汗血千里駒

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汗血千里駒
(かんけつせんりのこま)
汗血千里の駒
編集者 宇田川文海、雑賀柳香
著者 坂崎紫瀾
イラスト 山崎年信
発行日 1883年明治16年)5月
発行元 駸々堂、摂陽堂、吉村善吉、春陽堂、偉業館、桜井堂、筑摩書房、岩波書店、芸文社、東邦出版
ジャンル 政治小説伝記小説
日本の旗 日本
形態 新聞連載小説、和装
公式サイト www.iwanami.co.jp
コード ISBN 978-4-00-311871-9
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汗血千里駒』(かんけつせんりのこま)は、坂本龍馬を主人公にした坂崎紫瀾伝記小説。

概要[編集]

1883年明治16年)1月から高知自由民権派の新聞『土陽新聞』に連載された。坂崎は前年の政事講釈が不敬罪に問われて保釈中で、刑が確定した6月から3ヶ月は休載している。物語は龍馬暗殺とその後日談まで描いており、一応完結しているが、最終回に次回を予告する文言が入っているので、厳密には未完である。[要出典]

発行停止などの弾圧をたびたび受けていた『土陽新聞』は、1883年(明治16年)に一般大衆向けに紙面刷新し、大阪から絵師山崎年信を招聘して挿絵つきの続き物を掲載し始めた。「汗血千里の駒」はその第1弾であった。社説等で自由民権思想に基づく論説を発表しない代わりに「汗血千里の駒」にその内容を託したとされ、その意味で政治小説と見なされている。幕末の坂本龍馬の行動を、土佐藩で激しかった武士階級内での差別を生む構造との戦いとして描いている点や、龍馬の遺志を継ぐものとして、連載当時の代表的自由民権運動坂本南海男〔後の直寛、龍馬の甥〕を、登場させているところでもその意図は明らかである。明治維新の理想を継承しているのが自由民権運動であるという主張を読み取ることもできる。それでも政治小説色はそれほど色濃くなく、坂本龍馬とその周辺の人々の魅力で読ませる作品になっている。[要出典]

坂崎紫瀾にとって出世作であり代表作となった。また坂崎を、維新史研究に目覚めさせ、大著『維新土佐勤王史』(瑞山會編、冨山房大正元年(1912年)刊、復刻版マツノ書店)への道を開く作品となったともいえる。新聞連載時は「汗血千里の駒」であったが、単行本化にあたって『汗血千里駒』となった。連載終了前に、草草紙風に装丁された複数の単行本が出ているが、摂陽堂から出版後に、春陽堂から再版され最も広く読まれた。この版は雑賀柳香によって加筆、修正されたもので、新聞連載時とはかなり違ったものになっている。挿絵もわずかしか収録されていない。[要出典]

日本初の新婚旅行[編集]

日本初の新婚旅行を行った夫婦は坂本龍馬・お龍夫妻とされているが、これは本作品において、寺田屋遭難事件後の夫妻の薩摩旅行を「ホネー、ムーン」(ハネムーン)と表現したことに由来する。

以下が、該当部分の引用。

自と彼の西洋人が新婚の時には「ホネー、ムーン」と呼びなして花婿花嫁互ひに手に手を取りて伊太利等の山水に逍遥するに叶ひたりとや謂はん — 「汗血千里の駒」第三十六回、『政治小説集 1』岩波書店〈新日本古典文学大系 明治編 16〉、2003年[1]

書誌情報[編集]

  • 坂崎鳴々道人 (斌)『天下無双人傑海南第一伝奇 汗血千里駒 初編』宇田川文海 校、駸々堂、1883年5月。NDLJP:880809
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『天下無双人傑海南第一伝奇 汗血千里駒 前編』吉村善吉、1883年6月16日。NDLJP:880810
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第1編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、摂陽堂、1883年7月26日。NDLJP:880800
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第2編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、摂陽堂、1883年7月。NDLJP:880801
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第3編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、摂陽堂、1883年10月8日。NDLJP:880802
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒』雑賀柳香 (豊太郎) 補、春陽堂、1885年11月16日。NDLJP:880806
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第1編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、春陽堂、1885年11月。NDLJP:880803
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第2編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、春陽堂、1885年11月16日。NDLJP:880804
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『汗血千里駒 第3編』雑賀柳香 (豊太郎) 補、春陽堂、1885年11月16日。NDLJP:880805
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『天下無双の豪傑坂本竜馬君之伝 汗血千里之駒』雑賀柳香 (豊太郎) 補、偉業館、1887年12月。NDLJP:880807
  • 坂崎鳴々道人 (斌)『天下無双の豪傑坂本竜馬君之伝 汗血千里之駒』雑賀柳香 (豊太郎) 補、桜井堂、1890年4月18日。NDLJP:880808

現行版[編集]

  • 『明治政治小説集 1』柳田泉 編、筑摩書房〈明治文学全集 5〉、1966年。ISBN 978-4-480-10305-5。 - 坂崎紫瀾 篇『天下無双人傑海南第一伝奇 汗血千里駒』を収録。注釈なし。
  • 坂崎紫瀾『汗血千里駒』雑賀柳香 補綴、土佐史談会〈土佐史談復刻叢書 3〉、1977年7月。 - 春陽堂明治18年刊の復刻。
  • 『政治小説集 1』山田俊治・林原純生 校注、岩波書店新日本古典文学大系 明治編 16〉、2003年11月。ISBN 978-4-00-240216-1。 - 『汗血千里の駒』を新聞連載時のまま収録。
  • 坂崎紫瀾『汗血千里の駒 坂本龍馬君之伝』林原純生 校注、岩波書店〈岩波文庫 緑187-1〉、2010年11月。ISBN 978-4-00-311871-9。 - 挿絵全66点と注・人名一覧を所収。

現代語訳[編集]

  • 坂崎紫瀾 原作『真龍馬伝 現代語訳汗血千里駒』金谷俊一郎 歴訳、芸文社、2010年3月。ISBN 978-4-86396-037-4。
  • 坂崎紫瀾『坂本龍馬伝 明治のベストセラー「汗血千里の駒」』中村茂生・磯田和秀 訳、東邦出版、2010年4月。ISBN 978-4-8094-0859-5。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

  • 高知市立自由民権記念館 - 2010年1月5日から3月28日まで『新聞挿絵展 最初の龍馬一代記「汗血千里の駒」の世界』が開かれた。