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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
ジャンル SF
小説
著者 富野由悠季
イラスト 美樹本晴彦
出版社 角川書店
レーベル 角川スニーカー文庫(文庫版)
角川コミックス・エース(新装版)
巻数 全3巻
漫画
原作・原案など 矢立肇、富野由悠季
作画 さびしうろあき
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊ガンダムエース
レーベル 角川コミックス・エース
発表号 2020年5月号(プロローグ)
2021年6月号 - (本連載)
巻数 既刊1巻(2021年5月現在)
映画
原作 富野由悠季、矢立肇
監督 村瀬修功
脚本 むとうやすゆき
キャラクターデザイン 美樹本晴彦(原案)
pablo uchida恩田尚之
工原しげき
メカニックデザイン 森木靖泰(原案)
カトキハジメ山根公利
中谷誠一、玄馬宣彦
音楽 澤野弘之
制作 サンライズ
製作 サンライズ
配給 松竹ODS事業室
封切日 日本の旗 中華人民共和国の旗2021年6月11日[1]
上海国際映画祭
上映時間
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベルアニメ
ポータル 文学、アニメ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(きどうせんしガンダム せんこうのハサウェイ)は、アニメ作品群ガンダムシリーズの1つで、富野由悠季小説作品。1989年から1990年に角川スニーカー文庫より刊行された。2021年4月時点で累計発行部数は130万部を記録している[2]

機動戦士ガンダム』などと同じく「宇宙世紀」を舞台とする作品であり、ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアを主人公とする物語が展開される。

概要

富野由悠季が1989-1990年に上梓した小説で、大国同士の戦争ではなく、テロとの戦いを描いている[3]。前年の1988年に公開された映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のストーリーに連なる続編的立ち位置の作品で、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のパラレルワールドを舞台にした小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』(角川スニーカー文庫刊)の後日譚として執筆されている[4][5][6]。劇場版『逆襲のシャア』とほぼ同じストーリー展開の小説『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』(徳間書店刊)については、2002年時点で富野が「『閃光のハサウェイ』に対して繋がりがない物語として執筆した」と発言している[5][7]

一方、2021年に公開された本作の劇場アニメ作品は、劇場版『逆襲のシャア』の設定も汲んで制作されている点で小説とは若干設定が異なる[8]

あらすじ

宇宙世紀0093年。後に「第二次ネオ・ジオン抗争」と呼ばれる戦火のなかで、ブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノアは、初恋の少女クェス・パラヤの死や戦場で死んでいく人々の魂の声、そして伝説のニュータイプ戦士アムロ・レイと人類粛清を掲げたシャア・アズナブルの生き様を目の当たりにした。

それから時は流れ、青年へと成長したハサウェイは、地球連邦政府の高官ら特権階級の人々が地球の汚染を加速させており、「人狩り」とも呼ばれる強引な手段で民衆を宇宙に送り出す政策によって地球を私物化していることを知る。これまでの戦争で死んだ全ての人々の行為を無下にしないため、ハサウェイは反地球連邦組織「マフティー・ナビーユ・エリン」への参加を決意。やがてハサウェイは組織の表向きのリーダー「マフティー・ナビーユ・エリン」として、アムロからは「ガンダム」を、シャアからは「地球の保全」という遺志をそれぞれ受け継いだ戦士となる。

マフティーによる腐敗した特権階級の粛清がスペースノイドたちから歓迎されるようになった宇宙世紀0105年4月19日。マフティーの討伐を命じられたケネス・スレッグ大佐は、特権階級専用往還シャトル「ハウンゼン」で地球に降下する途中、植物監察官候補として降下しようとしていたハサウェイと、このシャトルには似つかわしくない少女ギギ・アンダルシアと出会うが、大気圏へ突入し始めたとき、突如マフティーを名乗る集団にハイジャックされる。機内にはアデレードで行われる連邦議会に出席するため、連邦政府高官らが多数搭乗していた。

用語

マフティー・ナビーユ・エリン
架空の人物「マフティー・ナビーユ・エリン」を中心にした反地球連邦政府組織で、クワック・サルヴァーという偽名を名乗る人物により創設された[9]。劇中では「マフティー」や「マフティー・エリン」と略されることが多く[10]、アニメ版では組織を指す場合には「マフティー」と呼ばれると設定された[11]
「正当な預言者」とでも訳せる意味を持つ造語であるが[12]、スーダン語、アラブ語、古いアイルランド語の合成(ギギ曰く「酷いメドレー」)であり、人名の体をなしていない[13]。劇中ではハサウェイ・ノアがマフティーその人を演じているが[14]、ひとりだけを指すかは不明[11]。宣戦布告などの声明を出す場合はテレビ放送の電波ジャックなどによってメッセージを発信するが、その際の音声は合成で、顔ははっきり見えないようにしている[15][16]
反地球連邦政府組織の急先鋒として、地球連邦政府要人などを狙って暗殺する、モビルスーツを使ったテロを実行している[12][17]。閣僚や官僚の粛清を行うことで、地球連邦政府の要職の世襲と血縁による体制を揺さぶろうとしている[18]。また彼らは、地球環境の保護を名目に人類の大半をスペースコロニーへと移民させつつも、"例外的な事例"として政府高官が地球に住み続けることを問題視、全人類が地球を脱して宇宙で暮らすべきだという主張を掲げ、不正と差別の温床になっている宇宙移民法の例外規定の撤廃を主張している[17][19]。本来、地球の自然環境と歴史的な遺跡保全のために人類はすべてスペースコロニーに移民するはずだったが、連邦政府が必要と認めた者には地球滞在が許されるという特例事項があるために、実際は多くの人間が地球上に残っている[19]。現在、地球に住むのは地球連邦が滞在を認めた政府高官や富裕層など特権階級と彼らが暮らすための社会生活を維持するためのエッセンシャルワーカーなどの労働者が中心であり、それ以外の者たちは不法滞在者と見なされて連邦のマンハンターにより拘束され、宇宙に強制送還されている[17]。連邦政府の要職にある人々を暗殺したあと、連邦政府に地球をクリーンにするために人類のすべてが地球から出ていく政策を実施させるのが彼らの最終目標である[13]
無差別テロではなく連邦政府の閣僚かその要職についている人間だけを狙って殺害しているが、当然ながら一般市民にも犠牲者は出ている[13]
予算に合わせて組織の規模は大きくせず、太平洋地域における現有戦力は鉱物資源運搬船を改装した空母的役割の船が4隻、それに搭載されたモビルスーツやサブフライトシステム程度で、常に移動しながらテロ攻撃を続けている[20]。補給や拠点作りは、地球連邦政府の高官と噂されるクワック・サルヴァーが物資の流れや現在は使用されていない小さな連邦軍基地などの地球連邦軍内のデータを抹消することによって行なっている[21]
現場の組織の構成員は若者ばかりで、階級や任務による上下の区別はない[22][20]
オエンベリ軍のようにマフティーと同様の思想を持つ反連邦のテロ組織は他にもあり、それらがマフティーの名を騙ることもある[13]
オエンベリ軍
オーストラリアの北部の街オエンベリに集結した数万の反地球連邦政府分子が結成した私設軍隊[12][23][24]。ファビオ・リベラの呼びかけでこの地に抵抗戦線を張ることにした[25]。不法居住者を中心とした陸軍の結成を目指し、さらには地球連邦軍の物資の横流しを利用して空軍を編成することまで考えていた[25]。また、ハウンゼン356便を襲撃したハイジャッカーたちも彼らの仲間で、目的は資金の確保だった[26]
マフティーを騙っていたものの、全く無関係の組織だった。しかし、反地球連邦政府運動の一角ではあり、連邦軍のキンバレー隊による虐殺が行われているという噂もあったため、ハサウェイたちは救出に向かった[20][23]
自分が関与していないオエンベリ軍の蜂起に対し、マフティーの黒幕クワック・サルヴァーは「マフティーの運動を始めた真の効果だ」と喜んだ[9]。一方、連邦軍のケネス・スレッグ大佐と刑事警察機構のゲイス・H・ヒューゲストは、大衆がマフティーの活動を支持し、マフティーを「現代のジャンヌ・ダルク」などと言ってもてはやしている現状を危惧している[27]。マフティーへの対応が遅れることで彼が本当の政治闘争の偶像(アイドル)となり、実際に彼が指揮しなくても各地で勝手にマフティーの軍が出来てしまう危険性を指摘し、ケネスは「マフティーが本物のアイドルになる前にジャンヌ・ダルクのように火炙りにする」と宣言した[27][28]
その後、マフティーにクワック・サルヴァーとの仲立ちを求め、組織にも協力するようになる。
マンハンター
地球連邦政府内の警察と軍のあいだに新設された部局のスタッフで、不法居住者の摘発にあたっている[12]。地球に滞在するためには連邦政府の発行する地球居住許可証が必要であるため、許可証を持っていない者たちを捕らえて宇宙に強制送還している[19]。しかし、少ないスタッフが作業効率を上げようとするため、その仕事ぶりは乱暴で、情報の信頼性や確度に関係なく不法居住者と見なした人々を摘発して隕石採取のような過酷な仕事に強制的に送り込んだりしているため、評判はすこぶる悪い[12]
キンバレー部隊
キンバレー・ヘイマン大佐が指揮する地球連邦軍の太平洋管区のオーストラリア駐留部隊で、南太平洋全域をカバーする[12][20]。一年ほど前から活動を活発化したマフティーにうまく対応できず、司令官の更迭が決定した[22]
キルケー部隊
キンバレー・ヘイマンの後任として赴任したケネス・スレッグ大佐が、キンバレー部隊の戦力を再編し、名前も「キルケ―部隊(キルケー・ユニット)」と改めた[20][22][24]
シャアの反乱
マフティー動乱
第二次ネオ・ジオン抗争以後大きな戦乱の無い時代、加速度的に進む地球連邦の腐敗に危機感を持った人々によって結成された秘密結社「マフティー・ナビーユ・エリン(通称:マフティー)」によって引き起こされた一連の紛争。マフティーは連邦政府の圧政下にあったスペースノイドの大きな支持を得るが、実質的指導者のマフティー・ナビーユ・エリンことハサウェイ・ノアが捕縛・死刑執行されたことで組織は瓦解し、宇宙世紀0105年5月1日にマフティー動乱は終結した。それ以降、20年近くもの期間にわたり、大規模な反連邦政府運動は鳴りを潜めることとなった。

登場人物

担当声優は、『SDガンダム GGENERATION』(Gジェネシリーズ)などのゲーム作品への客演時 / 劇場アニメ版の順番に記載する。一人のみの記載の場合は、特筆ない限りは劇場アニメ版での担当声優。

主要人物

ハサウェイ・ノア
声 - 佐々木望 / 小野賢章[29]
本作の主人公。地球連邦軍の英雄ブライト・ノアの息子で、表向きは植物監察官候補だが、裏の顔は反地球連邦組織の秘密結社マフティーのリーダーであり、彼自身もマフティー・ナビーユ・エリンという別名を名乗って活動している[17]。父親が地球連邦軍の軍人であることもあり、ティーンエイジャーだった時に民間人のまま連邦軍の立場から至近距離で「シャアの反乱」に立ち会うことになったが、現在は当時とは正反対ともいえる政治的ポジションについている[17]
「シャアの反乱」では身近にいた人々が次々に死んでゆくのを目撃し、さらに初恋の少女クエス・パラヤを自分の手で殺してしまう経験までした結果、ハサウェイには愛した人を殺してしまったという強迫観念だけが深く残った[22][30]。クェス・パラヤの存在が現在のハサウェイを作っているのは間違いなく、ギギのような敵にするには危険な少女に出会うと無条件でそばにいたくなってしまう[31]。ハサウェイがギギに魅力を感じ、気を許しているのは、仲良くしておけば味方になってくれるかもしれないが、嫌われたらケネスのような敵の側につくのも不自然ではない部分[31]。「ごく普通の反応をするような相手とは付き合う気はしない」、ハサウェイはそういう風に思う青年になっていた[31]
戦後、モビルスーツを盗み出したことで軍事裁判にかけられたものの、敵機一機を撃墜した功績をもって彼の行動は不問に付された[22]。しかし、その経験によって鬱病が続いていた彼は、その治療と植物観察官候補生の研修という名目で滞在許可を得て地球に降りることが出来た[注 1][22]。研修中、指導を受けるアマダ・マンサン教授のもとを訪れていたクワック・サルヴァーと名乗る初老の男からスペース・コロニーにいたままでは知ることが出来ない地球の実情やマフティーの存在を教えられ、次第にその活動にのめり込むようになった[22]
組織では彼が"マフティー"の名前を背負うことになり、"マフティー"その人を演じている[14][22]。宣戦布告などの声明を出す場合はテレビ放送の電波ジャックなどによって実行し、ハサウェイがマフティーとしてメッセージを発信する。その際、音声は合成で顔ははっきり見えないようにしている[15][16]
ギギ・アンダルシア
声 - 林原めぐみ(『GジェネF』)→川上とも子(『GジェネSPIRITS』以降[注 2]) / 上田麗奈[29]
本作のヒロイン。透き通るような白い肌と金髪を持つティーンエイジャー。時折、家庭を持たない生い立ちであることを想像させる反応を見せる[32]
カーディアス保険会社の創業者で80歳を超える老人、カーディアス・バウンデンウッデンの愛人[33]。ケネス・スレッグはギギが彼のことを一部の人間しか知らない「伯爵」という通称で呼ぶのを聞いて、その関係を信じた[33]。カーディアスよりも一足早く香港のアパートメントに向かうためハウンゼンに搭乗し、そこでハサウェイやケネスと出会った。
極度に感性の鋭い少女で、芯はガラスのようなのにそれを生々しい若い肉体が覆っているという印象[9][30]。外見の美しさとは別に人を引き寄せる吸引力のようなものがある[30]。一見すると男になら誰にでも媚びを売るタイプに見えるが実際はまったく違い、どこか男を寄せ付けない毅然とした雰囲気がある[33][34]。誰に対しても社交的にふるまうので口が軽いように見えるが、秘密は絶対に漏らさない[34]。心を許した人間に対しては自分で喋った言葉の内容や重さを信じるので、相手からの当たり障りのない言葉には反応しない[35]。自分の興味を刺激してくれる人間には素直[35]
伯爵からは女主人としてふるまわなければならないような場合に、ある階級に属しているように演じることが出来る才能を評価されている。例えば彼の代理として部屋の調度を整えるようなときに良い趣味を持って備品を選んで使用人を使って配置させ、そのことによって周囲の者を感服させるような能力である[36]
たとえ単語一言からでも相手の言いたいことを間違えることなく理解する感性の持ち主[37]。また何気なく口にしたことが的中することが続いたため、縁起を担ぐケネスは部隊でも彼女を手元に置いていた[37]。部下たちの間でも愛人には見えず、父娘でもないギギの事は「大佐のお守り」という表現で噂になっていた[38]。しかしレーン・エイムの戦果を当てたり彼女の言葉でマフティーの攻撃を回避できたりしたことで、ギギの存在は隊員にも正式に認知され、キルケ―部隊の女神となった[39][40]。なぜ当たるかについて聞いたケネスの問いに対しては、「わからない。女の勘。自分の方こそ男の理屈が聞きたい」と答えた[37]
老人に身を売るしかない境遇だったギギにとって、ハサウェイとケネスのような男性の間にいることは刺激的であり、望みは二人の行く末を見届けることだけだった[32][41]。本当に好きなのは当然ハサウェイだが、それでもケネスの方に行ってしまったのは自分の中に年長者に持たれかかりたいという潜在的な欲望(ファザー・コンプレックス)があるからだろうと推測している[42]。しばらくはケネスの元にいたが、「若い時は若い時に出来ることをやる」と決め、伯爵と別れてケネスの元も離れ、ハサウェイの元へと向かった[42]。その後はケネスのスパイではないかと疑われつつもアデレードの爆撃までマフティーと行動を共にした。そしてケネスとハサウェイ、二人の男の闘いの行く末を見届けた後は、ケネスと共に日本の「キュシュー」へと渡った。
ケネス・スレッグ
声 - 立木文彦(『Gジェネ』)、大塚明夫(『サンライズ英雄譚』) / 諏訪部順一[29]
地球連邦軍所属。階級は大佐→准将。
『シャアの反乱』の時に第一線でパイロットとして戦った後、仮想敵がいなくなり実戦もなくなった地球連邦軍で新型モビルスーツの開発を続けていた[43][44]。しかし、マフティーの掃討部隊(後に彼自身によって「キルケーユニット」に改名)に後任の司令官として着任するために政府高官たちとともに地球に降下するハウンゼンに乗り込む羽目になった[43]。そこでハサウェイとギギの二人と出会った。
一見すると調子の良いただの優男だが、油断のならない「怖い」人物[30][42]。連邦側のやり方に全面的には賛同しておらず、心情的にはむしろマフティーにシンパシーを感じていながらもマフティー殲滅という任務は確実に遂行する[30]、ハサウェイ曰く「自制心があって凶暴な男」[9][30][42][45]
指揮官として有能で、見えないところで事前にすべて準備している用意周到さ、敵味方かかわらず非協力的な相手には手段を選ばず脅してでも言うことを聞かせる強引さをあわせ持つ[42][45][46]
ギギ・アンダルシアに対して持つ好感は、「彼女がいる」という事実だけでプレッシャーを感じるギギの存在としての力に対してであり、情操的なものではない[47]。また人の運勢は呼び込むものだと思っているケネスにとってギギの存在には験担ぎの要素があり、彼女は良い結果を運んでくる女神であって、メイス・フラゥワーに代わる存在ではない[37][39][40]。パートナーの異性としてはごく変哲の無い大人であるメイスの方が好ましいと思っている[39][40]
ケネスにとってモビルスーツは心底感情移入出来る対象[44]。モビルスーツが好きだという面があるから軍にいるにすぎず、その結果、好きなものを弄って暮らしていける自分の暮らしは悪いものではないと思っている。「好きに生きていければ自分だってマフティーの仲間になっていたかもしれないが、組織のしがらみの中で生きているのが大人であり、それから逃げ出すことが出来ないから軍人をやっている」というのがケネスの考え方である[44]
ハサウェイと協力してハイジャッカーを鎮圧したことをきっかけに彼を評価し、友人として親交するようになる。しかし、戦いの中でハサウェイこそがマフティー・ナビーユ・エリンであることに気づき、苦悩しながらもΞガンダムのアデレード襲撃の阻止に成功。ブライトにマフティーの正体がハサウェイであることを隠すため、自らマフティー処刑の指揮を執るが、彼の努力はメジナウム・グッゲンハイム大将の裏切りによって無駄となってしまった。最終的にケネスは地球連邦軍を自主退役し、ギギと共に日本のキュシューに渡る。そして彼女に、いつかハサウェイやアムロ・レイのようなニュータイプと出会った時のため、彼らが活躍できるような組織を立ち上げたいと語った。
小説完結後、ガンダム関連書籍で「ケネスがズィー・ジオンの礎を作ったとする説がある」という設定が作られた[48]

マフティー

指揮官

イラム・マサム
声 - 山崎たくみ / 武内駿輔[29]
マフティー実戦部隊の作戦担当メンバー。ハサウェイの参謀的存在で、ヴァリアントの副艦長も務める。
ブリンクス・ウェッジ
マフティーの太平洋上における移動拠点となる鉱物運搬船ヴァリアントの艦長。
ビノエ・ハーバーの補給任務直後にペーネロペーによってヴァリアントを撃沈され、戦死。
ローウェスト・ハインリッヒ
ウルル付近の合流ポイントの責任者。トレーラー隊を指揮する。

パイロット

エメラルダ・ズービン
声 - 鵜飼るみ子 / 石川由依[29]
メッサー1号機の女性パイロット。豪快な性格の女性で、いざ決断すれば男よりも思い切りがいい。レイモンドとはメンバー公認の恋人同士の仲。ウルル付近で合流してきたギギとハサウェイの間を取り持つが、二人の互いの間の溝を埋めることは出来なかった。アデレード空港戦で、ペーネロペーが発射したファンネル・ミサイルによって彼女の全ては霧散した。
ガウマン・ノビル
声 - 竹村拓 / 津田健次郎[29]
メッサー2号機のパイロット。シャアの反乱時には連邦政府軍西方百八十三部隊に所属し、実戦より過酷な実戦訓練を行っていた。長い顎を気にするくせがある30歳前後の男。飄々とした軽い話し方をするがパイロットとしての実力は確かなもので人質となりながらもペーネロペーを操るレイムの操縦に未熟さを感じて度々口出しをした。ダバオのタサダイ・ホテルに泊まっていた七人の閣僚の粛清を行うため出撃し、同時にホテルで身動きが取れなくなっていたハサウェイを逃がすための陽動作戦に従事した。しかし、突如奇襲をかけてきたペーネロペーの圧倒的な性能の前に、投降・捕獲され人質となる。初出撃となったΞガンダムによって救出され、以後の作戦においてもパイロットとして参加する。アデレード空港戦ではペーネロペーのファンネル・ミサイルを回避し右足の装甲を損傷させる活躍を見せた。連邦議会襲撃作戦失敗後の消息は不明。
フェンサー・メイン
声 - 天﨑滉平
メッサー3号機のパイロット。アデレードでの連邦議会襲撃作戦で戦死。
ゴルフ
声 - 田中光
メッサー4号機のパイロット。アデレードでの連邦議会襲撃作戦で戦死。
ウェッジ
メッサー5号機のパイロット。ウルル付近の戦闘で戦死。
ハーラ・モーリー
メッサー6号機の女性パイロット。ウルル付近の戦闘で戦死。
ロッド・ハイン
メッサー7号機のパイロット。ウルル付近の戦闘で戦死。
ビランテス・スエッケン
メッサーに搭乗する新人パイロット。アデレードでの連邦議会襲撃作戦に補充要員として送り込まれる。
ドラブ・リッド
メッサーに搭乗する新人パイロット。アデレードでの連邦議会襲撃作戦に補充要員として送り込まれる。
ドメステ
メッサーに搭乗する新人パイロット。アデレードでの連邦議会襲撃作戦で戦死。
レイモンド・ケイン
声 - 藤本隆行 / 落合福嗣[29]
ギャルセゾン1号機のパイロット。エメラルダとは恋人同士。
シベット・アンハーン
声 - 田坂秀樹 / 宮崎遊
ギャルセゾン2号機のパイロット。
ヘンドリックス・ハイヨー
声 - 綿貫竜之介
ギャルセゾン3号機のパイロット。
カウッサリア・ゲース
ギャルセゾン4号機の女性パイロット。
リドリック
ギャルセゾンのパイロット。オエンベリ軍と合流する。

サポート要員

ジュリア・スガ
女性メカニックマン。暑いヴァリアント船内では「男だけトップレスでいていいという歴史的感覚は嫌いだ」と言って周囲が注意してもTシャツさえ着たがらないような女性[20]。そういう性格からかケリアとは反りが合わないようだが、彼女のハサウェイに対する気持ちには理解を示す。
ビノエ・ハーバーの補給任務直後にペーネロペーによって乗艦のヴァリアントを撃沈され、戦死。
チャチャイ・コールマン
ヴァリアントの通信担当。メナドのアマダ・マンサン教授から送られたギギのハサウェイへのメッセージを彼に届ける。字が汚いらしい。
ビノエ・ハーバーの補給任務直後にペーネロペーによって乗艦のヴァリアントを撃沈され、戦死。
ベッチー
兵士。オエンベリ軍のチャングと共に行動をする。
マクシミリアン・ニコライ
声 - 草野峻平
チーフメカニックマン。Ξガンダムの整備を行う。
ミツダ・ケンジ
声 - 沢城千春[29]
連絡員。ミヘッシャと共にハサウェイと接触。
ミヘッシャ・ヘンス
声 - 松岡美里[29]
連絡員。過去にマンハンターにより一度とらえられ宇宙へと強制送還されており、ダバオではもし今マンハンターに見つかれば、植物監察官候補生のハサウェイはともかくミツダと共に自分は彼等に検挙されてしまうだろうと語った。
ヨーゼフ・セディ
ヴァリアントの通信担当。チャチャイとペアで情報収集にあたる。
ビノエ・ハーバーの補給任務直後にペーネロペーによって乗艦のヴァリアントを撃沈され、戦死。
ロドイセヤ
メカニックマン。
ケリア・デース
声 - 早見沙織
マフティーの地区支援要員。鬱病治療のために地球に降りて来たハサウェイを支えてきた女性で、彼がマフティーに参加するまでは、彼の主治医そのものと言ってよい存在だった[22]
彼女との出会いがハサウェイの精神を安定させ、将来の希望まで抱くようになった。しかし彼女は非合法地球居住者であったため、ハサウェイとは結婚できなかった[22]。そんな時、ハサウェイはクワック・サルヴァーと出会い、マフティーに参加することになった[22]
当初はケリアもハサウェイの積極的な変化を喜び、彼が自分と同じ非合法居住者になってくれるのではということを期待した。だが一年ほど経つとマフティーの中枢の戦闘員となった彼はケリアとは疎遠になっていき、やむなく彼女は地区支援要員としてマフティーに参加するようになった[22]
その後、ギギと出会ったことによるハサウェイの精神的な変化が彼女との間に溝を生むことになり、彼の心は離れて行った[22]。最終的に彼女は自ら配置換えを申し出て彼の許を離れることを選んだ[20]
劇場アニメ版では「ハサウェイがマフティーへ参加するきっかけを作った人物」と設定されている。

その他のマフティー関係者

クワック・サルヴァー
コードネーム「クワック・サルヴァー」[注 3]を名乗る初老の男。マフティーの組織そのものの支援者で、「マフティー・ナビーユ・エリン」という架空の人物を中心とする反地球連邦政府組織を結成した黒幕[49]
かつては連邦軍地球方面軍で要職に就いていた将軍であったということだけは分かっている[22][49]。現在は連邦政府の高官ではないかと噂されているものの正体は不明[50]。ケネス・スレッグ曰く「閣僚か官僚のトップの中で、一番良質な頭を持っていて短気な奴がクワック・サルヴァー」[50]。連邦軍内部とアナハイム・エレクトロニクスに太いパイプを持つ。
物資補給とメンテナンス部隊の編成については信じられないほどの手腕を発揮する[49]。本人はそのことについて「補給物資の管轄を長年やっている間に物資や小さい基地を軍籍から抹消する方法をいくつも考えついた」と語っている[21]

オエンベリ軍

ファビオ・リベラ
声 - 望月健一(Gジェネシリーズ)
オエンベリ軍のリーダー。マフティーを騙ってオーストラリアにて決起した。後にハサウェイに協力する。
チャング・ヘイ
オエンベリ軍の参謀。
フェデリコ・マルティーニ、メイホウ
オエンベリ軍の兵士。
ハイジャッカー / ハイジャック犯
声 - 柴本浩行 / 新祐樹、綾見有紀
オエンベリの別働隊。マフティーの名を騙ってハウンゼン356便をハイジャックした。
ハロウィンのカボチャ、海賊、魔女など、全員様々なマスクを着用している。

地球連邦軍

レーン・エイム
声 - 橋本晃一(『GジェネF』)→水島大宙(『GジェネSPIRITS』以降) / 斉藤壮馬[29]
地球連邦軍所属。階級は中尉。ケネス・スレッグが自分の赴任前にキンバレー隊に新型モビルスーツ「ペーネロペー」とともに送り込んだテストパイロット[43]。ブラウンの髪が律儀な好青年という印象を際立たせている[51][52]。劇中では自機を「ペネロペー」と呼ぶ。
マフティーについては「軍のような公的な組織での苦労を知らない民間人」「自由をはき違えた青年」という印象を持っている[53]。パイロットとして優れた資質を持つが故にパイロットをやることで全ての感性が充足してしまうため、ケネスのように連邦政府のような巨大な組織を疑ったりその陰で行われる影の部分に思いを馳せたりすることもない。そのため彼にとっての敵は人そのものになってしまい、マフティー(ハサウェイ)や、時にはケネスやギギまでをも敵とみなしてしまう[53]
実戦部隊の実働作戦に無関係の民間人の少女、ギギをゲン担ぎで同行させるケネスについては「技術畑を歩いてきてボケた」「人格のバランスがどこかで狂っているのでは?」と判断していた。それを当たり前のように受け入れている同僚のパイロットたちの体質も異常に思えて、当初はそれは自分たちの部隊を動かしている大人たちの世界が歪んでいる証拠だと考えていた[54]
若く優秀なパイロットだが、実戦経験不足で狡猾さを知らないために初めは苦戦する[52]。映画劇中でもケネスからメッサー1機を仕留めるのに味方3機を失い、失態を繰り返せばペーネロペーをハサウェイに任せると活を入れられた上に「まだ(ペーネロペーの)性能を引き出せてはいない」「レーン・エイムを過大評価したらしい」「テストパイロットとしての技量は極めてよくても実戦では使えない」とケネスから辛辣に低評価される。ケネスの命令でガウマンをコックピットに同乗させ人質にするもハサウェイに情けない奴呼ばわりされた途端に「返す」「大佐の命令でやっただけだ」「私はケネス司令とは違う」と素直に空中で開放、ハサウェイに回収させるまで味方機に撃たせないなど潔いところを見せる。実直でプライドが高くガウマンに操縦を指示された時も「馬鹿にする」と切り返した。サーベルで接近戦を仕掛けた時にもハサウェイとの実力差を看破したガウマンから「下がれ。やられるぞ」と指示されてしまう。Ξガンダムとの初陣で大敗した時も「とどめを刺したはずだ」と自らの負けを信じられず機体の外に飛び確認しようとまでした。そこそこの戦果は挙げても最初の運の悪い印象が消えず、ケネスからは籤運が悪いと思われていたが、アデレードでのマフティーとの最終決戦を前に、ようやくパイロットとして仕上がった[55][56]。技量と経験の差でマフティー(ハサウェイ)に圧倒されながらも囮としての任務を果たし、ケネスの作戦を成功させた。
ケネスが退役する際に隊員たちのカンパで買ったプレゼントを代表して渡すと、代わりに指揮棒代わりに愛用していた乗馬鞭をもらった[57]
小説では優秀でサイコミュ兵器も使いこなすもののあくまで優秀なパイロットという描写しかなかった。小説完結後に制作されたゲームやアニメ雑誌では強化人間やニュータイプとして設定されることが多い。
キンバレー・ヘイマン
階級は大佐。ケネスの前任のキンバレー部隊の司令官。文官上がりでほとんど実戦経験はない[54]。ケネスの着任を目前に控え、その焦りからオエンベリに集結していたマフティーを名乗る私設軍隊(オエンベリ軍)の掃討に向かうが、敵戦力を目の前にして逆上し、虐殺を行ってしまう[54]
その後、Ξガンダムを手に入れた本物のマフティーであるハサウェイ達によって捕虜とされ、アデレード空爆の第二波の前にギギと共に解放される。
レイ・ラゴイド
声 - 鷲見昂大
キンバレー部隊陸戦第5分隊所属に所属するグスタフ・カールのパイロット。階級は中尉。
エイレン
キンバレー(キルケー)部隊に所属するグスタフ・カールのパイロット。
メイビス
キンバレー(キルケー)部隊に所属するケッサリアのパイロット。
ブライト・ノア
声 - 成田剣(GジェネGENESIS)[注 4]
ラー・カイラムの艦長。ハサウェイの父親。
シーゲン・ハムサット
ラー・カイラムの副艦長にして、ブライト・ノアの補佐官。
メジナウム・グッゲンハイム
宇宙軍幕僚長官。階級は大将。マフティーの正体がハサウェイであることを新聞社にリークした張本人。
リチャード・クレッシェンド
大将。統合本部所属。マフティー事件解決後、ブライトに駐留の命令書を手渡した。
フランシン・バクスター
ケネスに仕える女性秘書。
ブラッド・レービェ
大佐。参謀本部の参謀次官。
スタッグ・メインザー
中佐。ケネスの補佐官。バリヤー設営の指揮を執り、ハサウェイのΞガンダムを拿捕した。
ミネッチェ・ケスタルギーノ
声 - 越後屋コースケ
大尉。ケネスの補佐官。

地球連邦政府

ハイラム・メッシャー
声 - 川口啓史
保健衛生大臣。ハウンゼンに乗り合わせ、ハイジャック犯に射殺される。
エインスタイン
声 - 井川秀栄
大臣。ハウンゼンに乗り合わせた閣僚の一人。
マクガバン
声 - 吉富英治
文化教育振興大臣。ハウンゼンに乗り合わせた閣僚の一人。
オノレ・バレストリエーリ
外宇宙軍省の議員。神経質な性格。

刑事警察機構

ハンドリー・ヨクサン
声 - 山寺宏一[29][注 5]
刑事警察機構長官。ハウンゼンに乗り合わせた。政府の中央にいる連中は使い物にならないと判断し、ゲイス・H・ヒューゲストを連れ回している[59]
ゲイス・H・ヒューゲスト
声 - 佐々木望
調査局部長。ハイジャックの事情聴取を担当。地方に飛ばされたというコンプレックスを持つ[59]。一般の人間を人とも思っていないところがある[60]

民間人

アマダ・マンサン
ハサウェイの植物監察官の教官。ハサウェイは、彼を通じてマフティーと接触し、その活動にのめりこんでいった。劇中ではホンコンのギギから、ハサウェイに対しての連邦議会の開催場所の伝言を受ける。
ミライ・ノア
声 - 白石冬美(Gジェネシリーズ)
ブライトの妻で、ハサウェイの母。ブライトの退役後はレストランを営む予定であった。
メイス・フラゥワー
声 - 種﨑敦美[29]
ブロンドの美人。ハウンゼンの客室乗務員をしており、ハイジャックに巻き込まれる。ケネスが自宅の番号を調べ上げて誘ったものの、その頃に同じく彼のもとにいたギギによって破局させられる。ケネスは、「日本に着いたらよりを戻すよう言ってみる」と言っていた。

その他の人物

クェス・パラヤ
声 - 川村万梨阿 / 川村万梨阿
シャアの反乱でハサウェイが出会ったニュータイプの少女。故人。小説版ではアムロを殺害しようとした所をハサウェイに撃墜されており、そのことを糾弾するため、ハサウェイの夢の中に出てきている[注 6]
ジュリー
ケネスの元妻。

登場兵器

Ξガンダムをはじめとする本作のMSは、すべて森木靖泰がデザインしている。

後年のゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』にて本作のMSが登場することになり、その際に機体のデザインが一新された。Ξガンダムとペーネロペーは元デザインも担当した森木が、メッサーとグスタフ・カール(およびドーラ・カール)は藤田一己がそれぞれリデザインしている。そのうち、グスタフ・カールはOVA版『機動戦士ガンダムUC』にも登場するが、『GGENERATION-F』からさらにリデザインされている。

Ξガンダムとペーネロペーは、本体のディテールアップや若干の形状変更、デザイン画が存在しなかった各種武装(ファンネル・ミサイル)など、比較的細かな部分に手が及んでいる。

マフティー
地球連邦軍(キンバレー部隊/キルケー部隊)
地球連邦軍(第13独立艦隊)
マン・ハンター

小説

富野由悠季が上梓した小説で、1989年から1990年にかけて角川スニーカー文庫[注 7]より発売された[61]。2021年の2月〜4月に映画公開にあわせてB6判の新装版が発売された。

既刊一覧

文庫版
  • 角川スニーカー文庫(全3巻)
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』上、美樹本晴彦(表紙・本文イラスト)、森木靖泰(口絵イラスト)、角川書店、1989年2月13日。ISBN 4-04-410131-0。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』中、美樹本晴彦(表紙・口絵・本文イラスト)、森木靖泰(口絵イラスト)、角川書店、1990年3月1日。ISBN 4-04-410132-9。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』下、美樹本晴彦(表紙・口絵・本文イラスト)、角川書店、1990年4月11日。ISBN 4-04-410133-7。
新装版
  • 角川コミックス・エースレーベル(全3巻)
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』上、美樹本晴彦(表紙イラスト)、KADOKAWA、2021年2月26日。ISBN 978-4-04-109620-8。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』中、美樹本晴彦(表紙イラスト)、KADOKAWA、2021年3月26日。ISBN 978-4-04-109718-2。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』下、美樹本晴彦(表紙イラスト)、KADOKAWA、2021年4月26日。ISBN 978-4-04-109719-9。

漫画

作画はさびしうろあき。『月刊ガンダムエース』にて2020年5月号にプロローグが掲載された後[62]、2021年6月号より本連載を開始[63]。プロローグは完成済みの全69ページで読み切りとするはずが編集部の不手際によって序盤18ページしか掲載されなかったため、さびしと読者へのお詫びが編集部から発表されている[64]

本作はざびしが以前コミカライズした『ベルトーチカ・チルドレン』に連なる作品であることが第1巻の巻末の宣伝ページに記載されている。

  • 富野由悠季、矢立肇(原作) / さびしうろあき(漫画) 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉、既刊1巻(2021年5月10日現在)
    1. 2021年5月10日発売[65]ISBN 978-4-04-109720-5

劇場アニメ

2018年11月21日、機動戦士ガンダム40周年プロジェクト発表会において、ガンダムシリーズ40周年記念作品および『機動戦士ガンダムUC』以降の宇宙世紀作品を各種メディアで展開する『UC NexT 0100』の第2弾として三部作で制作されることが発表される[66]。第1作は当初は2020年7月23日に公開予定だったが[67]新型コロナウイルス感染症の影響で複数回延期され[68][69][70][71]、2021年6月11日に公開された[72]

またドルビーシネマ版、およびドルビーアトモス版も制作され劇場で上映された。邦画アニメ作品においてのドルビーシネマ版は『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』など先行した事例があるが、ドルビーシネマ版公開に当たり既存のバージョンより編集を加える方法でなく、制作段階からドルビービジョンを採用した邦画アニメ作品は当作が初めてである。

キャッチコピーは「その閃光は人類の希望[67]、「シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者[73]、「運命の閃き— Ξガンダム[74]

原作が『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編に当たるのに対し、こちらはアニメ映画『逆襲のシャア』の続編として製作される[8]

原作小説の作者である富野は劇場版の制作に関わっていないが、プロデューサーの小形尚弘によれば、制作当初に三角関係をテーマとする韓国映画のメディアを渡されたという。また、完成したものを観たあとに、映画としてもっと構成を考えてはどうかと言われたとのこと[75]

スタッフ


公開日 サブタイトル 絵コンテ 演出 総作画監督 作画監督 作画監督補佐
2021年6月11日 閃光のハサウェイ 村瀬修功
渡辺信一郎
松尾衡
原英和
米田光宏
キャラクター
恩田尚之

メカニカル
中谷誠一

エフェクト
金子修一

キャラクター
寺岡巌、木村貴宏、工原しげき、田頭真理恵
浜津武広、清水翔人、柴田淳、金世俊
凌空凛、渡部貴喜、高谷浩利、玉川真吾
茂木信二郎、冨澤桂也乃、小林利充、橋本敦稔
飯島弘也、坂本修司

仲盛文、中島利洋、森木靖泰[注 8]、有田周平

キャラクター
杉泊朋子

主題歌

閃光[78]
作詞・作曲 - 川上洋平、編曲 - [Alexandros] & Takashi Saze、歌 - [Alexandros]

公開後

  • 6月11日に公開。初日だけで興収1億9,000万円を突破。土日2日間の興収は3億3,065万6,900円となり、週末の興収ランキング1位をマーク。動員ランキングは3位となっている[79]
  • 公開日6月11日から20日までの期間で興行収入が、10億1624万9400円に達した[80]

商品化

本作が劇場三部作として公開が決定され、HGUC 1/144にてペーネロペーが初のキット化。なお、本作初登場のグスタフ・カールはHGで同年2月にユニコーンver.が発売され、本作のものはギレンの野望ver.として発売されている。

#0025 RX-105 Ξ GUNDAM [RX-104FF PENEROPE] Ξ(クスィー)ガンダム
フィギュアシリーズ『GUNDAM FIX FIGURATION』より発売。外装の組み換えによりオデュッセウスガンダムおよびペーネロペーに換装が可能。また、オデュッセウスガンダムから分離したペーネロペーユニットはフライトフォームに合体変形もできる。ガレージキットを除き、当商品が初の立体化となる。2005年5月発売。
Ka signature ROBOT魂 <SIDE MS> Ξ(クスィー)ガンダム
魂ウェブ商店限定。2013年6月発送。
Ka signature ROBOT魂 <SIDE MS> ペーネロペー
魂ウェブ商店限定。2015年8月発送。
Ka signature ROBOT魂 <SIDE MS> Ξ(クスィー)ガンダム マーキングプラスVer.(マイクロ・ミサイル・ポッド装備)
魂ウェブ商店限定。2016年2月発送。2013年に発送された物のリニューアル版で、マイクロ・ミサイル・ポッドが追加付属。
Ka signature ROBOT魂 <SIDE MS> ペーネロペー マーキングプラスVer.
魂ウェブ商店限定。2015年9月発送。2015年8月に発送された物のリニューアル版。
BB戦士 No.386 RX-105 Ξガンダム
2013年12月発売。
HGUC 1/144 ペーネロペー
2019年10月発売。カトキハジメによる監修のもと、ペーネロペーの複雑な機構を再現。オデュッセウスガンダムとFF(フィックスド・フライト)ユニットの分離状態でのディスプレイが可能。高速巡航時のフライト・フォームへの変形を再現。
HG 1/144 メッサーF01型
2020年7月発売。劇場版設定により小説版準拠の機体はF01型と新たに呼称される。
Ka signature ROBOT魂 <SIDE MS> ペーネロペー (機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイVer.)
魂ウェブ商店限定。2021年9月発送。2015年9月に発送された物を劇場版公開に合わせてリニューアル。

登場するゲーム作品

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ その際、父親の名声も有利に働いた。
  2. ^ 2011年6月9日に逝去したため、『GGENERATION WORLD』以降ではライブラリ出演となる。
  3. ^ 「クワック・サルヴァー」とはオランダ語 kwakzalverを語源とする言葉で、「インチキ医者」「やぶ医者」「詐欺師」などの意味を持つ[49][22]
  4. ^ 『GジェネSPIRITS』では当時の担当声優であった鈴置洋孝が亡くなっていたため、『閃光のハサウェイ』シナリオのみボイスなし。『GジェネGENESIS』では後任の成田によるボイスが収録された。
  5. ^ 宇宙世紀シリーズの本編への出演は『逆襲のシャア』以来33年ぶりであり、山寺を含む新キャストが報道された際には山寺が『逆襲のシャア』への出演当時を述懐するコメントも発表されている[58]
  6. ^ この描写は、アニメ映画および小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではなく、小説版『ベルトーチカ・チルドレン』の設定を受け継いだもの(映画ではチェーン・アギが殺害し、その直後に彼女もハサウェイに殺害された)。
  7. ^ 初版刊行当時は角川スニーカー文庫の前身である「角川文庫・青版」として刊行された。
  8. ^ 料理作監を担当。
  9. ^ ハサウェイは『逆襲のシャア』時の姿で登場している。

出典

  1. ^ “上海国际电影节决定一口气上映包含‘机动战士高达 闪光的哈萨维’在内的8部高达系列作品!” (中国語). GUNDAM.INFO. https://cn.gundam.info/news/video-music/01_4427.html 
  2. ^ “ガンダム宇宙世紀シリーズ最新作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』完成報告会見レポート/小野賢章さん、上田麗奈さん、諏訪部順一さん、斉藤壮馬さんが登壇”. animate Times. (2021年4月14日). https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1618371977 2021年4月15日閲覧。 
  3. ^ 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:小説発表から30年 今、映像化する理由 富野監督が予見した未来”. MANTANWEB. 株式会社MANTAN (2021年5月3日). 2021年6月19日閲覧。
  4. ^ 【映画レビュー】こじらせ童貞vs魔性の美少女──「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のギギ・アンダルシアに脳を破壊されろ!” (日本語). アキバ総研. 株式会社カカクコム (2021年6月18日). 2021年6月19日閲覧。
  5. ^ a b 富野由悠季の世界 2019, p. 238.
  6. ^ 『閃光のハサウェイ』の前日譚となる『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』ドラマCDが8月28日に発売。32年前に収録された幻のカセットテープドラマ音源をドラマCDとして復刻”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage (2021年6月11日). 2021年6月19日閲覧。
  7. ^ 2002年12月発売の『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー3 シャア編』の巻末インタビュー。
  8. ^ a b 「サンライズプロデューサー小形尚弘に聞いた12のQ&A」『月刊ガンダムエース』2020年5月号、KADOKAWA、2020年3月26日、4-7頁。
  9. ^ a b c d 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 228-237.
  10. ^ 小説『閃光のハサウェイ〈上〉』, p. 19.
  11. ^ a b ガンダムエース08付録ブックレット 2021, p. 12-13.
  12. ^ a b c d e f 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 8-11.
  13. ^ a b c d 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 26-28.
  14. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 259.
  15. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 64.
  16. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (下)』, p. 13.
  17. ^ a b c d e 藤津, 亮太 (2021年6月11日). “「ガンダム 閃光のハサウェイ」圧倒的な“市街戦シーン”に込められた映像&ドラマ的ポイントとは?”. アニメ!アニメ!. イード. 2021年6月19日閲覧。
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  21. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 246-247.
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 12-25.
  23. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 38-49.
  24. ^ a b 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 69-82.
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  37. ^ a b c d 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 78-85.
  38. ^ 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 108-120.
  39. ^ a b c 小説『閃光のハサウェイ (中)』, p. 121-133.
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  48. ^ 『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編II]』角川書店、2010年6月、56-57頁。
  49. ^ a b c d 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 234-235.
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  51. ^ 小説『閃光のハサウェイ (上)』, p. 184-194.
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参考文献

  • 小説
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ (上)』角川書店、1989年2月28日、初版。ISBN 978-4-04-410131-2。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ (中)』角川書店、1990年4月1日、初版。ISBN 978-4-04-410132-9。
    • 富野由悠季『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ (下)』角川書店、1990年5月1日、初版。ISBN 978-4-04-410133-6。
  • 書籍
    • 明智惠子『富野由悠季の世界』株式会社キネマ旬報社、2019年6月22日。ISBN 978-4-87376-468-9。
  • 雑誌付録
    • 「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 公式ブックレット」『ガンダムエース』2021年8月号、KADOKAWA。