滝村隆一

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滝村 隆一[1](たきむら りゅういち、1944年昭和19年〉 - 2016年)は在野にして独学の政治学徒。

年譜[編集]

1944年岡山県倉敷市生まれ。埼玉県立浦和高等学校1970年法政大学社会学部応用経済学科卒業。

1967年「二重権力論」(『試行』21号)を発表。吉本隆明主宰の不定期雑誌『試行』を主要な論文発表の舞台とする。1969年『革命とコンミューン』(イザラ書房1976年新版)、1971年『マルクス主義国家論』(三一書房1974年増補版)、1973年『北一輝』日本の国家社会主義(ISBN 4326150203 勁草書房)出版。

その後、実証史学の業績を踏まえた歴史理論的研究へと進み、「アジア的国家の論理構造」(『展望』1976年3月号)などの歴史理論的諸論文を発表。その成果の一部は、1978年『アジア的国家と革命』(三一書房)、1981年『国家の本質と起源』(勁草書房)に収録されている。

1970年代後半、「国家論大綱」の骨格を組み上げる理論的作業を開始。1980年『唯物史観と国家理論』(三一書房)、『国家の本質と起源』で、「三権分立」「統治」「行政」という「国家論大綱」の最重要概念の原型を提出する。

1980年代に入り、先行学説批判を展開。1982年『国家論を巡る論戦』(ISBN 4326350342)、丸山眞男批判の2冊1984年『ラスウェルと丸山政治学』(ISBN 4326350458)・1987年『ヴェーバーと丸山政治学』(ISBN 4326350709)(いずれも勁草書房)、単行本未収録の社会史批判「流行の社会史とはなにか」(『史潮』24号 1988年11月号)「マルクス主義の方法的解体」(『試行』72号)など

1992年『「世紀末」時代を読む』(ISBN 4393331281 春秋社 芹沢俊介との対談)、1996年『ニッポン政治の解体学』(ISBN 4788796341 時事通信社)で、時代情況論・時事評論的な活動も展開。

2003年、これまでの理論的成果を踏まえた体系的著述『国家論大綱第一部(権力と国家の基礎理論)』(勁草書房)を出版。

2016年没

交流[編集]

滝村は、政治学法学の世界では無視黙殺されているが、東洋史日本史の人間とは交流がある。明治維新史の原口清、中国近代史の小林一美、インド中世史の佐藤正哲、考古学者寺沢薫など。1970年代前半までは三浦つとむと親密な関係にあり、英語学者の宮下眞二との交流もあった。武道家・武道理論家の南郷継正とも交流があった。

国家論大綱[編集]

外部リンク

滝村国家論[編集]

国家本質論

  • <共同体-内-国家>:狭義の国家=国家権力
  • <共同体-即-国家>:広義の国家=国家

滝村国家論における唯物史観[編集]

社会(国家)が「世界史的」な発展をしてきたことをさす。 概ね次のように発展してきたとする。

  • <アジア的> 発展段階
  • <古代的> 発展段階
  • <中世的> 発展段階
  • <近代的> 発展段階

なお、近代的発展段階に至って初めて、国家が支配権力、被支配権力から独立した第三権力の国家として完成したとする。

ただし、これは社会科学に必要な社会発展の一般史であって、具体的な個別の国家の発展史ではない。 また、未来の社会を予測するものでもない。

その他[編集]

  • 戦時国家体制(根本理念、国民社会統制、統治形態、社会構成、歴史的原型)
    • ファシズム国家
  • マルクス主義国家死滅論の解体
  • 社会主義専制国家論
  • 自由民主党の派閥論

脚注[編集]

  1. ^ 本名・深谷直人。『唯物史観と国家理論』(三一書房、1980年)奥付ページの著者略歴。

関連(滝村国家論の定義とは異なる)[編集]