。当初は筆名も同じ読みであったが、誤読した作家仲間にヨコセイと渾名されているうちに、セイシをそのまま筆名とした[1]兵庫県神戸市東川崎(現在の中央区神戸ハーバーランド界隈)生まれ[2]

金田一耕助を探偵役とする一連の探偵小説で知られる。また、薬剤師の免許を持っていた。

経歴[編集]

横溝は1902年明治35年)5月24日兵庫県神戸市東川崎(現・中央区東川崎町)に父・宜一郎、母・波摩の三男として生まれた。父親は岡山県浅口郡船穂町(現・倉敷市)柳井原出身。翌日の旧暦5月25日楠木正成の命日にあたることから、「まさし」まで取って命名された[注 2]

1920年大正9年)3月、神戸二中(現・兵庫県立兵庫高等学校)を卒業、第一銀行神戸支店に勤務。

1921年、雑誌『新青年』の懸賞に応募した『恐ろしき四月馬鹿エイプリル・フール)』が入選作となる。これが処女作とみなされている。

1924年大阪薬学専門学校大阪大学薬学部の前身校)卒業後、一旦実家の生薬屋「春秋堂」で薬剤師として従事していたが、1926年江戸川乱歩の招きに応じて上京、博文館に入社する。1927年に『新青年』の編集長に就任、その後も『文芸倶楽部』、『探偵小説』等の編集長を務めながら創作や翻訳活動を継続したが、1932年に同誌が廃刊となったことにより同社を退社し、専業作家となる。

1934年昭和9年)7月、肺結核の悪化により長野県八ヶ岳山麓の富士見高原療養所での療養生活を余儀なくされ、執筆もままならない状態が続く。1日あたり3 - 4枚というペースで書き進めた渾身の一作『鬼火』も当局の検閲により一部削除を命じられる。また、戦時中は探偵小説の発表自体が制限されたことにより、捕物帳シリーズ等の時代小説執筆に重点を移さざるを得ないなど、不遇な時代が続いた。太平洋戦争の開戦前後である1941年6月から12月の時期には、横溝唯一の長編家庭小説とされる『雪割草』を地方紙(新潟毎日新聞、途中から新潟日日新聞に変更)に連載した[注 3]。推理作家としての活動が制限されたため経済的にも困窮し、一時は横溝本人も死を覚悟するほど病状が悪化したが、終戦後、治療薬ストレプトマイシンの急激な値崩れにより必要量の入手がかなうこととなり、快方に向かう。

1945年(昭和20年)4月より3年間、岡山県吉備郡岡田村(のち大備村、真備町を経て、現・倉敷市真備町岡田)に疎開第二次世界大戦終戦前から、「戦争中圧殺されていた探偵小説もやがて陽の目を見ることが出来るであろう」と考え、「晴耕雨読で、やがて来たるべき文芸復興の日に備えていた」[3]。そして、終戦後、推理小説が自由に発表できるようになると本領を発揮し、本格推理小説を続々と発表する。1948年、『本陣殺人事件』により第1回探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞。同作はデビュー後25年目、長編としても8作目にあたるが、自選ベストテンとされるものも含め、代表作と呼ばれるものはほとんどこれ以降(特にこの後数年間)に発表されており、同一ジャンルで書き続けてきた作家としては異例の遅咲き現象である。やや地味なベテランから一挙に乱歩に替わる日本探偵小説界のエース的存在となった。

人気が高まる中、骨太な本格探偵小説以外にも、やや通俗性の強い長編も多く執筆。4誌同時連載を抱えるほどの売れっぷりだったが、1960年代に入り松本清張などによる社会派ミステリーが台頭すると執筆量は急速に減っていった[注 4]1964年に『蝙蝠男』を発表後、探偵小説の執筆を停止し[2]、一時は数点の再版や『人形佐七捕物帳』のみが書店に残る存在となっていた。

1968年講談社の『週刊少年マガジン』誌上で、影丸穣也の作画により漫画化された『八つ墓村』が連載されたことを契機として、注目が集まる。同時に、江戸川乱歩、夢野久作らが異端の文学としてブームを呼んだこともあり、横溝初の全集が講談社より1970年から1976年にかけて刊行された。また、1971年から、『八つ墓村』をはじめとした作品が、角川文庫から刊行され、圧倒的な売れ行きを示し、角川文庫は次々と横溝作品を刊行することになる。少し遅れてオカルトブームもあり、横溝の人気復活もミステリーとホラーを融合させた際物的な側面があったが[注 5]、映画産業への参入を狙っていた角川春樹はこのインパクトの強さを強調、自ら陣頭指揮をとって角川映画の柱とする。

1974年、角川文庫版の著作が、300万部突破。1975年、角川文庫の横溝作品が500万部突破。1976年、角川文庫の横溝作品が1,000万部を突破。1979年、角川文庫横溝作品4,000万部突破。

1975年にATGが映画化した『本陣殺人事件』がヒットし[注 6]、翌年の『犬神家の一族』を皮切りとした石坂浩二主演による映画化(「石坂浩二の金田一耕助シリーズ」参照)、古谷一行主演による毎日放送でのドラマ化(「古谷一行の金田一耕助シリーズ」参照)により、推理小説ファン以外にも広く知られるようになる。作品のほとんどを文庫化した角川はブームに満足はせず、さらなる横溝ワールドの発展を目指す。70歳の坂を越した横溝も、その要請に応えて驚異的な仕事量をこなしていたとされる。1976年1月16日の朝日新聞夕刊文化欄に寄稿したエッセイ「クリスティと私」の中で、前年に「田中先生(当時103歳の彫刻家・平櫛田中のこと。別のインタビュー記事では「田中さん」となっている。)には及びもないが、せめてなりたやクリスティ(アガサ・クリスティ)」という戯れ歌を作ったと記している。田中が100歳の誕生日に30年分の木工材料を買い込んだというエピソードを聞いてのものであった。

実際に、この後期の執筆活動により、中絶していた『仮面舞踏会』を完成させ、続いて短編を基にした『迷路荘の惨劇』、金田一耕助最後の事件『病院坂の首縊りの家』、エラリー・クイーンの「村物」に対抗した『悪霊島』と、70代にして4作の大長編を発表している。『仮面舞踏会』は、社会派の影響を受けてか抑制されたリアルなタッチ、続く2作はブームの動向に応えて怪奇色を強調、『悪霊島』は若干の現代色も加えるなど晩年期ですら作風の変換に余念がなかった[注 7]。また、小林信彦の『横溝正史読本』などのミステリー研究の対象となったのもブームとは無縁ではない。

1976年(昭和51年)勲三等瑞宝章受章[5]

1981年(昭和56年)12月28日結腸ガンのため国立病院医療センターで死去した。戒名は清浄心院正覚文道栄達居士[6]

人物[編集]

横溝は閉所恐怖症で、大の電車嫌いであった[注 8]。電車に乗る際は必ず酒の入った水筒を首からさげ、それを飲みながら電車を乗り継いだ。時には妻とともに乗ることもあったが、その際には妻が横溝の手をずっと握っていないとダメだったという。

執筆に行き詰まった際には編み物をして気分転換をしていた。また、プロ野球・近鉄バファローズの大ファンであった。

温厚で誰に対しても偉ぶることのない人柄はブームの中でも好感を持って迎えられ、また膨大な再刊、映画化が(角川春樹事務所が管理していたとはいえ)ほとんどスルーで実現する現象につながった。多忙期に乱作したような作品も含め片っ端から文庫に収録されるので、心配した友人の西田政治らから忠告を受け、また自身もおいおい気恥ずかしくなって、「ええ加減にしてくださいよ。これ以上出すとおたく(角川文庫)のコケンにかかわりますよ。」と尻込みしたが、角川春樹に押し切られ、その結果、自身が最低と決めつけている作品でも出ると売れたことから、最高と最低を自身で決めることは僭上の沙汰ではないか、読者諸賢の審判を待つべきであると割り切ることにした[7]

また、晩年も酒を欠かさず、時折乱れて妻を困惑させるさまは公刊日記にそのまま記されている[8]

成城の自宅にあった書斎(横溝正史館)

横溝は戦前の一時期、月刊誌『新青年』の編集長であった。『新青年』は当時の文壇のみならず、文化人とクロス・オーバーする存在であり、横溝はその中心人物の1人でもあった。

戦前派探偵小説における唯一の現役作家であった(しかも晩年に突如空前のブームを迎えた)こともあり、困窮し病に伏した往年の作家仲間に援助したり、再刊の口利きをしつこく頼んでくる遺族に辛抱強く応対したりする様子も、公刊日記に控えめに記されている。

昭和モダニストのたしなみ程度であるがクラシック音楽を好んだ。一般に土俗的な舞台が多いとされる横溝作品の中にも、『悪魔が来りて笛を吹く』『仮面舞踏会』『蝶々殺人事件』『迷路荘の惨劇』など、クラシック音楽がらみの長編もある。長男の横溝亮一東京新聞記者を経て音楽評論家となり、急逝直前のバス歌手・大橋国一との対談(新版全集収録)は亮一がセッティングした。

東京都世田谷区成城にあった横溝の書斎(1955年(昭和30年)頃建築)は、山梨県山梨市に移築され、2007年(平成19年)3月25日より「横溝正史館」として公開されている。

解説[編集]

金田一耕助が登場する作品は、長短編あわせて77作(中絶作品・ジュブナイル作品等を除く)が確認されている。探偵・金田一耕助は主に東京周辺を舞台とする事件と、作者の疎開先であった岡山など地方を舞台にした事件で活躍した(岡山県以外では、作者が戦前に転地療養生活を送り、戦後は別荘を所有していた長野県や、静岡県の事件が多い)。前者には戦後都会の退廃や倒錯的な性、後者には田舎の因習や血縁の因縁を軸としたものが多い。一般的には後者の作品群の方が評価が高いようである(前者は倶楽部雑誌と呼ばれる大衆誌に連載されたものが多く、発表誌の性格上どうしても扇情性が強調されがちである)。外見的には怪奇色が強いが、骨格としてはすべて論理とトリックを重んじた本格推理で、一部作品で装飾的に用いられるケースを除いて超常現象やオカルティズムは排されている。このような特徴は、彼が敬愛する作家ジョン・ディクスン・カーの影響であるとのこと。また、薬剤師出身であるにもかかわらず、理化学的トリックは意外に少なく、毒殺の比率は高いものの薬名があっさり記述される程度である。

一旦発表した作品を改稿して発表するケースも多かった。通常このような原型作品は忘れられるものであるが、「金田一耕助」シリーズについてはそれらの発掘・刊行も進んでおり、人気の高さが窺える。創作した探偵役は他に、由利麟太郎と三津木俊助、捕物帖には人形佐七、お役者文七を主役とするシリーズがある。

金田一もの以外で重要なのは、戦前に発表された『鬼火』『蔵の中』『かいやぐら物語』などの耽美的中短編、江戸川乱歩に「横溝探偵小説の一つの頂点を為すものかも知れない」との賛辞を寄せられた戦前の長編『真珠郎』(探偵役は由利麟太郎)、坂口安吾に世界的レベルの傑作と激賞された終戦直後の純謎解き長編『蝶々殺人事件』(探偵役は由利麟太郎)、『探偵小説』『かめれおん』ほか戦後初期短編など。また、昭和初期に書かれた、洒落た中に一抹の哀愁を湛えた都会派コントの数々は、『新青年』編集長として昭和モダニズムの旗手であった横溝の一面をよく伝えている。ユーモアのセンスは後年の長編にも金田一のキャラクターをはじめ残されているが、戦後にも今日のバカミスの遠祖ともいうべき『びっくり箱殺人事件』という全編ドタバタに終始する異色長編がある。

1980年、角川書店の主催による長編推理小説新人賞「横溝正史賞」が開始された(のちに「横溝正史ミステリ大賞」、「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」と改称)。

所蔵品[編集]

2006年6月、東京・世田谷の横溝邸から未発表の短編『霧の夜の出来事』、『犬神家の一族』などの生原稿をはじめ、横溝が小説執筆の資料に使っていたと思われる文献など、貴重な所蔵品が発見された。これらの所蔵品や資料は二松学舎大学が保管し、一般公開されることになっており[9]、前述の『雪割草』の掲載媒体や文面を再発見したのも二松学舎大学である。

主要作品リスト[編集]

推理小説(由利麟太郎&三津木俊助)[編集]

長編[編集]

  • 真珠郎(『新青年』1936年10月号 - 1937年2月号)
  • 夜光虫(『日の出』1936年11月号 - 1937年6月号)
  • 白蝋変化(『講談雑誌』1936年4月号 - 12月号)、白蝋怪(単行本 東方社 1951年)
  • 幻の女(『富士』1937年1月号 - 4月号)
  • 双仮面(『キング』1938年7月号 - 12月号)
  • 仮面劇場(『サンデー毎日』1938年10月 - 11月)、旋風劇場(単行本 八紘社杉山書店 1942年)、暗闇劇場(単行本 東方社 1951年)
  • 蝶々殺人事件(『ロック』1946年5月号 - 1947年4月号)

中短編[編集]

  • 憑かれた女(『大衆倶楽部』1933年10月号 - 12月号)
  • 獣人(『講談雑誌』1935年9月号)
  • 石膏美人(『講談倶楽部』1936年5月増刊号 - 6月号)
  • 蜘蛛と百合(『モダン日本』1936年7月号 - 8月号)
  • 猫と蝋人形(『キング』1936年8月号)
  • 首吊船(『富士』1936年10月増刊号 - 11月号)
  • 薔薇と鬱金香(『週刊朝日』1936年11月)
  • 焙烙の刑(『サンデー毎日』1937年1月号)
  • 鸚鵡を飼う女(『キング』1937年4月増刊号)
  • 花髑髏(『富士』1937年6月号 - 7月号)
  • 迷路の三人(『キング』1937年8月増刊号)
  • 猿と死美人(『キング』1938年2月号)
  • 木乃伊の花嫁(『富士』1938年2月増刊号)
  • 白蝋少年(『キング』1938年4月号)
  • 悪魔の家(『富士』1938年5月号)
  • 悪魔の設計図(『富士』1938年6月増刊号 - 7月号)
  • 銀色の舞踏靴(『日の出』1939年3月号)
  • 黒衣の人(『婦人倶楽部』1939年4月号)
  • 盲目の犬(『キング』1939年4月号)
  • 血蝙蝠(『現代』1939年10月号)
  • 嵐の道化師(『富士』1939年10月号)
  • 神の矢(『ロック』1949年2月号 - 5月号)
  • カルメンの死[注 9](『講談倶楽部』1950年1月号 - 3月号)
  • 模造殺人事件[注 10](『スタイル読物版』1950年5月号)

推理小説(金田一耕助)[編集]

ここでは、劇場映画化されたことのある作品に限定して列挙する。

推理小説(その他の探偵・ノンシリーズ)[編集]

  • 恐ろしき四月馬鹿[注 14](『新青年』1921年4月号)
  • 広告人形(『探偵名作叢書 第3編』 聚英閣 1926年)
  • 山名耕作の不思議な生活(『大衆文芸』1927年1月号)
  • 赤い水泳着(『アサヒグラフ』 1929年4月号)
  • 芙蓉屋敷の秘密[注 15](『新青年』1930年5月号 - 8月号)
  • ある女装冒険家の物語(『文学時代』新潮社 - 1930年5月号)
  • 殺人暦(『講談雑誌』1931年2月号)
  • 塙侯爵一家(『新青年』1932年7月号 - 12月号、単行本 新潮社 1934年)
  • 呪ひの塔(『新作探偵小説全集 10』 新潮社 1932年8月、上巻のみ 三佯社 1946年)
  • 黄色い手袋(『日曜報知』1932年8月号)
  • 鬼火(『新青年』1935年2月号 - 3月号)
  • 藏の中[注 16](『新青年』1935年8月号)
  • 薔薇王(『新青年』1936年4月号 - 5月号)
  • 青い外套を着た女(『サンデー毎日』1937年7月)
  • 誘蛾燈(『オール讀物』1937年12月号)
  • 八百八十八番目の護謨の木(『キング』1941年3月号)
  • 刺青された男(『ロック』1946年4月号)
  • ペルシャ猫を抱く女(『キング』1946年12月号)
  • びっくり箱殺人事件(『月刊読売』1948年1月号 - 9月号)
  • 探偵小説(単行本 かもめ書房 1948年)
  • 女が見ていた(『時事新報』1949年5月 - 10月)
  • 幽霊騎手(単行本 東方社 1954年)

捕物帳シリーズ[編集]

  • 不知火捕物双紙[注 17]
    • からくり御殿[注 18](『講談雑誌』1937年4月号)
    • 清姫の帯[注 19](『講談雑誌』1937年12月号)
  • 人形佐七捕物帳
    • 羽子板娘[注 20][注 21](『講談雑誌』1938年1月号)
    • 屠蘇機嫌女夫捕物 (『江戸捕物帖』博文館(1939年)(野村胡堂佐々木味津三岡本綺堂と共著)収録)
    • 振袖幻之丞[注 22][注 23](『講談雑誌』1940年6月号)
    • 歎きの遊女(『歎きの遊女 人形佐七捕物秘帳』 白磁書房 1947年)
    • 謎坊主(『大家花形全部傑作捕物帖』湊書房(1948年)(野村胡堂、山手樹一郎、納言恭平、城昌幸角田喜久雄と共著)収録)
    • お高祖頭巾の女[注 24](『講談雑誌』1949年1月号)
    • お俊ざんげ(『お俊ざんげ 人形佐七捕物文庫』新文庫社 1949年)
    • 好色頭巾(『好色頭巾 時代小説新作全集第5号』文芸図書出版社 1952年)
    • 舟幽霊(『京都新聞』1953年2月号)
    • 神隠しにあった女(『読切小説集』1953年3月号)
    • 地獄の花嫁(単行本 神正書房 1953年)
    • 生きてゐる自来也(単行本 向楽社 1955年)
    • 三人色若衆[注 25](『別冊講談倶楽部』1955年11月号)
    • 女祈祷師(『小説新潮』第10巻 15号 1956年11月収録)
    • 雪女郎(単行本 松沢書店 1958年)
    • 怪談五色猫(『怪談五色猫 人形佐七捕物控』 第一文芸社 1958年)
  • 左一平捕物帳
    • 髑髏検校[注 26][注 27](『奇譚』1939年1月号 - 2月号)
    • 京人形の怪(『少年少女奇譚』1939年4月号)
    • 左一平捕物帳(単行本 奥川書房 1942年)
  • 左近捕物帳[注 28]
    • まぼろし小町(『日の出』1940年6月号)
  • 紫甚左捕り物帳
    • 紫甚左捕り物帳(『大衆文芸戦時版 第6巻』 今日の問題社 1941年 )
  • 左門捕物帳[注 29]
    • 水芸三姉妹(『日光』1949年8月号)
    • 十二匹の狐(『日光』1949年11月号)
    • 春姿七福神(『日光』1950年2月号)
  • お役者文七捕物暦[注 30]
    • 蜘蛛の巣屋敷[注 31](『講談雑誌』1957年11月号 - 1958年8月号)
    • 恐怖の雪だるま(『週刊漫画Times』1960年1月6日号 - 1月27日号)

時代小説[編集]

  • 菊水兵談(『講談雑誌』1941年1月号)
  • 矢柄頓兵衛戦場噺(『講談雑誌』1943年1月号)
  • 不知火奉行(単行本 同光社 1957年)
  • 変化獅子(単行本 東京文芸社 1957年)

家庭小説[編集]

  • 雪割草(『新潟毎日新聞』→『新潟日日新聞』1941年6月 - 12月)[10]

ジュヴナイル作品[編集]

  • 「渦卷く濃霧」「怪人魔人」「變幻幽靈盜賊」平凡社 1929年(『少年冒険小説全集』第12巻)
  • 幽霊鉄仮面(『新少年』1937年4月号 - 1938年3月号)
  • 神変稲妻車(『少年少女譚海』1938年1月号 - 1938年3月号)、いなづま侍 同光社 1954年(単行本)、稲妻若衆 同星出版社 1958年(単行本)
  • 真珠塔(『新少年』1938年8月号 - 1939年1月号)
  • 南海の太陽児(『譚海』1940年11月号 - 1941年8月号)
  • 怪獣男爵(1948年11月、偕成社
  • まぼろし曲馬団 少年少女小説(1949年2月、内田書店)
  • 夜光怪人(『譚海』1949年5月号 - 1950年5月号)
  • 大迷宮(『少年倶楽部』1951年1月号 - 12月号)
  • 黄金の指紋(『譚海』1951年6月号 - 1952年8月号)
  • 金色の魔術師(『少年倶楽部』1952年1月号 - 12月号)
  • 仮面城(『小学五年生』1952年4月号 - 1953年3月号)
  • 青髪鬼(『少年倶楽部』1953年1月号 - 12月号)
  • 白蝋仮面(『野球少年』1953年2月号)
  • 神変竜巻組(1954年、ポプラ社)
  • 獣人魔島(『冒険王』1954年9月号 - 1955年6月号)
  • 蝋面博士(1954年12月、偕成社)
  • 風船魔人(『小学五年生』1956年4月号 - 1957年3月号)
  • 黄金魔人(『おもしろブック』1957年1月号 - 8月号)
  • まぼろしの怪人(『中一コース』1958年1月号 - 1959年3月号)
  • 迷宮の扉(『中学生の友』1958年1月号 - 12月号)
  • 姿なき怪人(『中一コース』1959年4月号 - 1960年4月号)
  • 怪盗X・Y・Z(『中二コース』1960年5月号 - 1961年4月号)

翻訳作品[編集]

  • ジョンストン・マッカーレイ「地下鉄サム」 平凡社 1929年(『世界探偵小説全集』第7巻)
  • L.J.ビーストン「決闘家倶楽部」他2作 平凡社 1929年(『世界探偵小説全集』第7巻)
  • ヒユウム「二輪馬車の秘密」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集所収[注 32]
  • エデソン・マーシアル「リンウツド倶楽部事件」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • メリー・ロバーツラインハート「真珠騒動」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • バリイ・ベイン「死体の顔」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • イリス・パーカア・バトラア「アモス・ホプストン」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • エル・ジェ・ビーストン「マーレイ卿の客」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • リチヤード・コンネル「痴者の犯罪」「実験魔術師」博文館 1930年(『世界探偵小説全集』第6巻 ヒユウム集・英米七人集)
  • ヂューマ「ボルジヤ家罪悪史」平凡社 1931年(『世界獵奇全集』第5巻)
  • D.K.ウイツプル「鍾乳洞殺人事件」黒白書房 1935年(『世界探偵傑作叢書』第5巻)
  • トム・ガロン「覗機械倫敦綺談」春秋社 1935年(『探偵小説短篇集』)
  • アントニー・ホープ風雲ゼンダ城」博文館 1940年(『世界傳奇叢書』)
  • バロネス・オルツィ紅はこべ」博文館 1940年(『世界傳奇叢書』)

全集などの作品集[編集]

人形佐七関連[編集]

1970年代以降に刊行されたシリーズについては人形佐七捕物帳#シリーズ一覧を参照

  • 『人形佐七捕物帳』八紘社 1939年(単行本)
  • 『人形佐七捕物帖 巻四』春陽堂書店 1941年(単行本)
  • 『人形佐七捕物文庫』鷺の宮書房 1946年(単行本)
  • 吉様まいる 夜毎くる男 雅兒地蔵 謎の百人一首 半分鶴之助 山雀供養 角兵衛獅子(『角兵衛獅子 他六篇』杉山書店 1949年)
  • 出世競べ三人旅 孟宗竹 名月一夜狂言 双葉將棋 稚兒地藏 銀簪罪あり 每夜來る男 犬娘 角兵衞獅子(『人形佐七捕物帖 巻三』春陽堂書店 1950年(単行本))
  • 『人形佐七捕物帖』東方社 1950年(単行本)
  • 女虛無僧 狸の長兵衞 石見銀山 妖犬傳 八つ目鰻 めくら狼 山形屋騷動 括猿の祕密(『女虚無僧 人形佐七捕物帖』東方社 1951年(単行本))
  • 假面の囚人 狸御殿 雪達摩の怪 化物屋敷 日本左衞門 謎の百人一首 睡り鈴之助 まぼろし小町 女易者 幽靈山伏(『仮面の囚人 人形佐七捕物帖』湊書房 1951年(単行本))
  • 緋鹿の子娘 唐草權太 囮り萬歲 半分鶴之助 水晶の珠數 雛の呪ひ 武者人形の首 花見の假面 非人の仇討 (『緋鹿の子娘 人形佐七捕物帖』東方社 1951年(単行本))
  • お化小姓 淸姬の帶 二人龜之助 嵐の修驗者 恩愛の凧 矢がすりの女 謎の折鶴 三本の矢(『謎の折鶴 人形佐七捕物帖』東方社 1951年(単行本))
  • からくり駕籠 人面瘡綺譚 身代り千之丞 捕物三つ巴 水晶の珠數 お玉が池 鳥追人形 お化祝言 三本の矢(『新編人形佐七捕物帖』同光社 1951年(単行本))
  • 春宵とんとんとん 影右衞門 猫屋敷 化け物長屋 狐の宗丹 相撲の仇討 妙法丸 山雀供養(『猫屋敷 人形佐七捕物帖』東方社 1952年(単行本))
  • 本所七不思議 笛を吹く浪人 歎きの遊女 振袖幻之丞 蝙蝠屋敷 羽子板娘 お俊ざんげ からくり御殿 風流六歌仙 犬娘 ほほづき大盡 貝殼祕帖 しらぬ火祕佛 名槍まんじ曆 (『新編人形佐七捕物帖』春陽堂書店 1952年(単行本))
  • 鬼の面 美男虛無僧 狐の裁判 拜領の茶釜 三日月おせん 当り矢 通り魔 風流女相撲(『美男虛無僧 人形佐七捕物帳』東方社 1954年(単行本))
  • 恋の通し矢(『捕物絵図』東京文芸社 1954年(野村胡堂、角田喜久雄、城昌幸、佐々木杜太郎陣出達朗大林清山手樹一郎村上元三土師清二と共著)収録)
  • 色八卦 どくろ祝言 蛇性の肌 蛇使い浪人 たぬき女郎 ふたり市子 夜歩き姉妹 お時計献上 船幽霊(『人形佐七捕物文庫』大日本雄弁会講談社 1954年(単行本))
  • 惡魔の富籖 笑い藥 呪いの疊針 花見の仇討 猫と女行者 色比丘尼 かくし念佛 若衆鬘 寳船殺人事件(『惡魔の富籖 人形佐七捕物文庫』同光社 1955年(単行本))
  • 座頭の鈴 音羽の猫 二枚短冊 蛍屋敷 黒蝶呪縛 生きている自来也 幽霊姉妹(『人形佐七捕物帖 第1』春陽堂書店 1957年(単行本))
  • 七人比丘尼 凧のゆくえ 怪談閨の鴛鴦 離魂病 すっぽん政談 戯作地獄 讐討走馬燈(『人形佐七捕物帖 第2』春陽堂書店 1957年(単行本))
  • 河童の捕物 佐七の青春 鶴の千番 春色眉かくし 雪女郎 丑の時参り どもり和尚 笛を吹く浪人(『人形佐七捕物帖 第3』春陽堂書店 1957年(単行本))
  • 羽子板娘 嘆きの遊女 犬娘 ほおずき大尽 振袖幻之丞 蝙蝠屋敷 お俊ざんげ(『人形佐七捕物帖 第4』春陽堂書店 1957年(単行本))
  • 本所七不思議 風流六歌仙 からくり御殿 貝殻秘佛 しらぬ火秘帖 名槍まんじ暦(『人形佐七捕物帖 第5』春陽堂書店 1957年(単行本))
  • お玉が池 狸御殿 夕月一夜狂言 凧のゆくえ どもり和尙 座頭の鈴 白羽の矢 戯作地獄 からくり駕籠 丑の時参り 幽霊姉妹 振袖幻之丞(『人形佐七捕物文庫』河出書房 1957年(単行本))
  • 花嫁殺人魔 女刺青師 神隠しにあつた女 影法師 猫姫様 蝶合戦 人魚の彫物 相撲の仇討(『花嫁殺人魔 人形佐七捕物帖』同光社出版 1957年(単行本))
  • 狸御殿 凧のゆくえ 雪女郎 雛の呪い 巡礼塚由来 笛を吹く浪人 お化小姓 恩愛の凧 敵討走馬燈(『雪女郎 人形佐七捕物控』第一文芸社 1958年(単行本))
  • 銀の簪 夢の浮橋 藁人形 睡り鈴之助 妙法丸 仮面の囚人 鼓狂言(『仮面の囚人 人形佐七捕物控』第一文芸社 1958年(単行本)
  • 吉様まいる 夜毎くる男 稚児地蔵 謎の百人一首 半分鶴之助 山雀供養 角兵衛獅子 日蝕御殿(『夜毎くる男 人形佐七捕物控』第一文芸社 1958年(単行本))
  • 女易者 どもり和尚 狸ばやし 白羽の矢 河童の捕物 まぼろし役者 幽霊山伏 春姿松竹梅 丑の時参り 孟宗竹(『春姿松竹梅 人形佐七捕物控』第一文芸社 1959年(単行本))

その他戦前作品[編集]

  • 「広告人形」「山名耕作の不思議な生活」「ネクタイ綺譚」「富籤紳士」「飾窓の中の恋人」「悲しき郵便屋」「断髪流行」「素敵なステツキの話」「鈴木と河越の話」「夫婦書簡文 帰れるお類」「川越雄作の不思議な旅館」「双生」「裏切る時計」「執念」「路傍の人」(全16作)改造社 1929年(『日本探偵小説全集 10 横溝正史集』)
  • 「殺人暦」「三本の毛髪」「腕環」「丹夫人の化粧台」「髑髏鬼」「死の部屋」「カリオストロ夫人」(全7作)平凡社 1932年(『現代大衆文學全集 続第18巻 新選探偵小説集』、保篠竜緒浜尾四郎と共著)
  • 「殺人暦」「三本の毛髪」「丹夫人の化粧台」「髑髏鬼」(全4作)春陽堂 1932年(『日本小説文庫 173』)
  • 「鬼火」「藏の中」「面影双紙」「獸人」(全4作)春秋社 1935年(『探偵小説短篇集』)
  • 「劔の系圖」「焔の漂流船」「海の一族」「玄米食夫人」「沙漠の呼声」「ナミ子さんの一家」「雲雀」「大鵬丸消息なし」「菊花大会事件」「三行広告事件」(全10作)八紘社杉山書店 1944年(『劔の系圖 小説』(単行本))
  • 「孔雀夫人」「女王蜂」「嵐の道化師」(全3作)松竹出版部 1947年(『孔雀夫人』単行本)
  • 消すな蝋燭 女写真師 神楽太夫 蝋の首 靨 探偵小説 花粉(全7作)東方社 1956年(『消すな蝋燭』単行本)

金田一耕助探偵小説選(1954年版)[編集]

東京文芸社から第1期1954年、第2期1955年、第3期1956年に分けて刊行された。

  • 第1期第1 犬神家の一族
  • 第1期第2 獄門島
  • 第1期第3 八つ墓村
  • 第1期第4 女王蜂
  • 第1期第5 本陣殺人事件 黒猫亭事件
  • 第2期第2 堕ちたる天女 蜃気楼島の情熱 百日紅の下にて 殺人鬼
  • 第2期第3 湖泥 鴉 花園の悪魔 蝙蝠と蛞蝓 黒蘭姫
  • 第2期第4 幽霊座 女怪 睡れる花嫁 車井戸は何故軋る
  • 第2期第5 生ける死仮面 癈園の鬼 首 カルメンの死
  • 第3期第1 三つ首塔
  • 第3期第2 夜歩く
  • 第3期第3 悪魔が来りて笛を吹く
  • 第3期第4 美人 毒の矢
  • 第3期第5 死神の矢 黒い翼

由利・三津木探偵小説選[編集]

東方社から1956 - 1961年に刊行。[注 33]

  • 第1 悪魔の設計図 1956年 悪魔の設計図 花髑髏 白
  • 第2 双仮面 1956年 双假面 獸人 幻の女 迷路の三人
  • 第3 石膏美人 1956年 石膏美人 白少年 猿と死美人 人形事件 焙烙の刑 嵐の道化師 黒衣の人
  • 第4 蜘蛛と百合 1956年 暗闇劇場 蜘蛛と百合 薔薇と鬱金香
  • 第5 カルメンの死 1957年 眞珠郞 憑かれた女 カルメンの死
  • 第6 夜光虫 1957年 夜光蟲 首吊船 幽霊騎手
  • 第7 カルメンの死 1961年 眞珠郞 憑かれた女 カルメンの死

金田一耕助推理全集[編集]

東京文芸社から1958 - 1961年に刊行。

  • 第1巻 不死蝶 1958年
  • 第2巻 悪魔の降誕祭 1958年 トランプ台上の首
  • 第3巻 魔女の暦 1958年 鏡が浦の殺人
  • 第4巻 火の十字架 1958年 貸しボート十三号
  • 第5巻 迷路荘の怪人 1959年 蜃気楼島の情熱
  • 第6巻 金田一耕助事件簿 1959年 霧の中の女 洞の中の女 鏡の中の女 傘の中の女 鞄の中の女 夢の中の女
  • 第7巻 三つの首塔 1959年
  • 第8巻 犬神家の一族 1959年
  • 第9巻 八つ墓村 1959年
  • 第10巻 女怪 1959年 殺人鬼 鴉 首 蝙蝠と蛞蝓
  • 第11巻 花園の悪魔 1959年 廃園の鬼 睡れる花嫁 黒蘭姫 カルメンの死
  • 第12巻 蜃気楼島の情熱 1959年 百日紅の下にて 生ける死仮面 湖泥
  • 第13巻 車井戸はなぜ軋る 1959年 堕ちたる天女 美人
  • 第14巻 毒の矢 1959年 幽霊座
  • 第15巻 黒猫亭事件 1959年 本陣殺人事件
  • 続刊第1巻 スペードの女王 1960年
  • 続刊第2巻 支那扇の女 1960年 人面瘡
  • 続刊第3巻 壷中美人 1960年 泥の中の女
  • 続刊第4巻 扉のかげの女 1960年
  • 続刊第5巻 霧の山荘・女の決闘 1961年
  • 続刊第6巻 悪魔の手毬唄 1961年
  • 続刊第7巻 悪魔の寵児 1961年
  • 続刊第8巻 幽霊男 1961年
  • 続刊第9巻 死神の矢・黒い翼 1961年
  • 続刊第10巻 獄門島 1961年

横溝正史傑作選集[編集]

東都書房から1965年に刊行。

  • 第1 犬神家の一族
  • 第2 悪魔が来たりて笛を吹く
  • 第3 八つ墓村
  • 第4 本陣殺人事件・蝶々殺人事件
  • 第5 白と黒
  • 第6 獄門島
  • 第7 悪魔の手毬唄
  • 第8 女王蜂

横溝正史全集(旧版)[編集]

講談社から1970年に刊行。全10巻。

新版横溝正史全集[編集]

講談社から1974 - 1975年に刊行。全18巻。

金田一耕助探偵小説選(1975年版)[編集]

東京文芸社から1975 - 1976年に刊行。国立国会図書館のデータベースでは第13巻まで認められる。

主として1954年版に収録されていない作品を収録しているが、一部重複がある。

各作家1巻の作品集[編集]

  • 『日本探偵小説代表作集 6 横溝正史』生活百科刊行会 1956年(黒猫亭事件、湖泥、蜃気楼塔の情熱、首、黒い翼)
  • 『長篇小説名作全集 16 横溝正史』大日本雄弁会講談社 1950年(蝶々殺人事件、本陣殺人事件、獄門島)
  • 『現代推理小説大系 4 横溝正史』講談社 1972年(本陣殺人事件、蝶々殺人事件、獄門島)
  • 『昭和国民文学全集 16 横溝正史集』筑摩書房 1973年(獄門島、悪魔の手毬唄、蜃気桜島の情熱)
  • 『日本探偵小説全集 9 横溝正史集』東京創元社 1989年(鬼火、探偵小説、本陣殺人事件、百日紅の下にて、獄門島、車井戸はなぜ軋る)

角川文庫[編集]

1970年代後半における横溝ブームの中心となった角川文庫の刊行は1971年から1984年にかけて順次進められている。この刊行は、捕物帳などの時代小説を除いて最終的には横溝正史全作品の網羅が目標となり、その中心的存在であった中島河太郎が巻末解説の多くを書いている(後の改版で削除されているものが多い)。すなわち、角川文庫に収録されたのが当時知られていた全作品であると考えてよく、たとえば「金田一耕助登場作品はジュヴナイル作品を除いて77作ある」というのは、角川文庫への収録数である。

この時期の角川文庫には、作者に割り当てられた通番(横溝正史は304)と作者ごとの通番を組み合わせた通番が振られており、横溝正史の場合には304-1から304-71までの71編と、それとは別に304-80から304-95までのジュヴナイル作品16編、それに304-98『シナリオ悪霊島』と304-99『横溝正史読本』を合わせた89編が刊行されている。71編の内訳は、金田一耕助登場作品を含む42編、由利麟太郎&三津木俊助登場作品を含む13編、その他16編である[11]

89編の多くはKindle版などでしか出版されなくなっている。金田一耕助登場作品を含むものについては、42編のうちの21編に新たに編集した『人面瘡』ISBN 978-4-04-130497-6 を加えた22編を「金田一耕助ファイル」と銘打って紙媒体での出版が継続されている。

「金田一耕助ファイル」設定以降にも1990年代の間に既存89編のうち他の10編(うちジュヴナイル作品2編、その他の金田一耕助登場作品6編)が通常の角川文庫として紙媒体で出版された形跡があるが[12]、再度品切れ状態になっているものが多い。そのほか、ジュヴナイル作品7編が「角川スニーカー文庫」に新装改訂されて出版されている。2000年代以降には、別の既存版(由利麟太郎ものが比較的多い)を改版して再刊行する例がみられる。

なお、通番「304」を使わなくなった以降に新たに編集して紙媒体で刊行されたものとしては、『人面瘡』のほかエッセイ集や未収録作品集、あるいは人形佐七捕物帳などの傑作選がある。

春陽文庫[編集]

春陽文庫は1974~1975年に「横溝正史長編全集」と銘打って20編を刊行した。しかし、「長編全集」と銘打ちながら代表的な長編はほとんど収録されず、むしろ中短編について金田一耕助登場作品の8割近くを網羅している(詳細は金田一耕助#登場作品リストを参照)。20編のうち第2編『蝶々殺人事件』のみが由利麟太郎登場作品を収録しており、他は全て金田一耕助登場作品を収録している。

1996~1998年には「横溝正史長編全集」というシリーズ名を外して「新装版」として改めて刊行された。刊行順序は異なっているが収録作品の組み合わせは同じであり、それに『死仮面』が追加されて21編となった。『死仮面』は角川文庫刊行に伴う網羅作業の中で発掘された作品で、角川文庫の段階では欠落部分を中島河太郎が補完していたが、その欠落部分が発見されて本来の形としたものに「長編全集」に収録されていなかった『鴉』を合わせて1編としている。

また、春陽文庫は1984年に「人形佐七捕物帳全集」と銘打って14編を刊行している。さらに、春陽文庫を出版している春陽堂書店は、2019年から「完本人形佐七捕物帳」の刊行を全10編の予定で進めている。

横溝正史自選集[編集]

出版芸術社から2006 - 2007年に刊行。

  • 1 本陣殺人事件/蝶々殺人事件 ISBN 978-4-88293-308-3
  • 2 獄門島 ISBN 978-4-88293-313-7
  • 3 八つ墓村 ISBN 978-4-88293-316-8
  • 4 犬神家の一族 ISBN 978-4-88293-309-0
  • 5 悪魔が来りて笛を吹く ISBN 978-4-88293-318-2
  • 6 悪魔の手毬唄 ISBN 978-4-88293-323-6
  • 7 仮面舞踏会 ISBN 978-4-88293-324-3

柏書房によるコレクション[編集]

柏書房は2017 - 2018年に『横溝正史ミステリ短篇コレクション』6巻、2018 - 2019年に『由利・三津木探偵小説集成』4巻を刊行した[13]

『横溝正史ミステリ短篇コレクション』は、金田一耕助、由利麟太郎、三津木俊助が登場しない短編作品で、捕物帳などの時代小説でもジュヴナイル作品でもないものを集めている。角川文庫と同じ順序に収録されている部分がほとんどである。1984年までの角川文庫(『自選人形佐七捕物帳』、別番号になっているジュヴナイル作品を除く)に収録された作品のうち、金田一や由利&三津木が登場する作品および『びっくり箱殺人事件』『神変稲妻車』『髑髏検校』『女が見ていた』『呪いの塔』を除いた全作品と、角川文庫未収録の『湖泥』(金田一耕助登場作品とは別)および『鬼火』の自筆原稿に基づくオリジナル版が収録されている。

『由利・三津木探偵小説集成』は由利麟太郎または三津木俊助が登場する作品を集めている。角川文庫(ジュヴナイル作品以外)に収録された由利&三津木登場作品の全てと『迷路の三人』『神の矢』『模造殺人事件』が収録されており、確認されている全作品(ジュヴナイル作品および『仮面劇場』を長編化する前の原型作品を除く)と考えて良いと思われる。

未収録作品等の刊行[編集]

角川文庫では横溝正史作品を網羅的に刊行したが、中断作品はもとより、長編に改稿された元の短編作品が収録されなかった。このうち金田一耕助登場作品については、元となった短編作品の収録を目的として『金田一耕助の帰還』(出版芸術社1996年 ISBN 978-4-88293-117-1、光文社文庫2002年 ISBN 978-4-334-73262-2)および『金田一耕助の新冒険』(出版芸術社1996年 ISBN 978-4-88293-118-8、光文社文庫2002年 ISBN 978-4-334-73276-9)が刊行されている。ただし、中絶作品や金田一耕助が登場しない原型作品、『不死蝶』『火の十字架』の原型作品、『迷路荘の怪人』を最終的に『迷路荘の惨劇』とする前の中間段階の作品は収録されていない。

その後も角川文庫に収録されなかった作品の整理が進んでおり、その成果としてカドカワノベルズから1999年に『双生児は囁く』ISBN 978-4-04-788140-2(2005年に文庫化 ISBN 978-4-04-355502-4)、2000年に『喘ぎ泣く死美人』ISBN 978-4-04-788149-5(2006年に文庫化 ISBN 978-4-04-355505-5)が刊行されている。

演じた俳優[編集]

その他[編集]

研究・解説本[編集]

  • 小林信彦編 『横溝正史読本』(角川文庫、1979年、2008年改版)
  • 『横溝正史研究』(2017年に第6号発行、戎光祥出版)[14]
  • 中川右介江戸川乱歩と横溝正史』(集英社、2017年)

漫画作品[編集]

  • 『血まみれ観音』 絵:高階良子
    • 原題『夜光虫』の漫画化。1973年11月 - 1974年2月号の『なかよし』に連載。1999年に講談社漫画文庫で復刻した。
  • 『真珠色の仮面』 絵:高階良子
    • 原題『仮面劇場』の漫画化、1972年11月 - 12月号の『なかよし』に連載。1999年講談社漫画文庫において『血まみれ観音』に収録。
  • 影丸譲也『八つ墓村』『悪魔が来りて笛を吹く』『霧の別荘の惨劇』
    • 『八つ墓村』は1968 - 1969年『週刊少年マガジン』誌に連載され大ヒット。横溝ブームの先駆け的役割を果たした。単行本は何種類も発行されている。
    • 『悪魔が来りて笛を吹く』は1979年の東映映画公開のタイアップとして、映画シナリオを元に漫画化した作品。
  • 玄太郎『鬼火』『蔵の中』『カルメンの死』『蜘蛛と百合』
  • ささやななえ『獄門島』『百日紅の下にて』
  • つのだじろう『八つ墓村』『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』
  • 岩川ひろみ『女王蜂』
  • いけうち誠一『犬神家の一族』『獄門島』『悪魔の手毬唄』
  • 鳳英洋『黒猫亭事件』
  • 掛布しげを『湖泥』『八つ墓村』『女王蜂』
  • JET『獄門島』『本陣殺人事件』『黒猫亭事件』『睡れる花嫁』『車井戸はなぜ軋る』『八つ墓村』『悪魔の手毬唄』『女怪』『犬神家の一族』『蝙蝠と蛞蝓』『雌蛭』『悪魔が来りて笛を吹く』『花園の悪魔』『鴉』『悪魔の寵児』『悪霊島』『面影双紙』『真珠郎』『蜘蛛と百合』『薔薇と鬱金香』
  • たまいまきこ『悪霊島』『女王蜂』『トランプ台上の首』
  • 長尾文子『迷路荘の怪人』『睡れる花嫁』『不死蝶』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』『獄門島』『悪魔の手毬唄』『八つ墓村』『鴉』
  • 小山田いく『犬神家の一族』
  • 田中つかさ『人形佐七捕物帳』

出演[編集]

映画[編集]

CM[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 大阪薬専は3年制で専攻科もなかったので、薬学得業士の称号は有さないと思われる。
  2. ^ 世界社『富士』第5号 (1952) より。なお、該当記事には誕生日を1日ずらして5月25日としている。
  3. ^ 2017年末に明らかになっている。[1]『産経新聞』朝刊2017年12月22日
  4. ^ 清張と正史のお互いに対する考えは、松本清張#推理作家 横溝正史の項を参照。
  5. ^ 実際には横溝は超常現象的な内容はほとんど書かない。
  6. ^ 封切り初日に、プロデューサーの葛井欣士郎から作者に「先生、ヒットです、ヒットです。あまりの観客にドアがしまらないくらいです。」と電話があり、京都でもヒットしていると監督の高林陽一から電話があった[4]
  7. ^ この4作は、長野・静岡・東京・岡山と、横溝が好んで舞台にした4つの都県を一巡している。
  8. ^ 『横溝正史読本』によれば一種のアル中だと自己診断している。
  9. ^ 原題「迷路の花嫁」。春陽文庫『蝶々殺人事件』には表題を『カルメン殺人事件』に変更して収録されている。
  10. ^ 冒頭の2章のみで未完。
  11. ^ 「金田一耕助シリーズ」の第1作。
  12. ^ 「金田一耕助最後の事件」として知られる。
  13. ^ 横溝正史による最後の長編。
  14. ^ 横溝正史の処女作の短編。
  15. ^ 横溝正史の最初の長編。
  16. ^ 実写ではニューハーフ・松原留美子が姉を演じて話題になった。
  17. ^ 主人公は不知火甚左。横溝正史の捕物帳シリーズ最初の作品。
  18. ^ 横溝の書いた初捕物帳。西洋人が黒幕で江戸城大奥にも絡む、大掛かりな新興宗教の本山が敵というスケールの大きな作品となっている。
  19. ^ 島抜けの直次郎(御家人くずれ)は後の「人形佐七」にも登場。
  20. ^ 「三人羽子板娘」の別題あり。
  21. ^ 『人形佐七捕物帳1 嘆きの遊女』嶋中文庫(2005年)収録
  22. ^ 「振袖幻之嬢」の別題あり。
  23. ^ 振袖を着た女装美少年・幻之丞(実は大身直参の正室(江戸御前)の息子)登場。直参の隠し子で女装の美男という設定は、のちの女装の女狂言師「お美乃(舞台で男役の時は坂東蓑次)」として敵の屋敷に潜入する「お役者文七」に引き継がれている。
  24. ^ 『横溝正史時代小説コレクション-捕物篇2』出版芸術社(2004年)収録
  25. ^ 『人形佐七捕物帳全集8(新装版)』春陽文庫(1984年)収録
  26. ^ 謎の怪人・髑髏検校(ドラキュラの翻案とも)が登場する怪異時代長編。
  27. ^ 『髑髏検校』角川文庫 緑304-19(1975年)収録
  28. ^ 花吹雪左近が難事件に挑む。
  29. ^ 旗本・服部左門を主人公にした捕物帳。
  30. ^ 性別を問わず変装できる美男・お役者文七(正体は大身直参のご落胤)を中心に、だるま親分・その妻でお吉・女装姿の文七に惚れるお小夜などが活躍する推理群像劇。
  31. ^ 第一長編。中村錦之介主演で映画化(東映『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』1959年)。
  32. ^ 巻末に横溝による紹介文「フアーガス・ヒユウム」がある。
  33. ^ 作品名の表記は国立国会図書館のデータベースに準拠した。

出典[編集]

  1. ^ 昭和随一の流行作家は超遅咲き 横溝正史”. 本の話WEB (2011年7月11日). 2016年6月12日閲覧。
  2. ^ a b 『横溝正史読本』(小林信彦・編、角川文庫、2008年改版) 「年譜」参照。
  3. ^ 真説 金田一耕助』(横溝正史著、角川文庫、1979年) 「「本陣殺人事件」由来I」参照。
  4. ^ 真説 金田一耕助』(横溝正史著、角川文庫、1979年) 「小説と映画 I」参照。
  5. ^ 真説 金田一耕助』(横溝正史著、角川文庫、1979年) 「勲章を貰う話」参照。
  6. ^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)351頁
  7. ^ 真説 金田一耕助』(横溝正史著、角川文庫、1979年) 「最高と最低」参照。
  8. ^ 真説 金田一耕助』ハードカバー版参照。
  9. ^ 横溝正史邸から生原稿など発見される
  10. ^ 戎光祥出版から2018年3月8日に刊行。
  11. ^ 角川文庫 緑三〇四 ― 旧No.シリーズ ―”. 横溝正史エンサイクロペディア. 2020年3月28日閲覧。
  12. ^ 角川文庫 よ5 ― 現行No.シリーズ ―”. 横溝正史エンサイクロペディア. 2020年3月28日閲覧。
  13. ^ 横溝正史”. 柏書房. 2020年4月2日閲覧。
  14. ^ 横溝正史研究 6戎光祥出版(2017年12月22日閲覧)
  15. ^ 『ACC CM年鑑'79』(全日本CM協議会編集、誠文堂新光社、1979年 44頁)

関連項目[編集]