癇癪玉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

癇癪玉(かんしゃくだま)は花火の一種であり、火薬を利用して大きなを立てて遊ぶための玩具クラッカーボール、投げ弾とも言う。 赤・青・黄などで彩色された直径 7 ~ 8 mm の玉の形をしており、京都名物の「五色豆」に似ている。外皮の中に火薬と小石が入っており、地面にたたきつけたり、踏んだりすると「パン」と大きな音を立ててはじける。ゴム製のパチンコを使用して発射する場合もある。

癇癪玉は平玉火薬と同様に、映画ドラマなどで銃弾が命中したときの特殊効果効果音にも使用される[1]柱やコンクリートの壁など、穴を開けて弾着(特殊効果用の煙火)を仕掛けることのできない物体に対して、パチンコで飛ばして破裂させ、火花と煙を出す効果を得る。

英語圏ではクラッカーボールとも呼ばれ、火薬類取締法施行規則では、癇癪玉は「直径1cm以下、重量1g以下、爆薬量が0.08g以下」である事が定められている[1]。材質は鶏冠石塩素酸カリウムにまぶし、薄紙で包んだものであるとされる[1]。類似した英語名で、音を出す事を目的とした玩具用花火には、他にクリスマス・クラッカーがあるが、癇癪玉が1919年に日本で考案されたものであるのに対して[2]、クリスマス・クラッカーは1847年に英国で考案されたもの[3][4]とされており、爆発音を愉しむ用途は類似しているものの源流は全く異なるものである。両者の英語名の語源である爆竹(ファイアークラッカー)の歴史は更に古く、紀元前200年の中国まで遡る。

癇癪玉の考案者は静岡県のイケブンであるとされるが、当初は「五色玉花火」や「五色玉」と呼ばれていたものが、第二次世界大戦後の対米輸出開始時にクラッカーボールの名称が使われ始めたという[2]。欧米の花火コレクターの間で現存する日本製の玩具花火には、クラッカーボールの他にロケット花火英語版が存在しており、連合国軍占領下の日本における比較的著名な輸出品であった事が偲ばれる[5]

なお、欧米では日本の癇癪玉よりも大きな、アメリカンクラッカーに近い大きさのクラッカーボールも販売されているが、こちらは癇癪玉のように叩き付けて発火させるのではなく、爆竹のように導火線に着火して用いるもので、さしずめ「球型の爆竹」といった趣である[6]。癇癪玉と類似した「衝突させて大きな音を出す玩具花火」では、ハンド・ブラスター(Hand Blaster)と呼ばれるものも存在しており、こちらは2個一組で販売されている球を互いにぶつけあう事で、400回程度大きな音を発生させる事ができるが、癇癪玉のように球全体が破裂する構造ではなく、表面に塗布された火薬がぶつけた個所のみ発火する構造の為、「手の中で発火させても安全」であるとされている[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c クラッカーボール - コトバンク
  2. ^ a b 会社概要 - 株式会社イケブン
  3. ^ Peter Kimpton (2005) Tom Smith's Christmas crackers: an illustrated history, Tempus 0-7524-3164-1
  4. ^ Margaret Baker (1992) Discovering Christmas customs and folklore: a guide to seasonal rites, p.72, Osprey Publishing 0-7478-0175-4
  5. ^ VINTAGE FIREWORKS CRACKER BALL BOX + BABY ROCKET SPARKLERS JAPAN GREAT GRAPHICS - worthpoint.com
  6. ^ Cracker balls - ブラックキャット・ファイアーアワークス
  7. ^ Hand Blasters - House of RAVE

関連項目[編集]