沖縄自動車道

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高速自動車国道
(有料)
沖縄自動車道
E58 沖縄自動車道
地図
路線延長 57.3 km
制定年 1975年
開通年 1987年
起点 名護市許田IC
主な
経由都市
沖縄市宜野湾市
終点 那覇市那覇IC
接続する
主な道路
(記法)
記事参照
■テンプレート(■ノート ■使い方) PJ道路

沖縄自動車道(おきなわじどうしゃどう、英語: OKINAWA EXPRESSWAY)は、沖縄県名護市を起点とし那覇市に至る延長57.3キロメートル (km) の高速道路高速自動車国道)である。高速自動車国道としては最南端かつ最西端の路線である。一般に沖縄道(おきなわどう、英語: OKINAWA EXP)と略される。国土開発幹線自動車道の予定路線ではなく、高速自動車国道法第4条第2項に基づく高速自動車国道の路線を指定する政令によって指定された路線である。高速道路ナンバリングによる路線番号は、那覇空港自動車道とともに「E58」が割り振られている[1][2]

概要[編集]

もともと、一般国道329号のバイパス道路である沖縄自動車道(許田IC - 石川IC)として建設されたもので、1987年(昭和62年)の那覇IC - 石川IC間開通に伴い、石川IC - 許田IC間も同時に高速自動車国道へ格上げされた経緯を持つ[3]。法定路線としての起点は許田ICであるが、キロポストやインターチェンジ番号は終点の那覇IC側から振られ(インターチェンジなどを参照)、那覇方向行きが上り線、許田方向行きが下り線となっている。

インターチェンジなど[編集]

  • IC番号およびキロポストの順で記載する。
  • IC番号欄の背景色がである部分については道路が供用済みの区間を示している。また、施設名欄の背景色がである部分は施設が供用されていない、または完成していないことを示す。未開通区間の名称は仮称。
  • スマートICは背景色で示す。
  • BSのうち、○は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
IC番号 施設名 接続路線名 起点から
(km)
BS 備考 所在地
1 那覇IC 県道82号那覇糸満線 0.0 那覇市
- 那覇料金所 料金所 島尻郡
南風原町
1-1 西原JCT E58 那覇空港自動車道 2.4 名護方面接続 中頭郡
西原町
- 幸地BS/幸地IC[4] - IC調査中
2 西原IC 国道330号 5.6 浦添市
- 琉大入口BS - 宜野湾市
- 中城PA - 10.2 中頭郡
中城村
3 北中城IC 県道29号那覇北中城線 12.0 中頭郡
北中城村
3-1 喜舎場BS/喜舎場SIC 県道81号宜野湾北中城線(村道経由) 13.4 那覇方面入口のみ
- 山里BS - 沖縄市
4 沖縄南IC 県道85号沖縄環状線 17.8
- 池武当BS -
5 沖縄北IC 国道329号 22.9
6 石川IC 県道73号石川仲泊線 31.4 うるま市
7 屋嘉IC 県道88号屋嘉恩納線 34.1 那覇方面出入口 国頭郡
金武町
- 伊芸SA - 36.7
8 金武IC 国道329号 39.9
9 宜野座IC 国道329号 48.1 国頭郡
宜野座村
- 許田料金所 料金所 名護市
10 許田IC 国道58号 57.3
地域高規格道路 名護東道路(調査中)

歴史[編集]

  • 1975年5月20日 : 一般国道329号のうち、名護市許田から石川市石川までの区間を有料道路「沖縄自動車道」とし、許田IC - 石川ICが開通[5]。当時は沖縄返還後間もなかったために、交通方法が本土と統一されておらず、右側通行で供用された(現在の上り線が下り線、現在の下り線が上り線だった)。
  • 1978年7月30日 : 交通方法が本土と統一されたこと(いわゆる730)に伴い、左側通行に変更される。
  • 1978年12月22日 : 石川 - 那覇間が高速自動車国道の予定路線となる[6]
  • 1979年2月27日 : 石川 - 那覇間が高速自動車国道の路線に指定される[7]
  • 1979年3月18日 : 石川IC - 那覇IC間の工事を開始する[8]
  • 1986年2月4日 : 高速自動車国道の路線指定区間が、名護-那覇間となる[9]
  • 1987年10月7日 : 石川IC - 那覇IC間の工事の一部が終了する[10]
  • 1987年10月8日 : 石川IC - 那覇IC開通、国道329号沖縄自動車道を高速自動車国道として供用開始[11]。この開通の頃に金武本線料金所が廃止され、石川・宜野座料金所が設置される。
  • 1988年3月28日 : 石川IC - 那覇IC間の工事が終了する[12]
  • 1988年3月29日 : 屋嘉IC開通[13]
  • 2000年6月28日 : 西原JCT開通により那覇空港自動車道と接続[14]
  • 2005年10月1日 : 日本道路公団の民営化に伴い、沖縄自動車道は全線西日本高速道路株式会社の管理になる[15]
  • 2006年11月25日 : 喜舎場BS仮出入口IC社会実験開始(那覇方面入口のみ。2007年3月31日まで)[16]
  • 2007年3月30日 : 喜舎場BS仮出入口ICを喜舎場スマートICとする[17]
  • 2007年10月27日 : 喜舎場スマートIC本格供用開始(那覇方面入口のみ)
  • 2010年2月2日 : 全線が、無料化社会実験の対象区間に指定される。
  • 2010年6月28日 : 全線にて無料化社会実験が開始される[18]
  • 2011年6月20日 : 3月11日東日本大震災の発生を受けた無料化社会実験一時凍結に伴い、有料に戻る。

石川IC - 許田ICが完成した1975年時点では、他都道府県と交通方法が統一されていなかったため、同区間は右側通行での供用となっていた。標識も右側通行用の特別仕様だった[19]上、最高速度も70 km/hと低めに設定されていた(現在は80㎞/h)。いわゆるナナサンマルと呼ばれた左側通行への切り替えの際に、同区間も左側通行となったが、建設段階からその折には、速やかに対応できるよう計画されていたとされる[20]

また那覇方面に延伸するまでは、暫定的に金武本線料金所が設けられており、石川ICと宜野座ICには料金所が存在しなかった。金武本線料金所ででは、石川IC - 宜野座ICの料金を、金武IC料金所では、石川IC - 金武ICまたは金武IC - 宜野座ICの料金を、許田本線料金所では宜野座IC - 許田ICの料金がそれぞれ徴収され、通行する車は2回(宜野座IC - 許田ICのみ通行の場合は1回)料金所で停車し、その都度料金を支払う必要があった。那覇方面に延伸する直前に、金武本線料金所を廃止、石川ICと宜野座ICに料金所が設置され、そのときに入口の自動発券機で通行券を受け取り、出口で料金を支払う方式に変更された。

路線状況[編集]

車線・最高速度[編集]

区間 車線
上下線=上り線+下り線
最高速度
那覇IC - 那覇TB 4=2+2 40 km/h
那覇TB - 許田TB 80 km/h
許田TB - 許田IC 60 km/h

道路施設[編集]

サービスエリア・パーキングエリア[編集]

沖縄自動車道にはサービスエリア (SA) とパーキングエリア (PA) が1つずつ(伊芸サービスエリア・中城パーキングエリア)設置されている。いずれも有人であり、また両方ともガソリンスタンドは存在しない(伊芸SAのガソリンスタンドは2009年3月31日に廃止された)。

主なトンネル[編集]

  • 喜舎場トンネル(215 m)

道路管理者[編集]

交通量[編集]

24時間交通量(台) 道路交通センサス

区間 平成17(2005)年度 平成22(2010)年度 平成27(2015)年度
那覇IC - 西原JCT 13,359 22,940 15,699
西原JCT- 西原IC 30,898 65,751 51,991
西原IC - 北中城IC 41,304 78,471 60,038
北中城IC - 喜舎場SIC 37,452 72,246 54,388
喜舎場SIC - 沖縄南IC 37,452 70,491 51,901
沖縄南IC - 沖縄北IC 28,105 53,614 39,241
沖縄北IC - 石川IC 21,365 41,701 29,639
石川IC - 屋嘉IC 20,400 40,240 27,782
屋嘉IC - 金武IC 18,342 36,029 24,485
金武IC - 宜野座IC 16,247 29,591 20,669
宜野座IC - 許田IC 14,318 26,090 17,742

(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

2002年度 区間別平日平均交通量(台)

  • 許田IC - 那覇IC(区間平均) : 23,910(前年度比105.6%)
    • 最大(沖縄南IC - 北中城IC) : 35,419(前年度比104.8%)
    • 最小(許田IC - 宜野座IC) : 15,144(前年度比107.5%)

料金[編集]

那覇IC - 許田IC間(57.3 km)の全線が普通区間となっているが、石川IC - 許田IC間(25.9 km)はキロあたりの料金が安く(普通車で20.98円/km。その他の区間は24.6円/km)設定されている[21]

2017年11月現在、ETC割引は平日朝夕割引及び深夜割引は適用されるが、休日割引は適用されない。

料金割引の歴史[編集]

1999年7月1日から沖縄特別割引として料金が引き下げられた。全線を普通車で利用した場合、本来の料金は1,550のところ、特別割引適用後は1,000円になる(各区間で35%程度の引き下げ)。各種ETC割引はこの料金に対して重複適用するので、深夜割引(30%)で700円、通勤割引(50%)で500円になる。沖縄特別割引は、政府の沖縄緊急経済対策の一環として2002年3月までの時限措置で実施の予定であったが、2010年の無料化社会実験実施直前まで実施されていた。

2010年6月28日から、高速道路無料化社会実験により全線が無料となった。しかし、渋滞が頻発するようになり、沖縄県の要望を踏まえて2011年度は、休日のみ無料、平日は有料(実験前から5割引)とする方向で見直されることになった[22]。その後、東日本大震災の復興財源確保のために、無料化社会実験は全国で一時凍結されることになる。

有料に戻る2011年6月20日からは、高速道路利便増進事業を活用して沖縄特別割引が継続されるものの、ETC時間帯割引は会社実施分の深夜割引(30%)・通勤割引(50%)のみとなり、深夜割引の割引率拡充・平日夜間割引・平日昼間割引・休日特別割引は適用されなくなる[23]。これに対し、沖縄1区選出の衆議院議員下地幹郎国民新党幹事長)がさらなる引下げを要望し[24]、7月1日から2012年3月31日まで、激変緩和措置として沖縄特別割引後料金からさらに1割引することになった[25][26][27]。激変緩和措置は全車が対象だが、ETC時間帯割引の重複適用はしない。

地理[編集]

通過する自治体[編集]

接続する高速道路[編集]

路線バス[編集]

沖縄自動車道を通り那覇市と各地を結ぶ路線バスが運行されている。

  • 111・117番高速バス[28]琉球バス交通沖縄バス那覇バス東陽バス) : 那覇IC - 許田IC(全区間)
  • 113番具志川空港線(琉球バス交通) : 那覇IC - 沖縄南IC
  • 123番石川空港線(琉球バス交通) : 那覇IC - 沖縄南IC
  • 127番屋慶名(高速)線(沖縄バス) : 那覇IC - 沖縄南IC
  • 152番イオンモール沖縄ライカム(高速)線(琉球バス交通) : 那覇IC - 北中城IC
  • 無番やんばる急行バス(沖縄中央観光) : 西原IC - 許田IC

以上の路線の停留所や路線詳細は、施設一覧および沖縄本島のバス路線を参照のこと。

  • 空港リムジンバス(琉球バス交通・沖縄バス)
    • Bエリア・Cエリア : 那覇IC - 石川IC
    • Dエリア : 那覇IC - 屋嘉IC
  • カヌチャシャトルバス(琉球バス交通) : 那覇IC - 宜野座IC

空港リムジンバス、カヌチャシャトルバスは那覇空港と本島各地のリゾートホテルとを結ぶという性格上、自動車道内の途中バス停には停車しない。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 高速道路ナンバリング一覧”. 国土交通省. 2017年2月26日閲覧。
  2. ^ 高速道路ナンバリング路線図”. 国土交通省. 2017年2月27日閲覧。
  3. ^ 浅井建爾 2015, p. 92.
  4. ^ http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2014110102824/file_contents/s2014010808421279_2.pdf (PDF, (仮)浦西駅周辺まちづくりイメージ図) (2枚目) - 浦添市、2017年8月27日閲覧
  5. ^ 1975年(昭和50年)5月19日日本道路公団公告第33号「有料道路「沖繩自動車道」の料金の額及び徴収期間の公告」
  6. ^ 1978年(昭和53年)12月22日運輸省・建設省告示第3号「高速自動車国道に関する件」
  7. ^ 1979年(昭和54年)2月27日政令第27号「高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令」
  8. ^ 1979年(昭和54年)3月17日日本道路公団公告第20号「高速自動車国道工事開始公告」
  9. ^ 1986年(昭和61年)2月4日政令第10号「高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令」
  10. ^ 1987年(昭和62年)9月18日日本道路公団公告第35号「沖縄自動車道(石川市・那覇市間)工事一部完了公告」
  11. ^ 1987年(昭和62年)10月8日建設省告示第1710号「高速自動車国道に関する件」
  12. ^ 1988年(昭和63年)3月25日日本道路公団公告第22号「沖縄自動車道(石川市・那覇市間)工事完了公告」
  13. ^ 1988年(昭和63年)3月28日建設省告示第958号「高速自動車国道に関する件」
  14. ^ 2000年(平成12年)6月28日建設省告示第1568号「高速自動車国道に関する件」
  15. ^ 2005年(平成17年)7月28日国土交通省告示第712号「日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の業務の引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する基本方針」
  16. ^ 2006年(平成18年)11月24日西日本高速道路株式会社「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  17. ^ 2007年(平成19年)3月30日西日本高速道路株式会社「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  18. ^ 2010年(平成22年)6月25日西日本高速道路株式会社「高速道路の料金の額及び徴収期間の変更公告」
  19. ^ 沖縄特有の諸事情から、当時から地名にはローマ字が入っていた(他都道府県では概ね12年後の1987年標識改定時から)。なおIC番号に関しては、那覇方面延伸の頃までは空欄だった。また九州沖縄サミットの際に、英語のみの出口標識や、県外の他路線では見られないタイプの英語併記標識(「出口速度 EXIT SPEED」など)が追加設置されている。
  20. ^ 沖縄自動車道全線開通30周年サイト
  21. ^ 高速自動車国道中央自動車道西宮線等に関する事業許可 別紙3「別紙3 料金の額及びその徴収期間」 (PDF, 423KB) - NEXCO西日本
  22. ^ 平成23年度高速道路の原則無料化社会実験計画(案) (PDF, 990KB) - 国土交通省、2011年2月9日
  23. ^ 沖縄自動車道における平成23年6月20日 - 6月30日の料金ご案内 - NEXCO西日本
  24. ^ 沖縄自動車道 那覇 - 許田間1,000円正式発表[リンク切れ] - 琉球新報、2011年6月9日
  25. ^ 沖縄自動車道への料金割引導入について(平成23年7月1日以降の料金ご案内) - NEXCO西日本
  26. ^ 沖縄自動車道:さらに1割引き決定 那覇-許田900円に[リンク切れ] - 琉球新報、2011年6月25日
  27. ^ [1]沖縄自動車道 那覇—許田間1000円正式発表 メディアジャム
  28. ^ 高速バスのうち、111番は高速道路上(またはIC出入口付近)の各停留所に停車する。117番は111番のうち、宜野座ICと金武ICを通過する(なお、111番は名護BT、117番は沖縄美ら海水族館経由ホテルオリオンモトブリゾート&スパ発着)。

参考文献[編集]

  • 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』日本実業出版社、2015年10月10日、初版。ISBN 978-4-534-05318-3。

関連項目[編集]