琴ノ若傑太

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基礎情報
四股名 琴ノ若 傑太
本名 鎌谷 将且
生年月日 (1997-11-19) 1997年11月19日(22歳)
出身 千葉県松戸市
身長 188.0cm
体重 173.0kg
BMI 48.95
所属部屋 佐渡ヶ嶽部屋
得意技 右四つ、寄り、押し
成績
現在の番付前頭18枚目
最高位前頭18枚目
生涯戦歴 134勝88敗(27場所)
幕内戦歴 9勝6敗
優勝 序ノ口優勝1回
データ
初土俵 2015年11月場所
入幕 2020年3月場所
趣味 音楽鑑賞[1]
備考
史上初の3代幕内
2020年3月22日現在
テンプレート  プロジェクト 相撲

琴ノ若 傑太(ことのわか まさひろ、1997年11月19日 - )は、千葉県松戸市出身で、佐渡ヶ嶽部屋に所属している現役大相撲力士。本名は鎌谷 将且(かまたに まさかつ)。身長188.0cm、体重173.0kg[2]血液型はAB型[3]。得意技は右四つ、寄り、押し[2]。最高位は東前頭18枚目(2020年3月場所)。父は元関脇・初代琴ノ若(13代佐渡ヶ嶽親方)、母方の祖父は第53代横綱・琴櫻(12代佐渡ヶ嶽親方)。

現在の四股名は、2019年7月場所の新十両昇進に合わせて改名したもので、父親の現役時代の四股名である「琴ノ若」を継承するとともに、祖父琴櫻傑將の四股名からも「傑」の一字を取ったものである[4] 。それ以前は本名に佐渡ヶ嶽部屋伝統の琴の通字を冠した「琴鎌谷 将且(ことかまたに まさかつ)」の四股名で土俵を務めていた。

来歴[編集]

大相撲入門前[編集]

1997年11月19日、当時現役の幕内力士だった琴の若(当時)の長男として誕生。当日は11月場所の11日目だった。幼少期から祖父の琴櫻に相撲の基本を叩き込まれ[5]、5歳から地元の相撲道場(柏少年相撲教室)に通った[1]。松戸市立松飛台小学校を卒業後は親元を離れて埼玉栄中学校へ進学した[1]。当初は中学卒業後の大相撲入りを考えていたが、中学卒業時点では大相撲で通用する自信を持てなかったため[6]埼玉栄高校普通科スポーツコースに進学した[1]。高校では3年次に主将を務め[7]全国高等学校総合体育大会相撲競技大会を団体優勝に導き、世界ジュニア相撲選手権大会では団体戦と個人戦(重量級)で優勝した[1]

大相撲入門後[編集]

高校卒業後の進路は、大相撲入りを選択した。在学中の2015年10月6日に、父親が師匠を務める佐渡ヶ嶽部屋への入門を発表し[8]、同年11月場所で初土俵を踏んだ[9]。四股名は本名に佐渡ヶ嶽部屋伝統の琴の字を冠した「琴鎌谷 将且」で、前相撲は3連勝だった[1]新序出世披露では、後援者の要望を受けて父親である初代・琴ノ若の現役時代に使用していた化粧廻しを締めた[10]

初めて番付に名前が載った2016年1月場所は、7戦全勝で序ノ口優勝とした[11]。翌3月場所で序二段に昇進し、6勝1敗。同年5月場所と7月場所は三段目で相撲を取り、9月場所からは幕下に昇進。2017年3月場所で三段目落ちを経験したが、翌5月場所で幕下に復帰した。2019年5月場所では十両が目前の東幕下2枚目まで番付を上げて、3連勝3連敗から勝ち越しの4勝目を挙げた[12]。場所後の番付編成会議において、7月場所での新十両昇進が決まり、合わせて、父親の現役時代の四股名である「琴ノ若」を襲名することとなり[13]、襲名と同時に本名の「将且」から、祖父の琴櫻が名乗っていた「傑將」から一字を取り「傑太(まさひろ)」に改名することとなった[4]。祖父、父親、子と3世代で関取になった例は史上初(ただし祖父と父は養子縁組関係)[14]

新十両(西十両14枚目)で迎えた2019年7月場所は、12日目までに5勝7敗と後がなくなった状況から3連勝し、千秋楽で勝ち越しを決めた[15]。その後も順調に勝ち越しを続け、2020年1月場所にて西十両2枚目で8勝7敗の成績を残すと、翌3月場所にて新入幕を果たし、新十両から所要4場所で十両を突破した[16]。新入幕時の番付は幕尻の東前頭18枚目で、前頭に18枚目が載るのは19枚目まであった1959年9月場所以来61年ぶりのことである[17]。またこの新入幕は、2014年5月場所の佐田の海に続く、史上9組目・12人目の親子幕内記録となった[18]

新入幕場所直前の3月4日には部屋に出稽古に来た錦木らと計10番取って7勝3敗と概ね好調である事を示した[19]。迎えた3月場所は9日目まで7勝2敗と勝ち越し目前にこぎ着けながら、そこから4連敗を喫したが、14日目に錦木を上手出し投げで破り、祖父琴櫻・父琴ノ若も果たせなかった新入幕場所での勝ち越しを決めた[20]

取り口[編集]

右四つに組み止め、恵まれた体格を活かして寄る師匠・父の初代琴ノ若譲りの取り口を基本とするが[18]、リーチを活かした押し相撲も苦にしない[21]。一方、師匠からは新十両や新入幕の際、相撲が大人しいと評され、立ち合いの厳しさや攻める相撲が必要と指摘されている[22][23]

非常に体質が柔軟であり、2020年3月場所で対戦した千代大龍は「かち上げにいったけど柔らかくて芯を捉えられなかった。白鵬関みたいな感じ。白鵬関に失礼だけど、白鵬関の次くらいに、当たっても押し込めない」と感想を述べていた[24]

エピソード[編集]

  • 初代琴ノ若の現役最後の取組は、2005年11月場所12日目の駿傑戦であったが、当時8歳の鎌谷将且少年は家族と共に福岡国際センターでこの取組を観戦していた。現役を引退し、年寄・佐渡ヶ嶽を襲名した父親からは、将来琴ノ若を継承するように言われており、父親の引退に立ち会った経験から「次は自分だ」との思いを持つようになった[6]。初代琴ノ若の引退相撲は翌2006年に行われたが、この時に琴ノ若の最後の対戦相手を務めた[25]
  • 四股名については、初土俵時は本名に由来する「琴鎌谷」となったが、三段目に昇進すれば父親の「琴ノ若」を継承する予定で、大関に昇進すれば祖父の「琴櫻」を継承する意向を持っていた[26]。しかし、実際には三段目昇進時には改名をせず、「琴鎌谷」のまま土俵を務め、新十両となる2019年7月場所から琴ノ若に改名した。
  • 幼少期の相撲大会で初めてメダルを獲得した際、それが2位の選手に渡される銀メダルであったため、祖父の琴櫻から「1位じゃないと意味がない。金メダル獲ってこい」と突き放された。十両昇進時、本人はこれを忘れられない言葉として挙げている[14]
  • 2019年12月23日、祖父の琴櫻の出身地である倉吉市から化粧廻しが贈呈された[27]

主な成績[編集]

2020年3月場所終了現在

  • 通算成績:134勝88敗(26場所)
  • 幕内成績:9勝6敗(1場所)
  • 十両成績:35勝25敗(4場所)

各段優勝[編集]

  • 序ノ口優勝:1回(2016年1月場所)

場所別成績[編集]

琴ノ若 傑太
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2015年
(平成27年)
x x x x x (前相撲)
2016年
(平成28年)
東序ノ口20枚目
優勝
7–0
東序二段10枚目
6–1 
東三段目49枚目
5–2 
西三段目24枚目
5–2 
西幕下59枚目
5–2 
東幕下43枚目
3–4 
2017年
(平成29年)
東幕下50枚目
3–4 
西三段目3枚目
5–2 
東幕下46枚目
4–3 
西幕下36枚目
2–5 
西幕下53枚目
4–3 
東幕下45枚目
5–2 
2018年
(平成30年)
西幕下27枚目
3–4 
西幕下36枚目
4–3 
東幕下28枚目
4–3 
東幕下19枚目
4–3 
東幕下15枚目
4–3 
東幕下9枚目
3–4 
2019年
(平成31年
/令和元年)
東幕下14枚目
5–2 
西幕下5枚目
5–2 
東幕下2枚目
4–3 
西十両14枚目
8–7 
東十両11枚目
9–6 
西十両7枚目
10–5 
2020年
(令和2年)
東十両2枚目
8–7 
東前頭18枚目
9–6 
x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴[編集]

  • 琴鎌谷 将且(ことかまたに まさかつ)2015年11月場所 - 2019年5月場所
  • 琴ノ若 傑太(ことのわか まさひろ)2019年7月場所 -

メディア出演[編集]

テレビ番組[編集]

  • やままる(2020年3月6日、NHK山形

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2015年12月号(九州場所総決算号) 108頁
  2. ^ a b 琴ノ若 傑太 - 力士プロフィール”. 日本相撲協会公式サイト. 2020年2月25日閲覧。
  3. ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2018年5月号(夏場所展望号)別冊付録 平成30年度版 最新部屋別 全相撲人写真名鑑 24頁
  4. ^ a b 新十両の琴鎌谷が琴ノ若継承「しこ名に恥じぬよう」”. 日刊スポーツ (2019年5月29日). 2019年5月29日閲覧。
  5. ^ “季節外れの大型新弟子!佐渡ケ嶽親方の長男、話題の初土俵になりそう”. SANSPO.COM. (2015年10月8日). https://www.sanspo.com/etc/news/20151008/amk15100805000001-n1.html 2018年8月28日閲覧。 
  6. ^ a b “鎌谷将且、2人の「おやじ」に背中押され角界へ”. 日刊スポーツ. (2015年10月30日). https://www.nikkansports.com/battle/column/sumo/news/1559524.html 2018年8月28日閲覧。 
  7. ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2016年2月号(初場所総決算号) 69頁
  8. ^ “佐渡ケ嶽部屋に“帰郷”した17歳・鎌谷、息子から弟子になる覚悟”. スポニチアネックス. (2015年10月15日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/10/15/kiji/K20151015011324660.html 2018年8月28日閲覧。 
  9. ^ “野田頭(本籍六ケ所)ら4人新弟子検査合格”. 東奥日報. (2015年11月9日). https://www.toonippo.co.jp/articles/-/7472 2018年8月28日閲覧。 
  10. ^ “琴鎌谷が父の化粧まわしで出世披露”. デイリースポーツ. (2015年11月15日). https://www.daily.co.jp/newsflash/general/2015/11/15/0008568246.shtml 2018年8月28日閲覧。 
  11. ^ “佐渡ケ嶽親方の長男琴鎌谷が序ノ口優勝「関取狙う」”. 日刊スポーツ. (2016年1月22日). https://www.nikkansports.com/battle/sumo/news/1595334.html 2018年8月28日閲覧。 
  12. ^ 横綱DNA持つ琴鎌谷、重圧から逃げず新十両に前進」『日刊スポーツ』、2019年5月25日。2019年5月26日閲覧。
  13. ^ “琴ノ若が10組目の親子関取に 名古屋場所の新十両”. デイリースポーツ. (2019年5月29日). https://www.daily.co.jp/general/2019/05/29/0012375234.shtml 2019年5月29日閲覧。 
  14. ^ a b 史上初「3世代」で関取 2代目琴ノ若、父のしこ名継承 Sponichi Annex 2019年5月30日 05:30(2019年12月12日閲覧)
  15. ^ 新十両・琴ノ若、15番は「7回負けられる」3連勝で勝ち越し/名古屋場所”. サンケイスポーツ (2019年7月21日). 2020年2月25日閲覧。
  16. ^ 新入幕 琴ノ若 元横綱 琴櫻の祖父と佐渡ヶ嶽親方の父越え誓う”. NHK NEWS WEB (2020年2月24日). 2020年2月25日閲覧。
  17. ^ 琴ノ若22歳 史上9組目の父子幕内誕生!デビューから4年“幕尻”前頭18枚目から土俵沸かす”. スポーツニッポン (2020年2月25日). 2020年2月25日閲覧。
  18. ^ a b 史上9組目の親子幕内が誕生 琴ノ若、まずは三賞狙う 祖父は横綱、父は関脇”. 毎日新聞 (2020年2月25日). 2020年2月25日閲覧。
  19. ^ 新入幕の琴ノ若、無観客開催も「やれることしっかりやって場所に臨むだけ」 SANSPO.COM 2020.3.4 15:55(2020年3月7日閲覧)
  20. ^ 琴ノ若 父もできなかった新入幕での勝ち越し 兄弟子に感謝”. スポーツニッポン (2020年3月22日). 2020年3月22日閲覧。
  21. ^ 十両かけた争いが熱い 朝青龍の甥の豊昇龍ら幕下上位に注目株ずらり”. イザ!(産経デジタル) (2019年5月11日). 2020年2月25日閲覧。
  22. ^ 祝 十両昇進! 琴ノ若関(佐渡ヶ嶽部屋)が市役所を訪問”. 松戸市 (2019年6月15日). 2020年2月25日閲覧。
  23. ^ 琴ノ若「少しは親孝行」 大相撲”. 時事ドットコムニュース (2020年2月24日). 2020年2月25日閲覧。
  24. ^ 白鵬ばりに柔らかい琴ノ若が祖父&父超えへ2敗守る 日刊スポーツ 2020年3月15日20時47分(2020年3月29日閲覧)
  25. ^ “元関脇・貴闘力、琴ノ若の息子が揃って名門高校相撲部に入門”. NEWSポストセブン. (2013年4月17日). https://www.news-postseven.com/archives/20130417_182850.html 2018年8月28日閲覧。 
  26. ^ “佐渡ケ嶽親方の長男・鎌谷が新弟子検査”. デイリースポーツ. (2015年10月28日). https://www.daily.co.jp/newsflash/general/2015/10/28/0008518909.shtml 2018年8月28日閲覧。 
  27. ^ 琴ノ若関に化粧まわし 琴桜出身の倉吉市から 日本海新聞 2019年12月24日(2019年12月26日閲覧)

関連項目[編集]