気骨の判決

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

終戦特集ドラマ・気骨の判決』(しゅうせんとくしゅうドラマきこつのはんけつ)は、日本のNHK総合テレビで、2009年8月16日の21:00 - 22:30(JST)に『NHKスペシャル』として放送されたテレビドラマ特別番組である。制作はNHK名古屋放送局が担当した。

概要[編集]

戦時中(太平洋戦争下)の日本における鹿児島2区選挙無効事件で、唯一「選挙無効」の判決を下した裁判官の吉田久について描いたものである。

冒頭部で判決原本が登場する。この判決原本は、戦後編纂された大審院民事判例集に掲載されなかったことから、東京大空襲で大審院の建物とともに焼失したとされて判決文の写ししか残っていなかった「幻の判決文」と言われていたところ、2006年夏に最高裁判所の倉庫で61年ぶりに発見されたものである。

ストーリー[編集]

1942年におこなわれた第21回衆議院議員総選挙では、各地で翼賛政治体制協議会の推薦を受けなかった候補に対する露骨な選挙干渉がおこなわれ、その結果落選した多くの候補者から選挙無効の訴えが選挙後、大審院におこされた。鹿児島2区から立候補し、落選した兼吉征司もまた大審院に選挙無効の訴えを起こし、大審院判事・吉田久がこの事件を担当することとなった。吉田は事件を担当する他の判事と共に、調査のために鹿児島県へと向かうが、判事団に対して県民たちは敵意をむき出しにした。

やがて、吉田が滞在する旅館に、何者かが、鹿児島県知事・木島浅雄が県下の教育関係者に対して出した、翼賛政治体制協議会の推薦候補への支持を呼びかける手紙を投げ込む。これを重要な証拠と見た吉田は国民学校長・伊地知健吉の反対を押し切って、木島を証人として裁判所に呼び出す。鹿児島を離れる前、吉田は伊地知と話し合い、実は伊地知が子ども思いの教師であり、教え子や地元の人びとを思って、翼賛政治体制協議会に協力したことを知る。

東京に戻った吉田は、やがて、警視総監に昇進した木島と再会する。木島は伊地知が自殺したことを伝え、自分の意志を貫こうとする吉田のやり方が周囲の人間を不幸にしていると暗に責める。それ以来、吉田や周囲の人びとに有形・無形の圧力が加えられていく。

出演者[編集]

スタッフ[編集]

  • 原案:清永聡『気骨の判決 -東条英機と闘った裁判官-』(新潮選書
    清永はNHKの記者で、本の出版はドラマ放送の1年前。清水は初回放送時点では大分局放送部(報道)ニュースデスクであったが(現在はNHK解説委員)、ドラマ制作は前述のように名古屋局が担当した。
  • 作:西岡琢也
  • チーフプロデューサー:磯智明
  • 演出:柳川強
  • 音楽:加古隆
  • 制作著作:NHK名古屋放送局

関連項目[編集]

NHK制作の終戦特別ドラマ

NHK総合 NHKスペシャル終戦特集ドラマ
前番組 番組名 次番組
最後の戦犯
(2008年)
気骨の判決
(2009年)
15歳の志願兵
(2010年)