津軽鉄道線

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津軽鉄道線
Tsugaru Railway line 2010.JPG
岩木山をバックに走る津軽21形気動車
概要
起終点 起点:津軽五所川原駅
終点:津軽中里駅
駅数 12駅
運営
開業 1930年7月15日 (1930-07-15)
所有者 津軽鉄道
使用車両 津軽鉄道#車両を参照
路線諸元
路線総延長 20.7 km (12.9 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
電化 全線非電化
運行速度 最高70km/h[1]
路線図
津軽鉄道線路線図
津軽鉄道線路線図
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津軽鉄道線(つがるてつどうせん)は、青森県五所川原市津軽五所川原駅から青森県北津軽郡中泊町津軽中里駅までを結ぶ、津軽鉄道が運営する鉄道路線。運営会社を含め、地元での愛称・略称は津鉄(つてつ)[2]

津軽半島の中央部を南北に縦貫している。冬季には客車内の暖房石炭焚きのダルマストーブを用いる「ストーブ列車」が運行される。2019年現在、日本で唯一腕木式信号機が現役で使用されている営業路線であり、津軽五所川原駅・金木駅に設置されている。ただし場内信号機のみで、出発信号機はない。

観光客を含めた利用を促進するため、ストーブ列車以外に、夏季に「風鈴列車」、晩夏から初秋に「鈴虫列車」を運行している[3]。また列車に特別なヘッドマークを付けることもある(鉄道むすめ[4]、沿線に生家がある太宰治[5]など)。

路線データ[編集]

運行形態[編集]

2017年12月1日時点のダイヤでは、1時間あたり1本程度の間隔で、津軽五所川原駅 - 津軽中里駅間の通し列車が13往復、金木駅 - 津軽中里駅間の区間列車が2往復(うち、1往復は休日運休)設定されている。全列車が普通列車であるが、一部の列車は通過駅がある[6]。かつては、通過駅のある列車は「準急」となっていた[7]

基本的に津軽21形気動車1両によるワンマン運転が行われている。なお朝の通学時間帯は2両で車掌乗務となる列車がある。また毎年春に芦野公園で開催される「金木桜まつり」の時期には最大3両で運転する。

名物の「ストーブ列車」は冬ダイヤ期間中(12月1日 - 3月31日)に1日3往復(うち1往復は12月の平日を除く)運転される。機関車+オハ46形客車2両(乗車にはストーブ列車券が必要)+津軽21型1両の編成が基本だが、閑散期には機関車を省略して津軽21型と客車を1両のみ連結[8]する場合や機関車+客車1両+津軽21型1両の場合もある。なお「金木桜まつり」や「五所川原立佞武多」期間中にもオハ46を使用して運転されるが、ストーブは焚かれない。ただし毎年8月の「五所川原立佞武多」の時期に運転される「真夏のストーブ列車」(要予約)では、車内のストーブが焚かれる。

歴史[編集]

川部駅 - 五所川原駅間の鉄道を運営していた陸奥鉄道が国に買収され(現:JR五能線)、出資額の倍の支払いを受けた株主たちが次なる鉄道として計画した路線である。 改正鉄道敷設法では、中里からさらに小泊三厩(津軽半島の最北端)を経て青森へ至る計画があったが、青森駅 - 三厩駅間がJR津軽線として実現したにとどまっている。

利用状況[編集]

輸送実績[編集]

津軽鉄道線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

収入実績[編集]

津軽鉄道線の近年の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

営業成績[編集]

津軽鉄道線の近年の営業成績を下表に記す。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

戦前の輸送収支実績[編集]

  • 鉄道統計資料、鉄道統計、国有鉄道陸運統計各年度版

駅一覧[編集]

凡例
停車駅 … ●:全列車停車、◇:一部の列車が通過、◆:上りの最終列車のみ通過
駅名 営業キロ 通停 接続路線・備考 所在地
駅間 累計
津軽五所川原駅 - 0.0 東日本旅客鉄道五能線五所川原駅 五所川原市
十川駅 1.3 1.3  
五農校前駅 1.9 3.2  
津軽飯詰駅 1.0 4.2  
毘沙門駅 3.2 7.4  
嘉瀬駅 2.7 10.1  
金木駅 2.7 12.8 列車交換可能駅
芦野公園駅 1.5 14.3  
川倉駅 1.7 16.0  
大沢内駅 1.7 17.7   北津軽郡
中泊町
深郷田駅 1.3 19.0  
津軽中里駅 1.7 20.7  

その他[編集]

  • 車掌乗務列車では車内券(補充券)による乗車券の発売をしている。また、日中のワンマン運行時でもJR五能線からの乗り換え客がある列車では、運転室所属の係員が列車発車まで車内券で乗車券を発売する場合がある。
  • 北海道新幹線開業に合わせ同新幹線の奥津軽いまべつ駅と津軽鉄道線との間をDMVで接続する構想を持っていた[18]。しかし、既存の列車とDMVを安全に併用運行するシステムが開発されていないため、DMV導入を断念していたことが2014年6月に報じられている[19]。なお、北海道新幹線が開業する2016年3月26日から、北海道新幹線奥津軽いまべつ駅 - 津軽鉄道線津軽中里駅間に、1日4往復のバスの運行が開始された[20][21]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ 沿線の五所川原市と中泊町の職員による沿線活性化チーム名が「津鉄ア・モーレ」である。津軽鉄道活性化促進チーム「津鉄ア・モーレ」五所川原市(2019年4月10日閲覧)。
  3. ^ ストーブ列車津軽鉄道(2019年4月10日閲覧)。
  4. ^ 青森県内鉄道三社合同企画スタート津軽鉄道(2017年10月17日)2019年4月10日閲覧。
  5. ^ 青森・走れメロス『読売新聞』夕刊2019年2月2日(3面・県版王)。
  6. ^ 時刻表 - 津軽鉄道、2017年12月29日閲覧
  7. ^ 『JTB時刻表』2016年4月号、JTBパブリッシング、p.793
  8. ^ この場合は、津軽五所川原駅では、最初にストーブ列車を利用する一般客、次にストーブ列車を利用する団体客、最後にストーブ列車に乗らない乗客の順に改札を行う。
  9. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1928年2月16日国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1930年7月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1930年10月11日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1930年11月20日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ a b 『鉄道停車場一覧 昭和9年12月15日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  14. ^ a b 『地方鉄道及軌道一覧 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  15. ^ a b c d e f g h i 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』2号 東北、新潮社、2008年、p.46
  16. ^ 川倉駅の出典は、『金木郷土史』91頁「金木町の現況」より。
  17. ^ 『日本鉄道旅行地図帳』では五農校前駅は一野坪駅の改称として記載[15]
  18. ^ “JR北海道開発のDMVで青森観光 津軽鉄道が新幹線駅接続構想”. 北海道新聞. (2013年4月30日). オリジナルの2013年5月18日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20130518095925/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/462178.html 2016年3月1日閲覧。 
  19. ^ “津鉄、線路と道路走る車両断念”. 東奥日報. (2014年6月24日). オリジナルの2014年6月25日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140625203509/http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2014/20140624084129.asp 2016年3月1日閲覧。 
  20. ^ 北海道新幹線、奥津軽いまべつ駅からバス運行 青森の3市町が交通整備 - 産経フォトニュース・2016年2月12日配信
  21. ^ 奥津軽いまべつ駅前~中里駅前線の運行開始について - 弘南バス・2016年3月10日リリース

関連項目[編集]