神鋼環境ソリューション

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株式会社神鋼環境ソリューション
KOBELCO ECO-Solutions CO.,Ltd.
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KOBELCO ECO-Solutions Headoffice.jpg
神鋼環境ソリューション本社
種類 株式会社
市場情報
略称 神鋼環境
本社所在地 日本の旗 日本
651-0072
兵庫県神戸市中央区脇浜町1-4-78
設立 1954年昭和29年)6月1日
業種 機械
法人番号 4140001008256
事業内容 水処理関連事業,廃棄物処理関連事業,化学・食品機械関連事業,技術開発関連
代表者 取締役社長 粕谷強
資本金 60億2000万円
発行済株式総数 8060万株
売上高 (単体)750億5000万円
(連結)830億500万円
(2016年3月31日現在)
経常利益 (単体)45億2200万円
(連結)36億2400万円
(2016年3月31日現在)
純利益 (単体)34億7900万円
(連結)22億1900万円
(2016年3月31日現在)
純資産 (単体)208億6600万円
(連結)222億6000万円
(2016年3月31日現在)
総資産 (単体)673億7300万円
(連結)739億7900万円
(2016年3月31日現在)
従業員数 (単体)1147名, (連結)2187名
(2016年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 株式会社神戸製鋼所(59.07%)
みずほ信託銀行株式会社(21.11%)
主要子会社 神鋼環境メンテナンス株式会社
株式会社イー・アール・シー高城
外部リンク 公式サイト
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株式会社神鋼環境ソリューション(しんこうかんきょうソリューション、: Kobelco Eco-Solutions Co.,Ltd.)は、日本の大手環境プラントメーカー企業神戸製鋼グループに属し、グループ内の環境事業を担っている。上下水道における水処理装置の製造・販売をはじめとして、ガス化溶融炉などのごみ焼却プラントなども手掛けている。国外では、ベトナムインドにも海外進出している[1][2]

概要[編集]

1954年昭和29年)神戸製鋼所と米国ファウドラー社との合弁「神鋼ファウドラー株式会社」が前身。「神鋼パンテック株式会社」(1989年に社名変更)は、グラスライニング機器の生産で世界トップの技術を持ち、水処理を主軸に、排気ガスポリ塩化ビフェニール(PCB)、ダイオキシン産業廃棄物などの処理事業へ拡大。2003年平成14年)神鋼の都市・環境事業部門を統合し「神鋼環境ソリューション」となった。

業界に先駆ける戦略、技術力[編集]

神鋼の副社長(都市環境・エンジニアリングカンパニー執行社長)から神鋼パンテック代表取締役社長に就任し、今回の統合を手がけた平田泰章神鋼環境ソリューション初代社長は、業界に先駆けた再編戦略の一環として、水処理ビジネス、特に外国向けの海水淡水化土壌浄化事業も推進。その売上目標を「5年後に連結売上高1000億円、経常利益80億円」と大きく掲げた。この目標を「神鋼の事情による統合」と批評した業界だったが、その2年後、鉄鋼や重工、造船など大手14社が全て環境事業の再編に乗り出し、戦略の先見の明が証明された[3][4]

2006年には、廃棄塩化ビニール樹脂を再原料化する工場を千葉県富津市に開設した。特殊な有機化合物溶剤を使い、塩ビだけを溶かすことで、「初期原料のバージン材と同等レベル」の高品質な純度ほぼ100%の塩ビを回収・再生できる日本初の工場(世界でもイタリアに続く2例目)として注目を集める[5]

また、2014年9月8日、バイオ燃料として有望視とされる単細胞生物ミドリムシを量産する新技術を確立したと発表。外部から有機物を与える「従属栄養培養」方式で、光合成培養と比べ、生産量が数百倍になり[6]、「強い日光がなくても、どんな場所でも量産可能」といい、まず食料品向けに供給。2020年以降、ジェット燃料などのバイオ燃料としても販売する計画といい、環境事業以外でも技術力に定評がある[7]2013年、ベトナムのホーチミン市に隣接のロンアン省で水インフラ事業に参入。ロンアン省給水公社や神戸市、神戸すまいまちづくり公社、神戸市水道サービス公社と特別目的会社を設立したが、官民の連携で施設建設を含めた水インフラ事業の展開は、日本の地方自治体として初の試みとなっている[8]

なお、神鋼環境ソリューションの筆頭株主で神鋼グループの中核企業・神戸製鋼所は第一勧銀グループ三和グループに属し三金会・三水会みどり会に加盟しているが[9][10]、神鋼環境ソリューションは三和系企業で構成されているみどり会のみに加盟している[10]

事業所所在地[編集]

本社・支社・支店[編集]

製造拠点[編集]

研究所[編集]

  • 技術研究所 - 兵庫県神戸市西区室谷1丁目1-4

事業部門・主な製品[編集]

  • 水処理
  • 廃棄物(バイオマス)
  • 廃棄物処理・リサイクル
  • 冷却塔
  • プロセス関連機器
  • 環境分析

沿革[編集]

  • 1946年昭和21年)11月 - 神戸製鋼所琺瑯部として発足
  • 1954年6月 - 神戸製鋼所と米国フアウドラー社との技術提携・共同出資により、神戸製鋼所琺瑯部を分離独立させて、「神鋼フアウドラー株式会社」を設立
  • 1957年12月 - 水処理装置のビジネスに参入
  • 1962年3月 - 冷却塔のビジネスに参入
  • 1962年11月 - 下水・有機処理装置のビジネスに参入
  • 1976年7月 - 播磨工場竣工
  • 1989年平成元年)10月 - 「神鋼パンテック株式会社」に社名変更
  • 1992年4月 - 播磨工場を播磨製作所に改称。神戸ハイテクパーク(神戸市西区)内に技術研究所を設立
  • 1994年8月 - 大証二部に上場
  • 1999年1月 - PCB処理ビジネスに参入
  • 1999年4月 - 環境分析センターを設立
  • 2001年(平成13年)2月 - 新本社ビル竣工
  • 2003年10月1日 - 神戸製鋼所の環境ビジネス部門を統合し、「株式会社神鋼環境ソリューション」(現社名)に変更
  • 2005年6月 - 播磨製作所にて、PCB無害化処理施設向けSD供給事業を開始
  • 2005年12月 - 廃棄物管理型最終処分場の営業を開始
2006年5月 - 千葉県富津市に、廃棄塩化ビニール樹脂の再原料化工場を開設。日本初、純度ほぼ100%で塩ビを回収・再生[11]
  • 2009年4月 - ベトナム・ホーチミンに事務所を設立
  • 2010年1月 - ドイツに事務所を設立
  • 2010年10月 - 神戸市東灘処理場にて、下水道バイオガスの都市ガス管への注入を開始
  • 2010年11月15日 - ベトナム現地法人「コベルコ・エコソリューションズ・ベトナム」を設立[1]
  • 2011年2月28日 - インド合弁会社「ジンダル アイティーエフ コベルコ エコ リミテッド」を設立[2]
  • 2011年4月 - 「西秋川衛生組合」(東京都)から「流動式ガス化溶融炉」などを受注[12]
  • 2011年8月 - 芳賀地区広域行政事務組合(栃木県真岡市など)から広域ごみ処理施設の建設と運営を受注[13]
  • 2012年3月 - インドのバンガロール市で水処理システムを受注。バンドー化学の自動車用ベルト生産工場向け[14]
  • 2013年 - ベトナムのロンアン省で水インフラ事業に参入。ロンアン省給水公社や神戸市などと特別目的会社を設立[15]
  • 2013年7月 - 大証と東証の現物株市場統合に伴い、東証二部に上場
  • 2013年9月 - 岐阜羽島ごみ焼却施設において運転日報データ改ざん
  • 2013年10月 - 姫路市の汚泥処理場で排ガス濃度データ改ざん
  • 2018年3月 - 水処理薬剤の性能でデータ不正

関連会社・事業会社[編集]

  • 神鋼環境メンテナンス
  • 神鋼環境エルスタッフ
  • イー・アール・シー高城
  • 豊田環境サービス
  • 加古川環境サービス
  • たかお環境サービス
  • 生駒環境サービス
  • 芳賀環境サービス
  • Hydrotek Eco Japan
  • KOBELCO ECO-Solutions VIETNAM CO.,Ltd.
  • JINDAL ITF KOBELCO ECO LIMITED

脚注・出典[編集]

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  1. ^ a b ベトナム現法 開業式典開催 神鋼環境ソリュー(産業新聞 2011年1月7日 2面)
  2. ^ a b 神鋼環境ソリューション インドに合弁会社 水処理施設を製造販売(神戸新聞 2011年4月26日 10面)
  3. ^ フジサンケイ ビジネスアイ 2004年11月1日朝刊【アイマイク】神鋼環境ソリューション社長・平田泰章さん
  4. ^ 【公共部門研究】 2009/10月号 特集・連載1)事業再編成 環境事業部門<ごみ処理プラント・水処理プラント
  5. ^ フジサンケイ ビジネスアイ2006年5月31日朝刊「神鋼系の塩ビ再原料化工場開業 世界2例目、新回収法」
  6. ^ 産経新聞「産経ニュース」2014年9月21日 【スゴ技ニッポン】ユーグレナ(ミドリムシ)の量産化に成功 28年度にまず食品向け 神鋼子会社
  7. ^ フジサンケイ ビジネスアイ2014年9月17日朝刊「ミドリムシ 大手相次ぎ活用 食品、燃料 新たな量産技術確立」
  8. ^ 産経新聞2013年1月31日朝刊「ベトナム工業団地で水インフラ事業参画 神戸市、民間と連携」
  9. ^ 六大企業集団の無機能化 - 同志社大学学術情報検索システム内にあるPDFファイル。筆者は経済学者の田中彰。
  10. ^ a b メンバー会社一覧 - みどり会
  11. ^ フジサンケイ ビジネスアイ 2006年5月31日朝刊「神鋼系の塩ビ再原料化工場開業 世界2例目、新回収法」
  12. ^ 神鋼環境ソリュ ゴミ処理施設を受注 東京の衛生組合 管理・運営も担う(神戸新聞 2011年4月16日 12面)
  13. ^ 芳賀地区に流動床炉 神鋼環境ソリューション 維持・管理も同時受注(循環経済新聞 2011年7月18日 7面)
  14. ^ 産経新聞2012年3月29日朝刊「神鋼環境、インドで水処理施設受注」
  15. ^ 産経新聞2013年1月31日朝刊「ベトナム工業団地で水インフラ事業参画 神戸市、民間と連携」

参考文献[編集]

  • CO2削減に"商機"鉄鋼メーカーの取り組み (鉄鋼新聞 2011年7月6日 3面)
  • 都市資源 エネルギーに変身 (産経新聞 2011年10月8日 10面)

関連項目[編集]