知恵熱

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知恵熱(ちえねつ)とは生後半年から1年ぐらいの頃の乳児にみられる発熱である。代表的なものとしてヒトヘルペスウイルス6型および7型による突発性発疹に伴う発熱が挙げられる[1]

概要[編集]

乳幼児は脆弱な印象に反し、生後1年頃までの発熱は比較的少ない。これは胎盤を通じ、また出生後は母乳から母親の免疫を分け与えられているためである。しかし1歳ごろには体内からの免疫を失い、その結果として、前述した突発性発疹ウイルス(ヒトヘルペスウイルス6型および7型)をはじめとする種々の病原体感染し、発熱を起こしやすくなる。これは、身近な危険度の低い微生物への免疫を自力で獲得する過程とみることができる。免疫の知識が少なかった時代には、ちょうど乳児が知恵づきだす頃の熱であるとして、この原因不明の発熱を「知恵熱」と呼ぶようになった。英語圏では、歯が生え始める時期の熱という意味で"teething fever"(生歯熱)と呼ばれる。

現在では生後1年前後で保育所へ入所する子も多く、最初の1ヶ月前後は短時間保育を行い徐々に時間を伸ばして慣らしてゆくが、その途上でも発熱を起こしやすい。これは初めて他家の子供を含む外部環境に触れ、家庭内で感染しなかった病原体に接触する機会を持つためと考えられる。家庭内で育った児童が小学校で初めて集団生活する場合にも発熱する事が多い。

誤用[編集]

「知恵熱」という文字面から「頭の使い過ぎによる発熱」という意味で誤用されることが多々ある[2]

脚注[編集]

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  1. ^ 中込治ほか、『標準微生物学』、医学書院、2016年1月15日 第12版 第2刷、422ページの右段の本文の下部
  2. ^ 言葉の誤用 - 意味にご用心