福徳岡ノ場

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福徳岡ノ場
福徳岡ノ場の位置(日本内)
福徳岡ノ場
福徳岡ノ場 (日本)
頂上深度-25 m
所在地
所在地南硫黄島の北北東約5 km
座標北緯24度17分16秒 東経141度28分55秒 / 北緯24.28778度 東経141.48194度 / 24.28778; 141.48194
地質
種別海底火山
火山/伊豆・小笠原・マリアナ島弧
NASA人工衛星から観測された福徳岡ノ場の変色水(2010年2月)

福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)は、北緯24度17分6.0秒 東経141度28分54.0秒 / 北緯24.285000度 東経141.481667度 / 24.285000; 141.481667 (福徳岡ノ場)座標: 北緯24度17分6.0秒 東経141度28分54.0秒 / 北緯24.285000度 東経141.481667度 / 24.285000; 141.481667 (福徳岡ノ場)南硫黄島の北約5km[注 1])に位置する粗面安山岩質の海底火山であり、北福徳カルデラ内の中央火口丘である。

有史以来たびたび噴火し、時には海面上に新しい島を形成するまでに成長して「新硫黄島」と呼称されていた。しかし波浪により海没し、2010年の時点では島はなく最浅水深25mほどのギヨーとなっていた[1]。その後も海上保安庁海上自衛隊による調査が行われており、2007年、2008年[2]、2010年[3]、2013年[4]にも変色水が観測された。

気象庁の説明(2021年時点)によると、明治以降で噴火が少なくとも7回確認され、1986年までに島が3回生まれて消滅し、2021年にも新島が形成された[5]。波浪の浸食などで福徳岡ノ場の新島が消滅しやすいのは、溶岩でなく軽石が積もってできているためである(産業技術総合研究所の見解)[5]

福徳岡ノ場という名称の正確な由来は不明であるが、福徳丸という漁船が発見したことに由来するとの説が有力である。海底火山は天然の魚礁としての役割を持ち、漁船にとっては漁場としての価値を持つ。明治以降、南方での漁場開拓が進められ、発見された海底地形には漁場としての観点から、発見した船の名をとって「(船名)ノ場」という名称が付けられることが多かった。福徳岡ノ場は比較的水深の浅い場所であることから「岡ノ場」と名づけられたと考えられている[6][7]

年表[編集]

噴煙が上昇、内部から噴石が放出され、コックステール形状を呈している(1986年1月21日、海上保安庁による撮影[1])。
  • 1904年 - 1905年:海底噴火により高さ145 m、周囲約4.5 kmのほぼ円形の島が形成される[8]。1905年6月には高さ3 m弱まで小さくなり、やがて暗礁になる。
  • 1914年:1月に海底噴火により高さ300 m、周囲11.8 kmの島が形成される[8]。年末には各所で崩壊が始まる。
  • 1916年:島が海没する。
  • 1986年:1月に海底噴火によって島が形成されたが、3月末までの短期間で島は海没する[8]
  • 2005年:7月2日の海底噴火により、高さ1,000 m、直径50 - 100 mの巨大な水蒸気柱ができる。
  • 2007年:12月1日、気象庁が噴火警報の発表を開始。以後「周辺海域警戒」を継続。
  • 2008年:2月頃より数ヶ月にわたり変色水を確認[2]
  • 2010年:2月3日の海底噴火により、周囲で噴煙や変色水等が観測される[3][9]
  • 2013年:9月27日、海上自衛隊の観測で、半径450 mの範囲に海水面の緑色の変色と海面への白い泡の噴出を確認[4]
  • 2020年:2月4日、海上保安庁の観測で、黄緑色の変色水を確認。
  • 2021年:8月13日、海底噴火により、噴煙を観測。高さは約17,000 m。火山雷も観測された。火山灰バシー海峡を越えて南シナ海東北部に到達した[10]。8月15日に海上保安庁の観測で、直径1 km程の新島が確認される[11]

ギャラリー[編集]

全て、海上保安庁により1986年1月20日に撮影[1]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 日本の領海内にあるため、新島が再出現した場合には添付にあたり、日本が領域権原原始取得することになる。

出典[編集]

  1. ^ a b c 福徳岡ノ場”. 海域火山データベース. 海上保安庁海洋情報部. 2017年8月28日閲覧。
  2. ^ a b 平成20年(2008年)の福徳岡ノ場の火山活動”. 気象庁地震火山部 火山監視情報センター. 2021年8月16日閲覧。
  3. ^ a b 南硫黄島近海で白煙、新島出現の可能性も”. 読売新聞 (2010年2月4日). 2010年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月25日閲覧。
  4. ^ a b 阿蘇山噴火の可能性 9月の火山活動 気象庁”. ハザードラボ. 2014年3月11日閲覧。
  5. ^ a b “小笠原諸島付近で新島を確認…11年ぶり噴火の海底火山、過去3回は「島」消滅”. 読売新聞. (2021年8月16日). オリジナルの2021年8月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210818094144/https://www.yomiuri.co.jp/science/20210816-OYT1T50202/ 2021年8月18日閲覧。 
  6. ^ “【解説】日本に新しい島が誕生!?島の名前は?住める?生き物の楽園に?”. TBS NEWS (TBSテレビ). (2021年8月23日). オリジナルの2021年8月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210824121723/https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4342786.htm 
  7. ^ “都心から約1300km! 海底火山「福徳岡ノ場」の噴火に熱視線が送られる理由”. アーバン ライフ メトロ (メトロアドエージェンシー). (2021年8月22日). オリジナルの2021年8月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210821232558/https://urbanlife.tokyo/post/64874/ 
  8. ^ a b c 福徳岡ノ場 有史以降の火山活動”. 気象庁. 2021年8月16日閲覧。
  9. ^ “福徳岡ノ場の海底噴火”. かいほジャーナル (海上保安庁) 42 (2010年春号): 1. (2010-03-26). http://web.archive.org/web/20130824231042/http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kaiho-journal/kaiho-journal42.pdf 2013年12月25日閲覧。. 
  10. ^ Volcanic Ash Graphic Initial 142100UTC August 2021”. VAAC Tokyo. 2021年8月14日閲覧。
  11. ^ “海底火山の福徳岡ノ場で新島確認 過去は海没、噴石に警戒”. 共同通信. (2021年8月16日). オリジナルの2021年8月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210816121518/https://nordot.app/799915617692450816 2021年8月16日閲覧。 

参考文献[編集]

  • 加藤祐三『軽石 : 海底火山からのメッセージ』八坂書房、2009年。ISBN 978-4-89694-930-8。

関連項目[編集]