男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
朝間義隆
原作 山田洋次
製作 島津清
佐生哲雄
出演者 渥美清
いしだあゆみ
柄本明
片岡仁左衛門
音楽 山本直純
撮影 高羽哲夫
編集 石井巌
配給 松竹
公開 日本の旗 1982年8月7日
上映時間 110分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 10億4000万円[1]
前作 男はつらいよ 寅次郎紙風船
次作 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
テンプレートを表示

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』(おとこはつらいよ とらじろうあじさいのこい)は、1982年8月7日に公開された日本映画。『男はつらいよ』シリーズの29作目。

作品概要[編集]

控えめに見えるが情熱を秘めた大人の女性(いしだあゆみ)から好意をもたれた寅次郎(渥美清)。他人に誠実であること、自身の心に嘘をつかないこと。一緒のようでいて社会の上では折り合いのつかない二つの問題に挟まれた男の答えは。

浅草軽演劇の渥美、新宿演劇の流れを汲む柄本明、歌手から大女優へ成長したいしだなど異色の組み合わせだが、客演に迎えた片岡仁左衛門 (13代目)の存在が大きい。山田洋次監督は情熱と雅量を持つ名優に憧れていたとされ、100年インタビュー(NHKデジタル衛星ハイビジョン2007年11月15日放送)でも十三代目の佇まいに感動した様子を語っている。また、タイトルバックの江戸川沿いのセリフのないーンの常連だった津嘉山正種が「寅次郎ハイビスカスの花」に続いて本編に登場した。

恋の病で寅次郎が寝込んだ際の源公のお見舞い袋には「源吉」と書かれている。

後の『男はつらいよ 寅次郎紅の花』では満男と寅次郎の会話のやりとりでかがりの事が言及されている。

本作には、いままでのシリーズの「お約束」を裏切るような、微妙なオリジナル展開が多数、演出されている。

あらすじ[編集]

寅次郎が見た夢では、寅次郎は旅の絵描き。貧乏なさくら一家に泊めてもらったお礼に、ふすまに絵を描いたところ、翌朝、その絵から雀(アニメーションで表現)が飛び出し、一家は見物客で裕福になる(落語「抜け雀」に似たお話)。

京都へ旅に来ていた寅次郎。そこで寅次郎は、京都名物の葵祭で老人加納(片岡仁左衛門)と知り合う。当代屈指の陶芸家で人間国宝でもある老人の家を訪ねてみると、そこには、かがり(いしだあゆみ)という名の、実家に娘をあずけている未亡人が働いていた居た。美人を見るとたちまち自制心を失う寅次郎は、影のあるかがりに夢中になる。

そこに、加納の独立した弟子の蒲原が訪ねてきた。蒲原がかがりと結婚すると、皆が思っていたが、今回、その親が資金を出してくれるという女性と結婚することになったと蒲原は伝える。加納は、かがりの煮え切れなさに、怒りをあらわす。寅次郎が加納宅を訪れると、かがりは丹後の実家に帰ったと知らされる。

加納に「よかったら、かがりの様子を見てきてくれ」と頼まれた寅次郎は、丹後まで、かがりを、訪ねていき、帰りの船がなくなったため、かがりの家に舟屋の宿に泊めてもらう。寅次郎にひかれた、かがりだったが、寅次郎は引いてしまう。

翌日、とらやへ帰った寅次郎が「恋のやまい」か、寝込んでしまう。その寅次郎のもとを、かがりが友達と一緒に訪ねて来る。

寅次郎とかがりは、日曜日に鎌倉のあじさい寺(成就院)へデートへ行く事に。デートを前に緊張した寅次郎は無理やり満男を同行させる。そんな満男は寅次郎から「プラモデル買ってやるからついてこい」と友達との釣りの約束をすっぽかされてしまったのだ。様子が気がかりだったさくらは、満男に、デートに同行する最中、時々電話するようにと伝えた。やがて夕方になって江ノ島で酒を酌み交わしながらデートを続けている寅次郎を監視していた満男を気の毒に感じた博は「ついていかせるのがまずかった。大人なんだぞ。兄さんもかがりさんも。甘いんだよ君は」とさくらを諭す中、さくらは夜遅くなりそうだと判断し「一人で帰っておいで」と伝えようとしたが電話が切れてしまった。

かがりは寅次郎に会いたかった印象とは違っていたことに寅次郎は「いつもと同じつもりだけど」と言ってはいた。しかし、恋はまたしても暗礁に乗り上げ、品川でかがりと別れた寅次郎は一人涙を流す。そこでかがりはとらやに電話をかけ「大阪行きの新幹線の最終便で京都に帰ります」と伝えた。所詮はかない恋ははかない恋でしかなかったのだ。

そんな寅次郎は、意気消沈しその日のうちに、旅に出た。その後、加納の内弟子の近藤がとらやを訪ねてきて、加納が寅次郎に与えた茶碗を、借り受けたいと伝える。その日、かがりから届いたはがきには「とても恥ずかしいことをしてしまいましたけど、寅さんならきっと許してくれるはずです」とつづってあった。寅次郎は加納の作品を彦根城の下にある公園玄宮園で商売をしていたところで、たまたま彦根にきていた加納と再会する。

キャスト[編集]

ロケ地[編集]

スタッフ[編集]

記録[編集]

受賞[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]