石川歩

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石川 歩
千葉ロッテマリーンズ #12
2014marines 12.jpg
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 富山県魚津市
生年月日 (1988-04-11) 1988年4月11日(30歳)
身長
体重
186 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2013年 ドラフト1位
初出場 2014年3月30日
年俸 1億1,000万円(2018年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム 日本の旗日本
WBC 2017年

石川 歩(いしかわ あゆむ、1988年4月11日 - )は、富山県魚津市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。千葉ロッテマリーンズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

魚津市立本江小学校3年次から本江スポーツ少年団で野球を始める[2]魚津市立西部中学校では軟式野球部に所属した。

富山県立滑川高等学校では硬式野球部に所属。3年夏の県大会はエースとして3試合に先発するも3回戦で富山第一に3対6で敗れ、甲子園出場はならなかった。1学年下に竹嶋祐貴がいる。もともと高校で野球をやめ、服飾関係の専門学校に進むつもりだったが、周囲に勧められ大学のセレクションを受け合格した[3]

中部大学に進学後は1年春から公式戦に出場。2年次には春の大学選手権に出場し全国デビュー。秋にはリーグ戦で3勝を挙げ、さらには大学日本代表候補に選ばれるなど飛躍の年となった。4年次にはエースとしてチームを牽引し、春は最優秀防御率(0.69)、秋には5勝を挙げるなど順調に実績を挙げ、プロからも注目されたが志望届は出さず、社会人野球の強豪・東京ガスへ進んだ。

東京ガス入社後は春のJABA東京スポニチ大会の予選リーグ初戦(かずさマジック戦)でいきなりの公式戦デビュー。5回2失点で社会人初勝利を挙げた。同年の第82回都市対抗野球大会でも一回戦(伯和ビクトリーズ戦)で先発出場したが、3回4失点でノックアウトされた。プロからの注目度も高まった2年目のシーズンは都市対抗でチームは予選で敗退。石川自身も目立った投球が出来ず補強選手にも選ばれなかった。日本選手権も予選敗退と屈辱のシーズンとなり、10月のドラフト会議では指名漏れした。

「プロを意識するあまり、安定した調子を維持しようと練習量を減らしてしまった」[4]と前年を反省して臨んだ3年目は、ウェイトトレーニングやランニングを徹底的に行ったことで球速が150km/hを突破しコントロールも安定感を増した。都市対抗では2試合に先発し15回を投げ被安打8で1失点と安定した投球を見せ、チームを8強に導き大会優秀選手に選ばれた。9月には東アジア競技大会の日本代表に選出され、クローザーとして4試合に登板し計1失点に抑え優勝に貢献。2013年は表彰対象大会で7試合に登板、54回で自責点わずか3に抑え、防御率0.50を記録。年間最優秀防御率表彰を受けた[注釈 1]

2013年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議読売ジャイアンツ千葉ロッテマリーンズの2球団から1巡目指名を受け、抽選の結果ロッテが交渉権を獲得。ドラフト会議を東京都大田区内の東京ガス野球部のクラブハウスで見ていた[5]本人は、抽選を引き当てた伊東勤監督の、クジをひいた右腕を高くあげたガッツポーズ[6]を見て鳥肌がたったと感想を語っている[7][8]11月28日に東京都内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高払5000万円、年俸1500万円で合意し、契約後の記者会見で「これから期待に応えられるような選手になれるように頑張っていきたいと思います」と抱負を語った[9]。背番号は「12」。

ロッテ時代[編集]

2014年のオープン戦では4試合に登板。投球回数19回で打者74人に対し、被安打14、被本塁打2、与死四球5、奪三振11、3自責点、防御率1.42、1勝0敗という成績[10]を残し、同期入団の新人選手、吉田裕太吉原正平井上晴哉と共に開幕一軍スタートとなった[11]。開幕カードの対福岡ソフトバンクホークス3回戦(福岡ヤフオク!ドーム)で先発起用されプロ初登板を果たした。同期入団の吉田裕太とのバッテリーで5回2/3を投げ、被安打8、2失点、自責点0で好投をみせたが勝敗はつかず、チームは3-2で惜敗した[12]。先発2試合目となった、4月6日の対北海道日本ハムファイターズ3回戦(QVCマリンフィールド)で、5回終了時点で34分間の雨天中断などもあったが9回を投げ切り、球数130、被安打3、6奪三振、2与四球、1失点(自責点1)の投球内容で7-1で勝ち、プロ入り初勝利を挙げた。この年の新人投手の先発完投勝利は初で、ロッテの投手でも今季初完投となった。チームの新人が完投でプロ入り初勝利を挙げたのは、2005年の久保康友以来9年ぶり[13]。オフにパリーグの最優秀新人に選出された。富山県出身としては初の新人王である[注釈 2]

2015年は27試合に登板し、12勝12敗 防御率3.27の成績だった。ルーキーイヤーから二年連続で二桁勝利をマークした。

2016年、防御率2.16でパ・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得。勝利数もリーグ2位、チームトップの14勝をあげた。新人がルーキーイヤーから3年連続二桁勝利をするのは球団史上初。10月18日に「侍ジャパン 野球オランダ代表 野球メキシコ代表 強化試合」の日本代表に選出された[14]

2017年、WBCのメンバーにも選出され、3月1日の台湾との壮行試合では好投した。その後1次ラウンドのキューバ戦、2次ラウンドのオランダ戦で先発登板した。シーズンでは不調に陥り二軍落ちも経験。8月8日のソフトバンク戦で3勝[15]を挙げて以降は勝てなくなり、最終的に16試合の登板で3勝11敗と負け越した[16]

選手としての特徴[編集]

常時セットポジションからややインステップ気味に踏み込んで投げ下ろすスリークウォーター投手。まとまった制球と、フォームの安定感には定評があり[17]、クイック・牽制・バント処理なども優れている[6]。投手としてのバランスが良く、岸孝之(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)に似たタイプ[6]。平均球速約142km/h[18]、最速152km/h[19]のストレートと、縦に大きく割れるスローカーブ[20]、左打者の外に逃げていくシンカーなどを軸に投球を組み立てる。シンカーが高く評価されている[21]。他にスライダーも交える。大崩れせずに試合が作れる先発完投タイプ[17][6]の投手で、ロッテの担当スカウトからも、先発ローテーションの一角としての活躍が期待されている[22]

理想は中里篤史の投げるストレートで、「分かっていても打てない球」[23]。石川本人も、自分の武器はストレートだと語っている[8]

人物[編集]

子供の頃から中日ドラゴンズのファンだった[8]。 ドラフト抽選では読売ジャイアンツとの抽選となったが、「これは本当に本心でロッテにひいて欲しかった。(中日の大ファンなので)セ・リーグには行きたくなかった」と入団後のインタビューで語っている[24]。また、バッティングは嫌いなので(投手も打席につく)セ・リーグに行きたくなかったとも「水曜日のダウンタウン」(2016年2月24日放映)で語っている。

富山県出身者でドラフト1巡目指名を受けたのは、鈴木将光(富山市出身、2005年広島1巡目)と中澤雅人(富山市出身、2009年ヤクルト1巡目)に次ぐ史上3人目。外れ1位ではない入札1位としては、また抽選が行われたという点では同県初となった。

契約時の会見で、同じ東京ガス硬式野球部出身の美馬学(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)には負けたくないと語っている[25]

ドラフト当時、身長186cm、体重73kgとかなりの細身だったが、この体重ではプロで戦うには厳しいと入団までの2か月間に食事量とウエートトレーニングを増やし、新人合同自主トレ開始時には体重を81kgまで増やした。それまで着ていた服はほとんど着られなくなったという[26]

ロッテのチームメイトからは、石川という苗字から「五エ門さん」と呼ばれている[27]。ヒーローインタビューでは、石川五右衛門の名科白にちなんで「絶景です」が決め台詞となっている[28][29]

趣味はゴルフ。ベストスコアは90台前半という[13]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2014 ロッテ 25 25 2 1 1 10 8 0 0 .556 669 160.0 165 10 37 0 4 111 3 0 72 61 3.43 1.26
2015 27 27 3 2 0 12 12 0 0 .500 751 178.2 191 15 34 0 5 126 2 0 68 65 3.27 1.26
2016 23 23 5 3 1 14 5 0 0 .737 643 162.1 142 16 22 0 6 104 4 0 40 39 2.16 1.01
2017 16 16 1 0 1 3 11 0 0 .214 424 97.1 113 9 23 0 2 73 0 0 62 55 5.09 1.40
通算:4年 91 91 11 6 3 39 36 0 0 .520 2487 598.1 611 50 116 0 17 414 9 0 242 220 2.96 1.22
  • 2017年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



投手












2014 ロッテ 25 6 31 1 2 .974
2015 27 11 26 0 1 1.000
2016 23 10 30 2 1 .952
2017 16 12 24 2 3 .947
通算 91 39 111 5 7 .968
  • 2017年度シーズン終了時

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

投手記録
打撃記録
その他記録

背番号[編集]

  • 12 (2014年 - )

登場曲[編集]

代表歴[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 同年防御率1点未満を記録したのは石川のほか東明大貴富士重工業オリックス・バファローズドラフト2巡目指名)の2人のみ。
  2. ^ 前年、富山出身で9勝をあげたロッテ西野勇士が逃したタイトルだった。

出典[編集]

  1. ^ ロッテ - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2018年5月29日閲覧。
  2. ^ “石川投手「1位」に歓喜 ロッテ交渉権”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2013年10月25日). オリジナル2013年10月26日時点によるアーカイブ。. http://archive.is/bdKJy 
  3. ^ 朝日新聞2014年11月27日)記事。
  4. ^ 『グランドスラム』、41巻、小学館、2013年、93頁。ISBN978-4-09-102377-3
  5. ^ ドラフト:ロッテ1位の石川「まさか自分が」も満面の笑み”. 毎日新聞(毎日.jp)  (2014年10月24日). 2014年3月28日閲覧。
  6. ^ a b c d ロッテ1位石川に伊東監督2桁勝利指令”. 日刊スポーツ  (2014年10月25日). 2014年3月28日閲覧。
  7. ^ ロッテドラ1・石川、伊東監督ガッツポーズに鳥肌/ドラフト”. サンケイスポーツ  (2014年10月25日). 2014年3月28日閲覧。
  8. ^ a b c ロッテ1位石川「指名瞬間は鳥肌立った」 ”. 日刊スポーツ (2013年10月24日). 2014年3月31日閲覧。
  9. ^ 千葉ロッテ ドラフト1位 石川投手(滑川高出身)球団と契約”. チューリップテレビニュース  (2014年11月28日). 2014年3月28日閲覧。
  10. ^ 2014年度千葉ロッテマリーンズ 個人投手成績(オープン戦)”. 日本プロ野球機構 (2014年3月23日). 2014年3月28日閲覧。
  11. ^ ロッテ、新人4人を開幕1軍正式決定「本当に新人が頑張った」”. サンケイスポーツ (2014年3月26日). 2014年3月28日閲覧。
  12. ^ ドラ1石川粘投実らず 伊東監督「3連敗は想定外」 ”. スポーツニッポン (2014年3月31日). 2014年3月31日閲覧。
  13. ^ a b ロッテ3連勝!アー君、新人一番乗りで完投勝利「素直にうれしい」”. サンケイスポーツ (2014年4月7日). 2014年4月7日閲覧。
  14. ^ 11月に東京ドームで開催する侍ジャパン強化試合に出場する選手28名が決定 野球日本代表 侍ジャパン オフィシャルサイト (2016年10月18日) 2016年10月18日閲覧
  15. ^ ロッテ石川3勝もロング登板できず「申し訳ない」日刊スポーツ 2017年8月8日掲載
  16. ^ ロッテ石川2000万減「自分の実力ぐらいが出た」日刊スポーツ 2017年12月8日掲載
  17. ^ a b 【ロッテ1位】巨人と競合も…石川歩 試合作れる150キロ本格派右腕”. スポーツニッポン (2013年10月24日). 2014年3月31日閲覧。
  18. ^ 1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc.
  19. ^ “ロッテ石川、復帰戦2失点も初黒星「粘らないと」”. 日刊スポーツ. (2016年4月19日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1634479.html 2016年12月21日閲覧。 
  20. ^ 【ロッテ1位・石川が入団合意 「1年目からローテに」 ”. MSN産経ニュース (2013年11月28日). 2014年3月31日閲覧。
  21. ^ “里崎氏、侍石川のシンカーは「海外相手に十分通用」”. 日刊スポーツ. (2017年2月27日). http://www.nikkansports.com/baseball/wbc/2017/news/1784774.html 2017年3月7日閲覧。 
  22. ^ ロッテ急転!1位指名は東京ガス・石川 巨人と一騎打ち”. スポーツニッポン (2013年10月24日). 2014年3月31日閲覧。
  23. ^ 【キーマン直撃インタ】Mドラ1石川 「火の玉」への挑戦 ”. スポーツ報知 (2014年2月1日). 2014年3月31日閲覧。(リンク切れ)
  24. ^ 石川歩インタビュー ”. JCN 千葉ロッテ応援番組 ロッテレビmarinesfreaks (2014年4月6日). 2014年4月10日閲覧。
  25. ^ ロッテ1位の石川が入団合意 「直球を見てほしい」 ”. 日本経済新聞 (2013年11月28日). 2014年3月31日閲覧。
  26. ^ ロッテD1・石川、“大食い戦法”でプロ仕様8キロ増量! ”. サンケイスポーツ (2014年1月10日). 2014年3月31日閲覧。
  27. ^ ロッテ新人石川4回0封 開幕ローテ当確日刊スポーツ 2014年3月3日付
  28. ^ ““マリンの五右衛門”石川 G斬って大見え切った「絶景かな」”. スポーツニッポン. (2014年5月25日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/05/25/kiji/K20140525008230280.html 2016年10月20日閲覧。 
  29. ^ ““ロッテ石川リアル2冠「絶景です!」音量も自己最高”. 日刊スポーツ. (2016年6月8日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1659788.html 2016年10月20日閲覧。 
  30. ^ 2014年度 日本プロスポーツ大賞 授賞者”. 日本プロスポーツ大賞. 公益財団法人日本プロスポーツ協会. 2017年11月25日閲覧。

関連項目[編集]