災害食

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災害食(さいがいしょく)は、災害等の非常事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧のこと[1]災害対応品の略で非常食よりも広く、日持ちのする日常食を非常食としても使おうという概念[1]

災害発生時に必要な食料[編集]

災害を想定していくつかの段階に分けて考える[2]。水は全ての段階において必要で、飲料水として1リットル/人日[3]、調理や飲用以外を含めると 3リットル/人日とされる[3][4]。また、食料を提供する側には、乳幼児、嚥下困難者、アレルギー、疾病制限食等への対応が求められる[2]

災害発生から数日以内[編集]

公的物資の配給開始までの最低でも3日分から1週間分が必要[3]。調理器具、ライフラインが使用できない状態を想定し、備蓄食料が主体となる[3]

  • 避難先や自宅
カロリー摂取に主眼を置いた高カロリー、高栄養食。
  1. 非加熱でも食べられる。
  2. 調理に水分を必要としない。
  3. 包装を開けすぐ食べられる。

数日から1か月[編集]

加熱調理用の熱源が確保でき、簡易な調理器具は使用可能。備蓄食料と配給食料が主体となる[3]。ライフラインは一部が復旧。

  • 避難先や自宅または仮設住宅
栄養バランスを考慮したもの、特にタンパク質不足に対応。

1か月以降[編集]

ライフラインは概ね復旧、調理器具は使用可能。

  • 避難先や自宅または仮設住宅
配給食 + 自己調達
栄養バランスを考慮したもの、特にタンパク質、ビタミン、ミネラル不足に対応。

災害食の認証制度[編集]

保存性のある食料品を製造する一部の業者等によって構成される日本災害食学会を標榜する団体は、「備蓄倉庫の食材は、消費者が消費を伴わないままにストックだけされる物量が多いため、消費者のクレームに晒される機会が少なく、商品欠陥が表面化しない問題が潜在的にあった」との主張によって市場の不安を扇動し、「加工食品として販売される災害食に関して、その性能が商品包装の説明表示の通りに担保され、災害時の食対応に十分な機能を発揮するかどうかを検証する」ことが目的であると称し、半ばマッチポンプ的に団体独自の認証基準を設けて認証活動を行っている。

同認証制度は、団体への加盟の有無を問わず、審査の申請のあったメーカーの特定商品に対し、審査料として1品目につき5万円を支払い、認証基準を満たしたと確認され、さらに登録料として1品目につき5万円を支払うことにより、その旨を認証ロゴの発給を通じて証明する制度であるとしている[5]

官公庁等の行政機関や自治体等の公共団体による災害用備蓄食料の調達は纏まった数量の取引が期待できるが、物品の調達は金額により随意契約や入札となる。競争入札においては応札業者間で納入額を競り合う性質上、購入品目には一定の基準を定めた仕様書なる規格を設ける場合がある。

この官公庁や自治体等が災害備蓄用食料を調達する際に、入札公告の仕様書等に同団体の認証品であることを条件として書き加えることにより、応札品を取得業者の製品に限定できることから、同団体の加入業者のなかには、いわゆる入札の「縛り」として利用するために加入していると語る業者もある。

同団体では発行する雑誌をレフリー付きであるとしつつも、実際には原著論文が事例報告程度の内容であったり、新規性や独自性が疑問視されるような内容も散見される。また、投稿時に執筆者が特定の査読者を指名できることから、いわゆるハゲタカジャーナルハゲタカ学会なのではとの指摘もある。

近年では、フードロスの観点からも備蓄食料の廃棄をなくす動きもあり、「消費者が消費を伴わないままにストックだけされる物量が多い」との主張は前時代的であるとの見方もある。

備蓄[編集]

特定の食を必要とする者への配慮[編集]

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b 中沢孝、別府茂、「非常食から被災生活を支える災害食へ」 科学技術動向 科学技術動向. 2012, 128, p.20-34, hdl:11035/2292
  2. ^ a b 災害時の栄養・食生活支援マニュアル 平成23年4月 日本栄養士会、国立健康・栄養研究所
  3. ^ a b c d e 緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド 農林水産省 大臣官房政策課食料安全保障室
  4. ^ コラム 災害食の選び方 ~ポイントとコツ~ NHK そなえる 防災
  5. ^ 日本災害食認証制度日本災害食学会 2017年4月6日閲覧。

関連項目[編集]