満洲国臨時政府

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満洲国臨時政府
滿洲國臨時政府
Manchukuo Temporary Government
2004年 - 現在
満洲国の国旗 満洲国の国章
(国旗) (国章)
国の標語: 五族協和王道楽土
国歌: 満洲国国歌
公用語 日本語
首都 東京都足立区(本部所在地)
皇帝
2008年 - 2010年 愛新覚羅孝傑
2010年 - 2011年 愛新覚羅崇基
2011年 - 2015 李志栓
2015年 - 現在 愛新覚羅独立
主席
2010年 - 2011年 張少幇
2011年 - 2013年 ジョンソン・アダム・トニス
2013年 - 2015年 長谷川独立
2015年 - 現在 鈕牯錄少幇
変遷
建国 2004年
立憲君主制に移行 2008年

満洲国臨時政府(まんしゅうこくりんじせいふ、英称:Manchukuo Temporary Government)は、2004年香港で結成された満洲国亡命政府を自称する団体[1]。「満州国」ではなく「満洲国」が正しい表記とされる。書類上の本部所在地は日本東京都足立区千住曙町中華人民共和国からの満洲国独立を唱え反中国共産党活動を行なっているが、組織の実態や主張の信憑性については疑問視されている。

組織[編集]

満洲国臨時政府は皇帝、主席および内閣からなるとされ、台湾アメリカ日本ブラジルイタリアに支部があると主張している[2]。同政府はInternational Monarchist Conferenceのメンバーであり[3]代表なき国家民族機構への参加を模索しているという[1]。2010年5月20日に在日本満洲国臨時政府名誉領事館が改組されて駐日満洲国臨時政府大使館が発足し、特命全権大使に東條之人が就任したとされるが[4]、大使館の所在地は非公開となっている[5]

2008年に行われた選挙の結果、香港大学史学科の学生である愛新覚羅孝傑が皇帝に即位した。ただし孝傑の輩行字(名の初めの一字)である「孝」が愛新覚羅氏族譜と合わないことから、孝傑と愛新覚羅氏との関係は疑わしいとされる[1]。しかし同政府は孝傑と接触できない状態に陥ったとして2010年4月に二度目の選挙を実施し、愛新覚羅崇基が新たな皇帝に選ばれた[6]。その後2011年5月から2015年8月にかけては永暦帝の末裔を自称する李志栓が、同年8月以降は愛新覚羅独立が皇帝の地位にあるとされる。

財政[編集]

満洲国臨時政府の「中央銀行」は旧満州国の満州中央銀行を継承していると主張している。旧満州国圓USドルとの間に0.8の固定為替レートを有していると宣言しており、郵送での外貨両替サービスを提供している[7]2007年にはPayPalでの支払いによって身分証明書(3ドル)や仮想パスポート(8ドル)の発行を行っていた[7]。ウェブサイトにおいて満洲国の切手を販売していると主張しているが、明報のコラムニストが切手購入の可能性について問い合わせたところ、スポークスマンは売り切れであると述べた[6]。2008年2月、香港証券先物取引委員会英語版ギリシャ資本市場委員会英語版スペイン証券取引委員会英語版は、満洲国臨時政府中央銀行はそのような投資サービスを提供する主体として許可されている訳ではないと強調する公的警告を発した[8][9]

反応[編集]

満洲国臨時政府は2009年に行われた台湾の総選挙に関連して、当時中国国民党の秘書長であった満洲民族金溥聰英語版が遠戚関係にあるかもしれないと時折メディアに注目され、金自身が密偵の一人なのではないかなどと冗談交じりに示唆されることもあった[1][10]。インターネットユーザーは満洲国臨時政府のウェブサイト全体を集金目的の詐欺ではないかと疑っている[1]

ウォーリック大学Shaun Breslinと共に中国のナショナリズムについて研究した経歴を持つ香港教育学院の沈旭暉もまた、同政府のウェブサイトおよび満洲国復活の企てに対して疑問を表明している。沈は、満洲国を自分たちの国家だと感じているのは中国人や満洲人でなくむしろ日本人であると指摘した[6]。また別のニュースコメンテーターは同様に、日本帝国主義がこのウェブサイトの背後にいるのではないかと示唆した。一方で沈はまた、これらのウェブサイトは全て悪ふざけで作られたパロディーであるかもしれないとも述べている [11]

2011年3月にはNOWnewsの客員コラムニストは台湾独立に関する別の議論の最中に、満洲国臨時政府を「中国東北部の人々の恥」と呼んだ[2]ダライ・ラマチベット独立運動の支持や、北京オリンピックの妨害を主張する同政府は、中国のインターネットユーザーの怒りをもたらした[1]。インターネットフォーラムでは、川島芳子の甥であると主張される川島志明および満洲国臨時政府の首相がパプアニューギニアにいる陳水扁のため、同所の華僑に対する暴力を扇動する密偵として働いているという噂が流布している[12]

歴史[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f “滿洲國復辟? 金溥聰有個族人自封是皇帝 [Manchukuo restored? King Pu-tsung has a clansman who proclaimed himself emperor]”, NOWNews, (2009-12-10), http://www.nownews.com/2009/12/10/91-2544538.htm 2011年9月26日閲覧。 
  2. ^ a b 阿修伯 (2011-05-25), “聲討賤性台獨、賤性滿獨 [Denounce Taiwanese independence and Manchukuo independence]”, NOWNews, http://www.nownews.com/2011/05/25/142-2713390.htm 2011年9月26日閲覧。 
  3. ^ “愛新覺羅的國仇家恨! [Aisin Gioro's national enmity and personal hatred!]”, 南方快報, (2009-12-15), http://www.southnews.com.tw/polit/polit_00/13/02407.htm 2011年9月26日閲覧。 
  4. ^ 駐日満洲国臨時政府大使館公式サイト 活動記録(2014年6月閲覧)
  5. ^ 駐日満洲国臨時政府大使館のTwitter : "当大使館の所在地は防聴上の理由により非公開となっております。"
  6. ^ a b c 沈旭暉 [Shen Xuhui] (2010-05-09), “從互聯網「滿洲國皇帝全民直選」談起 [Regarding the internet "Manchukuo Emperor election"]”, 明報, http://dailynews.sina.com/bg/news/int/mingpao/20100509/16211427138.html 2011年9月26日閲覧。 
  7. ^ a b “騎呢滿洲國護照 8美元一本 [Funny Manchukuo passports, US$8 each]”, 蘋果日報 (香港), (2007-07-03), http://hk.apple.nextmedia.com/template/apple/art_main.php?iss_id=20070703&sec_id=4104&art_id=7279900 2011年9月26日閲覧。 
  8. ^ Εταιρειεσ μη εχουσεσ αδεια παροχησ επενδυτικων υπηρεσιων βασει σχετικων προειδοποιησεων (public warnings) ξενων εποπτικων αρχων, Hellenic Capital Market Commission, http://www.hcmc.gr/photos/warnings/files/Foreign_warnings.pdf 2011年9月26日閲覧。 
  9. ^ “CNMV advierte tres compañías Hong Kong podrían dar servicios sin autorización”, Estrategias de inversión, (2008-03-06), http://www.estrategiasdeinversion.com/noticias/cnmv-advierte-tres-companias-hong-kong-podrian-dar-servicios-sin 2011年9月26日閲覧。 
  10. ^ “金溥聰是超極震撼彈 [King Pu-tsung's a real shocker]”, NOWNews, (2009-12-17), http://www.nownews.com/2009/12/17/142-2547247.htm 2011年9月26日閲覧。 
  11. ^ 沈旭暉 [Shen Xuhui] (2010-05-16), “「太平洋滿洲獨立基地」——網絡稻草人的故事 ['Pacific Manchuria Independence Base' an internet scarecrow story]”, 明報, http://dailynews.sina.com/bg/news/int/mingpao/20100516/14421446747.html 2011年9月26日閲覧。 
  12. ^ 沈旭暉 [Shen Xuhui] (2010-05-13), “「滿洲國」參與巴布亞新畿內亞排華? ["Manchukuo" joined anti-Chinese activities in Papua New Guinea?]”, 明報, http://dailynews.sina.com/bg/news/int/mingpao/20100513/14311440178.html 2011年9月26日閲覧。 
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