烏山頭ダム

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座標: 北緯23度12分20.5秒 東経120度23分24.88秒 / 北緯23.205694度 東経120.3902444度 / 23.205694; 120.3902444 (烏山頭ダム)

烏山頭ダム

Coral Lake Tainan from airplane window.JPG
全景
烏山頭水庫內深處二.jpg
珊瑚湖

烏山頭ダムの位置(台南市内)
烏山頭ダム
烏山頭ダムの位置(台湾内)
烏山頭ダム
所在地 台湾 台南市 官田区
位置 東経120度22分11秒 北緯23度12分11秒
河川 曽文渓水系官田渓
ダム湖 珊瑚潭(満水位面積9.54km2)
ダム諸元
ダム型式 ロックフィルダム
堤高 66.66 m
堤頂長 1,273 m
堤体積 11,020,928
湛水面積 1,300.0 ha
総貯水容量 154,158,000 m³
有効貯水容量 79,816,000 m³
利用目的 農業用水
事業主体 台湾総督府
着手年/竣工年 1920年/1930年
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烏山頭ダム
各種表記
繁体字 烏山頭水庫
簡体字 乌山头水库
拼音 Wūshāntóu Shuĭkù
注音符号 ㄨ ㄕㄢ ㄊㄡˊ ㄕㄨㄟˇ ㄎㄨˋ
発音: ウーシャントウ シュイクー
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烏山頭ダム(うさんとうダム)は、台湾台南市官田区に位置するダムである。旧称は烏山頭貯水池で、建設を監督した水利技術者の八田與一の名に因んで八田ダムの名でも知られる。海抜468mの烏山嶺に位置し、水力発電設備を有す。上空からは緑色の珊瑚のように見えるため、ダム湖は珊瑚湖と称されている。

アメリカフーバー・ダムが完成するまでは世界最大のダムであった。2001年台湾十大土木史蹟選定[1]

概要[編集]

烏山頭ダムは、1920年に着工し1930年に完成した嘉南大の重要な水利工事の一つであり、台湾初期のダムの一つである。計画は日本人技術者の八田與一の手により策定され、嘉南平原農業灌漑を主目的として建設された。ダムは曽文渓支流の官田渓上流に位置し、台南県官田郷六甲郷大内郷東山郷にまたがる低地を利用し、大埔渓を集水している。下流に曽文ダムが完成してからは相互補完して運用されている。建設工事には大倉土木(現在の大成建設)を主とし、鹿島組(現在の鹿島建設)、住吉組、黒板工業の各社が参画した。建設途中の大正11年には爆発事故で50人余りの死者、100人余りの負傷者を出している。

八田は、ダム建設に際して作業員の福利厚生を充実されるため宿舎・学校・病院なども建設した。だが、爆発事故の翌年には関東大震災が起こり予算削減の為に作業員を解雇しなければならなかった。八田も有能な者はすぐに再就職できるであろうと考え、有能な者から解雇する一方で再就職先の世話もした[2]

ダム施設諸元[編集]

嘉南農田水利会の資料[3]及び烏山頭水庫水門操作規定[4]よりダム施設の主な諸元を次に示す

  • ダム湖
集水面積 58.24km2
満水位面積 9.54km2
常時満水位 58.18m
最低水位 31.20m
総貯水容量 154,158,000m3
有効貯水容量 79,816,000m3 (民国99年測)
  • 堤体(大壩)
半水力式アースダム(半水力式土壩)
堤高 66.66m
堤長 1,273m
堤頂幅 9m
堤底幅 303m
堤体積 5,400,000m3
  • 洪水吐(溢洪道)
越流堰高 58.18m
越流堰幅 124m
水路出口幅 18m
水路全長 636m
設計流量 1500m3/sec(水位・流量曲線より水位=約62m時の流量)
  • 旧放流ゲート施設(舊送水口)
取水塔 12角形RC, 塔高 14.85m, 内径 8.48m
取水トンネル 馬蹄形RC, 全長 154.54m, 幅 7.58m, 高 7.88m
取水管及び取水バルブ 内径 2.73m×2条管, φ2.73mバタフライ弁(蝶形閥)×2基
流量調節バルブ ニードル弁(針閥)×6基, 設置標高32.88m(No.1,3,4,6) 29.0m(No.2,5)
最大放水量 62m3/sec
1930年竣工
操作規定によれば、新放流ゲート施設を優先稼働し、利水需要が上回った場合に旧放流ゲート施設を稼働させることになっている
  • 新放流ゲート施設(新送水口)
取水塔 直立式, 全長 30m, 幅 25.4m, 高 27.5m, 取水水位(上段 48m, 下段 40m)
最大取水量 90m3/sec
取水口水門 4門 幅 4m×高 4.2m
取水管 内径4.1m(放水口φ3.8m×1本と水力発電φ3.6m×1本に分岐)
放水管 φ1.9m×3条, ゲート弁(環閘閥)×3基
流量調整バルブ ホロージェット弁(空注閥)×3基, 設置標高 30.5m
最大放水量 30m3/sec×ホロージェット弁3基
1997年竣工
出力 8.75 kW
年平均発電量 42,170,000 kWh
2002年竣工
  • 西口水力発電所(西口水力發電廠)[6]
出力 11.52 kW
年平均発電量 42,000,000 kWh
2007年竣工
取水 烏山頭水庫の竹仔坑抽水站より設計取水量245,000m3/日
1975年竣工

世界遺産登録[編集]

「烏山頭ダム水利システム」として世界遺産に登録しようとする活動がある。

烏山頭水庫風景区[編集]

1969年、嘉南農田水利会(水利組合)がダム資源を観光に活かすために烏山頭風景区を設立した[8]。1979年には省級風景特定区に指定され、現在は西拉雅国家風景区中国語版の一施設として管理されている。入場可能な主な施設には次のようなものがある。

烏山頭水庫風景区
  • 八田技師紀念室
  • 大壩石堤(堰堤)
  • 溢洪道(洪水吐き)
  • 舊送水站(旧制水門・取水設備)
  • 火車頭(石材輸送に使われた蒸気機関車)
  • 八田與一銅像
  • 殉工碑
  • 天壇公園
  • 露営区(キャンプ場)
八田與一記念公園区
  • 八田宅、市川及田中宅、赤堀宅、阿部宅(2009年に修復された和風建築)

烏山頭水庫風景区は年中無休で入場料金は大人200台湾元(2019年現在)である。ただし、園内一部施設はそれぞれ定休日等が設定されている場合がある。

交通[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ (繁体字中国語)陳振川 (2001年12月1日). “尋找十大土木史蹟與史蹟作品競賽—成果揭曉”. 台灣省土木技師公會 技師報260期. 2014年1月1日閲覧。
  2. ^ 日本と台湾の架け橋となった 八田 與一
  3. ^ 烏山頭水庫水源輻射汚染加強監測軽量
  4. ^ 法規資訊 烏山頭水庫水門操作規定
  5. ^ 嘉南農田水利會 烏山頭水力發電廠
  6. ^ 嘉南農田水利會 西口水力發電廠
  7. ^ 台湾自来水公司 烏山頭淨水場
  8. ^ 風景區之設立沿革:『民國58年2月17日嘉南農田水利會始成立烏山頭風景區,開辦觀光事業並開放供遊客休憩收取門票。』[1]