機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ
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機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ | |
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ジャンル | SF、ガンダムシリーズ |
小説 | |
著者 | 板倉俊之(インパルス) |
出版社 | 角川グループパブリッシング |
掲載誌 | ガンダムエース |
レーベル | カドカワコミックス・エース |
巻数 | 全4巻 |
その他 | 原案:矢立肇、富野由悠季 キャラクターデザイン:美樹本晴彦 メカニックデザイン:瀧川虚至 美術デザイン:曽野由大 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル、アニメ |
ポータル | 文学、アニメ |
『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』(きどうせんしガンダム ブレイジングシャドウ)は、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』の1つで、板倉俊之の小説。芸能人が初めて手がけたガンダム小説である。『ガンダムエース』で連載された。
あらすじ[編集]
- 1巻
- 宇宙世紀0083年。かつてガンダムが起動したサイド7で両親を失った少年、カイン・ラグナードは他の孤児たちと共に特殊部隊「シャドウズ」のパイロットとして、ジオン残党と戦い続けていた。
- ある時、宇宙のジオン残党と通じていたとされる政治家の始末を請け負ってから間もない頃、カイン達『チーム5』は組織の創設者であるルオンズ・ヤージ中将から、中東にあるジオン残党の拠点「ヘルズゲート」の中にいる首魁を暗殺せよとの直々の命を受け、カインはチームメイトのザルフ・ワッケンやリネマ・サントと共に地球へと赴く。
- だが、ヘルズゲートの首魁、カノラ・ゾンクシーは裏でヤージと結託しており、彼の真の目的は用済みとなったカインたちを抹殺することだった。真実を知らされたカインたちが激昂し、脱出するための激戦の中、3人の機体は大破。基地に侵入して脱出手段を探すものの、戦いの中でリネマとザルフは戦死する。残されたカインも、ヤージとゾンクシーへの復讐を誓いながら宇宙へ脱出していった。
- 一方、旧サイド4コロニー「ロディニア」の宙域では、その地の生き残りと一部の軍人で結成された宇宙海賊「シュテンドウジ」が同宙域のジオン残党部隊「ファラク」との交渉を持ちかけられる。しかしジオンによって故郷を失った彼等は協力を拒み、パイロットのウイングス・ハウザーをはじめとした面々は全面抗争を決意。しかし直前にウイングスの妹、セリアがカインの乗った脱出艇を保護し、カインはシュテンドウジの艦「プランダー」に収容された。
- 意識を取り戻したカインはシュテンドウジを復讐のための潜伏する拠り所と判断。彼等に協力して共にファラクを撃退したのであった。
- 2巻
- シュテンドウジに保護されたカインは、彼らに協力してジオン残党『ファラク』との決戦に赴く。戦力差は圧倒的であるが、復讐のために生き長らえる必要のあるカインと艦の全員の生命を背負うウイングス達は、不利とも思える戦いに乗り出していく。
- 一方、手痛い反撃を受けて退いたファラクも、改修された高機動型ゲルググをはじめとした全兵力を以てシュテンドウジを襲撃。熾烈な戦いを繰り広げるも、想定に無かったカインの参入、ウイングスやセリア、フェルナンド達の抗戦、加えてファラク幹部、マハガンの離脱などの要因で多くの兵力を喪失する羽目に陥った。
- 業を煮やしたファラクの首魁、ロギ・ニギトラムは自ら大型モビルアーマー『ウムガルナ』を駆って参戦。ドム・バラッジに乗って応戦したジント・モーグンの死を経て窮地に陥るも、ウイングスの逆撃でロギはウムガルナ諸共虚空に消滅した。
- だが、ジントと部下達の正体はかつてサイド4に毒ガスを放ったジオンの脱走兵だった。それを明かされたことでウイングス達は複雑な心境に苛まれ、苦楽を共にしたジントの元部下達と別れることになってしまう。
- そしてカインは、念願であったヤージの暗殺に乗り出すべくシュテンドウジのもとを離れてコロニー『ギムナシオン2』に向かうのであった。
- 3巻
- ルオンズ・ヤージ抹殺を目的にコロニー『ギムナシオン2』へと潜入したカイン。折しもコロニーではヤージの退役式が行われており、ヤージを狙っていたカインは狙撃ポイントにやって来たチーム6の面々に一時捕らわれてしまう。チーム6のリーダー、ホーグはカインがヤージを狙っていた理由を知ると、確たる証拠を提示する事を条件にカインを解放。結果として本懐を果たす事無くカインはサイド4へと戻る事になった。
- しかしサイド4、ロディニア宙域は前回のファラクとの戦闘によって連邦軍の捜査の手が忍び寄っており、カインと合流したシュテンドウジ面々は海賊稼業の継続困難を悟る。そしてカインの提案によって、彼等は民間軍事会社『マリア・シールド』として再出発を果たす事となった。
- 一方、政治家に転身して順風満帆にステップを進めていたルオンズ・ヤージは、マリア・シールド社の護衛を伴ってサイド1のコロニーに足を運ぶ。表向きは視察、しかしその目的は、かねてからコンタクトを取っていた『ブレイズ』を名乗る謎のジオン残党との接触だった。
- 人知れずブレイズとの接触を図るヤージであったが、ブレイズの正体はヤージを狙っていたカイン・ラグナードその人であった。直後にヤージはウイングスやフェルナンド達の協力で苦も無く拉致されてしまう。
- ヤージを壮絶な拷問にかけて悪事を洗いざらい吐かせたカインは、その証拠をギムナシオン2にいるチーム6に提示。ヘルズゲート攻略を任として請け負う事になったホーグ達は、訓練やシミュレーションでは得られない「殺し合い」の予感に歓喜しながらもカインに改めて協力する事を約束した。
- マリア・シールドの仲間達もウイングスをはじめとして多くがカインの復讐に付き合うつもりでいたが、ウイングスやセリアの幼馴染の青年ミリハスはカインの復讐が仲間達を危険に曝す事を鑑みて密かにヤージを脱出させてしまう。それを察したカインは単身でヤージを捕縛するために宇宙に飛び出していく――――――――が、これはミリハスの意図を知ったカインが彼に持ちかけた作戦であり、仲間達を巻き込むまいとした芝居であった。首尾よくチーム6と合流したカインは、全ての因縁の地、ヘルズゲートへと向かうのであった。
登場人物[編集]
主要キャラクター[編集]
- カイン・ラグナード
- 本作の主人公。一年戦争当時は両親とサイド7で暮らしていたが、ジオン公国軍のザクの襲撃で両親を亡くす。ジオンへの復讐を誓った数年後、戦争孤児を集めて編成された地球連邦軍特殊部隊「シャドウズ」に入隊する。
- 「シャドウズ」チーム5の隊長で、ジムスナイパーIIに搭乗。狙撃の腕前はもちろん、隊長として最前線での判断力にも優れる。同チーム5のメンバーであるザルフ・ワッケンやリネマ・サントからの信頼も厚い。
- ヘルズゲートでリネマ、ザルフを喪った後、HLVで宇宙に脱出。サイド4宙域でシュテンドウジに保護され、彼らと協力して敵対していたジオン残党「ファラク」を撃破した。
- その後はシュテンドウジの面々と共に民間軍事会社『マリア・シールド社』を立ち上げていたが、同社を護衛に選んだルオンズ・ヤージをサイド1で拉致してヘルズゲート攻略戦への準備を進めていく。
- ザルフ・ワッケン
- 地球連邦軍特殊部隊「シャドウズ」チーム5のメンバー。火力に特化させたジム改に搭乗。チーム5のムードメーカー的存在。ヘルズゲート攻略戦では、カインを載せたHLVを守るために殿を買って出たが、脱出と引き換えに戦死する。
- リネマ・サント
- 地球連邦軍特殊部隊「シャドウズ」チーム5唯一の女性パイロット。ジム改に搭乗。カインがシャドウズに入隊して以来の付き合いであったが、ヘルズゲート攻略戦の最中に背後から撃たれ、戦死する。
- ウイングス・ハウザー
- 旧サイド4宙域を拠点に活動する宇宙海賊「シュテンドウジ」の中核を成す若手のパイロット。ジム・カスタムの専用カスタマイズ機「シルバー・ヘイズ」を駆る。
- ルウム戦役勃発当初はセリアと共にサイド4のコロニー「ロディニア」に在住していたが、ジオンの展開したブリティッシュ作戦で両親を失い、故郷も失ってしまう。その後、数十人のわずかな生き残りの住民や救援に駆け付けた連邦軍の部隊と共に、「シュテンドウジ」を結成した。
- 後に仲間となったカインと共にファラクを壊滅させ、以降はカインの復讐作戦にも協力していく事になる。
- セリア・ハウザー
- ウイングスの妹にして「シュテンドウジ」の構成員。16歳。
- ショートに切った銀色の髪と双眸を持つ少女で、ジム・コマンドのカスタム機「ハイブーストジム」のパイロットを務めている。言動の荒っぽい兄とは正反対に性格は物静かでおとなしい。また、近い未来に起こる不幸を直感のように言い当てるなど、いわゆるニュータイプのような反応を見せることもある。
地球連邦軍[編集]
- ルオンズ・ヤージ
- 地球連邦軍中将。「シャドウズ」の創設者で、カインたち戦災孤児の後見人。表向きは温厚な人間に見えるが、実は自分の目的のためなら他人を利用し、使い潰す事すら厭わない悪人。退役後に政界に乗り出して首相の座に就くのが目的である。一年戦争直後からジオン残党であるカノラ・ゾンクシーと裏で結託しており、自分が用済みと見なした人間をヘルズゲートに送り込んで始末させていた。
- ファラクが壊滅したのとほぼ同じ時期に退役して政治家に転身し、その後は善良な政治家を装いつつ首相になる為に周囲を欺き続けていた。しかしサイド1コロニーに視察に赴いた時、待ち構えていたカインの手で捕らえられてしまう。
- その後は想像を絶する拷問によって自らの悪事を暴露するが、後に仲間達の現状を憂いたミリハスの手で脱出させられた……が、実は脱出劇は利害の一致したカインとミリハスの作戦であり、カインとチーム6のヘルズゲート攻略戦に強制連行される事となった。
- ホーグ
- シャドウズの一員で、チーム6を率いる大尉。
- 一年戦争以前から、生きるために暴力や犯罪行為で身を立ててきた荒くれ者で、自身を『戦うために生きている』と称している好戦的な人物。
- パイロットとしての腕はカインにも劣らず、とりわけ強襲戦においてはチームメイトであるサイラス、ローデシアンと共に無類の戦闘力を発揮する。
- ヤージの退役発表の際、彼を狙っていたカインを偶然にも発見。ヤージの裏の顔を聞かされた際には彼を一旦帰している。しかしその後、カインの言った事が真実と分ると協力者となり、ヘルズゲート攻略戦に嬉々として臨むことになる。
シュテンドウジ[編集]
- ジント・モーグン
- シュテンドウジの母艦であるトラファルガ級戦艦『プランダー』の艦長。精悍な顔と体格をしており、そのためかウイングスたちからは「ゴリラ」と呼ばれている。
- ロディニアで生き残ったウイングスたちを保護し、後に彼らと共に宇宙海賊を結成する。
- コハネ・アダン
- 『プランダー』の整備士を務める少女。元ロディニア工専の学生であり、コロニーが壊滅した際に作業用ガスマスクを付けていた事で1人生き残って保護された。
- 現在はパイロットであるウイングスやセリア達と共にシュテンドウジの構成員となり、MSの整備作業を担っている。
- ウイングスに好意を持っているが、彼がノーマルスーツを着ない事、コックピットで喫煙する事は快く思っていない。
ジオン残党軍[編集]
- カノラ・ゾンクシー
- 中東に位置するジオン残党軍の一大拠点「ヘルズゲート」を支配する、ジオン残党軍の首魁。地球圏内でのテロ活動など、多くの悪事に手を染めているが、とある連邦軍高官との取引により、破壊活動だけでなく娯楽と化している連邦軍パイロットの虐殺行為なども黙認されている。また類稀な科学技術の持ち主であり、人道を無視した様々な兵器を手掛けている狂科学者でもある。
- 罠と知らずに攻めてきたカインたちチーム5を陥れ、配下のドム・バラッジを投入して機体を大破に追い込み、チーム5の一員であるリネマ、ザルフを殺害させた張本人。
- ロギ・ニギトラム
- サイド4の宙域で活発なテロ行為を繰り広げるジオン残党軍組織「ファラク」を統率する、元ジオン軍将校。ロディニアの近辺で「シュテンドウジ」に目を付け、彼等を取り込むために部下の幹部たちと共に接触を図る。
- 過剰なまでのジオン至上主義者であり、腐敗した連邦の粛清という目的のためならどのような行為も大儀として解釈している。
- シュテンドウジとの戦いでは自ら決戦用モビルアーマー『ウムガルナ』でカインやセリア達を追い詰めるが、ジントの決死の攻撃とウイングスの背後からの一撃で機体諸共撃破された。
- マハガン・レズナー
- ロギ・ニギトラムの率いる残党組織「ファラク」に属する少尉。愛機は白地に蛇の鱗を模した模様を施されている高機動型ゲルググ
- 一年戦争当時は学徒兵としてア・バオア・クー戦に駆り出されたが、同じく戦場にいた兄をアムロ・レイの駆るガンダムに撃沈されている。その後は兄の敵であるアムロと再び相見えるという目的のために生き続けてきた。そのため、ジオニズムやニュータイプ理論などの主義主張には全く興味を示さない(ファラクの一員となったのも、自分が生き残るためでしかない)。そのためシュテンドウジとの戦いでも戦況不利と悟ると即座に武器を捨て、配下の残党と共に戦場を去っていった。その後もマリア・シールド社が発足した際に彼等の自作自演に協力している。
- ジオンに対して嫌悪の念を持つカインやウイングスを以てしても嫌悪感をあまり感じさせない人物。
- 髪の色が真っ白であるが、これは兄の戦死を目の当たりにした時の恐怖の名残でもある。
登場兵器[編集]
- シャドウズ
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- RGM-79SP ジムスナイパーII(カイン・ラグナード機)
- RGM-79C ジム改(ザルフ・ワッケン機)
- RGM-79C ジム改(リネマ・サント機)
- RGM-79C ジム・ストライカー改〈メタル・スパイダー〉(チーム6仕様機)
- シュテンドウジ/マリア・シールド社
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- RGM-79SN シルバー・ヘイズ/シルバー・ヘイズ改
- RGM-79SC ジムスナイパーカスタム(カイン・ラグナード機)
- RGM-79GB ハイブースト・ジム
書誌情報[編集]
- 2013年11月26日発売[1]、ISBN 978-4-04-120916-5
- 2015年2月26日発売[2]、ISBN 978-4-04-102793-6
- 2016年2月26日発売[3]、ISBN 978-4-04-103928-1
- 2016年11月26日発売[4]、ISBN 978-4-04-105217-4
出典[編集]
- ^ “機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ (1)”. KADOKAWAオフィシャルサイト. 株式会社KADOKAWA. 2016年2月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ (2)”. KADOKAWAオフィシャルサイト. 株式会社KADOKAWA. 2016年2月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ (3)”. KADOKAWAオフィシャルサイト. 株式会社KADOKAWA. 2016年2月26日閲覧。
- ^ “機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ (4)”. KADOKAWAオフィシャルサイト. 株式会社KADOKAWA. 2016年11月26日閲覧。
外部リンク[編集]
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