盗塁阻止率

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盗塁阻止のため送球する捕手

盗塁阻止率(とうるいそしりつ)とは、野球におけるデータのひとつ。捕手(キャッチャー)が、盗塁を試みた相手チームの走者(ランナー)を、自分の送球によってアウトにした割合のこと。

概要[編集]

盗塁阻止率 = 盗塁刺 ÷ 企図数

捕手の肩の強さを数値化したものとして評価され、選手能力を示す指標のひとつとしてよく用いられる。

ただし、捕手の強肩が知られている場合、走者はよほどの俊足ランナーがうまく投手のモーションを盗めた場合ぐらいしか盗塁をしようとしないため、盗塁阻止率はさほど高くはならない。つまり、強肩捕手は盗塁走者をアウトにすることではなく、盗塁をさせない事でもチームに貢献している。そのため、捕手を評価するには、盗塁阻止率だけではなくイニングあたり盗塁数も考慮すべきである。また、盗塁を阻止するには、投手との連携や投手自身のクイックモーション及び牽制球の巧拙等にも影響されるため、一概に盗塁阻止率が低いことが捕手のみの責任、とは言い切れない。

前述のように強肩捕手は必ずしも盗塁阻止率が高くはならないが、弱肩捕手では明らかに低い数値となる。特にプロ野球の捕手において、低い盗塁阻止率はその選手の捕手としてのキャリアの終わりを示す。極端に低い盗塁阻止率は、球史に残る大捕手の最終期に記録されることが多い。例として、NPBでは野村克也、MLBではマイク・ピアザが挙げられる。

プロ野球では一般に3〜4割あれば十分、5割あれば驚異的と言われる。公式には1969年から記録されており、それ以前の数字は公式な発表はされていないが、試合ごとの記録(スコアブック)は存在するため、個人による集計などによって一部の選手のものは導出されている。

記録[編集]

日本プロ野球[編集]

シーズン記録盗塁阻止率5割以上[編集]

捕手としての出場試合数が規定試合数(シーズンのチーム試合数の半数以上)に到達している選手が対象。盗塁阻止率が記録されるようになった1969年以降の記録のみを対象とする。

年度 リーグ 所属 選手名 試合 企図数 許盗塁 盗塁刺 阻止率
1976 パリーグ 近鉄 有田修三 124 97 45 52 .536
1970 セリーグ ヤクルト 大矢明彦 88 88 38 50 .568
1972 セリーグ ヤクルト 大矢明彦 119 80 36 44 .550
1974 セリーグ ヤクルト 大矢明彦 130 87 39 48 .552
1976 セリーグ ヤクルト 大矢明彦 121 82 41 41 .500
2012 セリーグ 阪神 小宮山慎二 72 44 22 22 .500
2002 パリーグ ダイエー 城島健司 100 63 31 32 .508
2001 セリーグ 横浜 谷繁元信 137 81 37 44 .543
1969 セリーグ 阪神 田淵幸一 82 58 27 31 .534
1970 セリーグ 阪神 田淵幸一 88 67 30 37 .552
1972 セリーグ 阪神 田淵幸一 114 109 50 59 .541
1973 セリーグ 阪神 田淵幸一 114 79 38 41 .519
1989 セリーグ 中日 中村武志 121 64 31 33 .516
1995 セリーグ 中日 中村武志 94 54 26 28 .519
1979 パリーグ 近鉄 梨田昌孝 108 69 32 37 .536
1978 セリーグ 巨人 福島知春 82 30 11 19 .633
1975 セリーグ 大洋 福嶋久晃 68 47 21 26 .553
1990 セリーグ ヤクルト 古田敦也 106 55 26 29 .527
1991 セリーグ ヤクルト 古田敦也 127 83 35 48 .578
1993 セリーグ ヤクルト 古田敦也 130 45 16 29 .644
1994 セリーグ ヤクルト 古田敦也 76 24 12 12 .500
2000 セリーグ ヤクルト 古田敦也 134 73 27 46 .630
  • シーズン最高盗塁阻止率 セ・リーグ記録は古田敦也(1993年)の.644、パ・リーグ記録は梨田昌孝(1979年)の.536
  • シーズン最低盗塁阻止率 パ・リーグ記録は田上秀則(2010年)の.069、セ・リーグ記録は関川浩一(1994年)の.125

通算盗塁阻止率[編集]

(1969年以降の記録のみ、捕手出場500試合以上)

  選手名 阻止率
1 古田敦也 .462
2 大矢明彦 .433
3 田淵幸一 .422
4 梨田昌孝 .391
5 城島健司 .383

メジャーリーグベースボール[編集]

シーズン盗塁阻止率[編集]

歴代上位5名(チームのシーズン試合数の半数以上に出場したもの)[1]

選手名 所属 年度 試合 企図数 許盗塁 盗塁刺 阻止率
1 シャンティ・ホーガン英語版 ボストン・ブレーブス 1933 95 31 7 24 .774
2 ジョー・アストロス英語版 フィラデルフィア・アスレチックス 1953 79 43 12 31 .721
3 レイ・シャーク シカゴ・ホワイトソックス 1925 125 85 24 61 .718
4 ロベルト・ペレス クリーブランド・インディアンス 2020 32 14 4 10 .714
5 ロイ・キャンパネラ ブルックリン・ドジャース 1951 140 49 15 34 .694

※ 2020年はシーズン60試合

通算盗塁阻止率[編集]

歴代上位5名(通算500試合以上出場)[2]

  選手名 阻止率
1 ロイ・キャンパネラ .574
2 ギャビー・ハートネット .561
3 バディ・ルーサー英語版 .548
4 アル・ロペス .541
5 ミッキー・オニール英語版 .531


脚注[編集]

関連項目[編集]