福田純

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
ふくだ じゅん
福田 純
生年月日 (1923-02-17) 1923年2月17日
没年月日 (2000-12-03) 2000年12月3日(77歳没)
出生地 中華民国の旗 中華民国吉林省長春県(現・長春市
職業 映画監督
テンプレートを表示

福田 純(ふくだ じゅん、1923年2月17日[1] - 2000年12月3日[1])は日本映画監督脚本家満州出身。日本大学芸術学部卒業。

来歴[編集]

1923年中国吉林省長春県(現・長春市)で生を受ける。父が南満州鉄道に勤務していたため、幼少期を満州で過ごす。日本大学に進学したが、講義にはほとんど出ず、1日の大半を読書と映画鑑賞に費やしていた。

1946年東宝の助監督募集を聞いて試験に参加し、200人が応募する中で合格。稲垣浩本多猪四郎らの助監督を務めながら[2]、映画製作に必要なスタッフや出演者間のスケジュールの調整、予算の管理などのノウハウを得る。東宝争議の際には、地方ロケ中だったために争議には直接巻き込まれず、社の収入を確保するために一緒だったスタッフや俳優と共に、即席の劇団を組んでいる。1959年、『恐るべき火遊び』で監督に昇進[3][1][4]。それ以降、東宝において映画黄金期から斜陽期にかけ、若大将シリーズなどの青春映画、ゴジラシリーズをはじめとする特撮映画、アクション映画、コメディ映画など、多様なジャンルの作品を監督した[1]

1977年公開の『惑星大戦争』を最後に東宝との専属契約を解除、翌年に国際放映制作のテレビ映画『西遊記』のメイン監督を務めヒットさせる[注釈 1]。その後は映画プロを設立し、『世田谷文化人シリーズ』などのドキュメンタリー映画の製作に余生を費やした[1]

2000年12月3日肺癌のため死去。77歳没。

人物[編集]

軽快な演出を持ち味としており、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』と『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』と『ゴジラ対メカゴジラ』ではシリーズで恒例の伊福部昭ではなく佐藤勝に作曲を依頼しているが、「伊福部さんだとどうしても重くなっちゃうんで、佐藤さんにやってもらいました」と評している。また、特撮映画では特撮班と綿密に打ち合わせをするタイプではなく、『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』で特技監督を担当した有川貞昌には「本多猪四郎監督と比べて画面を合わせるのに苦労した」と評されている。

電送人間』で特撮作品の監督に起用されたのは、それまで東宝特撮のほとんどを手掛けてきた本多猪四郎一人ではスケジュールなどの問題が生じやすいためであったといい、プロデューサーの田中友幸からは本多以外のSF路線を育成したいとして白羽の矢を立てられたという[2]

『ゴジラの息子』については、自身の息子に対する想いが投影されたのかもしれないと述べている[2]

俳優の鶴田浩二とは、鶴田が東宝に移籍して初出演した映画『男性No.1』で監督助手として出会って以来縁があり、別の作品で鶴田が出演辞退を申し出た際には福田がこれを取りなし、親交を深めていった[4]。福田が監督昇進した『恐るべき火遊び』では、鶴田が自ら参加を申し出てワンカットだけ出演し、続く『電送人間』では主演を務めた[4]。後者について福田は、プロデューサーの田中友幸が両者の仲を知っていて采配したのではないかと語っている[2][4]

主な作品[編集]

映画[編集]

未制作作品[編集]

テレビ[編集]

著書[編集]

  • 染谷勝樹と共著 『東宝映画100発100中! 映画監督福田純』(ワイズ出版) ISBN 4898300634

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 同作は東宝が特撮を担当。
  2. ^ 脚本も担当[5]
  3. ^ 最後の映画監督作品。
  4. ^ 脚本も共同執筆[7]
  5. ^ 福田以下、参加予定であったスタッフは『惑星大戦争』へスライドした[10]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 井上英之「追悼・故福田 純 監督」『宇宙船』Vol.95、朝日ソノラマ、2001年3月1日、 139頁、 雑誌コード:01843-03。
  2. ^ a b c d ゴジラ大全集 1994, p. 152, 「SPECIAL INTERVIEW 心がけたアクション演出 福田純」
  3. ^ ゴジラ大全集 1994, pp. 58-59, 「東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 特撮路線の確立」
  4. ^ a b c d 東宝特撮映画大全集 2012, p. 49, 「『電送人間』撮影秘話」
  5. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 157, 「『ゴジラ対メガロ』作品解説」
  6. ^ 未発表資料アーカイヴ 2010, pp. 350, 446.
  7. ^ a b c 東宝特撮映画大全集 2012, p. 10, 文 鈴木宣孝「『透明人間』撮影秘話-特別編- 幻の企画『透明人間対火焔人間』」
  8. ^ 未発表資料アーカイヴ 2010, pp. 373, 447.
  9. ^ 未発表資料アーカイヴ 2010, p. 15.
  10. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 199, 「『惑星大戦争』撮影秘話」

参考文献[編集]

  • 田中文雄『神を放った男 映画製作者田中友幸とその時代』キネマ旬報社、1993年。ISBN 4-87376-070-4。
  • テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
  • 『「ゴジラ」東宝特撮未発表資料アーカイヴ プロデューサー・田中友幸とその時代』木原浩勝、清水俊文、中村哲 編、角川書店、2010年。ISBN 978-4-04-854465-8。
  • 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。